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この日リオンはいつも通り、シェインが入れてくれた紅茶を飲みながら本を読んでいた。
その時扉を叩く音が聞こえてきた。
「誰かしら?」と心の中で思いながら立ち上がり、扉を開けた。
するとそこにはフードを被った男性が立っていた。
「あの・・・・どちら様ですか?」
リオンが質問すると、男性は、ピクッと反応して、おもむろにフードを取った。
そこには黒髪短髪にオレンジと薄い緑の瞳をした姿があった。
その姿を見たリオンは、その人物が誰なのかすぐにわかったのか、目に涙をためて抱き着いた。
「こんなところに居たんですね。レオンお兄様。」
リオンかがそうつぶやくとレオンは苦笑いをして「リオン、久しぶり。」と返事して抱き返した。
ーーーーーーーーーーーーーーー数年前ーーーーーーーーーーーーーーーーー
リオンがまだ王国で兄と姉から守られていた時のお話。
リオン(5歳)
「マリンお姉さま。絵本を読んでください。」
リオンは庭でマリンと日向ぼっこをしていた時、絵本を読んでもらいたくなり、目をキラキラさせながら絵本を前に差し出しておねだりした。
その姿を見たマリンは優しい眼差しをみせて、「うふふ」と笑って見せた後
「いいわよ。ほら、ここにおいで。」
椅子に座っていたマリンは、自分の膝を2回叩きながら言うとリオンは嬉しそうに膝の上に座った。
そしてマリンが絵本を読んでいる間、リオンは食い入るように絵本に集中していた。
絵本を読んでもらっていたリオンのもとに優しい声の男性が「リオン」と呼びながら近づいてきた。
「レオンお兄様!」
リオンは声の主を見つけると、膝から降りて駆け寄って抱き着いた。
「ここで絵本を読んでもらっていたんですね。」
レオンがそう言うとリオンは嬉しそうに目を輝かせて笑った。
「そうなの。マリンお姉さまに読んでもらっていたの。」
リオンが笑顔で説明するとレオンが笑顔で頭をなでながら「それはよかったですね」と微笑んでいた。
そんな幸せな日々がずっと続くと思っていた・・・。
まだ陽も登っていない早朝。
門の前に2つの影があった。
「レオン・・・。本当に行ってしまうのですね・・・。」
悲しそうな顔をしたマリンがレオンに問いかけた。
「申し訳ありません。国王に逆らってしまった以上、ここにいても処刑されるだけです。なのでもうここに居ることが出来ません。本当は僕も一緒にレオンを守りたかったのですが・・・。別々になっても2人の健康と無事を祈っています。あとは頼みます。」
悲しい顔をしたレオンがマリンに今後を頼むと門に外へ歩き出した。
「私とリオンもレオンの健康と無事を祈っています。」
マリンが大きな声で叫ぶとレオンは右手を挙げて去って行ってしまった。
それからどこで何をしているのか、生きているのかすらわからなかった。
レオンお兄様には色々聞きたいことはあるも、今はお互いの存在を確かめるかのように抱き着いて離れなかった。
「紅茶を淹れましたので、こちらでお話でもどうですか?」
シェインの粋な計らいで2人はソファーに座り、シェインが淹れてくれた紅茶を飲みながら話をすることにした。
ソファーに座って10分。お互い話することなく紅茶を飲んでいる。
(さて・・・。何から話したらいいのか・・・。久しぶりだと名に話したらいいかわからないや。)
リオンが頭を悩ませていると、隣から声が聞こえてきた。
「僕がなんでここに居るのか気になりますよね。でも今はまだ話せないんです。話せる時が来たらちゃんと話するので待っててくれますか?」
先に気になることも含めて言われてしまったが、兄から言われたら待つしかない為、リオンは待つことにした。
「わかりました。話せる時が来たら必ず教えてくださいね。」
リオンはそう言うと紅茶を一口飲んで心を落ち着かせた。
そして兄が居なくなった後、王国で受けた仕打ちなどを話した。
「そうでしたか・・・。マリンとリオンには苦労を掛けましたね。マリンとはいつでも会えますし、リオンの身に何かあっても僕はリオンを全力で守ると誓います。だから安心してください。」
レオンは真っ直ぐリオンの目を見て言った。
「ありがとうお兄様。」
リオンはレオンからの言葉に涙が止まらなくなってしまった。
それを見たレオンは「ほんと昔から涙もろいんだから」と笑いながら頭を撫でて抱き寄せた。
そして泣き止むまで胸を貸してくれた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー数分後ーーーーーーーーーーーーーーーーー
リオンはたくさん泣いて安心したのか眠ってしまった。
レオンは眠ったリオンをベッドに運ぶとシェインに話しかけた。
「恥ずかしいところを見せてしましましたね。「
レオンは苦笑いしながら言うと、シェインは目尻を下げたまま
「リオン様のあのお姿は初めて見ました。おそらくレオン様を見て安心されたのでしょう。」
シェインがそう言うとレオンは遠い目をした。
「そうだといいのですが・・・。リオンにとってここは不慣れな場所。負担が相当あったでしょう。」
そりゃそうだ。突然こんなところに連れて来られたら誰だって不安に思うに決まっている。
そう考えたらもっと早くに会いに来ればよかったと後悔した。
僕の覚悟が足りなかったせいで・・・。
「レオン様。ご自分を責めてはいけませんよ。誰でも後悔することは沢山あります。それでも前を向いて歩いて行くのが成長のポイントですよ。」
シェインは笑顔でそう言うと、部屋から出て行ってしまった。
(確かにいつまでも後悔してたら前に進めないよな・・・。だったら死ぬまでリオンを守り抜く。もう絶対離れたりしない。)
レオンはリオンの頭を撫でながら心の中で誓うと部屋から出て行った。
次の日、リオンが目を覚ますとシェイン経由でレオンからの伝言を受け取った。
(これからは出来る限り会いに行きます。)
短い文章だったがその文には愛が感じられて安心した。
そして・・・・サタンからプロポーズされたことは完全に忘れているリオンであった。
その時扉を叩く音が聞こえてきた。
「誰かしら?」と心の中で思いながら立ち上がり、扉を開けた。
するとそこにはフードを被った男性が立っていた。
「あの・・・・どちら様ですか?」
リオンが質問すると、男性は、ピクッと反応して、おもむろにフードを取った。
そこには黒髪短髪にオレンジと薄い緑の瞳をした姿があった。
その姿を見たリオンは、その人物が誰なのかすぐにわかったのか、目に涙をためて抱き着いた。
「こんなところに居たんですね。レオンお兄様。」
リオンかがそうつぶやくとレオンは苦笑いをして「リオン、久しぶり。」と返事して抱き返した。
ーーーーーーーーーーーーーーー数年前ーーーーーーーーーーーーーーーーー
リオンがまだ王国で兄と姉から守られていた時のお話。
リオン(5歳)
「マリンお姉さま。絵本を読んでください。」
リオンは庭でマリンと日向ぼっこをしていた時、絵本を読んでもらいたくなり、目をキラキラさせながら絵本を前に差し出しておねだりした。
その姿を見たマリンは優しい眼差しをみせて、「うふふ」と笑って見せた後
「いいわよ。ほら、ここにおいで。」
椅子に座っていたマリンは、自分の膝を2回叩きながら言うとリオンは嬉しそうに膝の上に座った。
そしてマリンが絵本を読んでいる間、リオンは食い入るように絵本に集中していた。
絵本を読んでもらっていたリオンのもとに優しい声の男性が「リオン」と呼びながら近づいてきた。
「レオンお兄様!」
リオンは声の主を見つけると、膝から降りて駆け寄って抱き着いた。
「ここで絵本を読んでもらっていたんですね。」
レオンがそう言うとリオンは嬉しそうに目を輝かせて笑った。
「そうなの。マリンお姉さまに読んでもらっていたの。」
リオンが笑顔で説明するとレオンが笑顔で頭をなでながら「それはよかったですね」と微笑んでいた。
そんな幸せな日々がずっと続くと思っていた・・・。
まだ陽も登っていない早朝。
門の前に2つの影があった。
「レオン・・・。本当に行ってしまうのですね・・・。」
悲しそうな顔をしたマリンがレオンに問いかけた。
「申し訳ありません。国王に逆らってしまった以上、ここにいても処刑されるだけです。なのでもうここに居ることが出来ません。本当は僕も一緒にレオンを守りたかったのですが・・・。別々になっても2人の健康と無事を祈っています。あとは頼みます。」
悲しい顔をしたレオンがマリンに今後を頼むと門に外へ歩き出した。
「私とリオンもレオンの健康と無事を祈っています。」
マリンが大きな声で叫ぶとレオンは右手を挙げて去って行ってしまった。
それからどこで何をしているのか、生きているのかすらわからなかった。
レオンお兄様には色々聞きたいことはあるも、今はお互いの存在を確かめるかのように抱き着いて離れなかった。
「紅茶を淹れましたので、こちらでお話でもどうですか?」
シェインの粋な計らいで2人はソファーに座り、シェインが淹れてくれた紅茶を飲みながら話をすることにした。
ソファーに座って10分。お互い話することなく紅茶を飲んでいる。
(さて・・・。何から話したらいいのか・・・。久しぶりだと名に話したらいいかわからないや。)
リオンが頭を悩ませていると、隣から声が聞こえてきた。
「僕がなんでここに居るのか気になりますよね。でも今はまだ話せないんです。話せる時が来たらちゃんと話するので待っててくれますか?」
先に気になることも含めて言われてしまったが、兄から言われたら待つしかない為、リオンは待つことにした。
「わかりました。話せる時が来たら必ず教えてくださいね。」
リオンはそう言うと紅茶を一口飲んで心を落ち着かせた。
そして兄が居なくなった後、王国で受けた仕打ちなどを話した。
「そうでしたか・・・。マリンとリオンには苦労を掛けましたね。マリンとはいつでも会えますし、リオンの身に何かあっても僕はリオンを全力で守ると誓います。だから安心してください。」
レオンは真っ直ぐリオンの目を見て言った。
「ありがとうお兄様。」
リオンはレオンからの言葉に涙が止まらなくなってしまった。
それを見たレオンは「ほんと昔から涙もろいんだから」と笑いながら頭を撫でて抱き寄せた。
そして泣き止むまで胸を貸してくれた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー数分後ーーーーーーーーーーーーーーーーー
リオンはたくさん泣いて安心したのか眠ってしまった。
レオンは眠ったリオンをベッドに運ぶとシェインに話しかけた。
「恥ずかしいところを見せてしましましたね。「
レオンは苦笑いしながら言うと、シェインは目尻を下げたまま
「リオン様のあのお姿は初めて見ました。おそらくレオン様を見て安心されたのでしょう。」
シェインがそう言うとレオンは遠い目をした。
「そうだといいのですが・・・。リオンにとってここは不慣れな場所。負担が相当あったでしょう。」
そりゃそうだ。突然こんなところに連れて来られたら誰だって不安に思うに決まっている。
そう考えたらもっと早くに会いに来ればよかったと後悔した。
僕の覚悟が足りなかったせいで・・・。
「レオン様。ご自分を責めてはいけませんよ。誰でも後悔することは沢山あります。それでも前を向いて歩いて行くのが成長のポイントですよ。」
シェインは笑顔でそう言うと、部屋から出て行ってしまった。
(確かにいつまでも後悔してたら前に進めないよな・・・。だったら死ぬまでリオンを守り抜く。もう絶対離れたりしない。)
レオンはリオンの頭を撫でながら心の中で誓うと部屋から出て行った。
次の日、リオンが目を覚ますとシェイン経由でレオンからの伝言を受け取った。
(これからは出来る限り会いに行きます。)
短い文章だったがその文には愛が感じられて安心した。
そして・・・・サタンからプロポーズされたことは完全に忘れているリオンであった。
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