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ep78 サッドプログラム④
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「ハァー。今日は疲れた......」
電気を消してベッドに横になると、ひとり大きくため息をついた。
「イヌヨに振り回されっぱなしだったなぁ......」
おやつタイムをなんとか乗り切った後も色々あった。
特に夕食時は逃げようがないので骨が折れた。
イヌヨは極端にネガティブだが大人しくて真面目だ。
ネーコのようにフザケるわけでもなくトラエのように厳しいわけでなくウサのように我儘なわけでもない。
だからこそ彼女の扱いは難しかった。
それでもただひとつ、お色気面に関しては特に何もしてこなかったので、そこだけは安心できた。
中学二年生男子にとっては、そこが一番のウィークポイントなのだから......。
「ああ、もう考えるのはやめてさっさと寝よう......」
目を閉じる。
すぐにでもまどろみに落ちそうだ。
とその時。
コンコン
ノック音が鳴る。
俺はどきりとしてパッと目を開いた。
「イヌヨ?」
「フミヒロさん」
「こんな時間になんだ?」
「入ってもよろしいですか?」
正直、もう眠る直前だったので歓迎する気持ちはなかったが、用件が気になったので彼女を部屋に迎い入れた。
「こんな時間にどうしたの?」
質問しながらイヌヨを見ると...なぜだろうか?薄暗がりの中の彼女の姿は心持ち色っぽく見える。
「あ、あの、フミヒロさん......」
「なに?」
「イヌヨはやはり、フミヒロさんとの距離を、も、もっと縮めなければならないと、強く感じました......」
「うん」
「だ、だから......夜伽に参ったのです」
「よ、よとぎ??」
「よ、夜伽には複数の意味がありますが、そ、そのひとつに『男女が一つの寝具に一緒にねそべり女性が男性に対して奉仕をする』というものがあります」
「女性が男性に......ほ、ほうし??」
「は、はい。イヌヨはフミヒロさんともっとお近づきになるため、よ、夜の奉仕に参りました」
「えっ、えええ!?そ、それも〔サッドプログラム〕なの!?どう考えてもネーコの〔セクシープログラム〕ぽいけど」
「あ、あくまで〔サッドプログラム〕に付随するオプション的なものにはなりますが、ひ、必要なことなので......」
「いやいやそれはダメだって!」
「な、なぜ?」
「なぜって...ダメなものはダメだから!!」
「で、でも、フミヒロさんは、すでにネーコお姉さんたちとズッコンバッコンいたしまくっているんじゃないの??」
「その表現やめろぉ!そんなわけあるかぁ!やってないわ!」
「そうなの!?」
「驚くこと!?」
「そ、そうだったのね......」
「そうだよ!勘弁してくれ!」
「でも!」
「?」
「だからこそイヌヨが夜伽をする意味があるわ!」
「なんでそーなる!?」
「フミヒロさん!」
「は、はい?」
「イヌヨはアンドロイドですが、ひとりの女です。覚悟はできています。フミヒロさんに貫かれる覚悟が......!」
「なに言ってんの!?」
「ここで拒否されたらイヌヨは......もはや恥ずかしくて生きていけないわ!」
「夜伽は恥かしくないの!?」
「さあフミヒロさん!イヌヨと夜を共にするか、イヌヨを首チョンパするか...選んで!!」
「選択肢が極端すぎるわ!」
「さあフミヒロさん!」
これ、どうすればいいんだ?
なにか良い断り方があればいいが......なにも思いつかない。
いやそもそもイヌヨ相手に良い断り方など存在するのか?
しかも今のイヌヨはやけに切羽詰まっている。
(いっそ......してしまおうか......)
いやいやダメだダメだダメだ!
クソッ!
頭ではわかっていても、中学二年生男子の猛りが呻いてきやがる!
やはり恐ろしいぜ中学生二年生男子は!
(実際、イヌヨは和風美少女で可愛いし......)
だからそうじゃない!
クソッ!
どうすればいいんだ!
このままじゃマズイぞ!
「フミヒロさん!さあ、はやくイヌヨを...!」
「くっ......!ど、どうすれば......」
「ハァー。今日は疲れた......」
電気を消してベッドに横になると、ひとり大きくため息をついた。
「イヌヨに振り回されっぱなしだったなぁ......」
おやつタイムをなんとか乗り切った後も色々あった。
特に夕食時は逃げようがないので骨が折れた。
イヌヨは極端にネガティブだが大人しくて真面目だ。
ネーコのようにフザケるわけでもなくトラエのように厳しいわけでなくウサのように我儘なわけでもない。
だからこそ彼女の扱いは難しかった。
それでもただひとつ、お色気面に関しては特に何もしてこなかったので、そこだけは安心できた。
中学二年生男子にとっては、そこが一番のウィークポイントなのだから......。
「ああ、もう考えるのはやめてさっさと寝よう......」
目を閉じる。
すぐにでもまどろみに落ちそうだ。
とその時。
コンコン
ノック音が鳴る。
俺はどきりとしてパッと目を開いた。
「イヌヨ?」
「フミヒロさん」
「こんな時間になんだ?」
「入ってもよろしいですか?」
正直、もう眠る直前だったので歓迎する気持ちはなかったが、用件が気になったので彼女を部屋に迎い入れた。
「こんな時間にどうしたの?」
質問しながらイヌヨを見ると...なぜだろうか?薄暗がりの中の彼女の姿は心持ち色っぽく見える。
「あ、あの、フミヒロさん......」
「なに?」
「イヌヨはやはり、フミヒロさんとの距離を、も、もっと縮めなければならないと、強く感じました......」
「うん」
「だ、だから......夜伽に参ったのです」
「よ、よとぎ??」
「よ、夜伽には複数の意味がありますが、そ、そのひとつに『男女が一つの寝具に一緒にねそべり女性が男性に対して奉仕をする』というものがあります」
「女性が男性に......ほ、ほうし??」
「は、はい。イヌヨはフミヒロさんともっとお近づきになるため、よ、夜の奉仕に参りました」
「えっ、えええ!?そ、それも〔サッドプログラム〕なの!?どう考えてもネーコの〔セクシープログラム〕ぽいけど」
「あ、あくまで〔サッドプログラム〕に付随するオプション的なものにはなりますが、ひ、必要なことなので......」
「いやいやそれはダメだって!」
「な、なぜ?」
「なぜって...ダメなものはダメだから!!」
「で、でも、フミヒロさんは、すでにネーコお姉さんたちとズッコンバッコンいたしまくっているんじゃないの??」
「その表現やめろぉ!そんなわけあるかぁ!やってないわ!」
「そうなの!?」
「驚くこと!?」
「そ、そうだったのね......」
「そうだよ!勘弁してくれ!」
「でも!」
「?」
「だからこそイヌヨが夜伽をする意味があるわ!」
「なんでそーなる!?」
「フミヒロさん!」
「は、はい?」
「イヌヨはアンドロイドですが、ひとりの女です。覚悟はできています。フミヒロさんに貫かれる覚悟が......!」
「なに言ってんの!?」
「ここで拒否されたらイヌヨは......もはや恥ずかしくて生きていけないわ!」
「夜伽は恥かしくないの!?」
「さあフミヒロさん!イヌヨと夜を共にするか、イヌヨを首チョンパするか...選んで!!」
「選択肢が極端すぎるわ!」
「さあフミヒロさん!」
これ、どうすればいいんだ?
なにか良い断り方があればいいが......なにも思いつかない。
いやそもそもイヌヨ相手に良い断り方など存在するのか?
しかも今のイヌヨはやけに切羽詰まっている。
(いっそ......してしまおうか......)
いやいやダメだダメだダメだ!
クソッ!
頭ではわかっていても、中学二年生男子の猛りが呻いてきやがる!
やはり恐ろしいぜ中学生二年生男子は!
(実際、イヌヨは和風美少女で可愛いし......)
だからそうじゃない!
クソッ!
どうすればいいんだ!
このままじゃマズイぞ!
「フミヒロさん!さあ、はやくイヌヨを...!」
「くっ......!ど、どうすれば......」
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