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ep26 スーパーにて②
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「フミヒロ様?どうかなさいましたか?」
「......ハッ!と、とりあえず学級委員長さんには言わない方向でおなしゃす!」
「あ、あの~......」
黙って俺たちの様子をうかがっていた学級委員長さんがいぶかしそうに口をひらいた。
「あ、あの、学級委員長さん!ネーコのことだけど...」
「井藤くんの治療をしているんだよね。女の子に敏感に反応しすぎる井藤くんの特異体質を克服するために袮絵子さんが最先端の治療を施しているって」
「あっ、う、うん、そうだよ...(そういえばそういうことになってたんだった!てゆーかそれもそれでどうなんだ!?)」
「あっ、そっか!袮絵子さんって...」
「そうです、伊野上さん。私は若き天才科学者。そしてご存知のようにフミヒロ様に最先端の科学的治療を施すために参ったのです。ただし、職務上それ以上の詳しいことをご説明申し上げることができません。大変申し訳ございませんが、どうかご理解くださいませ」
ネーコはぺこりと頭を下げた。
「あっ、いえ、そんな!」
はわわわと恐縮する学級委員長。
(うまいぞネーコ!)
その言い方ならこれ以上聞かれることはない!
さすがは腐ってもアンドロイドだ!
俺はネーコにそれとなくグッドサインを送った。
ネーコはそれにぱちりとウインクで応えた。
そうして......。
「じゃ、じゃあわたしはこれで!井藤くん!またね!」
必要なことを聞けて満足したのか、学級委員長さんはせわしなく立ち去っていった。
俺は離れていく彼女の背中を見つめながら感心の息をもらす。
「さすが学級委員長だけあってマジメだなぁ。不登校の俺にまで校則違反の注意を促すって」
「本当にそう思いますか?」
なぜかネーコが問いかけてきた。
「えっ?だって、そう言ってたじゃん」
「私服姿の生徒を見て下校中だと勘違いすると思いますか?」
「そ、そう言われてみるとそうだけど...」
「しかも不登校のフミヒロ様と認識した上でです」
「な、なにが言いたいんだよ?」
「いえ。なんでもありません」
「......」
「フミヒロ様」
「?」
「伊野上さんのこと、どう思いますか?」
「な、なんだよいきなり?」
「正直にお答えください」
ネーコは決して逃さないといった視線で俺をじっと見すえる。
すぐに誤魔化せない雰囲気をさとった俺はボソボソと回答する。
「二回しか会ってないし、そんなに話せてもいないけど、まあ......なんというか、すごくマジメで、良い娘だとは思う......」
「はい。私もそう思います」
俺の答えを聞くやネーコは同意を示してニッコリと優しく微笑んだ。
「あ、う、うん」
ネーコの笑顔が妙に可愛くて俺は思わず頬を赤らめた。
「どうしましたか?フミヒロ様」
「な、なんでもないよ」
「ところで」
「はい?」
「登校したらチューしてあげると伊野上さんが言ってきたらどうしますか?」
「は??いきなりなに言ってんだ!?」
「正直にお答えください」
ネーコは決して逃さないといった視線で俺をじっと見すえる。
すぐに誤魔化せない雰囲気をさとった俺は仕方なく回答する。
「に、二回しか会ってないし、そんなに話せてもいないけど、まあ......それなら学校行くかな...じゃないわ!いきなりわけわからんこと言うな!マジメな学級委員員さんを巻き込むな!」
「ではブチュ~してくれると言ったらどうしますか?」
「ちょっ!!」
「では路チュ~ならどうしますか?」
「オイ!!」
「車チュ~なら...」
「もうヤメろ!!」
「冗談ですよ冗談。落ち着いてください」
「まったくお前はいつもいつも......」
「ただ少なくとも、学校にはマジメで優しくてカワイイ伊野上さんがいます。それは事実です」
「あ、うん......まあ、そうだけど...」
「フフフ。では買い物を済ませましょうか」
「なんなんだよもう......」
「......ハッ!と、とりあえず学級委員長さんには言わない方向でおなしゃす!」
「あ、あの~......」
黙って俺たちの様子をうかがっていた学級委員長さんがいぶかしそうに口をひらいた。
「あ、あの、学級委員長さん!ネーコのことだけど...」
「井藤くんの治療をしているんだよね。女の子に敏感に反応しすぎる井藤くんの特異体質を克服するために袮絵子さんが最先端の治療を施しているって」
「あっ、う、うん、そうだよ...(そういえばそういうことになってたんだった!てゆーかそれもそれでどうなんだ!?)」
「あっ、そっか!袮絵子さんって...」
「そうです、伊野上さん。私は若き天才科学者。そしてご存知のようにフミヒロ様に最先端の科学的治療を施すために参ったのです。ただし、職務上それ以上の詳しいことをご説明申し上げることができません。大変申し訳ございませんが、どうかご理解くださいませ」
ネーコはぺこりと頭を下げた。
「あっ、いえ、そんな!」
はわわわと恐縮する学級委員長。
(うまいぞネーコ!)
その言い方ならこれ以上聞かれることはない!
さすがは腐ってもアンドロイドだ!
俺はネーコにそれとなくグッドサインを送った。
ネーコはそれにぱちりとウインクで応えた。
そうして......。
「じゃ、じゃあわたしはこれで!井藤くん!またね!」
必要なことを聞けて満足したのか、学級委員長さんはせわしなく立ち去っていった。
俺は離れていく彼女の背中を見つめながら感心の息をもらす。
「さすが学級委員長だけあってマジメだなぁ。不登校の俺にまで校則違反の注意を促すって」
「本当にそう思いますか?」
なぜかネーコが問いかけてきた。
「えっ?だって、そう言ってたじゃん」
「私服姿の生徒を見て下校中だと勘違いすると思いますか?」
「そ、そう言われてみるとそうだけど...」
「しかも不登校のフミヒロ様と認識した上でです」
「な、なにが言いたいんだよ?」
「いえ。なんでもありません」
「......」
「フミヒロ様」
「?」
「伊野上さんのこと、どう思いますか?」
「な、なんだよいきなり?」
「正直にお答えください」
ネーコは決して逃さないといった視線で俺をじっと見すえる。
すぐに誤魔化せない雰囲気をさとった俺はボソボソと回答する。
「二回しか会ってないし、そんなに話せてもいないけど、まあ......なんというか、すごくマジメで、良い娘だとは思う......」
「はい。私もそう思います」
俺の答えを聞くやネーコは同意を示してニッコリと優しく微笑んだ。
「あ、う、うん」
ネーコの笑顔が妙に可愛くて俺は思わず頬を赤らめた。
「どうしましたか?フミヒロ様」
「な、なんでもないよ」
「ところで」
「はい?」
「登校したらチューしてあげると伊野上さんが言ってきたらどうしますか?」
「は??いきなりなに言ってんだ!?」
「正直にお答えください」
ネーコは決して逃さないといった視線で俺をじっと見すえる。
すぐに誤魔化せない雰囲気をさとった俺は仕方なく回答する。
「に、二回しか会ってないし、そんなに話せてもいないけど、まあ......それなら学校行くかな...じゃないわ!いきなりわけわからんこと言うな!マジメな学級委員員さんを巻き込むな!」
「ではブチュ~してくれると言ったらどうしますか?」
「ちょっ!!」
「では路チュ~ならどうしますか?」
「オイ!!」
「車チュ~なら...」
「もうヤメろ!!」
「冗談ですよ冗談。落ち着いてください」
「まったくお前はいつもいつも......」
「ただ少なくとも、学校にはマジメで優しくてカワイイ伊野上さんがいます。それは事実です」
「あ、うん......まあ、そうだけど...」
「フフフ。では買い物を済ませましょうか」
「なんなんだよもう......」
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