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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
181 健康より身長
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目の前に置かれたケーキ。これ、ケーキ入刀の巨大ケーキを綺麗に切り分けたものだ。フワッフワのスポンジにホイップクリーム。真っ赤なイチゴ。上だけじゃなく中にもサンドされてて、これ、普通に購入しても高いんじゃねぇの。ホークで崩して口に入れると、ほのかな甘みとイチゴの酸味が絶妙。と、ケーキの感想はここまでにして、気になることが一つ。
セイトと風紀委員長の身長ははっきり言って大差ない。よく見ればセイトの方が高いのかもしれない。でも、魔力の質は確実に風紀委員長の方が破壊の魔力に傾倒してる。で、問題はどっちがどっちの衣裳を着るのかってことだ。二人は眠らされてるわけだから、着せるのは今向かったメンバーとスタイリスト。つまり、彼奴等の好みで着付けるってことだろう?
「あのさ。どっちがどっちなの?」
ユエがケーキをモグモグ食べながら、疑問を口にする。一緒に出された紅茶を口に含みつつ、嚥下する。
「オレもさ、そこが疑問なんだって」
オレとユエの場合、身長がかなり違うから、否定してもドレスに決定される。そこは諦めてんだけどさ。
「どっちも身長に差がないからね。魔力っていうより似合うか似合わないかだと思うけど」
ルイもケーキを食べつつ、会話に参加する。
「これで体格が違うならまた、どっちかって分かるけど、体格にも差がないときてるからね」
副会長はケーキをユエに渡しながら口を出した。甘いのが苦手なのか? ユエも普通に受け取ってるし。
「風紀副委員長の方が華奢だよな」
その華奢な風紀副委員長が風紀委員長を担いで行ったんだから、力と体力はあるんだよな。
見た目か。その見た目にしてもさ、どっちもどっちなんだよな。インパクトがある色合いは確実に委員長なんだけどさ。なんせ、赤髪に青い瞳。肌は白いけど、真逆の色を持ってる。風紀委員長は糖蜜色の髪と瞳。こっちもある意味、変わってるって言えば変わってるのか?
「求愛した方が普通は男の正装なんだけどね」
ルイがポツリと言った。まあ、求愛するのって破壊の魔力が強い方だよな? オレ達はたまたま、求愛相手より身長が低かっただけだよな? 今まで見てる同性の夫婦もどっちかっていうと身長差はある。でも、身長が高い方が花嫁ってこともあるよな? ん? と言うことは?
「ちょっと疑問なんだけどさ」
「なに?」
「身長が高い方がドレス着た例があったのか?」
「高いっていうか、身長が同じくらいの夫婦もいるからね。その場合、ヒールを履くと確実に花婿より身長が高くなるけど」
靴かよ?!
「夫役は基本的に魔力で決まるからね。ただ、破壊の魔力が強いと身長が高い傾向にあるのは確かだよ」
副会長の言葉に絶句。オレ、癒しの魔力しか持ってねぇ! だってさ、ユエより身長低いんだって! なんとなく、身長が伸びなかった理由が分かった。魔力の影響かよ。両親の身長が低かったのも、血筋の影響だよな? 始まりの祖先はどっちかっていうと破壊の魔力が強くなかったような気がするし。
「オレの身長が伸びなかったのは……」
恐る恐るルイを見上げて問い掛けてみた。
「サクヤの場合は完全に魔力の影響だよ。ただ、誰よりも健康体だよ。勝手に魔力が体の悪い場所を修復していくし」
健康とかそんなんじゃなくて、オレ的にはもう少し身長が欲しかったんだよ!
「言いたいのはそこじゃないって理解してるよ」
ユエは分かったように頷いた。
「健康より身長だよな。サクヤの場合、下手したら女性より身長低いし」
そこ! 一番気にしていることを指摘してくるな!
セイトと風紀委員長の身長ははっきり言って大差ない。よく見ればセイトの方が高いのかもしれない。でも、魔力の質は確実に風紀委員長の方が破壊の魔力に傾倒してる。で、問題はどっちがどっちの衣裳を着るのかってことだ。二人は眠らされてるわけだから、着せるのは今向かったメンバーとスタイリスト。つまり、彼奴等の好みで着付けるってことだろう?
「あのさ。どっちがどっちなの?」
ユエがケーキをモグモグ食べながら、疑問を口にする。一緒に出された紅茶を口に含みつつ、嚥下する。
「オレもさ、そこが疑問なんだって」
オレとユエの場合、身長がかなり違うから、否定してもドレスに決定される。そこは諦めてんだけどさ。
「どっちも身長に差がないからね。魔力っていうより似合うか似合わないかだと思うけど」
ルイもケーキを食べつつ、会話に参加する。
「これで体格が違うならまた、どっちかって分かるけど、体格にも差がないときてるからね」
副会長はケーキをユエに渡しながら口を出した。甘いのが苦手なのか? ユエも普通に受け取ってるし。
「風紀副委員長の方が華奢だよな」
その華奢な風紀副委員長が風紀委員長を担いで行ったんだから、力と体力はあるんだよな。
見た目か。その見た目にしてもさ、どっちもどっちなんだよな。インパクトがある色合いは確実に委員長なんだけどさ。なんせ、赤髪に青い瞳。肌は白いけど、真逆の色を持ってる。風紀委員長は糖蜜色の髪と瞳。こっちもある意味、変わってるって言えば変わってるのか?
「求愛した方が普通は男の正装なんだけどね」
ルイがポツリと言った。まあ、求愛するのって破壊の魔力が強い方だよな? オレ達はたまたま、求愛相手より身長が低かっただけだよな? 今まで見てる同性の夫婦もどっちかっていうと身長差はある。でも、身長が高い方が花嫁ってこともあるよな? ん? と言うことは?
「ちょっと疑問なんだけどさ」
「なに?」
「身長が高い方がドレス着た例があったのか?」
「高いっていうか、身長が同じくらいの夫婦もいるからね。その場合、ヒールを履くと確実に花婿より身長が高くなるけど」
靴かよ?!
「夫役は基本的に魔力で決まるからね。ただ、破壊の魔力が強いと身長が高い傾向にあるのは確かだよ」
副会長の言葉に絶句。オレ、癒しの魔力しか持ってねぇ! だってさ、ユエより身長低いんだって! なんとなく、身長が伸びなかった理由が分かった。魔力の影響かよ。両親の身長が低かったのも、血筋の影響だよな? 始まりの祖先はどっちかっていうと破壊の魔力が強くなかったような気がするし。
「オレの身長が伸びなかったのは……」
恐る恐るルイを見上げて問い掛けてみた。
「サクヤの場合は完全に魔力の影響だよ。ただ、誰よりも健康体だよ。勝手に魔力が体の悪い場所を修復していくし」
健康とかそんなんじゃなくて、オレ的にはもう少し身長が欲しかったんだよ!
「言いたいのはそこじゃないって理解してるよ」
ユエは分かったように頷いた。
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