奇跡に祝福を

善奈美

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奇跡に祝福をⅡ 裏側 side 海斗

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 俺の名前は椎葉 海斗と言う。四神の一族である西條家の次期当主、西條 理玖様に仕えている。椎葉家は四神の従者的役割を担っている。俺は椎葉家本家の次男だ。理玖様とは同い年である。
 
 高等部三学年に上がり、理玖様が頭にボールを強打されて一時的な記憶喪失になられた。俺や家族の事はしっかりと覚えていたが、学校の特にΩの情報が抜け落ちてしまった。それはある意味、いい事だったのだと後から分かる。
 
 理玖様には多くの婚約者候補のΩがいた。その中でも問題児が橘家のΩだ。理玖様は婚約者を決めてはいなかった。決定的な何かが欠けていたのだろう。理玖様は婚約者はまだいないと言っておられたが、橘家のΩは自分が婚約者であると言い切っていた。
 
 そんな中で理玖様の記憶喪失。婚約者候補のΩに関する知識を全て無くされた。そんな理玖様が興味を持ったのが心律様だ。心律様はΩではあるが、自己主張は全くされない方だった。それどころか、授業が終わればバイトに明け暮れていた。そんな心律様に理玖様は興味を示し近付いたのだが逃げてしまう。普通なら喜びこそすれ、逃げたりはしない。
 
 俺は自分の直感を信じている。心律様は普通のΩではないと気が付いた。小鳥遊家はαの一族。しかも、能力は下の下。それであるのに矜持だけは一流という、御めでたい一族だ。調べて分かった事は小鳥遊家には心律様の他にもう一名、Ωがいた。それが心律様の母親だ。そして、驚いたのが心律様の父親が西條家の主治医である榊家の嫡男。理玖様は知らなかったようだが、心律様の母親は交通事故で亡くなられており、遺体の回収に西條家の当主が関わっていた。俺は直ぐにそれを確認したのだ。西條家の当主であられる継鷹様に。
 
「調べたのか? 理由を聞いてもいいか?」
 
 継鷹様にそう問われ、最初に個人的に動いた事を詫びた。しかし、継鷹様は気を悪くされたりはしなかった。俺が調べなければならないと感じた直感を信じてくださった。
 
「理玖様が婚約者候補のΩの記憶をなくされた事は知っておられると思います」
「ああ。あれは完全に拒絶していたから丸っと忘れたんだな。頭にボールを強打など、理玖なら簡単に避けるだろうに」
「その事なのですが、理玖様はその直前にショックを受ける事がありまして」
「ん? どういう事だ?」
 
 実は理玖様は記憶を失われる前に、心律様と接触している。今まで近付いて来るΩはいれど、逃げるΩはいなかった。
 
「Ωに逃げられただと」
 
 継鷹様は大笑いされた。まあ、四神のαを振り切って逃げるΩなど今まで居なかったからな。笑われる理由は分かる。
 
「榊家の嫡男は小鳥遊家のΩとの間に子をもうけていたが、その子は助け出せなかった」
「その事ですが、どうやら、理玖様の魂の番のようです。記憶を無くされた事で、先入観がなくなりましたから」
「何?」
「小鳥遊心律様。あの小鳥遊家のΩです。調べて分かった事ですが、心律様に渡されるべき仕送りが、小鳥遊家当主の差金で心律様の手に渡っていません」
 
 中等部まではなんとか渡してもらえていた。それは、中等部の担任がしっかりしていたからだ。しかし、高等部に入るとその担任は小鳥遊家と癒着していた。心律様に渡る仕送りを着服していたのだ。
 
「如何やら、榊の倅の件を軽くみているようだな」
「そうだと思います。心律様は今は必死で理玖様から逃げていますが、もうそろそろ発情期に入る筈です」
 
 通常の理玖様なら、間違いを犯したりはしない。しかし、今は普通ではない上、心律様のフェロモンに若干やられ気味だ。おそらく、番契約は心律様が必死で阻止するだろうが。つまり、妊娠の可能性は否定出来ない。
 
「セックスすると思うか?」
「直接的に言ってきますね」
 
 継鷹様は何というか、あからさまに物事を言う傾向が強い。もう少しオブラートに包んでもらいたかった。
 
「ふん。理玖がなかなか番候補を選ばなかったからだ。記憶を無くしてタガが外れるなら万々歳だろう」
「その通りですが、おそらく、俺の感的に一度で妊娠しますよ」
「椎葉家の直感か?」
「ええ。俺はその直感が一族の中でも強い方なので」
「ふむ。小鳥遊家のΩは榊家の倅の妻として埋葬した。亡くなってからだからな。かなり強引な手を使ったし、主上にも手を回してもらった」
 
 つまり、心律様の母親は榊家の墓に埋葬されたのか。死ぬ事で小鳥遊家の呪縛から解かれたという事になる。
 
「理玖はそのΩを番にと考えている、そう思っていいのか?」
「間違い無いかと」
 
 理玖様は自覚されていないが、間違いなく心律様に執着されている。今までが淡白だっただけに、変化は顕著だ。それを橘家のΩが妨害しようとしているが、理玖様にかかれば何の問題もない。問題があるとするなら心律様が完全受け身な事だろう。
 
「分かった。小鳥遊家はこちらで何とかしよう。橘家についても主上から気を付けるように言われているからな」
 
 西條家の当主自らが動くのか。それは小鳥遊家には災難だな。西條家は四神の中でもαの力が強い。主上が一目置く存在だ。その理玖様が求めた運命だ。何もないといいが、何もないとは言えないだろう。
 
 理玖様が特定の記憶を無くされていたのは半年程。記憶を取り戻されて心律様に関する記憶を失われた。その時に見た心律様の表情は現実を受け止めていた。その後の行動。担任に話している内容。俺は慌てて調べ、主治医に接触した。その主治医が心律様の本当の父親。榊家の元後継者の嫡男だった。
 
「ああ、やはり来ましたか」
 
 苦笑いを浮かべた主治医に俺は事実のみを告げた。そして、心律様が妊娠している事実を知る。同時に堕胎の予約をされた事実も。
 
「四神の子を宿しているにも関わらず、記憶を取り戻した理玖様には告げない。理玖様は?」
「完全に心律様のことを忘れている」
「猶予は三ヶ月ですよ」
 
 主治医はいきなりそう言ってきた。俺は首を傾げる。
 
「堕胎が安全に出来るのは妊娠三ヶ月までです。それまでにあの子は堕胎に必要な費用を工面するでしょう。だから、正確な猶予はニヶ月あるかないかです。その間に理玖様が気が付けば良いですが。出産にリスクが伴うように、堕胎もリスクも伴います。母体が命を失う可能性、命を落とさないまでも妊娠ができなくなる可能性もある。しかもあの子は男性Ω。女性Ωよりリスクは高いんです」
 
 主治医の顔が陰った。おそらく、心律様が自身のお子である事に気が付いている。否、知っていて父親である事を隠しているのだろう。心律様は小鳥遊家当主夫婦を両親だと思っている。心の負担になるような事は告げないだろう。母親も最後まで心律様に自分が産みの親だとは告げていない。それは愛しい我が子を守る行動だったのだろう。
 
「継鷹様が動かれました」
 
 主治医は驚きに目を見開いた。そうだろう。四神は余程でなければ動かないのだ。心律様の存在はその余程のことなのである。
 
「教えてもらえますか? 心律様はピルを服用されていましたか?」
「していましたよ。しかも、アフターピルも欲しいと言ってきましたよ。丁度、発情期少し前です」
「待ってください。つまり、心律様は二重に避妊していた、そういう事ですか?」
 
 主治医は頷く。待ってくれ。二重の避妊処置をしていて妊娠したのか。それでは、心律様のお腹のお子はおそらく、かなり高い能力を持ったαだ。間違いなくβでもΩでもない。
 
「こんな事を私が言うのは間違えていると思っています」
 
 主治医はそう言うと、憂い顔で俺を見た。
 
「あの子を助けてください。私では如何することも出来ない。せいぜい、服用する薬を低価格で提供することだけですよ。この病院のスタッフの一部、医院長は知っていますので」
 
 つまり、心律様が主治医の子供であると。
 
「出来る限り動きましょう。妊娠の事実は西條家当主に伝えます。おそらくですが、素早く動かれますよ。四神は能力の高いαの一族。子供は出来にくい事で悩まれています」
 
 心律様はおそらく、至宝と言われる存在になる。理玖様と性交渉をしたのは発情期の時だけだ。番契約は心律様が頑なに拒絶したと記憶を失われていた理玖様から聞いている。
 
 理玖様が記憶を失われた時、俺に一つの事を頼んできた。記憶を一部消失させた理玖様は、記憶を取り戻した時、心律様の事を忘れてしまうだろうと言う懸念があった。結果として忘れてしまわれたのだが、そこは理玖様である。周りの反応がおかしい事に気が付かれ、俺だけではなく周りの学生に尋ね始めた。そこで齎された情報に悩み、けれど、堕胎の話が出た時に顔色を無くされた。そう、心律様は理玖様に相談なく決めてしまったのだ。それも、記憶を取り戻した時と、妊娠発覚が同時期だった。そして、事実を事実として消化した時、心律様は堕胎の為に病院に向かわれた後だった。理玖様は俺に詰め寄ってこられた。知っていた筈だと。
 
「勿論ですよ。それでも、止める力を持つのは理玖様だけです」
 
 理玖様は目を見開く。周りが如何言おうと、心律様は堕胎するだろう。その理由は容易に想像出来る。理玖様に迷惑をかけたくないと言う、その一点の筈である。
 
 理玖様は俺から病院を訊き出し慌てて向かわれた。まあ、主治医は直ぐには堕胎の手術はしないだろう。何せ心律様のお腹のお子は四神の西條家の血筋だ。堕胎も立派に西條家に楯突いた事になるのだ。俺も病院に向かう。心律様は主治医の機転で眠っていた。理玖様はその心律様の寝顔に頭を抱える。おそらく、失った記憶が蘇ったに違いない。俺は心律様が眠っている間に調べた事を全て報告した。当然、調べた事は勝手に動いた事なのでその謝罪も忘れない。しかし、理玖様は責めたりはなさらなかった。
 
 結果として、理玖様はしっかり心律様をご自宅に連れ帰って来た。心律様は西條家本宅に驚かれていたが、これから溺愛される事を理解していない。それも理玖様だけではなく、義理のご両親となられる西條家当主夫妻も心律様にメロメロである。本人は見た目はそれ程でもないと思っているようだが、あの小動物を思わせる行動と可愛らしい容姿。何より、他の四神が理玖様と心律様のお子に目を付けている。如何も皇家もそうであるようだ。理玖様は怒り狂うだろうな、と他人事のように考えてしまう。
 
 心律様がお産みになられた第一子である蓮様は、やはりαとしての能力を発現されている。はっきり分かるのはもう少し後になるが、確実にαであろう。類稀なる記憶力は驚愕に値する。心律様が下手に何も言えないと右往左往している姿はなんとも言えない。
 
 ご出産から一年が経過した頃、心律様の発情期が訪れた。理玖様はかなり頑張ってしまったようだ。おそらく、心律様のフェロモンにノックアウトされた為だと思われる。勿論、番契約もしっかりなさったようだ。直ぐに第二子妊娠が発覚。それはそれは西條家当主夫婦は歓喜した。勿論、他家も歓喜した。理玖様だけが渋い顔だ。まだ、次の子を考えてはいなかったようである。
 
 更に十月十日後、心律様は第二子となる星華様を出産された。如何も星華様はΩではないかと周りは推測している。見た目は完全に西條家のものを引き継いでいる。理玖様的には、心律様似の子を望んでいたようだ。こればかりは思い通りにならない部分である。
 
 そんな時、不穏な話を耳にする。橘家のΩが心律様に逆恨みを抱いていると言う情報だ。四花は自分達で自滅したのだ。それを理解していないのである。
 
「如何なさいますか?」
「本当にしつこい。自分のΩとしての能力が底辺だと何故に気がつかない」
「確かに。俺でも彼を番にとは考えませんね」
 
 俺もしっかりαである。番はまだ、今のところ候補はいないが、四花から娶ろうとは考えていない。
 
「葛葉の情報は間違いのないものだ。何せ、彼奴からの依頼を受けたとの話だからな」
「策は?」
「お前も数日前の事件は知っているだろう?」
「ええ、あの破落戸ですね。お粗末としか言えませんが。なりふり構ってませんね。あの程度の手合いで、西條家のセキュリティーを破ろうなどと簡単に考えるとは」
 
 橘楓。今代の橘家本家のΩ。学校のαの間では、絶対に番にしたくないΩ筆頭だった。認めたくないのだろうが、彼のフェロモンは本当に不愉快極まりなかった。本来、Ωのフェロモンはαにとって媚薬だ。
 
「両親と別荘に行く事に決めた」
「それは?」
「そんなに手を出したいのなら、出しやすいようにしてやろうって話だ。不愉快ではあるが、葛葉家が全面的に手を貸してくれる」
 
 理玖様が笑みを顔に貼り付けている。ああ、これはかなりお怒りだ。理玖様は西條家と東條家の血を色濃く継いでいる。つまり、かなり苛烈な方なのだ。それを橘楓は理解していなかったようだ。
 
「では、そのように手配します」
「頼む」
「御意」
 
 その後の行動は早かった。別荘に二泊三日で出掛けて行き、その夜には解決した。橘家は楓の行動のせいで主上から絶縁に近い扱いを受ける事になった。実質、高位華族との繋がりが切れた事になる。それに加え、不自然なΩの出自が問い質された。その仕組みはかなり昔から続いている呪法だったのだ。初めに手を出したのは橘家の当主であったようだ。Ωが生まれなくなったのだ。華族ではない四花は慌てたと言う。いくらΩの名家と言っても、取り立てられるような功績があるわけではない。潜りの陰陽師と結託し、一族の血筋に呪を掛けた。それは、他のΩの運命を捻じ曲げる呪法だった。今代は特に多くのΩが捻じ曲げられた第二性徴を強いられた。橘楓がΩとしての誕生するにあたり、犠牲となったΩは陰陽師が感知出来るだけで五人。つまり、橘楓がΩとなる為だけに、Ωが消失したのだ。Ωでなくなった者は大抵はβ性になるようだ。稀にαとなる者もいる。その者はΩとしての能力も高かったのではないかと推測された。
 
「結局、主上は如何すると?」
 
 理玖様が継鷹様に問い掛ける。生ぬるい事をしようものなら、理玖様が全ての四花を亡き者にするだろう。それだけの力と実行力を持っている方だ。
 
「血筋を辿り、調査の必要があると仰せだ。橘家の楓については、完全な人体実験体にすると決めたようだな。分かるだけで飲み込んだΩの人数は五人。立派な犯罪者だ。たとえ、自覚がなかったとしても、呪法は基本的に望まなければ発動はしないらしい」
「それは母体内にいるうちにという事ですか?」
「違うな。生まれた時は本来の性であるようだぞ。育てる過程でΩであると暗示をかける。そうすると、本人はΩであると意識し、血に掛けられた呪法が発動。発動と同時に母体内でΩとして成長を始めた胎児からその性を奪い取る」
 
 本来、なかなかΩに変化しなければ諦めるらしいが、楓は諦めなかったらしい。その結果、飲み込んだΩが五人。なんとも浅ましい。
 
「四花全てがその呪法を?」
「その様だな。他の家でも同じような状況であったようだ。橘家のΩよりは飲み込んではいないが、それでも長い年月のうちに喪失したΩの人数は取り返しがつかない」
 
 今代は特にΩの数が少ないと言われている。つまり、高位華族でもΩを得られないαが存在すると言う事になる。俺もその一人になるのか。まあ、幸い、椎葉家はαと言えど四神に比べてαの能力は落ちる。そのおかげか、俺には兄の他に弟が二人いる。従兄弟もいる。一族としては問題ないだろう。今代、βから嫁をもらうなりαから貰うなりしてもいい。
 
 と、思っていた時もありました。星華様を見た時、妙な高揚感に襲われた。そう、これはヤバいやつだと直感した。絶対にバレてはならない。そう、星華様がまさか……。否、そんなことはあり得ない。星華様は理玖様のお子だ。仕えるべき存在だ。気の迷いだ。
 
「海斗」
 
 理玖様の顔が怖い。微笑んでいるのが更に怖い。背中を冷たい汗が伝う。
 
「何を隠してるのかな?」
 
 いつもと言葉遣いが違う。ヤバい、絶対ヤバい。大丈夫だ。星華様との接触は少ない。このままバレる前に番、もしくは花嫁を。
 
「ふうん」
 
 理玖様の視線が痛い。
 
「理玖さん。星華連れてきましたよ。いきなり如何したの?」
 
 え? 俺は壊れた機械のようにぎこちない動きで声の方に顔を向けた。
 
「ああ、星華を海斗に抱かせてあげてくれるかな?」
 
 心律様、お願いです。そんな事はしないでください。冷や汗がヤバいんです。バレたくないんです。四神どころか、皇家を敵に回しなくないんです。後生です!
 
「星華。海斗さんはお父さんの片腕だよ。抱いてもらおうね」
 
 心律様に悪意は全くない。本当にただ、星華様を俺に抱かせてくださろうとしているだけだ。
 
「海斗。自分の番に対して、その態度はどうかと思うぞ」
「え?」
 
 マジですか? 理玖様は気がついておられると? 心律様は驚いたような声を上げて、俺を見上げてらっしゃる。覚悟を決めないとダメなのか。俺は今までの努力が水の泡だと確信した。理玖様を、欺ける筈がなかった。
 
 抱き上げた星華様は最初、キョトンとされていた。でも、その表情は笑みを浮かべ、声まで上げた。確定だ。赤子は本能に忠実なので。俺の死刑は確定した。
 
「ええ!! 本当に?」
 
 心律様、その驚きは俺もです。Ωの数が少ないと分かっていたんです。それなのに、よりによって西條家の姫君(乳幼児)。
 
「いやあ、これで安心だな。四神と皇家に目を付けられていたから、幼児の内に奪われるかもしれなかった」
 
 理玖様、喜びすぎです。
 
「椎葉家の当主には知らせてある。海斗は今日から西條家の婿扱いだ。いやあ、よかった良かった」
 
 理玖様、その投げやりな言い方。つまり、四神と皇家よりマシだが、納得はされていない。ただ、俺を婿にして家に取り込み、星華様を手放さないようにしただけだ。父は今頃、固まっているのではないだろうか。
 
 俺、明日から無事でいられるだろうか。
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