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入学編
ep40 対策会議
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「そうだったんだ。むしろヤソみんは嵌められたんだね」
「ああ」
フェエルを部屋に入れ、一部始終をしっかりと説明した。
最初にフェエルが俺を「信じる」と言ってくれたおかげで、気を楽にして話すことができた。
フェエルの心のあたたかさに救われた気がする。
「さて、ここからが問題じゃな」
やがてイナバが俺たちの間に入ってきて、対策会議が始まる。
「どうやって小僧の潔白を証明するか......フェエル少年はどう思う?」
「こういうことって男性側は不利だからね。エマさんの証拠映像以上の確固たる証拠を突きつけて立証した上でしっかりと弁明しないかぎりは現実的にかなり厳しいと思う」
「やはりそうなるじゃろうな」
「事実、誰もヤソみんの言葉は聞かず、エマちゃんのほうは疑おうともしなかった。あの証拠映像がセンセーショナルだったっていうのもあるんだろうけど」
「ふむ。では小僧。お主はこの一件、どう見ておる?」
「俺は......やっぱり、エマやトッパーが絡んでいると考えるのが妥当だと思う。おそらくアイツらが俺を貶めようとしてミアを利用したんだ」
「そうだとして、そのエマとかいう女子生徒の鏡魔法による証拠映像。あれは一体なんなのじゃ?」
「俺もわからない。けど......それもエマの魔法なのかもしれない」
「ぼくもそう思うよ。だって、今回の一件ではじめて〔遠隔〕という能力があることも知ったんだ。彼女の魔法には他にもなにかしらの能力があると考えるほうが自然だよ」
「つまり、エマ女子が何らかの能力で証拠を捏造したということじゃな?」
「そういうことになるな。それと......」
「小僧?」
「やっぱり、俺はミアに一服盛られたんだと思う。魔法をかけられた記憶はないから」
「用務室でもらったお菓子...だね。残念だけど、そうかもしれないね。ただ......」
「なんじゃ?」
「ミアちゃんは、本当に自分の意志でやったのかなって」
「やらされていたと言いたいのか?」
「わからない。でも、ぼくはその可能性もあると思う。ヤソみんは納得できないだろうけど......」
「俺は......正直、ミアに対してマイナスの感情しか持てない」
「そ、そうだよね」
「でも」
「?」
「今になって思い返してみると......昨日のミアにはどこか無理してる感があったと思う」
「なるほど。となると、今打てる手は......そのミア女子に直接会って問いただすことじゃな」
イナバに言われる前に、俺の頭の中ではすでにその結論が導き出されていた。
フェエルと視線を交わすと、彼もそんな様子で小さく頷いた。
そしてその役目は、フェエルに任せるしかない。
「フェエル」
「わかってる。ぼくがミアちゃんに会いにいってくるよ」
「小僧は行かんのか?」
「いや気まず過ぎるだろ。さすがに無理だよ」
「小僧。この追いつめられた状況で、お主は『気まずい』などという理由で自らの選択肢を狭めるのか?」
「そ、それは......」
たしかにそうだ。
今は気まずいとかなんとかを気にしている状況じゃないんだ。
そんなことを気にして何もしなかったら、俺はきっとまた後悔する。
「小僧。どうなんじゃ?」
「俺も......できるかぎりのことはやりたい」
「その意気じゃ!縮こまっていても良い結果は出せんぞ!」
「本当に俺が直接ミアと会うことが有効かどうかはわからないけど......やれることはやりたい」
「そうだったんだ。むしろヤソみんは嵌められたんだね」
「ああ」
フェエルを部屋に入れ、一部始終をしっかりと説明した。
最初にフェエルが俺を「信じる」と言ってくれたおかげで、気を楽にして話すことができた。
フェエルの心のあたたかさに救われた気がする。
「さて、ここからが問題じゃな」
やがてイナバが俺たちの間に入ってきて、対策会議が始まる。
「どうやって小僧の潔白を証明するか......フェエル少年はどう思う?」
「こういうことって男性側は不利だからね。エマさんの証拠映像以上の確固たる証拠を突きつけて立証した上でしっかりと弁明しないかぎりは現実的にかなり厳しいと思う」
「やはりそうなるじゃろうな」
「事実、誰もヤソみんの言葉は聞かず、エマちゃんのほうは疑おうともしなかった。あの証拠映像がセンセーショナルだったっていうのもあるんだろうけど」
「ふむ。では小僧。お主はこの一件、どう見ておる?」
「俺は......やっぱり、エマやトッパーが絡んでいると考えるのが妥当だと思う。おそらくアイツらが俺を貶めようとしてミアを利用したんだ」
「そうだとして、そのエマとかいう女子生徒の鏡魔法による証拠映像。あれは一体なんなのじゃ?」
「俺もわからない。けど......それもエマの魔法なのかもしれない」
「ぼくもそう思うよ。だって、今回の一件ではじめて〔遠隔〕という能力があることも知ったんだ。彼女の魔法には他にもなにかしらの能力があると考えるほうが自然だよ」
「つまり、エマ女子が何らかの能力で証拠を捏造したということじゃな?」
「そういうことになるな。それと......」
「小僧?」
「やっぱり、俺はミアに一服盛られたんだと思う。魔法をかけられた記憶はないから」
「用務室でもらったお菓子...だね。残念だけど、そうかもしれないね。ただ......」
「なんじゃ?」
「ミアちゃんは、本当に自分の意志でやったのかなって」
「やらされていたと言いたいのか?」
「わからない。でも、ぼくはその可能性もあると思う。ヤソみんは納得できないだろうけど......」
「俺は......正直、ミアに対してマイナスの感情しか持てない」
「そ、そうだよね」
「でも」
「?」
「今になって思い返してみると......昨日のミアにはどこか無理してる感があったと思う」
「なるほど。となると、今打てる手は......そのミア女子に直接会って問いただすことじゃな」
イナバに言われる前に、俺の頭の中ではすでにその結論が導き出されていた。
フェエルと視線を交わすと、彼もそんな様子で小さく頷いた。
そしてその役目は、フェエルに任せるしかない。
「フェエル」
「わかってる。ぼくがミアちゃんに会いにいってくるよ」
「小僧は行かんのか?」
「いや気まず過ぎるだろ。さすがに無理だよ」
「小僧。この追いつめられた状況で、お主は『気まずい』などという理由で自らの選択肢を狭めるのか?」
「そ、それは......」
たしかにそうだ。
今は気まずいとかなんとかを気にしている状況じゃないんだ。
そんなことを気にして何もしなかったら、俺はきっとまた後悔する。
「小僧。どうなんじゃ?」
「俺も......できるかぎりのことはやりたい」
「その意気じゃ!縮こまっていても良い結果は出せんぞ!」
「本当に俺が直接ミアと会うことが有効かどうかはわからないけど......やれることはやりたい」
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