26 / 87
ep26 スーパーにて②
しおりを挟む
「フミヒロ様?どうかなさいましたか?」
「......ハッ!と、とりあえず学級委員長さんには言わない方向でおなしゃす!」
「あ、あの~......」
黙って俺たちの様子をうかがっていた学級委員長さんがいぶかしそうに口をひらいた。
「あ、あの、学級委員長さん!ネーコのことだけど...」
「井藤くんの治療をしているんだよね。女の子に敏感に反応しすぎる井藤くんの特異体質を克服するために袮絵子さんが最先端の治療を施しているって」
「あっ、う、うん、そうだよ...(そういえばそういうことになってたんだった!てゆーかそれもそれでどうなんだ!?)」
「あっ、そっか!袮絵子さんって...」
「そうです、伊野上さん。私は若き天才科学者。そしてご存知のようにフミヒロ様に最先端の科学的治療を施すために参ったのです。ただし、職務上それ以上の詳しいことをご説明申し上げることができません。大変申し訳ございませんが、どうかご理解くださいませ」
ネーコはぺこりと頭を下げた。
「あっ、いえ、そんな!」
はわわわと恐縮する学級委員長。
(うまいぞネーコ!)
その言い方ならこれ以上聞かれることはない!
さすがは腐ってもアンドロイドだ!
俺はネーコにそれとなくグッドサインを送った。
ネーコはそれにぱちりとウインクで応えた。
そうして......。
「じゃ、じゃあわたしはこれで!井藤くん!またね!」
必要なことを聞けて満足したのか、学級委員長さんはせわしなく立ち去っていった。
俺は離れていく彼女の背中を見つめながら感心の息をもらす。
「さすが学級委員長だけあってマジメだなぁ。不登校の俺にまで校則違反の注意を促すって」
「本当にそう思いますか?」
なぜかネーコが問いかけてきた。
「えっ?だって、そう言ってたじゃん」
「私服姿の生徒を見て下校中だと勘違いすると思いますか?」
「そ、そう言われてみるとそうだけど...」
「しかも不登校のフミヒロ様と認識した上でです」
「な、なにが言いたいんだよ?」
「いえ。なんでもありません」
「......」
「フミヒロ様」
「?」
「伊野上さんのこと、どう思いますか?」
「な、なんだよいきなり?」
「正直にお答えください」
ネーコは決して逃さないといった視線で俺をじっと見すえる。
すぐに誤魔化せない雰囲気をさとった俺はボソボソと回答する。
「二回しか会ってないし、そんなに話せてもいないけど、まあ......なんというか、すごくマジメで、良い娘だとは思う......」
「はい。私もそう思います」
俺の答えを聞くやネーコは同意を示してニッコリと優しく微笑んだ。
「あ、う、うん」
ネーコの笑顔が妙に可愛くて俺は思わず頬を赤らめた。
「どうしましたか?フミヒロ様」
「な、なんでもないよ」
「ところで」
「はい?」
「登校したらチューしてあげると伊野上さんが言ってきたらどうしますか?」
「は??いきなりなに言ってんだ!?」
「正直にお答えください」
ネーコは決して逃さないといった視線で俺をじっと見すえる。
すぐに誤魔化せない雰囲気をさとった俺は仕方なく回答する。
「に、二回しか会ってないし、そんなに話せてもいないけど、まあ......それなら学校行くかな...じゃないわ!いきなりわけわからんこと言うな!マジメな学級委員員さんを巻き込むな!」
「ではブチュ~してくれると言ったらどうしますか?」
「ちょっ!!」
「では路チュ~ならどうしますか?」
「オイ!!」
「車チュ~なら...」
「もうヤメろ!!」
「冗談ですよ冗談。落ち着いてください」
「まったくお前はいつもいつも......」
「ただ少なくとも、学校にはマジメで優しくてカワイイ伊野上さんがいます。それは事実です」
「あ、うん......まあ、そうだけど...」
「フフフ。では買い物を済ませましょうか」
「なんなんだよもう......」
「......ハッ!と、とりあえず学級委員長さんには言わない方向でおなしゃす!」
「あ、あの~......」
黙って俺たちの様子をうかがっていた学級委員長さんがいぶかしそうに口をひらいた。
「あ、あの、学級委員長さん!ネーコのことだけど...」
「井藤くんの治療をしているんだよね。女の子に敏感に反応しすぎる井藤くんの特異体質を克服するために袮絵子さんが最先端の治療を施しているって」
「あっ、う、うん、そうだよ...(そういえばそういうことになってたんだった!てゆーかそれもそれでどうなんだ!?)」
「あっ、そっか!袮絵子さんって...」
「そうです、伊野上さん。私は若き天才科学者。そしてご存知のようにフミヒロ様に最先端の科学的治療を施すために参ったのです。ただし、職務上それ以上の詳しいことをご説明申し上げることができません。大変申し訳ございませんが、どうかご理解くださいませ」
ネーコはぺこりと頭を下げた。
「あっ、いえ、そんな!」
はわわわと恐縮する学級委員長。
(うまいぞネーコ!)
その言い方ならこれ以上聞かれることはない!
さすがは腐ってもアンドロイドだ!
俺はネーコにそれとなくグッドサインを送った。
ネーコはそれにぱちりとウインクで応えた。
そうして......。
「じゃ、じゃあわたしはこれで!井藤くん!またね!」
必要なことを聞けて満足したのか、学級委員長さんはせわしなく立ち去っていった。
俺は離れていく彼女の背中を見つめながら感心の息をもらす。
「さすが学級委員長だけあってマジメだなぁ。不登校の俺にまで校則違反の注意を促すって」
「本当にそう思いますか?」
なぜかネーコが問いかけてきた。
「えっ?だって、そう言ってたじゃん」
「私服姿の生徒を見て下校中だと勘違いすると思いますか?」
「そ、そう言われてみるとそうだけど...」
「しかも不登校のフミヒロ様と認識した上でです」
「な、なにが言いたいんだよ?」
「いえ。なんでもありません」
「......」
「フミヒロ様」
「?」
「伊野上さんのこと、どう思いますか?」
「な、なんだよいきなり?」
「正直にお答えください」
ネーコは決して逃さないといった視線で俺をじっと見すえる。
すぐに誤魔化せない雰囲気をさとった俺はボソボソと回答する。
「二回しか会ってないし、そんなに話せてもいないけど、まあ......なんというか、すごくマジメで、良い娘だとは思う......」
「はい。私もそう思います」
俺の答えを聞くやネーコは同意を示してニッコリと優しく微笑んだ。
「あ、う、うん」
ネーコの笑顔が妙に可愛くて俺は思わず頬を赤らめた。
「どうしましたか?フミヒロ様」
「な、なんでもないよ」
「ところで」
「はい?」
「登校したらチューしてあげると伊野上さんが言ってきたらどうしますか?」
「は??いきなりなに言ってんだ!?」
「正直にお答えください」
ネーコは決して逃さないといった視線で俺をじっと見すえる。
すぐに誤魔化せない雰囲気をさとった俺は仕方なく回答する。
「に、二回しか会ってないし、そんなに話せてもいないけど、まあ......それなら学校行くかな...じゃないわ!いきなりわけわからんこと言うな!マジメな学級委員員さんを巻き込むな!」
「ではブチュ~してくれると言ったらどうしますか?」
「ちょっ!!」
「では路チュ~ならどうしますか?」
「オイ!!」
「車チュ~なら...」
「もうヤメろ!!」
「冗談ですよ冗談。落ち着いてください」
「まったくお前はいつもいつも......」
「ただ少なくとも、学校にはマジメで優しくてカワイイ伊野上さんがいます。それは事実です」
「あ、うん......まあ、そうだけど...」
「フフフ。では買い物を済ませましょうか」
「なんなんだよもう......」
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる