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動乱編
ep115 謎の行動(フェエル視点)
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「上には上がいるんだよ。辺鄙な特異クラスの教室にいたって、わからないだろうけどな」
ノエルくんの話に、ぼくもミアちゃんもしゅんとしてしまう。
べつに過信も自惚もまったくなかった。
それでも、厳しい現実を突きつけられた気がした。
元特別クラスのエマちゃんがグレてしまったのもわかる気がしてくる。
「フェエルくん?大丈夫?」
ミアちゃんに呼びかけられ、俯きかけていた顔を起こした。
心なしか、ミアちゃんの表情も沈んでいる。
たぶん、ぼくと同じようなことを考えているんだろうなと思った。
そんな時。
「キィィィィィィッ!!」
地に伏している魔犬が、声というより、奇妙な音を発した。
「なんだ?」
レイ姉妹を含め、ぼくたちは皆、理解できずに佇む。
しかし数秒後、それが何を意味するのか、すぐにわかる。
「グルルル......」
なんと四方から一体ずつ、木々の影から、新たな赤黒い魔犬がぬっと現れたのだ。
「そうか!さっきの音、仲間を呼んだのか!」
わかった時にはもう遅い。
すでにぼくたちは赤黒い魔犬四体に囲まれていた。
「チッ。マズイな。今、あれとマトモにやり合えるのはレイ姉妹だけだ」
「の、ノエルくん」
「お前らにやられたダメージがあるからな」
「ご、ごめん」
「謝るなよ。それより、この状況をどう打破するか、お前らも考えろ」
そう言われてミアちゃんがすぐ答えた。
「もうすぐヤソガミくんが戻ってくるはずだよ。ヤソガミくんなら、あの魔犬が相手でも問題ないよ」
「それは、マッキンリーが負けるってこと?」
ぼくとミアちゃんは、あっとなって口を塞いだ。
ちょうどそこへ、レイ姉妹が自信に満ちた視線を投げてきた。
「こんなヤツら、ランラとリンリだけで充分だ!」
「そうですね。姉さん」
「リンリ!行くぞ!」
「言われるまでもありません」
レイ姉妹は勇猛果敢に魔犬どもへ飛び込んだ。
「ガルァァァッ!!」
呼応するように四体の魔犬はレイ姉妹に襲いかかっていく。
凄まじい戦闘が始まった。
「助かったって顔してるな」
ノエルくんが意地悪そうに言ってきた。
正直、それは否定できなかった。
ただし、レイ姉妹はぼくたちを守ろうと戦っているわけじゃない。
彼女たちは、ぼくたちなんか眼中にない。
そう思うと複雑な気分になってくる。
「オラァァァッ!!」
いよいよランラさんがノってきた。
それに合わせて妹のリンリさんも攻撃を加速する。
ふたりとも、そろそろ決める気だ。
そう思った時。
「やめなさい!」
誰かの声が轟いた。
レイ姉妹の動きがピタッと止まる。
驚いたことに、魔犬の動きもピタッと止まった。
でも、ぼくが一番驚いたのは、その声の主だ。
「ユイちゃ......ジークレフ学級委員長!?」
ジークレフさんは、レイ姉妹と魔犬たちの間に入るようにスタスタと歩いてきた。
「はあ?ジークレフ?どういうつもりだ」
ランラさんがぎろりと睨みつける。
「ジークレフさん。一体何しに来たんです?」
リンリさんも嫌悪感たっぷりの視線を投げつけた。
「あら?言葉がわからないの?」
ジークレフさんは真顔で答える。
「やめなさいって言ったの、聞こえなかった?」
「ケンカ売ってんのか?」
「ランラ。とにかくもうやめなさい」
「テメーに命令される覚えはねえ」
「リンリ。貴女は姉より冷静でしょ?もうやめて」
「ジークレフさん。なぜ、やめなければならないのですか?」
「それは貴女たちが知る必要はないこと」
「は??」
レイ姉妹は見るからに不快感を募らせた。
正直、彼女たちの気持ちはぼくもわかる。
なんでジークレフさんが彼女たちを止めるのか。
理由がわからなければ、ただの身勝手にしか思えない。
ジークレフさんは一体......。
ノエルくんの話に、ぼくもミアちゃんもしゅんとしてしまう。
べつに過信も自惚もまったくなかった。
それでも、厳しい現実を突きつけられた気がした。
元特別クラスのエマちゃんがグレてしまったのもわかる気がしてくる。
「フェエルくん?大丈夫?」
ミアちゃんに呼びかけられ、俯きかけていた顔を起こした。
心なしか、ミアちゃんの表情も沈んでいる。
たぶん、ぼくと同じようなことを考えているんだろうなと思った。
そんな時。
「キィィィィィィッ!!」
地に伏している魔犬が、声というより、奇妙な音を発した。
「なんだ?」
レイ姉妹を含め、ぼくたちは皆、理解できずに佇む。
しかし数秒後、それが何を意味するのか、すぐにわかる。
「グルルル......」
なんと四方から一体ずつ、木々の影から、新たな赤黒い魔犬がぬっと現れたのだ。
「そうか!さっきの音、仲間を呼んだのか!」
わかった時にはもう遅い。
すでにぼくたちは赤黒い魔犬四体に囲まれていた。
「チッ。マズイな。今、あれとマトモにやり合えるのはレイ姉妹だけだ」
「の、ノエルくん」
「お前らにやられたダメージがあるからな」
「ご、ごめん」
「謝るなよ。それより、この状況をどう打破するか、お前らも考えろ」
そう言われてミアちゃんがすぐ答えた。
「もうすぐヤソガミくんが戻ってくるはずだよ。ヤソガミくんなら、あの魔犬が相手でも問題ないよ」
「それは、マッキンリーが負けるってこと?」
ぼくとミアちゃんは、あっとなって口を塞いだ。
ちょうどそこへ、レイ姉妹が自信に満ちた視線を投げてきた。
「こんなヤツら、ランラとリンリだけで充分だ!」
「そうですね。姉さん」
「リンリ!行くぞ!」
「言われるまでもありません」
レイ姉妹は勇猛果敢に魔犬どもへ飛び込んだ。
「ガルァァァッ!!」
呼応するように四体の魔犬はレイ姉妹に襲いかかっていく。
凄まじい戦闘が始まった。
「助かったって顔してるな」
ノエルくんが意地悪そうに言ってきた。
正直、それは否定できなかった。
ただし、レイ姉妹はぼくたちを守ろうと戦っているわけじゃない。
彼女たちは、ぼくたちなんか眼中にない。
そう思うと複雑な気分になってくる。
「オラァァァッ!!」
いよいよランラさんがノってきた。
それに合わせて妹のリンリさんも攻撃を加速する。
ふたりとも、そろそろ決める気だ。
そう思った時。
「やめなさい!」
誰かの声が轟いた。
レイ姉妹の動きがピタッと止まる。
驚いたことに、魔犬の動きもピタッと止まった。
でも、ぼくが一番驚いたのは、その声の主だ。
「ユイちゃ......ジークレフ学級委員長!?」
ジークレフさんは、レイ姉妹と魔犬たちの間に入るようにスタスタと歩いてきた。
「はあ?ジークレフ?どういうつもりだ」
ランラさんがぎろりと睨みつける。
「ジークレフさん。一体何しに来たんです?」
リンリさんも嫌悪感たっぷりの視線を投げつけた。
「あら?言葉がわからないの?」
ジークレフさんは真顔で答える。
「やめなさいって言ったの、聞こえなかった?」
「ケンカ売ってんのか?」
「ランラ。とにかくもうやめなさい」
「テメーに命令される覚えはねえ」
「リンリ。貴女は姉より冷静でしょ?もうやめて」
「ジークレフさん。なぜ、やめなければならないのですか?」
「それは貴女たちが知る必要はないこと」
「は??」
レイ姉妹は見るからに不快感を募らせた。
正直、彼女たちの気持ちはぼくもわかる。
なんでジークレフさんが彼女たちを止めるのか。
理由がわからなければ、ただの身勝手にしか思えない。
ジークレフさんは一体......。
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