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ep10 バイト初日!
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ーーーーーー
週末。
土曜朝。
天気、晴れ時々曇り。
猫実好和は正式な初出勤日を迎える。
ガチャ
お店裏の従業員通用口から入店する猫実。
まずは事務所で店長に挨拶。
「おはようございまーす」
「おお、猫実くん!おはようさん!」
相変わらず元気なアミ店長。
早速着替えてフロアに移動。
可愛らしくも働き者のネコ娘達はすでにせくせくと開店準備を始めている。
真面目な猫実好和はひとりひとりにきちんとしっかり挨拶していく。
「おはようございまーす」
「おはよう!猫実くん!フフッ」
栗色セミロングに真っ赤なリボンをつけ、見習い魔女風ワンピースを纏った正統派美少女ハヤオンは、相変わらずキュートなスマイルを見せる。
「おはようございまーす」
「お、おはよう!遅刻したら思いっきり叱ろうと思ってたけれど、どうやらちゃんと来たわね」
金髪ツインテールに黒い三日月リボンをつけ、制服風の魔法少女のような衣装を纏い、先端に王冠のような物を形どったステッキを持ったナルは、腕を組んでフンっ!と相変わらずのツン子ぶりを見せる。
厨房に移動。
猫実好和にとって色んな意味でもっとも重要な先輩に挨拶。
「おはようございまーす」
「...あっ、お、おおおおおはようごさいますぅ!」
黒髪ショートボブの前髪が片目を隠し、どこか小動物のように怯えるもずきゅんは、相変わらずオドオドしどろもどろな様子を見せる。
さて、ここまでの挨拶を終えると、猫実は「あれ?」となった。
「...オーナーは午後に来るかもっていうのは聞いてたけど、千代先輩も午後からなのか?」
猫実がそう呟いた時...
「にん」
いきなり彼の背後にくノ一ネコ娘が現れる。
「うわっ!千代先輩!お、おはようございます!」
猫実はびっくり振り向き挨拶する。
「御早う。猫実殿」
青みがかった黒髪をポニーテールのように束ね、前髪を両脇へ垂らすくノ一姿の千代は、相変わらずの神出鬼没なクールビューティぶりを見せる。
「本日から猫実殿が同胞となる事、心より歓迎する。これから何卒、宜しく願いまする」
「同胞って......こ、こちらこそ宜しくお願いします」
猫実は戸惑いながらも改めてかしこまった。
「...して、猫実殿。もず姫とは上手くやってゆけそうであろうか?」
「もず姫...もずきゅん先輩とは、そうですね。
悪い人じゃないことはわかっているので、あとは少しずつ関係性を築いていければ何とかなるんじゃないでしょうかね。
それに極度の人見知りと暴走さえしなければ、もずきゅん先輩は普通に小さくて可愛い女の子ですから」
猫実は不安を滲ませながらも優しく微笑んだ。
「そうか。むしろ猫実殿によってもず姫の成長が期待できそうでござるな。......ん?」
「千代先輩?」
千代が厨房へ振り向いたので、猫実もそちらへ視線を向けた。
すると...
「か、かかかかか、かわいい......ち、ちちちちいさくて......かわいい......」
厨房からフロアへ出てきたもずきゅんが顔を真っ赤に火照らせ、ほっぺたを両手で抑えてワナワナと震えながら立っていた!
「もず姫?一体どう.....あっ」
千代はハッと気づいて、猫実をパッと見る。
「え?......あっ!今の会話、聞いてた!?」
一歩遅れて猫実もハッと気づき、もずきゅんにパッと顔を向けた。
「うっ...」
もずきゅんは猫実の顔を見るなり、すでに真っ赤な顔をさらにボッ!と火が出るように紅潮させ、ついに何かのゲージが上限を振り切った!
「.......キャアァァァ~~~~~!!!」
もずきゅんは謎の絶叫とともに猫実へ向かってダダッと走り出す!
まさか、彼の胸の中へ飛び込むのか!?
「もずきゅん先輩!?」
猫実も抱きつかれるのかと思いドキッとする!
もずきゅんはそのまま猫実へ肉薄する!
そして...
ガツーーーン!!!
もずきゅんは渾身の突き上げ式頭突きを猫実の顎へぶちかました!
「がはぁっ!!!」
猫実の足は床を離れ、体はふわぁっと浮かんでから地に落ちる。
ドシャアァァァ......
鮮やかな
K・O
「...ね、猫実殿ぉ!!!」
週末。
土曜朝。
天気、晴れ時々曇り。
猫実好和は正式な初出勤日を迎える。
ガチャ
お店裏の従業員通用口から入店する猫実。
まずは事務所で店長に挨拶。
「おはようございまーす」
「おお、猫実くん!おはようさん!」
相変わらず元気なアミ店長。
早速着替えてフロアに移動。
可愛らしくも働き者のネコ娘達はすでにせくせくと開店準備を始めている。
真面目な猫実好和はひとりひとりにきちんとしっかり挨拶していく。
「おはようございまーす」
「おはよう!猫実くん!フフッ」
栗色セミロングに真っ赤なリボンをつけ、見習い魔女風ワンピースを纏った正統派美少女ハヤオンは、相変わらずキュートなスマイルを見せる。
「おはようございまーす」
「お、おはよう!遅刻したら思いっきり叱ろうと思ってたけれど、どうやらちゃんと来たわね」
金髪ツインテールに黒い三日月リボンをつけ、制服風の魔法少女のような衣装を纏い、先端に王冠のような物を形どったステッキを持ったナルは、腕を組んでフンっ!と相変わらずのツン子ぶりを見せる。
厨房に移動。
猫実好和にとって色んな意味でもっとも重要な先輩に挨拶。
「おはようございまーす」
「...あっ、お、おおおおおはようごさいますぅ!」
黒髪ショートボブの前髪が片目を隠し、どこか小動物のように怯えるもずきゅんは、相変わらずオドオドしどろもどろな様子を見せる。
さて、ここまでの挨拶を終えると、猫実は「あれ?」となった。
「...オーナーは午後に来るかもっていうのは聞いてたけど、千代先輩も午後からなのか?」
猫実がそう呟いた時...
「にん」
いきなり彼の背後にくノ一ネコ娘が現れる。
「うわっ!千代先輩!お、おはようございます!」
猫実はびっくり振り向き挨拶する。
「御早う。猫実殿」
青みがかった黒髪をポニーテールのように束ね、前髪を両脇へ垂らすくノ一姿の千代は、相変わらずの神出鬼没なクールビューティぶりを見せる。
「本日から猫実殿が同胞となる事、心より歓迎する。これから何卒、宜しく願いまする」
「同胞って......こ、こちらこそ宜しくお願いします」
猫実は戸惑いながらも改めてかしこまった。
「...して、猫実殿。もず姫とは上手くやってゆけそうであろうか?」
「もず姫...もずきゅん先輩とは、そうですね。
悪い人じゃないことはわかっているので、あとは少しずつ関係性を築いていければ何とかなるんじゃないでしょうかね。
それに極度の人見知りと暴走さえしなければ、もずきゅん先輩は普通に小さくて可愛い女の子ですから」
猫実は不安を滲ませながらも優しく微笑んだ。
「そうか。むしろ猫実殿によってもず姫の成長が期待できそうでござるな。......ん?」
「千代先輩?」
千代が厨房へ振り向いたので、猫実もそちらへ視線を向けた。
すると...
「か、かかかかか、かわいい......ち、ちちちちいさくて......かわいい......」
厨房からフロアへ出てきたもずきゅんが顔を真っ赤に火照らせ、ほっぺたを両手で抑えてワナワナと震えながら立っていた!
「もず姫?一体どう.....あっ」
千代はハッと気づいて、猫実をパッと見る。
「え?......あっ!今の会話、聞いてた!?」
一歩遅れて猫実もハッと気づき、もずきゅんにパッと顔を向けた。
「うっ...」
もずきゅんは猫実の顔を見るなり、すでに真っ赤な顔をさらにボッ!と火が出るように紅潮させ、ついに何かのゲージが上限を振り切った!
「.......キャアァァァ~~~~~!!!」
もずきゅんは謎の絶叫とともに猫実へ向かってダダッと走り出す!
まさか、彼の胸の中へ飛び込むのか!?
「もずきゅん先輩!?」
猫実も抱きつかれるのかと思いドキッとする!
もずきゅんはそのまま猫実へ肉薄する!
そして...
ガツーーーン!!!
もずきゅんは渾身の突き上げ式頭突きを猫実の顎へぶちかました!
「がはぁっ!!!」
猫実の足は床を離れ、体はふわぁっと浮かんでから地に落ちる。
ドシャアァァァ......
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