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銀の鳥籠SS
010 生命の価値
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オレとルイ、ユエとライカの卵と、子供達に精霊を入れてもらった卵が順調に育ち始めた。もちろん、子供達は毎日その卵を眺めて過ごす。何が楽しいのかは謎だけどさ。
オレ達のはさすがに自宅に戻るときに持って帰るんだけど、五つの卵は子供達と同じ部屋に置かれてる。危険だとは思うんだけど、そこは妖精達によく頼んだ。
大きく育ち始めた卵は今では人がなんとか抱えられるくらいの大きさになった。最初、五つの卵は同じ籠に入れていたけど、今では別々の籠だ。そして、やっぱりと言うべきか。捕獲された精霊を投入した卵より、オレ達の卵の方が育つのが早かった。約十ヶ月。孵化の兆しがあると危険だから結界を張る。卵の欠片が飛び散れば危ない通り越して、怪我をしかねないからな。
「よく毎日持ってくるな」
「だって、心配だからさ」
俺の場合、自宅は隣だ。少し離れてると言っても地下で繋がってるから大したことはない。ユエの場合、この場所からかなり離れてる。移動してくるためには一度、魔法省内にある移動のための魔法陣を利用しないといけない。それも、印を刻んだ職員証必須だ。オレ達家族は血筋に刻まれてるから必要ねぇけど。
「ライカは?」
「もう少しで孵化するから、明日から一緒に来るって」
「休んでもいいけど?」
「この子はここで育てるって決めてるから。連れては帰るけどね。一人っ子より、断然いいよ。ここの子達もいい子だしさ」
確かに思いやる心は育まれるし、人のことを考えることはできるようになる。何よりコミニュケーション能力はかなり凄い。
「でもさ、この光景も凄くない?」
ユエの言葉に苦笑い。どうしてかって? 五人の子供達がそれぞれ卵に抱きついてんだよな。赤ちゃん一人が入る大きさまで成長したからこう、抱き付けるサイズだし。何より、温かいんだよな。動くようにもなってるし。卵の殻は高いところから落としても割れねぇし。子供一人の体重くらい問題ねぇから。
「ルイは?」
「あとから来るけど。禁書庫の仕事は当分休みにするって。オレの両親にも会わせないとだから、何日か留守にすると思う」
「その間は任せてよ。ライカにも来てもらうし。魔力がない人間にこの土地はキツイよ。サクヤの魔力を込めた水晶があっても危険だと思うし」
そうなんだよな。ライカが見付けてきてくれる水晶はかなりの数だけどまだ、足りない。人がいる場所に重点的に置いていってるけど、魔力のない人がこの場所に来たら、変な影響を受ける。最悪、望んでいない能力に目覚めるかもしれない。
「ご両親、楽しみにしてるんでしょう?」
「まあな。オレがルイと結婚したって言った時、諦めてたみたいでさ。でも、同性でも子供が得られるんだって知って、孫抱けるって手放しで喜んでたし」
長い間、待たせたんだよな。血は繋がってなくても、学校の寮にいる子達も、今目の前で卵に抱きついてる子達も大切なことに変わりねぇし。
「もう少しだしね。直ぐに会いに行くの?」
「そのつもり。ほら、父さんと母さんは魔法使いじゃないからさ」
寿命の長さが全然違う。だから、孵化して直ぐに会いに行くんだ。
「俺達がいるし、頻繁に会いに行きなよ」
「いいのかよ?」
「もちろん。魔力を持たない人の寿命は長くて百年だもん。親孝行でしょう? 孫を連れて行くのって」
ユエの言葉にオレは頷いた。そうだよな。両親は魔法使いと比べて短命だ。幼馴染みの五人は全員結婚して子供もいる。会いにも行ったし。
「うん。その時はよろしくな?」
「任せて」
ユエはしっかりと頷いてくれた。
終わり。
オレ達のはさすがに自宅に戻るときに持って帰るんだけど、五つの卵は子供達と同じ部屋に置かれてる。危険だとは思うんだけど、そこは妖精達によく頼んだ。
大きく育ち始めた卵は今では人がなんとか抱えられるくらいの大きさになった。最初、五つの卵は同じ籠に入れていたけど、今では別々の籠だ。そして、やっぱりと言うべきか。捕獲された精霊を投入した卵より、オレ達の卵の方が育つのが早かった。約十ヶ月。孵化の兆しがあると危険だから結界を張る。卵の欠片が飛び散れば危ない通り越して、怪我をしかねないからな。
「よく毎日持ってくるな」
「だって、心配だからさ」
俺の場合、自宅は隣だ。少し離れてると言っても地下で繋がってるから大したことはない。ユエの場合、この場所からかなり離れてる。移動してくるためには一度、魔法省内にある移動のための魔法陣を利用しないといけない。それも、印を刻んだ職員証必須だ。オレ達家族は血筋に刻まれてるから必要ねぇけど。
「ライカは?」
「もう少しで孵化するから、明日から一緒に来るって」
「休んでもいいけど?」
「この子はここで育てるって決めてるから。連れては帰るけどね。一人っ子より、断然いいよ。ここの子達もいい子だしさ」
確かに思いやる心は育まれるし、人のことを考えることはできるようになる。何よりコミニュケーション能力はかなり凄い。
「でもさ、この光景も凄くない?」
ユエの言葉に苦笑い。どうしてかって? 五人の子供達がそれぞれ卵に抱きついてんだよな。赤ちゃん一人が入る大きさまで成長したからこう、抱き付けるサイズだし。何より、温かいんだよな。動くようにもなってるし。卵の殻は高いところから落としても割れねぇし。子供一人の体重くらい問題ねぇから。
「ルイは?」
「あとから来るけど。禁書庫の仕事は当分休みにするって。オレの両親にも会わせないとだから、何日か留守にすると思う」
「その間は任せてよ。ライカにも来てもらうし。魔力がない人間にこの土地はキツイよ。サクヤの魔力を込めた水晶があっても危険だと思うし」
そうなんだよな。ライカが見付けてきてくれる水晶はかなりの数だけどまだ、足りない。人がいる場所に重点的に置いていってるけど、魔力のない人がこの場所に来たら、変な影響を受ける。最悪、望んでいない能力に目覚めるかもしれない。
「ご両親、楽しみにしてるんでしょう?」
「まあな。オレがルイと結婚したって言った時、諦めてたみたいでさ。でも、同性でも子供が得られるんだって知って、孫抱けるって手放しで喜んでたし」
長い間、待たせたんだよな。血は繋がってなくても、学校の寮にいる子達も、今目の前で卵に抱きついてる子達も大切なことに変わりねぇし。
「もう少しだしね。直ぐに会いに行くの?」
「そのつもり。ほら、父さんと母さんは魔法使いじゃないからさ」
寿命の長さが全然違う。だから、孵化して直ぐに会いに行くんだ。
「俺達がいるし、頻繁に会いに行きなよ」
「いいのかよ?」
「もちろん。魔力を持たない人の寿命は長くて百年だもん。親孝行でしょう? 孫を連れて行くのって」
ユエの言葉にオレは頷いた。そうだよな。両親は魔法使いと比べて短命だ。幼馴染みの五人は全員結婚して子供もいる。会いにも行ったし。
「うん。その時はよろしくな?」
「任せて」
ユエはしっかりと頷いてくれた。
終わり。
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