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入学編
ep43 いざ、目的地へ
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「うまくいったね」
「玄関口にハウ先生がいたのは焦ったけど、まるで疑われなかったよな」
女子になった俺は、拍子抜けするほどあっさりと寮から抜け出すことに成功した。
「授業のことで男子寮に用事があった女子」という体を無理矢理に装ったが、先生はなにも訊いてこなかった。
簡単にいきすぎて逆に不安になったけど、結果良ければすべて良しだ。
「とりあえず急ごう!」
俺たちは目的地へ急いだ。
「それにしても......ライマスくんって、なんというか、スゴイね」
学校からミアの家への道のりを進みながらフェエルが言った。
「ミアちゃんちの住所まで知っているなんて」
「目ぼしい女子の情報は大体おさえているって言ってたな」
「ま、まあ、おかげで助かったね。制服のことも含めて」
「あとは......」
「作戦がうまくいけば、すべてを暴き出して覆せるかもしれないね」
「俺が思いつきで言い出したこととはいえ、気が重いな......」
「ぼくは効果的だと思うよ?よく思いついたよね」
「せっかく女子に変身したんだし、それを利用しない手はないなって。でも、やっぱり気は進まないな......」
「できるかぎりのことはやりたい、そう言ったのはお主じゃろう?」
鞄の中のイナバから指導が入る。
「今さらうだうだ言うでない!」
「わ、わかったよ」
「ま、待って!ヤソみん!」
突然、フェエルがピタッと立ち止まった。
なんだ?と思ったが、その理由はすぐに判明する。
「よぉ~ザコフェル子~!お前んちって、こっちだったかぁ!?」
トッパーとマイヤーが、まるで俺たちを待ち構えていたように道の先に立っていた。
「それともこっちになにか用事があるのかぁ?」
ヤツらは危なくニヤつきながら近づいてきた。
気のせいだろうか?今まで以上に殺気立っている気がする。
「おいザコフェル子。ちっとツラ貸せや」
「ぼ、ぼくになんか用?」
「あっちの路地裏で話そうか」
「こ、ここで聞くよ?」
「いいから来いよコラ。来ねえってんなら、そのオンナ拉致るぞ」
「わ、わかったよ。その代わりこの女の子には手を出さないで」
フェエルは女子になった俺を守るように一歩前に立つ。
その瞬間だ。
ヤツらの顔色が、ピキッと一気に変化していくのが目に見えてわかる。
「ああ?ザコフェル子のクセにカッコつけようとしてんじゃねえぞコラ」
「べ、べつにそういうわけじゃ...」
「よしわかった。ならオンナも一緒に来い」
「ま、待って!この娘は...」
「いいから来いコラァ!!」
心優しい気弱なフェエルと、か弱い女子となった俺に、なす術はない。
ヤツらに腕を引っぱられるまま人気のない路地裏に連れていかれた。
「うまくいったね」
「玄関口にハウ先生がいたのは焦ったけど、まるで疑われなかったよな」
女子になった俺は、拍子抜けするほどあっさりと寮から抜け出すことに成功した。
「授業のことで男子寮に用事があった女子」という体を無理矢理に装ったが、先生はなにも訊いてこなかった。
簡単にいきすぎて逆に不安になったけど、結果良ければすべて良しだ。
「とりあえず急ごう!」
俺たちは目的地へ急いだ。
「それにしても......ライマスくんって、なんというか、スゴイね」
学校からミアの家への道のりを進みながらフェエルが言った。
「ミアちゃんちの住所まで知っているなんて」
「目ぼしい女子の情報は大体おさえているって言ってたな」
「ま、まあ、おかげで助かったね。制服のことも含めて」
「あとは......」
「作戦がうまくいけば、すべてを暴き出して覆せるかもしれないね」
「俺が思いつきで言い出したこととはいえ、気が重いな......」
「ぼくは効果的だと思うよ?よく思いついたよね」
「せっかく女子に変身したんだし、それを利用しない手はないなって。でも、やっぱり気は進まないな......」
「できるかぎりのことはやりたい、そう言ったのはお主じゃろう?」
鞄の中のイナバから指導が入る。
「今さらうだうだ言うでない!」
「わ、わかったよ」
「ま、待って!ヤソみん!」
突然、フェエルがピタッと立ち止まった。
なんだ?と思ったが、その理由はすぐに判明する。
「よぉ~ザコフェル子~!お前んちって、こっちだったかぁ!?」
トッパーとマイヤーが、まるで俺たちを待ち構えていたように道の先に立っていた。
「それともこっちになにか用事があるのかぁ?」
ヤツらは危なくニヤつきながら近づいてきた。
気のせいだろうか?今まで以上に殺気立っている気がする。
「おいザコフェル子。ちっとツラ貸せや」
「ぼ、ぼくになんか用?」
「あっちの路地裏で話そうか」
「こ、ここで聞くよ?」
「いいから来いよコラ。来ねえってんなら、そのオンナ拉致るぞ」
「わ、わかったよ。その代わりこの女の子には手を出さないで」
フェエルは女子になった俺を守るように一歩前に立つ。
その瞬間だ。
ヤツらの顔色が、ピキッと一気に変化していくのが目に見えてわかる。
「ああ?ザコフェル子のクセにカッコつけようとしてんじゃねえぞコラ」
「べ、べつにそういうわけじゃ...」
「よしわかった。ならオンナも一緒に来い」
「ま、待って!この娘は...」
「いいから来いコラァ!!」
心優しい気弱なフェエルと、か弱い女子となった俺に、なす術はない。
ヤツらに腕を引っぱられるまま人気のない路地裏に連れていかれた。
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