8 / 36
ep8 我が翼よ!
しおりを挟む
「奇遇だね?」
ハヤオンは花のように微笑んだ。
「そ、そうですね。(......店外で見ると、際立つな...でもやっぱり周りからはクオリティの高いコスプレイヤーと思われてるのかな。しかし、改めて見ると、ハヤオン先輩は可愛いなぁ......)」
猫実好和は、唐突な美少女ネコ娘との遭遇に一驚しながら頬を赤らめた。
「お、おい、あのコスプレ?の子。めちゃくちゃ可愛いぞ」
「えっ?アイドル?」
「あのケモミミと尻尾、リアルすぎる......」
麗しきネコ娘にざわつく通行人。
ハヤオンは微笑みながら猫実に訊ねる。
「大学終わり?」
「は、はい」
「そうなんだ」
ハヤオンはふふふっと笑いながら後ろ手を組むと、猫実好和に接近して上目を向ける。
「猫実くん?」
「な、なんですか?」
「カフェでも寄って行かない?」
「お、俺とですか??」
「そうだよ?私とはイヤですか?」
「い、いえいえそんな!!ぜ、是非行きましょう!!」
「やったぁ」
「ははは...!」
「じゃあ猫実くん!私の知っているお店行かない??」
ハヤオンが澄んだ瞳をくりっとさせて提案する。
「あ、いいですよ!どこにあるんですか?」
猫実が訊ねると、ハヤオンはサッと一歩下がり、片手を腰に当て、片手を横にピッと伸ばした。
「......えっと、ハヤオン先輩?」
猫実好和はハヤオンの脈絡のないポージングに戸惑う。
ハヤオンはニイっと自信満々の表情を見せて、
「顕現せよ!我が翼よ!」
叫んだ。
その瞬間、ボゥンッ!という音とともに謎の煙が飛散し、彼女の伸ばした手に長いホウキが現れた!
「い、いきなりハヤオン先輩の手に箒が!?なんで!?」
猫実好和はたまげる。
ハヤオンはおもむろにホウキに跨ると、猫実に微笑みかける。
「さあ!猫実くんも!」
「お、俺も??て何がですか??」
猫実は彼女が何を言っているのか理解できず訊き返した。
「私の後ろに跨るの!さあ、早く!」
「え?俺もその箒に跨るんですか??」
「そうよ!さあ!」
猫実好和は当惑し、周りをチラチラ見まわした。
道ゆく通行人達は不思議そうにハヤオンを眺めている。
「あ、あの、ハヤオン先輩...」
「何してるの猫実くん!さあ!早く」
全く揺るがないハヤオン。
彼は彼女の微動だにしない態度に気圧され、周りの目を気にしながらもハヤオンの後ろに跨った。
「こ、これでいいですか?」
「うん!じゃあしっかり掴まっててね!」
「は、はい??」
「それじゃあ、いっくよ~!?」
フワァン
「えっ?」
なんと、ハヤオンのかけ声と共に、二人を乗せたホウキがフワリと浮上し、数秒のうちに電柱の高さを超える。
「えっ、えっ、えっ、ななな何これ??」
「しゅっぱ~つ、しんこー!!!」
バビューーーーン!!!
「えええええーーーー!!??」
ホウキに乗った二人は、ジェットコースターのような勢いでビューン!と空を翔けていった。
ハヤオンは花のように微笑んだ。
「そ、そうですね。(......店外で見ると、際立つな...でもやっぱり周りからはクオリティの高いコスプレイヤーと思われてるのかな。しかし、改めて見ると、ハヤオン先輩は可愛いなぁ......)」
猫実好和は、唐突な美少女ネコ娘との遭遇に一驚しながら頬を赤らめた。
「お、おい、あのコスプレ?の子。めちゃくちゃ可愛いぞ」
「えっ?アイドル?」
「あのケモミミと尻尾、リアルすぎる......」
麗しきネコ娘にざわつく通行人。
ハヤオンは微笑みながら猫実に訊ねる。
「大学終わり?」
「は、はい」
「そうなんだ」
ハヤオンはふふふっと笑いながら後ろ手を組むと、猫実好和に接近して上目を向ける。
「猫実くん?」
「な、なんですか?」
「カフェでも寄って行かない?」
「お、俺とですか??」
「そうだよ?私とはイヤですか?」
「い、いえいえそんな!!ぜ、是非行きましょう!!」
「やったぁ」
「ははは...!」
「じゃあ猫実くん!私の知っているお店行かない??」
ハヤオンが澄んだ瞳をくりっとさせて提案する。
「あ、いいですよ!どこにあるんですか?」
猫実が訊ねると、ハヤオンはサッと一歩下がり、片手を腰に当て、片手を横にピッと伸ばした。
「......えっと、ハヤオン先輩?」
猫実好和はハヤオンの脈絡のないポージングに戸惑う。
ハヤオンはニイっと自信満々の表情を見せて、
「顕現せよ!我が翼よ!」
叫んだ。
その瞬間、ボゥンッ!という音とともに謎の煙が飛散し、彼女の伸ばした手に長いホウキが現れた!
「い、いきなりハヤオン先輩の手に箒が!?なんで!?」
猫実好和はたまげる。
ハヤオンはおもむろにホウキに跨ると、猫実に微笑みかける。
「さあ!猫実くんも!」
「お、俺も??て何がですか??」
猫実は彼女が何を言っているのか理解できず訊き返した。
「私の後ろに跨るの!さあ、早く!」
「え?俺もその箒に跨るんですか??」
「そうよ!さあ!」
猫実好和は当惑し、周りをチラチラ見まわした。
道ゆく通行人達は不思議そうにハヤオンを眺めている。
「あ、あの、ハヤオン先輩...」
「何してるの猫実くん!さあ!早く」
全く揺るがないハヤオン。
彼は彼女の微動だにしない態度に気圧され、周りの目を気にしながらもハヤオンの後ろに跨った。
「こ、これでいいですか?」
「うん!じゃあしっかり掴まっててね!」
「は、はい??」
「それじゃあ、いっくよ~!?」
フワァン
「えっ?」
なんと、ハヤオンのかけ声と共に、二人を乗せたホウキがフワリと浮上し、数秒のうちに電柱の高さを超える。
「えっ、えっ、えっ、ななな何これ??」
「しゅっぱ~つ、しんこー!!!」
バビューーーーン!!!
「えええええーーーー!!??」
ホウキに乗った二人は、ジェットコースターのような勢いでビューン!と空を翔けていった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ガールズバンド“ミッチェリアル”
西野歌夏
キャラ文芸
ガールズバンド“ミッチェリアル”の初のワールドツアーがこれから始まろうとしている。このバンドには秘密があった。ワールドツアー準備合宿で、事件は始まった。アイドルが世界を救う戦いが始まったのだ。
バンドメンバーの16歳のミカナは、ロシア皇帝の隠し財産の相続人となったことから嫌がらせを受ける。ミカナの母国ドイツ本国から試客”くノ一”が送り込まれる。しかし、事態は思わぬ展開へ・・・・・・
「全世界の動物諸君に告ぐ。爆買いツアーの開催だ!」
武器商人、スパイ、オタクと動物たちが繰り広げるもう一つの戦線。

弟がヒーローになりました
アルカ
キャラ文芸
草薙円奈(くさなぎまどな)高校二年生。この春から弟がヒーローになりました。怪獣と必殺技を持つヒーローのいる世界で、姉は今日も美味しいお肉(怪獣)を持ち帰ってくる弟を応援する。そんな円奈と周りの人々のお話。
◆小説家になろうさんで連載していたものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる