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ep84 ドッキドキ♡初デート④
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「本当に貴女はいい加減にしてください!」
「ご、ごめんなさい」
「どうせ貴女のことだから自分からは這い出ようとしないでしょうから私が無理矢理引きずり出しましたが、面倒かけないでください!」
「ご、ごめんなさい」
ネーコがイヌヨを叱りつけている。
二人ともびしょびしょだ。
海に飛び込んだネーコは迅速にイヌヨを救助し、それから俺たちはすぐその場を離れた。
騒ぎに巻き込まれると面倒だからだ。
「まったく服も体もびしょ濡れですよ!私を濡らしてイイのはフミヒロ様だけです!」
「それどういう意味!?」
などとやり取りしつつ......。
俺とネーコはイヌヨのことは路上に放っぽり出して、次のスポットに移動した。
「さあ、フミヒロ様!夕方になりイイ感じになって参りました!観覧車に乗りましょう!」
......ということで、俺はネーコとふたり観覧車に乗りこんだ。
まだ小さい子供の頃、親と一緒に乗った時以来だ。
「なんだかドキドキしますね!」
ネーコは嬉しそうに微笑んだ。
ここに来る途中で買ったガーリーなワンピースに着替えていたネーコ。
その彼女をあらためて見て、俺もドキッとする。
(か、かわいい......)
いや、すでに列へ並んでいる時からドキドキしていた。
周りを見渡したら...ほとんどカップルしかいないし!
つまり、今この状況を客観的に見れば、俺とネーコも完全にカップルとしか見えないということ!
「フミヒロ様。お隣、いいですか?」
ふいにネーコが立ち上がって俺の隣に座ってきた。
「徐々に上がってきましたね」
そう言いながら俺の腕にぴったりと寄り添ってくる。
「う、うん」
ネーコの胸のやわらかさが腕から伝わってくる。
なぜだろう。
家でも散々くっついてきたのに、慣れているはずなのに......どうしてか勢いよく胸が高鳴ってくる。
電車では平気だったのになぜだ?
観覧車は個室だから?
それとも観覧車マジック?
「フミヒロ様」
「な、なに?」
「頂上まであがったら...」
「?」
「キス...します?」
ネーコは吐息を吐くように囁いた。
「こ、こんなところで〔セクシープログラム〕をやる気か!?」
俺は必死に抵抗するように言った。
「イヤ...ですか?」
「い、嫌ではないけど!」
「では、したいですか?」
「き、キスを?」
俺の質問にネーコは小さくコクンと頷いた。
その姿は異常なぐらい可愛かった。
俺は言葉に詰まり窓のほうへ目を逸らした。
「あっ......」
茜色に染まる空はどこまでも広がり、街には星々のようにキラキラと灯りがきらめき始めている。
その景色が目に映ったとき、俺の心は真っ白になった。
「綺麗ですね」
ネーコがやさしく目を細めた。
夕陽のせいなのか、ネーコの顔に赤みがさしている。
まもなく......頂上に到達した。
「フミヒロ様......」
ネーコは俺のほうへ顔をむけ、まぶたを閉じた。
俺はごくんと唾を飲みこむ。
もうなにも考えられない。
ここまで来れば、するしかない......キスを!
「......」
ネーコの肩にそっと手を添える。
あとは顔を近づけてゆくだけ......なのに、急に怖気づいた俺はまわりが気になって外に目をやった。
「えっ!?」
びっくりした。
頂上に着くと、両隣の観覧車は横並びに近い形となり、互いの室内が丸見えだったからだ。
でも驚いたのはそのことじゃない。
両隣の観覧車のどちらも、室内でカップルが思いっきりチューしていたことだ!
(これなら丸見えでもお互い様だな......)
そう思うとヘタレの俺にも謎の勇気が湧いてきた。
恐るべし観覧車!
(......よしっ!)
覚悟を決め、再びネーコの小さい顔へそ~っと接近していく。
その時。
天井からバタン!と音が鳴った。
俺とネーコはびくんとして上を見上げる。
「な、なんだ!?」
「これは......」
ネーコが窓のほうへ向く。
俺もそちらに顔を向けると......
「!!」
なんと、天井からぬーんと体を乗り出して、じと~っと窓から覗きこむ逆さまのイヌヨがいた!
「イヌヨ!どうやってそんなとこに!?」
ぶったまげる俺をよそに、ネーコがすっくと立ち上がって手すりをむんずとつかんだ。
......なにをする気だ?
「そいやぁぁぉぁ!!」
ネーコはアンドロイドの怪力で観覧車をぐらんぐらんに揺らしまくった!
「ちょっ!ネーコ!危ないって!」
咄嗟に俺もガシッと手すりをつかんだ。
荒波に揉まれた船のようにぐわんぐわん強震する観覧車。
そんな中で窓に目をやると、
「!!」
イヌヨが振り落とされて視界から消えていった。
「フーッ。これで邪魔者は排除しましたね。さあフミヒロ様、続きをやりましょう」
ネーコは何事もなかったようにニッコリと微笑んだ。
「続きなんてできるかー!!イヌヨォォォ!!」
俺は窓にへばりついて叫んだ。
「本当に貴女はいい加減にしてください!」
「ご、ごめんなさい」
「どうせ貴女のことだから自分からは這い出ようとしないでしょうから私が無理矢理引きずり出しましたが、面倒かけないでください!」
「ご、ごめんなさい」
ネーコがイヌヨを叱りつけている。
二人ともびしょびしょだ。
海に飛び込んだネーコは迅速にイヌヨを救助し、それから俺たちはすぐその場を離れた。
騒ぎに巻き込まれると面倒だからだ。
「まったく服も体もびしょ濡れですよ!私を濡らしてイイのはフミヒロ様だけです!」
「それどういう意味!?」
などとやり取りしつつ......。
俺とネーコはイヌヨのことは路上に放っぽり出して、次のスポットに移動した。
「さあ、フミヒロ様!夕方になりイイ感じになって参りました!観覧車に乗りましょう!」
......ということで、俺はネーコとふたり観覧車に乗りこんだ。
まだ小さい子供の頃、親と一緒に乗った時以来だ。
「なんだかドキドキしますね!」
ネーコは嬉しそうに微笑んだ。
ここに来る途中で買ったガーリーなワンピースに着替えていたネーコ。
その彼女をあらためて見て、俺もドキッとする。
(か、かわいい......)
いや、すでに列へ並んでいる時からドキドキしていた。
周りを見渡したら...ほとんどカップルしかいないし!
つまり、今この状況を客観的に見れば、俺とネーコも完全にカップルとしか見えないということ!
「フミヒロ様。お隣、いいですか?」
ふいにネーコが立ち上がって俺の隣に座ってきた。
「徐々に上がってきましたね」
そう言いながら俺の腕にぴったりと寄り添ってくる。
「う、うん」
ネーコの胸のやわらかさが腕から伝わってくる。
なぜだろう。
家でも散々くっついてきたのに、慣れているはずなのに......どうしてか勢いよく胸が高鳴ってくる。
電車では平気だったのになぜだ?
観覧車は個室だから?
それとも観覧車マジック?
「フミヒロ様」
「な、なに?」
「頂上まであがったら...」
「?」
「キス...します?」
ネーコは吐息を吐くように囁いた。
「こ、こんなところで〔セクシープログラム〕をやる気か!?」
俺は必死に抵抗するように言った。
「イヤ...ですか?」
「い、嫌ではないけど!」
「では、したいですか?」
「き、キスを?」
俺の質問にネーコは小さくコクンと頷いた。
その姿は異常なぐらい可愛かった。
俺は言葉に詰まり窓のほうへ目を逸らした。
「あっ......」
茜色に染まる空はどこまでも広がり、街には星々のようにキラキラと灯りがきらめき始めている。
その景色が目に映ったとき、俺の心は真っ白になった。
「綺麗ですね」
ネーコがやさしく目を細めた。
夕陽のせいなのか、ネーコの顔に赤みがさしている。
まもなく......頂上に到達した。
「フミヒロ様......」
ネーコは俺のほうへ顔をむけ、まぶたを閉じた。
俺はごくんと唾を飲みこむ。
もうなにも考えられない。
ここまで来れば、するしかない......キスを!
「......」
ネーコの肩にそっと手を添える。
あとは顔を近づけてゆくだけ......なのに、急に怖気づいた俺はまわりが気になって外に目をやった。
「えっ!?」
びっくりした。
頂上に着くと、両隣の観覧車は横並びに近い形となり、互いの室内が丸見えだったからだ。
でも驚いたのはそのことじゃない。
両隣の観覧車のどちらも、室内でカップルが思いっきりチューしていたことだ!
(これなら丸見えでもお互い様だな......)
そう思うとヘタレの俺にも謎の勇気が湧いてきた。
恐るべし観覧車!
(......よしっ!)
覚悟を決め、再びネーコの小さい顔へそ~っと接近していく。
その時。
天井からバタン!と音が鳴った。
俺とネーコはびくんとして上を見上げる。
「な、なんだ!?」
「これは......」
ネーコが窓のほうへ向く。
俺もそちらに顔を向けると......
「!!」
なんと、天井からぬーんと体を乗り出して、じと~っと窓から覗きこむ逆さまのイヌヨがいた!
「イヌヨ!どうやってそんなとこに!?」
ぶったまげる俺をよそに、ネーコがすっくと立ち上がって手すりをむんずとつかんだ。
......なにをする気だ?
「そいやぁぁぉぁ!!」
ネーコはアンドロイドの怪力で観覧車をぐらんぐらんに揺らしまくった!
「ちょっ!ネーコ!危ないって!」
咄嗟に俺もガシッと手すりをつかんだ。
荒波に揉まれた船のようにぐわんぐわん強震する観覧車。
そんな中で窓に目をやると、
「!!」
イヌヨが振り落とされて視界から消えていった。
「フーッ。これで邪魔者は排除しましたね。さあフミヒロ様、続きをやりましょう」
ネーコは何事もなかったようにニッコリと微笑んだ。
「続きなんてできるかー!!イヌヨォォォ!!」
俺は窓にへばりついて叫んだ。
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