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動乱編
ep133 救世主
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「よお!ガブリエル先輩とその他先生方!」
元気な声が響く。
声の主は、俺もよく知っているスタイル抜群の快活美女だ。
「ジェットレディ!?」
俺より先にシャレクたちが声を上げた。
ジェットレディは颯爽と俺の傍まで歩み寄ってきて、快活に笑いかけてきた。
「よっ、ヤソガミ少年。元気か?」
「は、はい!」
「さて、ゆっくり話したいところだが、今はそれどころじゃないみたいだな」
ジェットレディは不適な笑みをガブリエル先生にぶつけた。
ガブリエル先生はジェットレディを冷たく見返した。
「ジェット・リボルバー。何しに来た」
「何しに来たって?トボけんなよ、センパイ」
「どういう意味だ」
「ヤソガミ少年を疑ってんすよね?」
一瞬ガブリエル先生の眉がひくっとなる。
「なぜ知っている」
「ヤソガミ少年の疑いを解いたら教えてあげますよ、センパイ」
「相変わらず気に入らない女だ」
「センパイこそ相変わらずやり方が陰湿っすよねぇ」
「何だと?」
「これ、理事長にも教頭にも黙って動いてるんすよね?」
「あくまで魔法科主任教師の権限内で行動している」
「そーゆーとこっすよ。権限内だからって、何したっていいってもんじゃない。ましてや相手は生徒だ」
「もう貴様はいい。ヤソガミと話をさせろ」
「やだね。アタシは彼の身元保証人だ」
「生徒に違反その他特段の事由が生じた場合、教師は保護者への確認を経ずに独自の判断で対応することができる。これは貴様も知っている規定だろう?」
「それでもダメだ」
「いい加減にしろ。貴様が理事長の弟子でもなかったら直ちに魔法省へ処分を要請するところだぞ」
「そうか。じゃあ今からヤソガミ少年をアタシの弟子にする」
「は?」
ガブリエル先生の言葉が止まる。
「何を......」
「だからヤソガミ少年をアタシの弟子にする。そうなるとどうなる?」
「どうなる、とは」
「アタシは理事長の弟子だから、アタシの弟子のヤソガミは理事長の孫弟子になる」
ジェットレディはニヤッと白い歯を見せた。
「き、貴様。フザケるのもいい加減にしろ!」
物凄い剣幕でガブリエル先生がジェットレディに詰め寄った。
思わず他の教師たちが後ずさる。
「アタシはふざけてないぞ」
ジェットレディはこっそり俺にウインクしてきた。
「ここは学校だ!貴様は国家魔術師だが教師ではない!これ以上部外者の干渉は許さん!」
「違うよセンパイ。当時者に関係ある第三者だ」
「屁理屈をこねるな!」
「わかったわかった。じゃあヤソガミ少年を調べてくれていいっすよ」
急にジェットレディが引き下がった。
俺は「え?』となるが、彼女は続けた。
「ただし、調査には、客観的な部外者に協力してもらう」
ジェットレディが扉に振り向く。
すると、開いた扉から一人の男性が入ってきた。
「えっ!?」
ガブリエル先生を含めた教師陣全員が驚かざるをえなかった。
生徒会三人も俺も同様に驚いた。
「私ではなくクワイアにやらせればいいだろう。こっちは忙しいんだ」
「貴方にやってもらった方が効果的で意味があると彼は言ってましたよ。ロマン先輩」
「ロマンと呼ぶな。ドクター・ベルリオーズと呼べと何度言ったらわかる」
なんと、ジェットレディに続いてドクター・ベルリオーズまでもがやって来たのだ。
元気な声が響く。
声の主は、俺もよく知っているスタイル抜群の快活美女だ。
「ジェットレディ!?」
俺より先にシャレクたちが声を上げた。
ジェットレディは颯爽と俺の傍まで歩み寄ってきて、快活に笑いかけてきた。
「よっ、ヤソガミ少年。元気か?」
「は、はい!」
「さて、ゆっくり話したいところだが、今はそれどころじゃないみたいだな」
ジェットレディは不適な笑みをガブリエル先生にぶつけた。
ガブリエル先生はジェットレディを冷たく見返した。
「ジェット・リボルバー。何しに来た」
「何しに来たって?トボけんなよ、センパイ」
「どういう意味だ」
「ヤソガミ少年を疑ってんすよね?」
一瞬ガブリエル先生の眉がひくっとなる。
「なぜ知っている」
「ヤソガミ少年の疑いを解いたら教えてあげますよ、センパイ」
「相変わらず気に入らない女だ」
「センパイこそ相変わらずやり方が陰湿っすよねぇ」
「何だと?」
「これ、理事長にも教頭にも黙って動いてるんすよね?」
「あくまで魔法科主任教師の権限内で行動している」
「そーゆーとこっすよ。権限内だからって、何したっていいってもんじゃない。ましてや相手は生徒だ」
「もう貴様はいい。ヤソガミと話をさせろ」
「やだね。アタシは彼の身元保証人だ」
「生徒に違反その他特段の事由が生じた場合、教師は保護者への確認を経ずに独自の判断で対応することができる。これは貴様も知っている規定だろう?」
「それでもダメだ」
「いい加減にしろ。貴様が理事長の弟子でもなかったら直ちに魔法省へ処分を要請するところだぞ」
「そうか。じゃあ今からヤソガミ少年をアタシの弟子にする」
「は?」
ガブリエル先生の言葉が止まる。
「何を......」
「だからヤソガミ少年をアタシの弟子にする。そうなるとどうなる?」
「どうなる、とは」
「アタシは理事長の弟子だから、アタシの弟子のヤソガミは理事長の孫弟子になる」
ジェットレディはニヤッと白い歯を見せた。
「き、貴様。フザケるのもいい加減にしろ!」
物凄い剣幕でガブリエル先生がジェットレディに詰め寄った。
思わず他の教師たちが後ずさる。
「アタシはふざけてないぞ」
ジェットレディはこっそり俺にウインクしてきた。
「ここは学校だ!貴様は国家魔術師だが教師ではない!これ以上部外者の干渉は許さん!」
「違うよセンパイ。当時者に関係ある第三者だ」
「屁理屈をこねるな!」
「わかったわかった。じゃあヤソガミ少年を調べてくれていいっすよ」
急にジェットレディが引き下がった。
俺は「え?』となるが、彼女は続けた。
「ただし、調査には、客観的な部外者に協力してもらう」
ジェットレディが扉に振り向く。
すると、開いた扉から一人の男性が入ってきた。
「えっ!?」
ガブリエル先生を含めた教師陣全員が驚かざるをえなかった。
生徒会三人も俺も同様に驚いた。
「私ではなくクワイアにやらせればいいだろう。こっちは忙しいんだ」
「貴方にやってもらった方が効果的で意味があると彼は言ってましたよ。ロマン先輩」
「ロマンと呼ぶな。ドクター・ベルリオーズと呼べと何度言ったらわかる」
なんと、ジェットレディに続いてドクター・ベルリオーズまでもがやって来たのだ。
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