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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
075 魔力とすれ違い
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あのあと、魔法省の奴等が闇の魔法使い達を捕獲して、順次消えていった。その時、微妙にルイの作り出す魔法陣で、自分が闇に囚われていないか確認してる奴がいた。ただでは転ばないタイプだな。
ベニはといえば、やっぱりへばってた。ミニマムサイズになって、ポテッとへばってるところを、ルイに持ち上げられて、オレの頭に戻されてた。
屋敷に戻って改めて対面したルイの両親。母親、って言っても男なんだけど。つまり、受け入れる側ってことだよな。銀髪に緑の瞳。少し細身で、でも、しなやかな筋肉に包まれてるのはなんとなく分かった。父親はルイとは全く違う色。黒髪に青い瞳。高い身長と、しっかりとした体つき。二人に共通して言えることは強い魔力を持っているということ。そして、見目がやたらに良いこと。
「横槍が入ったようだ」
闇の魔法使い達を横槍とか。確かに横槍だけど。
「あのさ。話できたのか?」
ルイを見上げて、問い掛けた。まだなら、この部屋で大人しくしてるけど。
「話せることはほとんどないから」
そういうことじゃねぇ!
「初見のオレの両親には普通に笑ってるのに、どうして本当の親にはできねぇんだよ!」
吃驚してる麗しい顔が三つ。本当のことだからな!
「笑ってた?」
「自然にな。もう、この際、本当の親の前だとか気にすんのやめる! うちの親はあんな感じだし、失礼極まりない無神経なとこあるけどさ。ルイはまだ、未成年だろう?! 親に言いたいこと言えばいいんじゃねぇの?!」
「……それができないから」
「できないじゃねぇの。やるんだよ。今まで魔法省が干渉してきて自由にできなかったんだろうが! 干渉がなくなったんだから、自由にしたって咎められることもねぇだろう?!」
ルイの両親が呆然としてる。まあ、オレの言葉使いはお上品じゃねぇからな。
「だから、苦手だって」
「それは魔力のせいだろうが?! もうこの際、スパッと魔力は無視だ!」
「それこそ無理でしょう?」
「どうしてだよ。オレなんて高校来るまで意識したことねぇよ」
あれ? ルイだけじゃなくて、ルイの両親も呆れ顔。失礼だな。
「意識しないでいられたの?」
「いられたけど。今回、親が俺を育てるの、大変だったのが分かったけど。言われたことなかったし」
そんなにおかしなことなのか?
「ご両親は本当に素晴らしい方達なんだね」
ルイの母親がポツリと呟く。え? 素晴らしいのか? 息子のことを笑いながら、二人して珍獣発言だけど。
「これだけ感情豊かだと、ルイも刺激を受けるだろう」
ルイの父親も感心したように目を細めた。感情豊かは否定しねぇよ。
「そうですね」
ルイの表情が少し崩れる。なんか、なんとなくだけど、馬鹿にされた感が拭えねぇんだけど。
妙に複雑な表情をしてると、いきなりガシッと右手を握られた。そして、思いっきり引っ張られ、って! 手を取ったのは意外な人物。
「見せたいものがあるんだ」
ルイのお母様! それは息子に見せてくれ! 心で叫んだところで、伝わらねぇけどな! ルイとルイの父親に視線を向けたら、目を見開いてるだけで傍観。なんとかしてくれよ!
廊下に出て、階段を目指して一直線。躊躇いなく階段を上がって、右端の部屋の扉をまた、躊躇いなく開く。
「二階はルイの部屋なんだ」
はい? ここじゃなくて? 二階って、この階全部かよ?! って、この部屋なんだ?! 目の前の光景にオレ、驚きで声が出なかった。
ベニはといえば、やっぱりへばってた。ミニマムサイズになって、ポテッとへばってるところを、ルイに持ち上げられて、オレの頭に戻されてた。
屋敷に戻って改めて対面したルイの両親。母親、って言っても男なんだけど。つまり、受け入れる側ってことだよな。銀髪に緑の瞳。少し細身で、でも、しなやかな筋肉に包まれてるのはなんとなく分かった。父親はルイとは全く違う色。黒髪に青い瞳。高い身長と、しっかりとした体つき。二人に共通して言えることは強い魔力を持っているということ。そして、見目がやたらに良いこと。
「横槍が入ったようだ」
闇の魔法使い達を横槍とか。確かに横槍だけど。
「あのさ。話できたのか?」
ルイを見上げて、問い掛けた。まだなら、この部屋で大人しくしてるけど。
「話せることはほとんどないから」
そういうことじゃねぇ!
「初見のオレの両親には普通に笑ってるのに、どうして本当の親にはできねぇんだよ!」
吃驚してる麗しい顔が三つ。本当のことだからな!
「笑ってた?」
「自然にな。もう、この際、本当の親の前だとか気にすんのやめる! うちの親はあんな感じだし、失礼極まりない無神経なとこあるけどさ。ルイはまだ、未成年だろう?! 親に言いたいこと言えばいいんじゃねぇの?!」
「……それができないから」
「できないじゃねぇの。やるんだよ。今まで魔法省が干渉してきて自由にできなかったんだろうが! 干渉がなくなったんだから、自由にしたって咎められることもねぇだろう?!」
ルイの両親が呆然としてる。まあ、オレの言葉使いはお上品じゃねぇからな。
「だから、苦手だって」
「それは魔力のせいだろうが?! もうこの際、スパッと魔力は無視だ!」
「それこそ無理でしょう?」
「どうしてだよ。オレなんて高校来るまで意識したことねぇよ」
あれ? ルイだけじゃなくて、ルイの両親も呆れ顔。失礼だな。
「意識しないでいられたの?」
「いられたけど。今回、親が俺を育てるの、大変だったのが分かったけど。言われたことなかったし」
そんなにおかしなことなのか?
「ご両親は本当に素晴らしい方達なんだね」
ルイの母親がポツリと呟く。え? 素晴らしいのか? 息子のことを笑いながら、二人して珍獣発言だけど。
「これだけ感情豊かだと、ルイも刺激を受けるだろう」
ルイの父親も感心したように目を細めた。感情豊かは否定しねぇよ。
「そうですね」
ルイの表情が少し崩れる。なんか、なんとなくだけど、馬鹿にされた感が拭えねぇんだけど。
妙に複雑な表情をしてると、いきなりガシッと右手を握られた。そして、思いっきり引っ張られ、って! 手を取ったのは意外な人物。
「見せたいものがあるんだ」
ルイのお母様! それは息子に見せてくれ! 心で叫んだところで、伝わらねぇけどな! ルイとルイの父親に視線を向けたら、目を見開いてるだけで傍観。なんとかしてくれよ!
廊下に出て、階段を目指して一直線。躊躇いなく階段を上がって、右端の部屋の扉をまた、躊躇いなく開く。
「二階はルイの部屋なんだ」
はい? ここじゃなくて? 二階って、この階全部かよ?! って、この部屋なんだ?! 目の前の光景にオレ、驚きで声が出なかった。
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