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ep58 ネーコ
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夜中......。
俺はふと目を覚ました。
「なんか......やけに暑いな......」
額には汗が滲んでいる。
「え、熱でもあるのかな......」
そう思った矢先。
俺は自分の身体にまとわりついているものに気がついた。
「!」
布団をひっぺがすと、暗闇の中、もうひとつの布団が俺にぴったりとくっついていた。
「ネーコ!」
「あ、フミヒロ様。起こしてしまいましたか?」
もうひとつの布団の正体は、白いセクスィーなネグリジェ姿のネーコだった。
「申し訳ありません。おこすつもりはなかったのですが」
ネーコは体を起こすと、枕元に寄ってきて言った。
「これって〔セクシープログラム〕なの?」
「はい。先ほどアップデートか完了しましたので、その足でやって参りました」
「そ、そうなんだ」
悔しいけど......俺は嬉しい気持ちになってしまった。
「フミヒロ様。ひとつお伝えしておきたいことがあります」
「え?なに?」
「今回のアップデートにより、〔セクシープログラム〕の段階がひとつ進みました」
「う、うん」
「つきまして、今後は局部以外への積極的なタッチも解禁になります」
「......えっ??」
「具体的に言えば......例えば、B地区に直接侵略すればアウトですが、B地区の周辺エリアでの遊興は許容されます」
「はっ??」
「下半身も......同様の考え方でかまいません」
「えっと、その、つまり......ええ??」
「欲情して触っても、局部でなければ大丈夫ということです」
「いっ、いやいやいやいや!」
「フミヒロ様?」
「いやいやいやいや!」
「フミヒロ様は......ネーコに触れたくないのですか?」
「へ??」
「先日、フミヒロ様は身を挺してネーコのことを守ろうとしてくれましたよね?ネーコのために怒ってくださいましたよね?ネーコに傷ついて欲しくないと言ってくださいましたよね?」
「それは...うん」
「私、すごく嬉しかったんです。日が過ぎても、あの時のことを思い出してネーコの胸はとても熱くなります。そして、ネーコはたまらなくフミヒロ様と触れ合いたくなるのです」
「う、うん」
「なのに数日前からアップデートがかかり、〔セクシープログラム〕が行えない。もちろん普通にくっつくこともできますが、〔セクシープログラム〕が行えない状態での類似する行為は私の任務上望ましくありません。私にも責務がありますから」
「そ、そうなんだ」
「ですからネーコはとても歯がゆかった。そしてやっとアップデートが終わり、我慢しきれずすぐにフミヒロ様の布団へ潜りこんでしまったのです」
気のせいか、ネーコの顔がやや熱って赤くなっている気がする。
なんだか雰囲気も、いつもよりトロンとしているというか。
それになりより俺の胸は、異常なほどにドキドキしていた。
「フミヒロ様」
「......」
「フミヒロ様?」
「ね、ネーコ!」
「ひゃっ」
俺はガバッと体を起こしてネーコにひしと抱きついた。
どうしてかわからないけど、そうせずにはいられなかったんだ。
「フミヒロ様?」
「ネーコ......あっ!ご、ごめん!」
俺はハッと我に返って身体を離した。
「フミヒロ様?どうされたのですか?」
「い、いや......な、なんでもないよ!気にしないで!」
俺は今どんな顔をしているんだろう?
わからないけど...ただすごく恥ずかしい。
「......」
俺は黙ってうつむいた。
「......」
ネーコも口をつぐんで俺をじっと見つめる。
しばらくして......今度はネーコみずから自分の胸に俺の頭を抱きよせてきた。
まるで大切なものを両腕で大事に抱きかかえるように。
「ね、ネーコ??」
俺の顔はネーコのやわらかい胸に埋まった。
「フミヒロ様」
そのままネーコは優しく俺の頭を撫でてきた。
「ネーコ......」
ネーコのぬくもりが伝わってくる。
アンドロイドなのにぬくもりって、ヘンな話だけど。
でも、すごくあたたかいんだ。
「フミヒロ様......」
「......」
この日。
俺はネーコのぬくもりを感じたまま眠りに落ちていった。
『私の.........きな、フミヒロ様』
眠っている時、ネーコの声が聞こえた気がしたけど、よく覚えていない......。
翌日。
目が覚めると、ネーコはいなくなっていた。
ベッドから?
違う。
俺のもとから......。
夜中......。
俺はふと目を覚ました。
「なんか......やけに暑いな......」
額には汗が滲んでいる。
「え、熱でもあるのかな......」
そう思った矢先。
俺は自分の身体にまとわりついているものに気がついた。
「!」
布団をひっぺがすと、暗闇の中、もうひとつの布団が俺にぴったりとくっついていた。
「ネーコ!」
「あ、フミヒロ様。起こしてしまいましたか?」
もうひとつの布団の正体は、白いセクスィーなネグリジェ姿のネーコだった。
「申し訳ありません。おこすつもりはなかったのですが」
ネーコは体を起こすと、枕元に寄ってきて言った。
「これって〔セクシープログラム〕なの?」
「はい。先ほどアップデートか完了しましたので、その足でやって参りました」
「そ、そうなんだ」
悔しいけど......俺は嬉しい気持ちになってしまった。
「フミヒロ様。ひとつお伝えしておきたいことがあります」
「え?なに?」
「今回のアップデートにより、〔セクシープログラム〕の段階がひとつ進みました」
「う、うん」
「つきまして、今後は局部以外への積極的なタッチも解禁になります」
「......えっ??」
「具体的に言えば......例えば、B地区に直接侵略すればアウトですが、B地区の周辺エリアでの遊興は許容されます」
「はっ??」
「下半身も......同様の考え方でかまいません」
「えっと、その、つまり......ええ??」
「欲情して触っても、局部でなければ大丈夫ということです」
「いっ、いやいやいやいや!」
「フミヒロ様?」
「いやいやいやいや!」
「フミヒロ様は......ネーコに触れたくないのですか?」
「へ??」
「先日、フミヒロ様は身を挺してネーコのことを守ろうとしてくれましたよね?ネーコのために怒ってくださいましたよね?ネーコに傷ついて欲しくないと言ってくださいましたよね?」
「それは...うん」
「私、すごく嬉しかったんです。日が過ぎても、あの時のことを思い出してネーコの胸はとても熱くなります。そして、ネーコはたまらなくフミヒロ様と触れ合いたくなるのです」
「う、うん」
「なのに数日前からアップデートがかかり、〔セクシープログラム〕が行えない。もちろん普通にくっつくこともできますが、〔セクシープログラム〕が行えない状態での類似する行為は私の任務上望ましくありません。私にも責務がありますから」
「そ、そうなんだ」
「ですからネーコはとても歯がゆかった。そしてやっとアップデートが終わり、我慢しきれずすぐにフミヒロ様の布団へ潜りこんでしまったのです」
気のせいか、ネーコの顔がやや熱って赤くなっている気がする。
なんだか雰囲気も、いつもよりトロンとしているというか。
それになりより俺の胸は、異常なほどにドキドキしていた。
「フミヒロ様」
「......」
「フミヒロ様?」
「ね、ネーコ!」
「ひゃっ」
俺はガバッと体を起こしてネーコにひしと抱きついた。
どうしてかわからないけど、そうせずにはいられなかったんだ。
「フミヒロ様?」
「ネーコ......あっ!ご、ごめん!」
俺はハッと我に返って身体を離した。
「フミヒロ様?どうされたのですか?」
「い、いや......な、なんでもないよ!気にしないで!」
俺は今どんな顔をしているんだろう?
わからないけど...ただすごく恥ずかしい。
「......」
俺は黙ってうつむいた。
「......」
ネーコも口をつぐんで俺をじっと見つめる。
しばらくして......今度はネーコみずから自分の胸に俺の頭を抱きよせてきた。
まるで大切なものを両腕で大事に抱きかかえるように。
「ね、ネーコ??」
俺の顔はネーコのやわらかい胸に埋まった。
「フミヒロ様」
そのままネーコは優しく俺の頭を撫でてきた。
「ネーコ......」
ネーコのぬくもりが伝わってくる。
アンドロイドなのにぬくもりって、ヘンな話だけど。
でも、すごくあたたかいんだ。
「フミヒロ様......」
「......」
この日。
俺はネーコのぬくもりを感じたまま眠りに落ちていった。
『私の.........きな、フミヒロ様』
眠っている時、ネーコの声が聞こえた気がしたけど、よく覚えていない......。
翌日。
目が覚めると、ネーコはいなくなっていた。
ベッドから?
違う。
俺のもとから......。
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