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魔剣士誕生編
ep16 パーティー①
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そしてパーティー当日......。
ラキアード家の屋敷一階の広間で、パーティーが開かれた。
人数は......ざっと百人ぐらいは集まっているだろうか。
男女比は、女性の方が多い。
点在する料理の置かれたテーブルのまわりを、酒のグラスを持ちながら談笑する人々。
椅子はあるが、ほとんどの人間が立っているように見える。
「こんなの、はじめてだな......」
今までの自分では想像もできなかったようなリア充空間。
その主催者のひとりが俺。
否が応でも次々と声をかけられる。
「クローさん!はじめまして!お会いできて光栄です」
「あ、うん!こちらこそ」
「お若いのに、こんな立派な屋敷の主なんですね!」
「は、はい!」
「クローさん。ミックに聞いていたより、実物はもっとステキですね!」
「そ、そうですか?」
悪くない気分だ。
見た目と金と家柄が変わればこうも変わるものなのか?
なんて思うと一瞬フテくされた気持ちにもなったが、すぐに心地よくなった。
まあ、人間なんてそんなものなんだろう。
「そんなことよりも......」
今の俺には他の何よりも重大なことがある。
「ナオミ......」
会場のどこにも、彼女の姿はない。
ミックの話では、
「クロー、良かったな。ナオミの参加も取りつけることができたぞ!おれとナオミには共通の知り合いがいたんだよ。そいつがナオミを連れてきてくれるってさ」
とのことで、
「当日は遅れてくるんだと。そんで時間になったらおれがいったん出てって、そいつとナオミを迎えに行くことになっている。まっ、クローは安心して待っていてくれよ」
ということになっていた。
なんでミックが迎えに行くんだ?直接来ればいいんじゃね?と思ったが、そんなことはどうでもいい。
ナオミさえ来てくれればそれでいいんだから。
「はやく、会いたいなぁ......」
ミックがナオミを迎えに出ていったのはつい先ほどのこと。
わかってはいても、はやる気持ちは抑えられない。
俺は俺のナオミ姫が現れるのをまだかまだかと待ちきれないでいる。
「ナオミ......」
まわりには今、可愛い女の子がたくさんいる。
でも、目に入らない。
ナオミのことで頭がいっぱいだから。
俺はそわそわしながらミックが戻ってくるのを待った。
「まだかな......」
しかし......来ない。
もう二十分ぐらい経ったか?
そろそろ来てもいい頃だろう。
「おそい......」
俺はイラ立ちはじめている。
話半分でまわりと会話をしながら気分を紛らわせていたが、もう限界だ。
「ちょっと、席外すね...」
テーブルにグラスを置くと、なにか用事でも思い出したように俺はそそくさと退室した。
玄関に向かう途中、廊下ですれ違った使用人に、
「クローさま?どちらに?」
と声をかけられたが、顔も向けずに、
「ちょっと」
とだけ言って、さっさと表に出た。
ラキアード家の屋敷一階の広間で、パーティーが開かれた。
人数は......ざっと百人ぐらいは集まっているだろうか。
男女比は、女性の方が多い。
点在する料理の置かれたテーブルのまわりを、酒のグラスを持ちながら談笑する人々。
椅子はあるが、ほとんどの人間が立っているように見える。
「こんなの、はじめてだな......」
今までの自分では想像もできなかったようなリア充空間。
その主催者のひとりが俺。
否が応でも次々と声をかけられる。
「クローさん!はじめまして!お会いできて光栄です」
「あ、うん!こちらこそ」
「お若いのに、こんな立派な屋敷の主なんですね!」
「は、はい!」
「クローさん。ミックに聞いていたより、実物はもっとステキですね!」
「そ、そうですか?」
悪くない気分だ。
見た目と金と家柄が変わればこうも変わるものなのか?
なんて思うと一瞬フテくされた気持ちにもなったが、すぐに心地よくなった。
まあ、人間なんてそんなものなんだろう。
「そんなことよりも......」
今の俺には他の何よりも重大なことがある。
「ナオミ......」
会場のどこにも、彼女の姿はない。
ミックの話では、
「クロー、良かったな。ナオミの参加も取りつけることができたぞ!おれとナオミには共通の知り合いがいたんだよ。そいつがナオミを連れてきてくれるってさ」
とのことで、
「当日は遅れてくるんだと。そんで時間になったらおれがいったん出てって、そいつとナオミを迎えに行くことになっている。まっ、クローは安心して待っていてくれよ」
ということになっていた。
なんでミックが迎えに行くんだ?直接来ればいいんじゃね?と思ったが、そんなことはどうでもいい。
ナオミさえ来てくれればそれでいいんだから。
「はやく、会いたいなぁ......」
ミックがナオミを迎えに出ていったのはつい先ほどのこと。
わかってはいても、はやる気持ちは抑えられない。
俺は俺のナオミ姫が現れるのをまだかまだかと待ちきれないでいる。
「ナオミ......」
まわりには今、可愛い女の子がたくさんいる。
でも、目に入らない。
ナオミのことで頭がいっぱいだから。
俺はそわそわしながらミックが戻ってくるのを待った。
「まだかな......」
しかし......来ない。
もう二十分ぐらい経ったか?
そろそろ来てもいい頃だろう。
「おそい......」
俺はイラ立ちはじめている。
話半分でまわりと会話をしながら気分を紛らわせていたが、もう限界だ。
「ちょっと、席外すね...」
テーブルにグラスを置くと、なにか用事でも思い出したように俺はそそくさと退室した。
玄関に向かう途中、廊下ですれ違った使用人に、
「クローさま?どちらに?」
と声をかけられたが、顔も向けずに、
「ちょっと」
とだけ言って、さっさと表に出た。
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