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銀の鳥籠SS
012 親衛隊員達の楽しみ
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■001 日向ぼっこで、校庭でお昼寝していたサクヤとルイ。その周りで親衛隊が何をしていたのか?
魔法学校には役職持ちには漏れなく親衛隊が結成される。その目的は、ほとんどが身の程知らずに対する制裁。とは言っても、魔法学校に入っている以上、魔力と合わないと相手にしてもらえない事は周知の事実。
かく言う僕は譽れな高き生徒会会長様の親衛隊隊長をさせていただいてる。ルイ様は他の魔法使いとかなり違う方だ。こう言っては何だが、とりあえず行動が頓珍漢で、見た目とのギャップが半端ではない。初等部から親衛隊に入っているが、歴代の親衛隊隊長に必ずと言って良いほど伝達される事がある。
地雷は踏まない事。
偏った魔力を持っているルイ様は、魔力の制御に関しては問題ないが、一度切れると手がつけられない。生徒会役員と風紀委員長、副委員長が束になって何とか対応できるという、かなりの強者でもある。
高等学部に上がり、Aクラスに外部から入学してきた生徒がいた。魔力は特Aクラス。でも、魔力の制御が恐ろしくできない。見た目はこの学校の魔法使いでは珍しい可愛い系。黒髪と黒瞳のその生徒は、特殊な魔力の持ち主だった。そう、ルイ様が破壊の魔力のみなら、その生徒は癒しの魔力のみという、かなりの珍獣……。
程なくして、ルイ様と循環の魔法を使われたと聞き、正直安堵した。色々、事件が起こり、学校内は平和だったが、お二人の周りは煙たかった。そんなこんなで、何とか落ち着きをみせ始めた頃、お二人が校庭でお昼寝をするという、美味しい……、ではなく、我々が見守らなくてはならない事件が!
「隊長! 見てください! ルイ様とサクヤ様があのような場所でお昼寝を!」
「しっかり見守らなくては。邪魔が入らないように見張る事!」
「分かってます! もう、癒しですよね」
魔法使いが外で、しかも、無防備に昼寝する事はほとんどない。サクヤ様が魔法使いでありながら、魔法使いらしくないのが原因だと思う。それにしても、ルイ様まで無防備すぎでは。確かに、サクヤ様の頭には火の鳥がいつも鎮座し、足元には二匹の魔狼。危険はないとは言えないが、不測の事態にはならないとは思う。それでも、こんな美味しい場面……、じゃなく、親衛隊としての仕事を放棄するのは問題だ!
「写真を撮っても構わないでしょうか?!」
「……邪魔しない程度にな。それと、後で僕にも勿論、くれるよね?」
「勿論です! 隊員全員に渡しますから!」
秋の日差しの中でお二人でお昼寝。なんて、サービル精神旺盛な方々だ。卒業まで、しっかりお守りしなければ! たとえ、特A生には近づけない、普通クラスであろうとも!
終わり。
魔法学校には役職持ちには漏れなく親衛隊が結成される。その目的は、ほとんどが身の程知らずに対する制裁。とは言っても、魔法学校に入っている以上、魔力と合わないと相手にしてもらえない事は周知の事実。
かく言う僕は譽れな高き生徒会会長様の親衛隊隊長をさせていただいてる。ルイ様は他の魔法使いとかなり違う方だ。こう言っては何だが、とりあえず行動が頓珍漢で、見た目とのギャップが半端ではない。初等部から親衛隊に入っているが、歴代の親衛隊隊長に必ずと言って良いほど伝達される事がある。
地雷は踏まない事。
偏った魔力を持っているルイ様は、魔力の制御に関しては問題ないが、一度切れると手がつけられない。生徒会役員と風紀委員長、副委員長が束になって何とか対応できるという、かなりの強者でもある。
高等学部に上がり、Aクラスに外部から入学してきた生徒がいた。魔力は特Aクラス。でも、魔力の制御が恐ろしくできない。見た目はこの学校の魔法使いでは珍しい可愛い系。黒髪と黒瞳のその生徒は、特殊な魔力の持ち主だった。そう、ルイ様が破壊の魔力のみなら、その生徒は癒しの魔力のみという、かなりの珍獣……。
程なくして、ルイ様と循環の魔法を使われたと聞き、正直安堵した。色々、事件が起こり、学校内は平和だったが、お二人の周りは煙たかった。そんなこんなで、何とか落ち着きをみせ始めた頃、お二人が校庭でお昼寝をするという、美味しい……、ではなく、我々が見守らなくてはならない事件が!
「隊長! 見てください! ルイ様とサクヤ様があのような場所でお昼寝を!」
「しっかり見守らなくては。邪魔が入らないように見張る事!」
「分かってます! もう、癒しですよね」
魔法使いが外で、しかも、無防備に昼寝する事はほとんどない。サクヤ様が魔法使いでありながら、魔法使いらしくないのが原因だと思う。それにしても、ルイ様まで無防備すぎでは。確かに、サクヤ様の頭には火の鳥がいつも鎮座し、足元には二匹の魔狼。危険はないとは言えないが、不測の事態にはならないとは思う。それでも、こんな美味しい場面……、じゃなく、親衛隊としての仕事を放棄するのは問題だ!
「写真を撮っても構わないでしょうか?!」
「……邪魔しない程度にな。それと、後で僕にも勿論、くれるよね?」
「勿論です! 隊員全員に渡しますから!」
秋の日差しの中でお二人でお昼寝。なんて、サービル精神旺盛な方々だ。卒業まで、しっかりお守りしなければ! たとえ、特A生には近づけない、普通クラスであろうとも!
終わり。
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