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動乱編
ep87 ライマス②
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「なあライマス」
寮に帰ってルームメイトと顔を合わすなり言った。
「さっきはなんか悪かった」
文句ではなく謝罪から入ったのは、その方がライマスは申し訳ない気持ちになると思ったから。
そうなれば事情を話してくれやすくなるだろうから。
少々ズルいが、これはお互いのため。
「べ、べつに。こちらも、すまなかった」
案の定、ライマスはぼそぼそと謝罪の言葉を口にした。
うまくいった。
ここからは単刀直入にいこう。
「ライマス。間違っていたら否定してくれ」
「ヤソガミ氏?」
「特異クラスの俺たちと仲良さそうにしているところを特別クラスの奴らに見られたくなかった。違うか?」
これは他ならぬ元特別クラスのエマの話を参考にした上での推測。
「そ、それは......」
ライマスは否定も肯定もしない。
答えは明白。
否定をしない時点で図星だ。
「そういうことだったのか」
読みは当たっていた。
しかし、ライマスがそうなるにいたる経緯は、単なる差別意識によるものではなかった。
「魔法科主任のガブリエル先生にハッキリと言われた。このままだと自主退学勧告を言い渡されることになるかもしれないと......」
さらにライマスは言いにくそうに付け加えた。
「それがどうしても嫌なら......理事長判断で、特異クラスへの編入という道もあるにはあると......」
ライマスは成績不良により厳しい状況になっていたのだ。
そのことはクラスメイトにも知られていて、「特異落ち予備軍」と陰口を叩かれているという。
「特異落ち」とは、特異クラスに編入されることだ。
そんな言葉があることを、さっきエマから聞いて初めて知った。
実際グレてしまった本人から聞かされると、そんな揶揄にもある意味説得力を感じてしまうのがもどかしい。
「そんな状況で関わりたくないよな、特異クラスに」
ライマスは複雑な感情を顔に滲ませている。
こいつに、俺たちに対する差別的な意識がないことはわかっている。
だからこそ複雑なんだ。
ライマスはミアの店のことでも協力を惜しまなかったし、俺たちに対して見下すような態度を取ってきたことなど一度もない。
変なヤツだけど、人を上下で見るようなヤツではないんだ。
こいつが上下で見るのは女性のバストサイズぐらいなもの。
「ヤソガミ氏。頼みがある」
ライマスはいつになく真剣な眼差しを向けてきた。
「ヤソミ(ロリ)になってくれないか?」
「ヤソミに?なんでだ?」
俺がヤソミになることで、ライマスの追い込まれている状況を打破する何かができるのだろうか。
ライマスの目は真剣そのもの。
「こうやってヤソガミ氏と寝食を共にできるのもあと僅かかもしれないんだ。だから最後に頼みたいのだ」
「そ、そんなこと言うなよ。まだどうなるかわからないだろ?」
「ヤソガミ氏!」
ライマスは決意の形相で叫んだ。
「ヤソミ(ロリ)になって、一緒にお風呂に入ってくれ!」
この後しばらく、俺がライマスの話に耳を傾けなくなったことは言うまでもない。
「なあライマス」
寮に帰ってルームメイトと顔を合わすなり言った。
「さっきはなんか悪かった」
文句ではなく謝罪から入ったのは、その方がライマスは申し訳ない気持ちになると思ったから。
そうなれば事情を話してくれやすくなるだろうから。
少々ズルいが、これはお互いのため。
「べ、べつに。こちらも、すまなかった」
案の定、ライマスはぼそぼそと謝罪の言葉を口にした。
うまくいった。
ここからは単刀直入にいこう。
「ライマス。間違っていたら否定してくれ」
「ヤソガミ氏?」
「特異クラスの俺たちと仲良さそうにしているところを特別クラスの奴らに見られたくなかった。違うか?」
これは他ならぬ元特別クラスのエマの話を参考にした上での推測。
「そ、それは......」
ライマスは否定も肯定もしない。
答えは明白。
否定をしない時点で図星だ。
「そういうことだったのか」
読みは当たっていた。
しかし、ライマスがそうなるにいたる経緯は、単なる差別意識によるものではなかった。
「魔法科主任のガブリエル先生にハッキリと言われた。このままだと自主退学勧告を言い渡されることになるかもしれないと......」
さらにライマスは言いにくそうに付け加えた。
「それがどうしても嫌なら......理事長判断で、特異クラスへの編入という道もあるにはあると......」
ライマスは成績不良により厳しい状況になっていたのだ。
そのことはクラスメイトにも知られていて、「特異落ち予備軍」と陰口を叩かれているという。
「特異落ち」とは、特異クラスに編入されることだ。
そんな言葉があることを、さっきエマから聞いて初めて知った。
実際グレてしまった本人から聞かされると、そんな揶揄にもある意味説得力を感じてしまうのがもどかしい。
「そんな状況で関わりたくないよな、特異クラスに」
ライマスは複雑な感情を顔に滲ませている。
こいつに、俺たちに対する差別的な意識がないことはわかっている。
だからこそ複雑なんだ。
ライマスはミアの店のことでも協力を惜しまなかったし、俺たちに対して見下すような態度を取ってきたことなど一度もない。
変なヤツだけど、人を上下で見るようなヤツではないんだ。
こいつが上下で見るのは女性のバストサイズぐらいなもの。
「ヤソガミ氏。頼みがある」
ライマスはいつになく真剣な眼差しを向けてきた。
「ヤソミ(ロリ)になってくれないか?」
「ヤソミに?なんでだ?」
俺がヤソミになることで、ライマスの追い込まれている状況を打破する何かができるのだろうか。
ライマスの目は真剣そのもの。
「こうやってヤソガミ氏と寝食を共にできるのもあと僅かかもしれないんだ。だから最後に頼みたいのだ」
「そ、そんなこと言うなよ。まだどうなるかわからないだろ?」
「ヤソガミ氏!」
ライマスは決意の形相で叫んだ。
「ヤソミ(ロリ)になって、一緒にお風呂に入ってくれ!」
この後しばらく、俺がライマスの話に耳を傾けなくなったことは言うまでもない。
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