58 / 87
ep58 ネーコ
しおりを挟む
*
夜中......。
俺はふと目を覚ました。
「なんか......やけに暑いな......」
額には汗が滲んでいる。
「え、熱でもあるのかな......」
そう思った矢先。
俺は自分の身体にまとわりついているものに気がついた。
「!」
布団をひっぺがすと、暗闇の中、もうひとつの布団が俺にぴったりとくっついていた。
「ネーコ!」
「あ、フミヒロ様。起こしてしまいましたか?」
もうひとつの布団の正体は、白いセクスィーなネグリジェ姿のネーコだった。
「申し訳ありません。おこすつもりはなかったのですが」
ネーコは体を起こすと、枕元に寄ってきて言った。
「これって〔セクシープログラム〕なの?」
「はい。先ほどアップデートか完了しましたので、その足でやって参りました」
「そ、そうなんだ」
悔しいけど......俺は嬉しい気持ちになってしまった。
「フミヒロ様。ひとつお伝えしておきたいことがあります」
「え?なに?」
「今回のアップデートにより、〔セクシープログラム〕の段階がひとつ進みました」
「う、うん」
「つきまして、今後は局部以外への積極的なタッチも解禁になります」
「......えっ??」
「具体的に言えば......例えば、B地区に直接侵略すればアウトですが、B地区の周辺エリアでの遊興は許容されます」
「はっ??」
「下半身も......同様の考え方でかまいません」
「えっと、その、つまり......ええ??」
「欲情して触っても、局部でなければ大丈夫ということです」
「いっ、いやいやいやいや!」
「フミヒロ様?」
「いやいやいやいや!」
「フミヒロ様は......ネーコに触れたくないのですか?」
「へ??」
「先日、フミヒロ様は身を挺してネーコのことを守ろうとしてくれましたよね?ネーコのために怒ってくださいましたよね?ネーコに傷ついて欲しくないと言ってくださいましたよね?」
「それは...うん」
「私、すごく嬉しかったんです。日が過ぎても、あの時のことを思い出してネーコの胸はとても熱くなります。そして、ネーコはたまらなくフミヒロ様と触れ合いたくなるのです」
「う、うん」
「なのに数日前からアップデートがかかり、〔セクシープログラム〕が行えない。もちろん普通にくっつくこともできますが、〔セクシープログラム〕が行えない状態での類似する行為は私の任務上望ましくありません。私にも責務がありますから」
「そ、そうなんだ」
「ですからネーコはとても歯がゆかった。そしてやっとアップデートが終わり、我慢しきれずすぐにフミヒロ様の布団へ潜りこんでしまったのです」
気のせいか、ネーコの顔がやや熱って赤くなっている気がする。
なんだか雰囲気も、いつもよりトロンとしているというか。
それになりより俺の胸は、異常なほどにドキドキしていた。
「フミヒロ様」
「......」
「フミヒロ様?」
「ね、ネーコ!」
「ひゃっ」
俺はガバッと体を起こしてネーコにひしと抱きついた。
どうしてかわからないけど、そうせずにはいられなかったんだ。
「フミヒロ様?」
「ネーコ......あっ!ご、ごめん!」
俺はハッと我に返って身体を離した。
「フミヒロ様?どうされたのですか?」
「い、いや......な、なんでもないよ!気にしないで!」
俺は今どんな顔をしているんだろう?
わからないけど...ただすごく恥ずかしい。
「......」
俺は黙ってうつむいた。
「......」
ネーコも口をつぐんで俺をじっと見つめる。
しばらくして......今度はネーコみずから自分の胸に俺の頭を抱きよせてきた。
まるで大切なものを両腕で大事に抱きかかえるように。
「ね、ネーコ??」
俺の顔はネーコのやわらかい胸に埋まった。
「フミヒロ様」
そのままネーコは優しく俺の頭を撫でてきた。
「ネーコ......」
ネーコのぬくもりが伝わってくる。
アンドロイドなのにぬくもりって、ヘンな話だけど。
でも、すごくあたたかいんだ。
「フミヒロ様......」
「......」
この日。
俺はネーコのぬくもりを感じたまま眠りに落ちていった。
『私の.........きな、フミヒロ様』
眠っている時、ネーコの声が聞こえた気がしたけど、よく覚えていない......。
翌日。
目が覚めると、ネーコはいなくなっていた。
ベッドから?
違う。
俺のもとから......。
夜中......。
俺はふと目を覚ました。
「なんか......やけに暑いな......」
額には汗が滲んでいる。
「え、熱でもあるのかな......」
そう思った矢先。
俺は自分の身体にまとわりついているものに気がついた。
「!」
布団をひっぺがすと、暗闇の中、もうひとつの布団が俺にぴったりとくっついていた。
「ネーコ!」
「あ、フミヒロ様。起こしてしまいましたか?」
もうひとつの布団の正体は、白いセクスィーなネグリジェ姿のネーコだった。
「申し訳ありません。おこすつもりはなかったのですが」
ネーコは体を起こすと、枕元に寄ってきて言った。
「これって〔セクシープログラム〕なの?」
「はい。先ほどアップデートか完了しましたので、その足でやって参りました」
「そ、そうなんだ」
悔しいけど......俺は嬉しい気持ちになってしまった。
「フミヒロ様。ひとつお伝えしておきたいことがあります」
「え?なに?」
「今回のアップデートにより、〔セクシープログラム〕の段階がひとつ進みました」
「う、うん」
「つきまして、今後は局部以外への積極的なタッチも解禁になります」
「......えっ??」
「具体的に言えば......例えば、B地区に直接侵略すればアウトですが、B地区の周辺エリアでの遊興は許容されます」
「はっ??」
「下半身も......同様の考え方でかまいません」
「えっと、その、つまり......ええ??」
「欲情して触っても、局部でなければ大丈夫ということです」
「いっ、いやいやいやいや!」
「フミヒロ様?」
「いやいやいやいや!」
「フミヒロ様は......ネーコに触れたくないのですか?」
「へ??」
「先日、フミヒロ様は身を挺してネーコのことを守ろうとしてくれましたよね?ネーコのために怒ってくださいましたよね?ネーコに傷ついて欲しくないと言ってくださいましたよね?」
「それは...うん」
「私、すごく嬉しかったんです。日が過ぎても、あの時のことを思い出してネーコの胸はとても熱くなります。そして、ネーコはたまらなくフミヒロ様と触れ合いたくなるのです」
「う、うん」
「なのに数日前からアップデートがかかり、〔セクシープログラム〕が行えない。もちろん普通にくっつくこともできますが、〔セクシープログラム〕が行えない状態での類似する行為は私の任務上望ましくありません。私にも責務がありますから」
「そ、そうなんだ」
「ですからネーコはとても歯がゆかった。そしてやっとアップデートが終わり、我慢しきれずすぐにフミヒロ様の布団へ潜りこんでしまったのです」
気のせいか、ネーコの顔がやや熱って赤くなっている気がする。
なんだか雰囲気も、いつもよりトロンとしているというか。
それになりより俺の胸は、異常なほどにドキドキしていた。
「フミヒロ様」
「......」
「フミヒロ様?」
「ね、ネーコ!」
「ひゃっ」
俺はガバッと体を起こしてネーコにひしと抱きついた。
どうしてかわからないけど、そうせずにはいられなかったんだ。
「フミヒロ様?」
「ネーコ......あっ!ご、ごめん!」
俺はハッと我に返って身体を離した。
「フミヒロ様?どうされたのですか?」
「い、いや......な、なんでもないよ!気にしないで!」
俺は今どんな顔をしているんだろう?
わからないけど...ただすごく恥ずかしい。
「......」
俺は黙ってうつむいた。
「......」
ネーコも口をつぐんで俺をじっと見つめる。
しばらくして......今度はネーコみずから自分の胸に俺の頭を抱きよせてきた。
まるで大切なものを両腕で大事に抱きかかえるように。
「ね、ネーコ??」
俺の顔はネーコのやわらかい胸に埋まった。
「フミヒロ様」
そのままネーコは優しく俺の頭を撫でてきた。
「ネーコ......」
ネーコのぬくもりが伝わってくる。
アンドロイドなのにぬくもりって、ヘンな話だけど。
でも、すごくあたたかいんだ。
「フミヒロ様......」
「......」
この日。
俺はネーコのぬくもりを感じたまま眠りに落ちていった。
『私の.........きな、フミヒロ様』
眠っている時、ネーコの声が聞こえた気がしたけど、よく覚えていない......。
翌日。
目が覚めると、ネーコはいなくなっていた。
ベッドから?
違う。
俺のもとから......。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?
みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。
普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。
「そうだ、弱味を聞き出そう」
弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。
「あたしの好きな人は、マーくん……」
幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。
よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?

貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる