奇跡に祝福を

善奈美

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奇跡に祝福をⅡ side 理玖

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 俺はある伝から情報を得ていた。勿論、両親もだ。本宅に忍び込んで来た破落戸達は四神の恐ろしさを知らなかったようだ。四神は基本的に手さえ出さなければ何もしない。それを、よりによって俺の最愛に手を出すなどもっての外だ。彼奴は手を出してはいけない者に手を出した。一族の当主は納得したというのに。
 
 しかも、今回は四神だけではなく、八葉もご立腹だ。四神の下にいる、八家。俺と心律との間に生まれた蓮が持つ能力の高さ。それは魂の番であり、二人の血の馴染みがあり得ないほど適合しているからだ。
 
 八葉は四神を守る者。そして、四神は皇家を守護する者。故に彼等は心律を護衛対象と認識した。その中で、潜入調査を得意とする八葉の一つ、一葉の葛葉くずは家が齎した情報。彼奴が葛葉家の隠密にそれと知らず接触した。どうやら、心律を攫いその体を汚す。魂の番で有り契約をしている心律は、他の者を受け入れると拒絶反応を示し狂ってしまう。そして、俺も狂うのだ。普通の番関係とは違う。定められた本能で決められた番。引き離されるだけでも狂うのだ。それを、Ωでありながら知らないのだろう。お粗末すぎるにも程がある。
 
「橘家はどう出ると?」
「一族の当主は切り捨てると言い切りました」
 
 俺は薄く笑った。それで済まされるとでも思っているのだろうか。心律に手を出すと言う事は、四神を敵に回すのだ。今や心律は四神にとってなくてはならない存在だ。能力の高いαが生まれにくくなっている。それを打開する存在。彼奴は心律より上だと思っているようだが、橘家は血が濃くなりすぎた。Ωの価値を決めるのはΩ本人ではない。おそらく、αは彼奴を選びはしないだろう。橘家の濃い血を持つからではない。彼奴自身がΩとしての能力が低いのだ。Ωの持つαを誘うフェロモン。少なくとも、学校に通っている時点でαに言い寄られなかった事が能力の低さを露呈している。他のΩは能力が高いと判断され、気の合った者同士で番関係を結んだ者はそこそこいる。その中で彼奴は歯牙にも掛けられなかった。
 
「彼奴は俺と番になるのは自分以外にいないと、他のΩに言い放っていたからな。しかも、陰湿だ。あんなのを番にしたら、低俗だと言われる。それを理解していない」
 
 俺は馬鹿にしたように鼻で笑う。おそらくだが、心律は学校内のΩの中でトップの能力を持っていた。ただ、本人に自信が無い為に後ろ向きだった。俺にしても、記憶を失わなければ気になる匂いがある程度で、探しはしなかっただろう。そう考えると、俺の頭にボールをぶつけてくれた者を褒めなくてはならない。記憶がなくなったことで先入観が無くなったからだ。
 
 記憶を失った当初、俺の従者である八葉の二葉、椎葉しいば 海斗は心律に良い印象を持っていなかったらしい。存在そのものは把握していた。αの中でも底辺に位置する小鳥遊家のΩ。見た目は綺麗と言うより可愛いと表現した方が良い容姿。決して醜くはないが、パッとしない。そんな印象を受ける存在だった。おそらく、小鳥遊家での扱いの悪さで、自信そのものを根こそぎ奪われていたからだろう。心律は俺が近付いた時、逃げたのだと言う。海斗は驚いたようだ。普通のΩなら、四神の一角である西條家の嫡男に言い寄られて逃げるなどあり得ない。海斗は独自で心律を調べ始めたのはその時であったとか。小鳥遊家には二人のΩがいた。一人は心律。もう一人は心律の母親。母親の相手であり心律の父親が西條家の主治医の一族の嫡男。その嫡男はある事件が切っ掛けで家を出ていた。家を継ぐのを拒絶したのだ。その理由が心律の母親だ。心律が中等部の寮に入ることになり、それを見送った後、小鳥遊家を脱走。追手を振り切ったまでは良かったが、相手の目の前で車に跳ねられて亡くなった。痛ましい事故だ。心律の母親の体に縋り、抱き締めて泣いた心律の父親は一族経営とは全く違う病院で働き出した。心律に仕送りをする為だ。しかし、小鳥遊家が邪魔をし始めた。母親の遺体は何とか奪うことに成功し小鳥遊姓ではなく、父親の妻として今は眠っている。それに手を貸したのは西條家の当主。つまり、俺の父親だ。小鳥遊家は心律のせいで西條家に目をつけられたと思っていたようだが実際は違う。心律の母親の時から、小鳥遊家は西條家を怒らせていた。優秀な医者である父親を、西條家から奪ったのだ。それなりの報復を受けるのは当たり前だったのである。
 
「橘家は当分、四神の元に花嫁を送り出すことは叶わなくなったと聞きましたが」
「そうだ。橘家だけじゃない。四花全てだ」
 
 葛葉家の彼は驚いたような表情を見せた。
 
「Ωを生み出す為に、血族婚を繰り返していた。何より、四神との婚姻を繰り返している。遠い血を受け入れなければ、子孫を残す能力が低下してしまう。今代、俺は心律を娶った。蒴も全く関係のない、一般家庭のΩを妻に迎えている。最近、懐妊したと知らせがきた」
 
 心律と比べると妊娠率は低いのだろうが、それでも、四花のΩと比べれば妊娠率は格段に高い。俺の母は東條家のΩ。四花のΩを父は娶らなかった。父は四花を敬遠していた。毛嫌いしていたと言っても良い。中でも橘家を嫌っていたようだ。橘家のΩが頂点、そう言い放っていたと。
 
「Ωは全人口数の中でも一番、数が少ない。βが本能的に排斥しようとしてしまう為か、隠れてしまっているΩもいる。βはαを虜にし、αを狂わせる存在だと勘違いしている。幸い、心律は隔離されて育った為にそんな扱いはされていなかったが」
 
 小鳥遊一族からはかなり酷い扱いを受けていた。学校で必要なものを手に入れる為にバイトをしなければいけなかった心律。小鳥遊家が妨害さえしなければ、本当の父親から仕送りはしてもらえていたのだ。

「小鳥遊家は潰した。次は彼奴を潰すだけだ。彼奴を潰し、四花に釘を刺す。もし、おかしなことをしたら、同じ目に合うか、それ以上のことが起こると」
「それは四神の意志ですか?」
「そうだ。他の八葉にもそう伝えてくれ」
「分かりました」
 
 俺は今まで四花を野放しにしていた四神の長老達に歯噛みする。まず、Ωは生まれにくい。それを捻じ曲げるように、四花にはΩが必ず生まれた。それは歪んだ理だ。おそらく、呪術の類を使っていたに違いない。いくら血が濃くなったとしても、不自然に四花のΩから子供が生まれにくくなっている。逆にβの出生率は上昇傾向。このままいけばΩは消えてしまう。
 
「七葉の葉影はかげ家に頼むしかないか?」
「気になることでも?」
「四花のΩは必ずその代に一人は生まれる。おかしいと思わないか? Ωはαとは違う。αはαの血筋であるから生まれやすいが、Ωはそうじゃない」
 
 葛葉家の者は目を見開く。華族は基本的にαの一族だ。家長はαが継ぐ仕来りだ。しかし、四花は華族ではなく、それに継ぐ地位にある。Ωを囲い込みたかった国のトップが決めた事だ。それもかなり古い時代の話である。もし、Ωが長い年月の間で生まれにくくなっていて四花としての地位を維持できなくなっていたとしたら。
 
「これは憶測だ。だが……」
「陰陽師が絡んでいると」
「最悪そうだろうな。そうなると、Ωとして生まれているが元はαかβであった可能性が高くなる」
 
 人体に及ぼす術。それは基本、国で禁止にされている。例外は病気等でどうすることも出来なくなった場合だ。それでも、命そのものに関わるものではない。苦しまない様にする為に使われる事が殆どだ。
 
「その件は?」
「両親だけじゃなく、四神の当主及び、主上もそう考えている。四花がもし、違法な術に手を染めていた場合、二度と上位の華族との婚姻は望めない。そればかりか、罪に問われる可能性の方が高い」
 
 もしもの話で、黒に近い灰色。おそらく、父さんが俺と同じ歳の頃には疑ってたんだろうな。だから、四花の一族を敬遠していた。
 
「取り急ぎは俺の最愛の安全だ。本来は屋敷から離れたくはないが、ここでは彼奴も手を出しにくい」
 
 本当なら、最も安全な場所に置いておきたい。でもそれをしてしまうと、どこにも行くとこが出来なくなってしまう。ただでさえ、外の世界を知らない心律に自由がなくなってしまう。それは本意ではない。
 
「両親と旅行に行く事を計画している。此処からそう遠くない、湖の近くにある別荘だ」
「彼処ですか」
「あの場所なら、ある程度此方で予測が立てられる。しかも、西條の敷地だ。どのようにでも手が打てる。彼奴は俺を完全に怒らせた。タダで済むと考えているのなら甘い考えだ」
 
 心律に旅行に行く旨を話す。困惑した表情をしていたが、何とか納得させた。橘家は今回の件に関してのみだと考えている様だがそうではない。今まで、他のΩに対する圧力。そのせいでΩを得られなかったαがいる事実を理解していない。当然、Ωも悲惨な運命を辿った者が多い。ただでさえ、出生率の低いΩだ。国の為に必要な存在なのだ。それを、蔑ろにしていた罪は万死に値する。当主共々、四花にはΩの名家と言う名は剥奪しなくてはならない。同じ血筋に拘ったばかりに良くない事が起こったのだ。
 
 湖の別荘に移動して、心律と散歩を楽しみ夕食を共にした。俺も両親も心律がきちんと食事をした事を確認する。心律の食事には薬が仕込んである。本当なら辛い思いなど味合わせなくはない。それでも、今回だけはと我慢した。両親も心律が見ていない場所で眉間に皺を寄せる。心律は純粋だ。虐げられてきた影響か、外界から遮断されていた為か、人を騙すと言う考えがない。
 
 食事の後、少し用事があるからと先に就寝する様に言った。不思議そうな表情を見せた心律だが、素直に返事をしてくれた。蓮と星華は乳母に任せた。乳母も今回の事は認識している。蓮に気取られない様に注意すると警戒をしてくれた。
 
「話は付いているのか?」
 
 父である継鷹つぐたかは溜め息混じりに訊いてきた。父は孫二人だけではなく、心律も溺愛している。今回の事も不本意だと態度が示していた。
 
「葛葉家とは話はついてます。今夜実行します」
「本当なら、穏やかに過ごしてほしいんだけどね」
 
 母である綾乃あやのは憂い顔だ。
 
「過去の悪習が全ての原因でしょう。今までどうして放置していたんです」
「手を出したくても出せなかったからな」
 
 父は苛々している。母も同様だ。小鳥遊同様、橘も潰してやりたい位だ。だが、まだ、その時ではないと言う。今回の事を足掛かりに、四花を黙らせる腹積もりのようだ。
 
「今回の事が落ち着いたら、家族で出かける」
「勿論、私達もついて行って構わないな?」
 
 父よ。俺は家族と言っただろう。家族の中に両親は含まれてない。察してもらいたいもんだ。
 
「連れてくわけないでしょう。星華の首が座ったら、少し離れた場所にでも……」
「どうして?! 祖父母を除け者にする気?!」
 
 母も何故か嘆き出した。いや、そんなに家族の繋がりを大切にしていたか。何故か、俺の祖父母も最近やたらと心律に構ってくる。つまり、蓮や星華にも漏れなく構うんだが。父親の俺より接触が多いのはどういった了見だ。
 
 心律が就寝したと気配で分かった。就寝とは言うが薬で眠ってしまったのだろう。部屋の外で一つ溜め息を落とした。
 
「分かっているな。決して彼奴に悟られず、心律を傷付けるな」
「分かっております」
「少しでも怪我をさせたらどうなるか……っ」
「我らにとっても尊き方です。状況は逐一報告させて頂きます。葉影家も独自に動き始めました。四花は近い内に何かしらのお達しを主上から受けるでしょう」
「当たり前だ。どれだけのαとΩを蔑ろにした。何がΩの名家だ。聞いて呆れる」
 
 ゆっくりと室内に入る。心律は大きなベッドの端に寄って眠っていた。俺が隣にいないと端で丸まる様に眠る。それは過去がどれだけ心律を苛んでいたのか、知らしめている様だ。
 
 心律を毛布に包み、葛葉家の隠密に託した。彼奴は破落戸だと思っている。八葉の一つに、心律を傷付けないと約束させた。心律は自分を大切にしない。今の状況で目を覚まし、もし、体が汚されでもしたら俺の側から離れるだろう。それ程に諦めを知っていた。
 
 少し時間を置き、目的の場所に移動した。別荘のある場所から少し離れた狩猟小屋だ。そこには本当に何もない。小屋だけが存在し、中には何もない。小屋の前には葛葉家の当主がいた。俺は驚いた様に目を見開く。まさか、当主直々に来るなど思っていなかったからだ。
 
「あの者は現れましたよ」
「貴方が直々に来たのか?」
「ええ。西條家の花嫁です。しかも、至宝と言っていい存在。他の四神の方々からも全面的に手を貸す様にと言われております」
 
 他の四神は確実に、俺と心律の子を狙っているだけだ。それでも、感謝はしなくてはならない。四神の意志ならば、八葉は全面的に協力してくれる。
 
 中から聞こえてくる不快な言葉。自分が正統であり、心律は違うのだと言い放っている。どこまで己の愚かさに気が付かないのか。
 
「ここまでとは」
 
 葛葉家当主も呆れている。それだけ自分勝手な言い分だ。
 
「彼奴の処分は?」
「主上が連れてくる様にと」
 
 俺の問いにそう答えた葛葉家当主。主上が出て来ている。いや、この予感は杞憂だ。そうだ、杞憂に違いない。
 
「主上は西條の姫君に目を掛けている様ですよ」
 
 俺は表情が無くなった。待て、四神ならいくらでも撃退出来るが、皇家は無理だぞ。両親でも流石にどうする事も出来ないぞ。
 
「俺はまだ、手放す気はない。皇家の婚約者にされたら、三歳になる前に奪われるだろうっ」
 
 俺は小さく叫んだ。何奴も此奴も俺から愛しい存在を奪う気かっ。
 
「お気の毒としか言えませんが。姫君はΩである可能性が高いと聞いております」
「そこまで知れてるのか」
「久々に能力の高いαの誕生と、その妹君はΩ。能力は他のΩなど目ではない。皆がそう推察しております」
 
 小屋の中で喚き立てている不愉快なΩの声が更に俺を苛立たせた。己の能力の低さを理解せず、心律を陥れる。醜い以外の何者でもない。
 
「四花は終わりですね。四花は地に落ちました。他のΩから生まれてくるαは能力が高い。しかも、理玖様と心律様は運命の番。これ以上の相性はありますまい」
「隠しようがないという事か」
 
 俺は諦めた様に溜め息を吐いた。頃合いを見計らって小屋に入り、橘を黙らせる。心律に取って代わろうなどと。葛葉の者に橘を捕縛させた。後は主上がどうするか。ただ、生ぬるい事をしたらタダでは済まさない。彼奴は心律を虐めぬいた。まあ、堕胎しようとしていた心律を捕まえ、自宅に連れて行った後は学校には行かなかったからな。心律の心労もそれ程なかっただろう。
 
 別荘に帰る道すがら、心律には謝った。だが、心律は察してくれていたのだろう。話した後で安心したのか俺の腕の中で寝落ちした。それだけで、心律が俺の腕の中で安心出来るのだと嬉しくなった。
 
「終わったんだね」
 
 別荘に戻ると両親が寝ずに待っていてくれた。俺の腕の中で眠る心律を優しい眼差しで覗き込んでいる。
 
「主上が出てきている事、事前に知っていたのか」
 
 両親は罰が悪そうに顔を見合わせた。
 
「主上は心律を心配してらっしゃるからね」
「星華を婚約者にとふざけた事を抜かしているみたいだが?」
 
 俺は剣呑な視線を両親に向けた。両親はと言えば更に顔色が悪くなっている。
 
「言わせてもらうが、星華を皇家に嫁に出す気はないぞ。本人が望むならいいが、意志がはっきりとしない今の年齢で婚約者にされたら、奪われて会えなくなるだろうがっ」
 
 心律が寝ているので小声だが、俺の怒りは伝わったらしい。
 
「それについては断りを入れてある」
 
 父である継鷹はそう言うが、主上がすんなり引き下がるか? それどころか、俺と心律の間に生まれる子はありとあらゆる上位華族に狙われてないか?
 
「俺が危惧してるのは、俺達の子が政治的に利用されるんじゃないかと言う懸念だ。いいか、俺は子供達を愛しているし、心律に至っては失うなどあり得ないほど溺愛している」
「分かってる。それに関しては、私達も同じ気持ちだよ。心律は本当に可愛い。理玖は可愛気ないから尚更」
 
 母である綾乃の言葉に若干、否、かなりイラッときたが可愛気ないのは真実なので反論はしないでおいた。
 
 その後、部屋に戻り心律を腕の中に閉じ込めて就寝。そして、目覚めと共に現れた現実は俺の祖父母四人。西條家の隠居二人と、東條家の隠居二人。しかも、今度行く旅行について来ると宣う。巫山戯るなよ。俺達に干渉しすぎだろう。
 
「此処まで干渉した事は無かったと記憶してますが?」
 
 俺が冷たく言い放てば、四人の祖父母はわざとらしく嘆いて見せる。否、完全にわざとだろう。
 
「蒴といい、理玖といい、どうして老人を冷たくあしらうんだ」
 
 東條家の祖父がよよっと嘆いてみせた。否、爺さんにそんな事されても何も感じないが。何よりαである。そんなか弱くて、四神の当主など出来なかっただろうに。
 
「言わせてもらうが、今まで干渉の、か、の字も無かったのに、どうして、このタイミングなんだ!」
「そんなの、ひ孫が可愛いからに決まってるだろう」
 
 俺は肩を落とす。行き着く先はそこなのか。
 
「それに心律君。可愛いわよね」
 
 東條家の祖母は女のΩだ。本当に見た目は人が良さそうな婆さんだが、そこは四神の嫁。強かである事は間違いない。
 
「もう小動物のようで、撫で回したい」
 
 こちらは西條家の祖母。こちらは男のΩだ。
 
「とりあえず、少し干渉をひかえろ!!!」
 
 俺の絶叫は別荘内に響き渡る。無意味だとしても、自己主張は必要だ。まさか、近い将来、此処に主上まで参戦して来るなど想像もしていなかった。
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