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ネーコが帰ってきた。
昨夜はドタバタして落ち着いて考えられなかったけど......ネーコが帰ってきたんだ。
「はっ、はっ、はっ」
早朝のランニングをしながら噛みしめるように思った。
(ちゃんと戻ってきてくれた......)
久しぶりに再開したランニングのわりには足が軽い。
気分の問題なのかな?
「はっ、はっ、はっ」
じきにトラエとウサも戻ってくるのだろうか。
そうなれば家もかなり賑わうよな。
そんなことを思いながら家に戻ると、さっそくネーコが笑顔で迎えてくれた。
「フミヒロ様。おつかれさまです。タオルとドリンクです」
俺はそのままネーコを見つめた。
あらためて......カワイイと思った。
たぶん最初に会った時よりも、ずっと......。
「フミヒロ様?どうかされましたか?」
「あっ!な、なんでもないよ!タオルと飲み物ありがとう!」
「フフフ」
「な、なんだよ?」
「相変わらず可愛いなと思って」
「や、やめろよ!俺は男だし」
「そういうところも可愛いです。とっても」
「だからやめろって!」
そんなやり取りを玄関でしていると、なにやら着物姿のどんよりしたものが迫ってきた。
「フミヒロさん」
「あっ、イヌヨ」
「朝からずいぶんと楽しそうですね」
「べ、別にそんなことないけど」
「イヌヨと話すときはそんな顔見せてくれたことないもの」
「そ、そうだっけ?」
「やっぱり...イヌヨのことは嫌いですか?」
「なんでまたそうなる!」
「少なくとも、メンドクサイとは思っているでしょ?」
「そ、それは......」
「やっぱり!イヌヨはメンドクサイ女なんだわ!できることなら死んで欲しいと!」
「だからなんでそうなる!」
「誰かイヌヨへ大陸間弾道弾ミサイルを発射してぇ!!」
「国ごと危ないわ!!」
とツッコミつつも俺が手をこまねいていると......。
「イヌヨ!落ち着きなさい!」
ネーコが鋭い声を上げた。
「ネーコお姉さん?」
「イヌヨ。貴女の気持ちはわかります。でも、これは仕方のないことなのです。フミヒロ様にとっての一番はネーコなのですから。つまりネーコはフミヒロ様の正室。これは決して揺るがない事実なのです」
いつからそうなったんだ。
さも当たり前のことのように言っているけど。
「そこでイヌヨ。貴女に良い提案があります」
「ネーコお姉さん?」
「貴女はフミヒロ様の側室になりなさい。すなわち妾です」
「......なるほど!」
「ということでフミヒロ様。これからは私とイヌヨの三人で同衾いたしましょう」
「勝手に話を進めるなー!!」
思わず俺は叫んだ。
「フミヒロさん。今日からは愛人としてイヌヨのことを宜しくお願いします」
イヌヨはその場ではんなりと三つ指をついた。
「自分でなにを言ってるかわかってる!?」
「あっ、フミヒロ様。今からお風呂で汗をお流しして差し上げましょうか?ネーコとイヌヨのふたりで」
「もうやめてくれぇー!!」
俺は脱兎の如くダーッと階段を駆けあがり自分の部屋へ逃げこんでいった。
中学二年生男子に......これ以上の刺激は危険だ!!
ネーコが帰ってきた。
昨夜はドタバタして落ち着いて考えられなかったけど......ネーコが帰ってきたんだ。
「はっ、はっ、はっ」
早朝のランニングをしながら噛みしめるように思った。
(ちゃんと戻ってきてくれた......)
久しぶりに再開したランニングのわりには足が軽い。
気分の問題なのかな?
「はっ、はっ、はっ」
じきにトラエとウサも戻ってくるのだろうか。
そうなれば家もかなり賑わうよな。
そんなことを思いながら家に戻ると、さっそくネーコが笑顔で迎えてくれた。
「フミヒロ様。おつかれさまです。タオルとドリンクです」
俺はそのままネーコを見つめた。
あらためて......カワイイと思った。
たぶん最初に会った時よりも、ずっと......。
「フミヒロ様?どうかされましたか?」
「あっ!な、なんでもないよ!タオルと飲み物ありがとう!」
「フフフ」
「な、なんだよ?」
「相変わらず可愛いなと思って」
「や、やめろよ!俺は男だし」
「そういうところも可愛いです。とっても」
「だからやめろって!」
そんなやり取りを玄関でしていると、なにやら着物姿のどんよりしたものが迫ってきた。
「フミヒロさん」
「あっ、イヌヨ」
「朝からずいぶんと楽しそうですね」
「べ、別にそんなことないけど」
「イヌヨと話すときはそんな顔見せてくれたことないもの」
「そ、そうだっけ?」
「やっぱり...イヌヨのことは嫌いですか?」
「なんでまたそうなる!」
「少なくとも、メンドクサイとは思っているでしょ?」
「そ、それは......」
「やっぱり!イヌヨはメンドクサイ女なんだわ!できることなら死んで欲しいと!」
「だからなんでそうなる!」
「誰かイヌヨへ大陸間弾道弾ミサイルを発射してぇ!!」
「国ごと危ないわ!!」
とツッコミつつも俺が手をこまねいていると......。
「イヌヨ!落ち着きなさい!」
ネーコが鋭い声を上げた。
「ネーコお姉さん?」
「イヌヨ。貴女の気持ちはわかります。でも、これは仕方のないことなのです。フミヒロ様にとっての一番はネーコなのですから。つまりネーコはフミヒロ様の正室。これは決して揺るがない事実なのです」
いつからそうなったんだ。
さも当たり前のことのように言っているけど。
「そこでイヌヨ。貴女に良い提案があります」
「ネーコお姉さん?」
「貴女はフミヒロ様の側室になりなさい。すなわち妾です」
「......なるほど!」
「ということでフミヒロ様。これからは私とイヌヨの三人で同衾いたしましょう」
「勝手に話を進めるなー!!」
思わず俺は叫んだ。
「フミヒロさん。今日からは愛人としてイヌヨのことを宜しくお願いします」
イヌヨはその場ではんなりと三つ指をついた。
「自分でなにを言ってるかわかってる!?」
「あっ、フミヒロ様。今からお風呂で汗をお流しして差し上げましょうか?ネーコとイヌヨのふたりで」
「もうやめてくれぇー!!」
俺は脱兎の如くダーッと階段を駆けあがり自分の部屋へ逃げこんでいった。
中学二年生男子に......これ以上の刺激は危険だ!!
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