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一章
第13話:氷結の谷への道
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悠人、リリス、そしてアイラの旅は、新たな段階へと進展していた。悠人の使命は重大であり、元の世界の悪意と悪徳の政治家たちの魂が宿った異世界の者を討伐し、その魂を反応石に封じ込めることだった。これは彼が神から与えられた最優先の依頼であり、蘇生と引き換えに課せられた使命である。
これまでの冒険で彼は「騎士」の階位から「総裁」へと昇格してきたが、「大総裁」への道は遥かに険しく、高位貴族を倒すことができたのはほぼ奇跡に近かった。もし彼らが「赤の騎士ゲール」に遭遇していたら、容赦なく攻撃されていたことだろう。次なる目標である「氷の伯爵」へのアプローチは、より慎重に行う必要があった。
次なる目的地、「氷結の谷」は、元の世界の政治家の魂を宿した「氷の伯爵」が住む場所だ。反応石が地上への移動を示していたため、一行は地上へ戻る決断をした。
地上に出た彼らは奴隷商の元を訪れたが、すでにその人物は高位貴族に買われていた。情報を得る手がかりは失われたが、反応石によって「氷の伯爵」が近くにいることが示されていた。
悠人は重要な情報を得るために奴隷を救出する必要があった。計画をリリスとアイラに伝えると、二人は意外にも積極的に支持した。特にアイラは、「必ず救出しよう」と力強く言った。救出の目的は二つ。「なぜ日本人を知っているのか」と「何を悠人に伝えようとしていたのか」を解明することだ。
「氷結の谷」は実際に氷が張っているわけではなく、白い岩石がそう見せているだけだった。この地は町から徒歩で約一時間の距離にあり、遠くからでも目立つ地形だったが、逆に言えば敵にも容易に発見されるリスクがあった。彼らは慎重に進路を選ばなければならなかった。
プランAとして直接進む方法があったが、これは敵に見つかりやすい。代わりのプランBとして、周囲の森を通るルートが考えられた。これは遭遇する魔獣のリスクを冒してでも、敵に見つからずに進むことができる。
地上の宿で、リリスとアイラはプランBを支持した。しかし悠人は、「敵も森のルートを予想して対策を講じているはずだ」と述べ、異なるアプローチが必要だと提案した。悠人は地理に詳しいアイラに対して他の選択肢を問いかけた。
アイラは地図を見つめながら考え込んでいた。「あるにはあるけど、現実的ではない場所ならね」と静かに言った。「それはどこだ?」と悠人が追及すると、アイラは少し躊躇いながら、「城と大地の間にかかっている橋の下に急な流れの川がある。そこは垂直の絶壁で、一見して登れそうにない」と説明した。
悠人はすぐに質問を続けた。「登り切れば、隠れる場所はあるのか?」アイラは肯定した。「ええ、登り切れたら隠れる場所はいくつかあるわ」。その答えに悠人は即座に対策を考え、「タロットカードの『幻影隠者の影拳』を使えば、高速移動で垂直でも駆け上がることができる。問題はアイラとリリスを担いでいけるかどうか、それだけだ」と言い、必要な練習を始めることを提案した。
悠人たちの新たな冒険が始まる。今回の挑戦は、絶壁疾走プランタロットでカードを駆使し、垂直の壁を駆け上がる。その前に、アイラとのちょっとしたやりとりが彼女の頬を赤らめさせた。
「そんなことができるの?」アイラは目を丸くして驚き、赤くなった顔で尋ねた。「それって、私を抱き抱えて……よね?」
「ああ、当然だ。手前に抱えた方が顔も見えて安全だ」と悠人は冷静に答えた。彼の言葉にアイラの想像は一層、赤面を深める。彼女は悠人に抱き上げられながら駆け抜ける姿を思い浮かべていた。
「どうした? 具合でも悪いのか?」悠人が心配そうに尋ねると、アイラは顔をそむけ、「もう、バカ……」と小さく呟いた。
その後、彼らは準備を整え、十層の階層主部屋へと向かった。この部屋の壁面が練習には最適だったからだ。
部屋の前に立ち、悠人は感慨深く言った。「なんだかここまで来るのも早くなったな」
「それはそうよね。短期間で濃密な経験を積んでいるからね」とリリスが同意すると、アイラも加わり、「より深度を増して血肉にするには、より多くの反復が必要ね」と続けた。
背後に下の階層への階段があり、目の前の扉を開ければ階層主との対峙が待っている。悠人は首を傾げ、「このまま開けるとちょうど階層主の股下にならないか?」と提案した。アイラは「開けた瞬間に出現位置が逆になるわ」と答えた。
「なるほどな。扉の開ける場所によって変わるのか……」と感心しながら悠人は扉に手をかけ、「行くぞ」と宣言。アイラは「ええ、行きましょう!」と返し、リリスも「そうね、行きましょう」と合意した。
扉を押し込むと、アイラの言った通り、階層主は正反対の位置に現れた。「倒した後の扉はこちら側が開くと解釈であっているか?」悠人が問いかけると、アイラは「ええもちろんよ」と応じ、すぐに魔法の準備を始めた。
悠人は風のように間合いを詰め、五メートルを超える巨大な白熊の魔獣に向けて飛び上がり、一気に掌底を打ち込んだ。打撃が腹部に当たる瞬間、「神罰裁断!」と叫びながらその一撃で魔獣の背中は爆散し、臓物を床に撒き散らしたのち、そのまま仰向けに倒れた。
「変わらず、すごいのねその打撃は……」アイラは感嘆の声を上げた。悠人のその一撃で獣が倒される様は、何度見ても圧倒的な力強さを感じさせた。悠人自身はその力の全貌をまだ理解していなかったが、手応えと発動した技の結果には自信を持っていた。
そして、彼らの本来の目的である垂直の壁面を駆け上がる練習へと移る時間が来た。悠人はワンドペイジと隠者のカードを組み合わせた『幻影隠者の影拳』を使い、どこまでこの技が彼を運べるか試すことにした。
部屋は高くそびえる垂直の壁で囲まれており、そこには足を置くための小さな突起がいくつか見える。悠人はこれを目指し、幻影化しながら壁に駆け上がることを試みた。
「ちょっと試してくる」と悠人が宣言し、「幻影隠者の影拳」と唱えると、彼の体は瞬時に透明な影となり、壁面を駆け上がり始めた。重力を無視したかのように軽やかに、一段一段と突起を利用して上昇していく。
迫り出した場所まで無事に到達し、悠人は一息つきながら周囲を見渡した。成功の喜びを胸に、彼はリリスとアイラの待つ場所へと戻った。
「次はリリスと一緒にやってみる」と悠人が提案し、リリスを抱きかかえた。「途中で落とさないでね」とリリスは笑いながら冗談めかして言った。
「幻影隠者の影拳」と再び唱え、今度はリリスを抱えたまま壁を駆け上がる。彼は幻影化する際に意識を集中し、実体を保ちながら動けることを確認した。悠人とリリスは無事に突起に到達し、リリスを安全に下ろした。
「これは凄いね。まさかこのような使い方をするとは思いもよらなかったわ」とリリスは感嘆しながら述べた。彼らはその場で一息つき、次はアイラも共に検証する。
アイラの目には涙が滲んでおり、その瞳は不安でいっぱいだが、悠人に対する信頼の光が瞬いていた。
「信じています……」アイラの声は震えており、その瞳からは涙がこぼれ落ちていた。彼女の不安を払拭するように、悠人は優しく、しかし確かな声で応えた。「安心しろ、問題ない」
その言葉を信じ、アイラは悠人に抱き上げられると心の準備を整えた。悠人は予期していた通り、アイラが叫ぶことはなかった。彼女は必死に悠人にしがみつき、目を固く閉じて離れないようにしていた。彼女の体は震え、明らかに恐怖を感じている様子だった。悠人はアイラを支える腕に力を込め、幻影化の術を発動させ、ほとんど音もなく壁を駆け抜けた。
「ついたぞ」と悠人が静かに告げると、アイラをそっと地に下ろした。彼女は足元を恐る恐る見つめながら、「無事なのね?」と確認した。悠人は淡々と答えた。「ああ、言っただろう、問題ないって」と彼女の目を見て、静かに確認した。その眼差しには暖かさが宿っており、アイラの不安を少しでも和らげようとする気持ちが感じられた。
「よし、降りるぞ」と悠人は再びアイラを抱き上げ、次なる動きへと移行した。「うん、わかったわ」とアイラはその強さに安堵し、素直に応じた。
彼らが直面する問題は、単なる進路の隠蔽だけではなかった。敵の戦力が未だ不明であり、「赤の騎士ゲール」との再遭遇の可能性も否定できない状況だった。
翌日の夜には具体的な行動を開始することにしていた。二人は地上の雑貨屋で見つけた簡易的な折りたたみ式の魔法の船を購入し、準備を整えた後、再び宿に戻り、明日への計画を確認した。
悠人、リリス、そしてアイラは、冷たい風が吹きすさぶ山の麓に位置する、氷の伯爵が治める古城を目指していた。
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アイラは地図を見つめながら考え込んでいた。「あるにはあるけど、現実的ではない場所ならね」と静かに言った。「それはどこだ?」と悠人が追及すると、アイラは少し躊躇いながら、「城と大地の間にかかっている橋の下に急な流れの川がある。そこは垂直の絶壁で、一見して登れそうにない」と説明した。
悠人はすぐに質問を続けた。「登り切れば、隠れる場所はあるのか?」アイラは肯定した。「ええ、登り切れたら隠れる場所はいくつかあるわ」。その答えに悠人は即座に対策を考え、「タロットカードの『幻影隠者の影拳』を使えば、高速移動で垂直でも駆け上がることができる。問題はアイラとリリスを担いでいけるかどうか、それだけだ」と言い、必要な練習を始めることを提案した。
悠人たちの新たな冒険が始まる。今回の挑戦は、絶壁疾走プランタロットでカードを駆使し、垂直の壁を駆け上がる。その前に、アイラとのちょっとしたやりとりが彼女の頬を赤らめさせた。
「そんなことができるの?」アイラは目を丸くして驚き、赤くなった顔で尋ねた。「それって、私を抱き抱えて……よね?」
「ああ、当然だ。手前に抱えた方が顔も見えて安全だ」と悠人は冷静に答えた。彼の言葉にアイラの想像は一層、赤面を深める。彼女は悠人に抱き上げられながら駆け抜ける姿を思い浮かべていた。
「どうした? 具合でも悪いのか?」悠人が心配そうに尋ねると、アイラは顔をそむけ、「もう、バカ……」と小さく呟いた。
その後、彼らは準備を整え、十層の階層主部屋へと向かった。この部屋の壁面が練習には最適だったからだ。
部屋の前に立ち、悠人は感慨深く言った。「なんだかここまで来るのも早くなったな」
「それはそうよね。短期間で濃密な経験を積んでいるからね」とリリスが同意すると、アイラも加わり、「より深度を増して血肉にするには、より多くの反復が必要ね」と続けた。
背後に下の階層への階段があり、目の前の扉を開ければ階層主との対峙が待っている。悠人は首を傾げ、「このまま開けるとちょうど階層主の股下にならないか?」と提案した。アイラは「開けた瞬間に出現位置が逆になるわ」と答えた。
「なるほどな。扉の開ける場所によって変わるのか……」と感心しながら悠人は扉に手をかけ、「行くぞ」と宣言。アイラは「ええ、行きましょう!」と返し、リリスも「そうね、行きましょう」と合意した。
扉を押し込むと、アイラの言った通り、階層主は正反対の位置に現れた。「倒した後の扉はこちら側が開くと解釈であっているか?」悠人が問いかけると、アイラは「ええもちろんよ」と応じ、すぐに魔法の準備を始めた。
悠人は風のように間合いを詰め、五メートルを超える巨大な白熊の魔獣に向けて飛び上がり、一気に掌底を打ち込んだ。打撃が腹部に当たる瞬間、「神罰裁断!」と叫びながらその一撃で魔獣の背中は爆散し、臓物を床に撒き散らしたのち、そのまま仰向けに倒れた。
「変わらず、すごいのねその打撃は……」アイラは感嘆の声を上げた。悠人のその一撃で獣が倒される様は、何度見ても圧倒的な力強さを感じさせた。悠人自身はその力の全貌をまだ理解していなかったが、手応えと発動した技の結果には自信を持っていた。
そして、彼らの本来の目的である垂直の壁面を駆け上がる練習へと移る時間が来た。悠人はワンドペイジと隠者のカードを組み合わせた『幻影隠者の影拳』を使い、どこまでこの技が彼を運べるか試すことにした。
部屋は高くそびえる垂直の壁で囲まれており、そこには足を置くための小さな突起がいくつか見える。悠人はこれを目指し、幻影化しながら壁に駆け上がることを試みた。
「ちょっと試してくる」と悠人が宣言し、「幻影隠者の影拳」と唱えると、彼の体は瞬時に透明な影となり、壁面を駆け上がり始めた。重力を無視したかのように軽やかに、一段一段と突起を利用して上昇していく。
迫り出した場所まで無事に到達し、悠人は一息つきながら周囲を見渡した。成功の喜びを胸に、彼はリリスとアイラの待つ場所へと戻った。
「次はリリスと一緒にやってみる」と悠人が提案し、リリスを抱きかかえた。「途中で落とさないでね」とリリスは笑いながら冗談めかして言った。
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「ついたぞ」と悠人が静かに告げると、アイラをそっと地に下ろした。彼女は足元を恐る恐る見つめながら、「無事なのね?」と確認した。悠人は淡々と答えた。「ああ、言っただろう、問題ないって」と彼女の目を見て、静かに確認した。その眼差しには暖かさが宿っており、アイラの不安を少しでも和らげようとする気持ちが感じられた。
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彼らが直面する問題は、単なる進路の隠蔽だけではなかった。敵の戦力が未だ不明であり、「赤の騎士ゲール」との再遭遇の可能性も否定できない状況だった。
翌日の夜には具体的な行動を開始することにしていた。二人は地上の雑貨屋で見つけた簡易的な折りたたみ式の魔法の船を購入し、準備を整えた後、再び宿に戻り、明日への計画を確認した。
悠人、リリス、そしてアイラは、冷たい風が吹きすさぶ山の麓に位置する、氷の伯爵が治める古城を目指していた。
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◇ ◇ ◇
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