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ep61 シスタープログラム
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【登場人物】
・井藤フミヒロ
主人公。不登校の中学二年生男子。
一人称は「俺」
・ネーコ
未来から来た青髪ロングの美少女アンドロイド。
通常は制服姿。正式名称は田網祢絵子。
〔セクシープログラム〕を行う。
一人称は「私」
・伊野上小茉
フミヒロのクラスメイトで黒髪セミロングの美少女学級委員長。
やさしくてマジメ。
一人称は「わたし」
・トラエ
未来から来た金髪ポニテの美少女アンドロイド。
通常は制服姿。正式名称は田網斗羅恵。
〔ストロングプログラム〕を行う。
一人称は「ワタシ」
・ウサ
未来から来たピンク髪おさげの美少女アンドロイド。
小学生の少女のような可愛らしい服装と見た目。
〔シスタープログラム〕を行う。
一人称は「ウサ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
*
コンコン
ノック音が鳴る。
「トラエ?」
俺は勉強を中断してガチャッとドアを開けた。
「おにーちゃん」
「ウサ?」
小さい美少女アンドロイドが俺の部屋にやってきた。
彼女はてくてくと中へ入ってくると、ぺたんと床に女の子座りになる。
「おにーちゃんも」
ウサは自分の隣を示して床をポンポンと叩いた。
「なんなの?」
俺は促されるまま彼女の隣に座った。
「おにーちゃん」
甘えるようにウサが俺の腕に抱きついてきた。
「う、ウサ」
しどろもどろになる俺。
「えへへ」
ウサは俺の肩にびとっと頭をよせて愛玩動物のように甘えてくる。
「こ、これが〔シスタープログラム〕なのか?」
「うん。〔シスタープログラム〕は、甘えてくる妹を可愛がりつつ勉強もおそろそかにしてはいけないというもの」
「はあ」
「だからおにーちゃんは、決して妹に冷たくしてはいけないの」
「そ、そうなのか。じゃあ、もし冷たくしちゃったらどうなるんだ?」
「泣く」
「泣く?それだけ?」
「ウサが泣くと、130dbの騒音が発生するんだよ」
「そ、それって、どれくらいなんだ?」
「セミの鳴き声(距離2M)が約70db。
ブルドーザー(距離5M)が約90db。
自動車のクラクション(距離2M)が約110db」
「えっ、じゃあ130dbって......」
「飛行機のジェットエンジンの爆音が120dbだから、それ以上ってことだね」
「は??」
「確実に聴覚機能に異常をきたすレベルだよ。えへへ」
「えええ??」
またこれはエラいことになった。
この距離でジェットエンジンが唸り出したらかなりヤバいぞ!?
そうして......。
俺は勉強を再開する。
「あ、あの~......」
勉強机に向かいながら呼びかけた。
誰に?勉強している俺に後ろから抱きついたまま離れない妹に。
「なあに?おにーちゃん」
「これだと、勉強にならないっていうか......」
「なるよ。ウサは良い子だから静かにしてるよ」
「いや、それでもこの状態だと......」
「おにーちゃんはウサとはなれたいの?」
「というか、離れてくれないと勉強にならないから...」
「おにーちゃんはウサと一生はなれたいんだね!?」
「極端だな!そこまでは言ってないけど...」
「ひどい!ウサ、泣きそう...」
「ちょちょちょっと待って!」
「だって、おにーちゃんがつめたいんだもん...」
「わ、わかった!じゃあ、おにーちゃんはどうしてあげればいい?」
「うーん。ぎゅっとしてナデナデしてほしいかな」
「わかった!」
俺は彼女の正面を向き、その小さい身体をぎゅっと抱きしめて頭を撫でてあげた。
「えへへ」
ウサは落ち着きを取り戻したようだ。
「よしよし...」
俺は妹をナデナデしながら思った。
(カワイイけど......めんどくさっ!!)
ウサはしばらく俺にナデナデされると、
「えへへ。じゃあおにーちゃん。ウサはいくね。お勉強がんばってね」
満足したのか上機嫌でニコニコと部屋を去っていった。
とりあえず、最初の〔シスタープログラム〕はクリアしたようだ。
俺は勉強机に向かい直すと、ハァーっとため息をついてうなだれた。
「ああ、先が思いやられる......」
・井藤フミヒロ
主人公。不登校の中学二年生男子。
一人称は「俺」
・ネーコ
未来から来た青髪ロングの美少女アンドロイド。
通常は制服姿。正式名称は田網祢絵子。
〔セクシープログラム〕を行う。
一人称は「私」
・伊野上小茉
フミヒロのクラスメイトで黒髪セミロングの美少女学級委員長。
やさしくてマジメ。
一人称は「わたし」
・トラエ
未来から来た金髪ポニテの美少女アンドロイド。
通常は制服姿。正式名称は田網斗羅恵。
〔ストロングプログラム〕を行う。
一人称は「ワタシ」
・ウサ
未来から来たピンク髪おさげの美少女アンドロイド。
小学生の少女のような可愛らしい服装と見た目。
〔シスタープログラム〕を行う。
一人称は「ウサ」
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コンコン
ノック音が鳴る。
「トラエ?」
俺は勉強を中断してガチャッとドアを開けた。
「おにーちゃん」
「ウサ?」
小さい美少女アンドロイドが俺の部屋にやってきた。
彼女はてくてくと中へ入ってくると、ぺたんと床に女の子座りになる。
「おにーちゃんも」
ウサは自分の隣を示して床をポンポンと叩いた。
「なんなの?」
俺は促されるまま彼女の隣に座った。
「おにーちゃん」
甘えるようにウサが俺の腕に抱きついてきた。
「う、ウサ」
しどろもどろになる俺。
「えへへ」
ウサは俺の肩にびとっと頭をよせて愛玩動物のように甘えてくる。
「こ、これが〔シスタープログラム〕なのか?」
「うん。〔シスタープログラム〕は、甘えてくる妹を可愛がりつつ勉強もおそろそかにしてはいけないというもの」
「はあ」
「だからおにーちゃんは、決して妹に冷たくしてはいけないの」
「そ、そうなのか。じゃあ、もし冷たくしちゃったらどうなるんだ?」
「泣く」
「泣く?それだけ?」
「ウサが泣くと、130dbの騒音が発生するんだよ」
「そ、それって、どれくらいなんだ?」
「セミの鳴き声(距離2M)が約70db。
ブルドーザー(距離5M)が約90db。
自動車のクラクション(距離2M)が約110db」
「えっ、じゃあ130dbって......」
「飛行機のジェットエンジンの爆音が120dbだから、それ以上ってことだね」
「は??」
「確実に聴覚機能に異常をきたすレベルだよ。えへへ」
「えええ??」
またこれはエラいことになった。
この距離でジェットエンジンが唸り出したらかなりヤバいぞ!?
そうして......。
俺は勉強を再開する。
「あ、あの~......」
勉強机に向かいながら呼びかけた。
誰に?勉強している俺に後ろから抱きついたまま離れない妹に。
「なあに?おにーちゃん」
「これだと、勉強にならないっていうか......」
「なるよ。ウサは良い子だから静かにしてるよ」
「いや、それでもこの状態だと......」
「おにーちゃんはウサとはなれたいの?」
「というか、離れてくれないと勉強にならないから...」
「おにーちゃんはウサと一生はなれたいんだね!?」
「極端だな!そこまでは言ってないけど...」
「ひどい!ウサ、泣きそう...」
「ちょちょちょっと待って!」
「だって、おにーちゃんがつめたいんだもん...」
「わ、わかった!じゃあ、おにーちゃんはどうしてあげればいい?」
「うーん。ぎゅっとしてナデナデしてほしいかな」
「わかった!」
俺は彼女の正面を向き、その小さい身体をぎゅっと抱きしめて頭を撫でてあげた。
「えへへ」
ウサは落ち着きを取り戻したようだ。
「よしよし...」
俺は妹をナデナデしながら思った。
(カワイイけど......めんどくさっ!!)
ウサはしばらく俺にナデナデされると、
「えへへ。じゃあおにーちゃん。ウサはいくね。お勉強がんばってね」
満足したのか上機嫌でニコニコと部屋を去っていった。
とりあえず、最初の〔シスタープログラム〕はクリアしたようだ。
俺は勉強机に向かい直すと、ハァーっとため息をついてうなだれた。
「ああ、先が思いやられる......」
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