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リオンが目を覚ますとそこには見知らぬ天井があった。
ここはどこだろうと考えていると、元気な声が聞こえてきた。
「もう!サタン様ったら、もうちょっと優しくしてくれてもいいのに!」
「しょうがないわよ、サタン様はああいう性格なんだから。諦めたほうがいいわよ。」
声からして、子供・・・?
それにサタン様って言った?
ってことは、ここは魔王国なんだ。
やっと状況を理解したリオンは身体を起こした。
すると部屋に2人の子供が入ってきた。
私はびっくりして二人を凝視してしまった。
見た感じ双子かな?
男の子の方は茶色い肌にこげ茶色の髪色、耳にかかるぐらいの短髪。瞳の色がグリーンでとても綺麗。
女の子の方は同じく茶色い肌にこげ茶色の髪色で長い髪を下ろしている。瞳の色はレッドでこちらもとても綺麗だ。
なんで頭の中で2人の容姿を見た感想を考えることが出来るのかそれもまた不思議だったが、気にしないことにした。
「あれ、目が覚めたんだ!よかったぁ」
男の子が話しかけながら近づいてきた。
「サタン様から話は聞いてるから安心してね~」
男の子からそう言われたけど、私は生贄として来てるわけで・・・安心できるわけがない!
「そんなことより自己紹介がまだじゃない。私の名前はルア。隣にいるのがアラン。私たち双子なの。これからよろしくね。」
なるほど。アランとルアね。短い時間だろうけど覚えておこうかな。
「よろしく。私はリオン。ここには生贄としてきたの。短い時間だろうけどよろしくね。」
私がそう言うと2人は一瞬目を見開いた後、笑顔に戻って「うん。よろしくね。」
と挨拶した。
「ちなみにそこにいる執事はリオン専属だから、何かあったら呼ぶといいよ。近くにいなくても名前を呼んだら来るから。」
アランがそう言うと、さっきまでいなかった黒服の男性が近くにいることに気づいてびっくりした。
「シェイン、リオンに挨拶して。」
アランがそう言うと、執事の男性がリオンの方を向いて挨拶した。
「私は魔王国専属執事、シェインと申します。サタン様から話は聞いております。御用がありましたら、何なりとお申し付けください。」
執事はリオンに挨拶すると、「では、失礼します。」と言って離れていった。
生贄なのに専属の執事がいるなんて、サタンは一体なにを考えているのかしら・・・。怪しいわ。
リオンはサタンの行動が怪しくて、殺されるまでの間、探りを入れることにした。
「じゃあリオン。自分たちも仕事があるから、失礼するよ。仕事が落ち着いたらまた来るね~!」
アランがそう言って部屋から出ると、ルアは後を追うようにリオンに一礼をして部屋から出て行った。
リオンは「ふぅ・・・。」と一息ついた。
そしてベッドから立ち上がり、近くにあった椅子に座った。
すると「リオン様」と声がして、声のした方を向くと、執事のシェインがいた。
「本日はもうお疲れでしょう。こちらをどうぞ。」
執事はそう言うと、カモミールティーをリオンの前に置いた。
リオンがカモミールティーを好きなこと知ってたのかと思うぐらい、用意周到だと思った。
「こちらを飲むと気持ちが落ち着くそうです。お口に合うかわかりませんが、どうぞお飲みください。」
リオンは「ありがとう」と言うと、一口飲んだ。
「・・・・おいしい・・・。」
そういえば、ここに連れて来られる前にメアリが入れてくれたカモミールティーもおいしかったなぁ・・・。
もう飲めないけれど、来世ではまたメアリにメイドをやってもらって、幸せに暮らしたいな・・・。
なんて考えていると、シェインが気を使ったのか声をかけてきた。
「カモミールティーにはなにか思い出がおありだったのですね・・・。気が使えなくて申し訳ございません。」
シェインさんが謝ることないのに・・・。
「大丈夫です。私は覚悟してきたはずなのに、覚悟が足りないですね。」
そう、私は生贄としてここに連れて来られたんだ。
いつ殺されてもおかしくない。
そんな時に隙を見せたらダメじゃない。しっかりしなくちゃ。
「あなたはサタン様にとって大事なお方。どうか気負いしないでゆっくり休んでください。」
・・・・・そうね。昨日の今日で殺されるとは思えないし、今日は休むことにしましょう。
「お言葉に甘えて休ませてもらうわ。おやすみなさい。」
リオンはそういうとベッドに移動して、横になった。
「はい。おやすみなさいませ。」
シェインからそう言われたリオンはすぐに、意識を手放した。
「まさかサタン様のお嫁さんとして連れて来られたって知らないとはねぇ~」
アランが廊下を歩きながらそう言うとルアが不思議そうに「そうねぇ・・・。」と言いながら、何かを考えているようだった。
「ルア、どうしたの?なんでそんな不思議がってるの?」
アランがルアを覗き込むように言った。するとルアは
「なんか不思議なのよね。人質として連れて来られたにしては、起きてベッドに横になってたら不思議がるだろうし、それに私たちが自己紹介したじゃない。その時驚かなかったし・・・。」
そう言って頭を傾げた。
「見た感じ人質として覚悟してるみたいだったし、逆にリオンが驚く顔が見てみたい。」
アランは、にやけながらそう言うとルアから「ほんとドSなんだから」と呆れられた。
「これからが楽しみだなぁ・・・。」
と言いながら、長い廊下を再び歩き出した。
ここはどこだろうと考えていると、元気な声が聞こえてきた。
「もう!サタン様ったら、もうちょっと優しくしてくれてもいいのに!」
「しょうがないわよ、サタン様はああいう性格なんだから。諦めたほうがいいわよ。」
声からして、子供・・・?
それにサタン様って言った?
ってことは、ここは魔王国なんだ。
やっと状況を理解したリオンは身体を起こした。
すると部屋に2人の子供が入ってきた。
私はびっくりして二人を凝視してしまった。
見た感じ双子かな?
男の子の方は茶色い肌にこげ茶色の髪色、耳にかかるぐらいの短髪。瞳の色がグリーンでとても綺麗。
女の子の方は同じく茶色い肌にこげ茶色の髪色で長い髪を下ろしている。瞳の色はレッドでこちらもとても綺麗だ。
なんで頭の中で2人の容姿を見た感想を考えることが出来るのかそれもまた不思議だったが、気にしないことにした。
「あれ、目が覚めたんだ!よかったぁ」
男の子が話しかけながら近づいてきた。
「サタン様から話は聞いてるから安心してね~」
男の子からそう言われたけど、私は生贄として来てるわけで・・・安心できるわけがない!
「そんなことより自己紹介がまだじゃない。私の名前はルア。隣にいるのがアラン。私たち双子なの。これからよろしくね。」
なるほど。アランとルアね。短い時間だろうけど覚えておこうかな。
「よろしく。私はリオン。ここには生贄としてきたの。短い時間だろうけどよろしくね。」
私がそう言うと2人は一瞬目を見開いた後、笑顔に戻って「うん。よろしくね。」
と挨拶した。
「ちなみにそこにいる執事はリオン専属だから、何かあったら呼ぶといいよ。近くにいなくても名前を呼んだら来るから。」
アランがそう言うと、さっきまでいなかった黒服の男性が近くにいることに気づいてびっくりした。
「シェイン、リオンに挨拶して。」
アランがそう言うと、執事の男性がリオンの方を向いて挨拶した。
「私は魔王国専属執事、シェインと申します。サタン様から話は聞いております。御用がありましたら、何なりとお申し付けください。」
執事はリオンに挨拶すると、「では、失礼します。」と言って離れていった。
生贄なのに専属の執事がいるなんて、サタンは一体なにを考えているのかしら・・・。怪しいわ。
リオンはサタンの行動が怪しくて、殺されるまでの間、探りを入れることにした。
「じゃあリオン。自分たちも仕事があるから、失礼するよ。仕事が落ち着いたらまた来るね~!」
アランがそう言って部屋から出ると、ルアは後を追うようにリオンに一礼をして部屋から出て行った。
リオンは「ふぅ・・・。」と一息ついた。
そしてベッドから立ち上がり、近くにあった椅子に座った。
すると「リオン様」と声がして、声のした方を向くと、執事のシェインがいた。
「本日はもうお疲れでしょう。こちらをどうぞ。」
執事はそう言うと、カモミールティーをリオンの前に置いた。
リオンがカモミールティーを好きなこと知ってたのかと思うぐらい、用意周到だと思った。
「こちらを飲むと気持ちが落ち着くそうです。お口に合うかわかりませんが、どうぞお飲みください。」
リオンは「ありがとう」と言うと、一口飲んだ。
「・・・・おいしい・・・。」
そういえば、ここに連れて来られる前にメアリが入れてくれたカモミールティーもおいしかったなぁ・・・。
もう飲めないけれど、来世ではまたメアリにメイドをやってもらって、幸せに暮らしたいな・・・。
なんて考えていると、シェインが気を使ったのか声をかけてきた。
「カモミールティーにはなにか思い出がおありだったのですね・・・。気が使えなくて申し訳ございません。」
シェインさんが謝ることないのに・・・。
「大丈夫です。私は覚悟してきたはずなのに、覚悟が足りないですね。」
そう、私は生贄としてここに連れて来られたんだ。
いつ殺されてもおかしくない。
そんな時に隙を見せたらダメじゃない。しっかりしなくちゃ。
「あなたはサタン様にとって大事なお方。どうか気負いしないでゆっくり休んでください。」
・・・・・そうね。昨日の今日で殺されるとは思えないし、今日は休むことにしましょう。
「お言葉に甘えて休ませてもらうわ。おやすみなさい。」
リオンはそういうとベッドに移動して、横になった。
「はい。おやすみなさいませ。」
シェインからそう言われたリオンはすぐに、意識を手放した。
「まさかサタン様のお嫁さんとして連れて来られたって知らないとはねぇ~」
アランが廊下を歩きながらそう言うとルアが不思議そうに「そうねぇ・・・。」と言いながら、何かを考えているようだった。
「ルア、どうしたの?なんでそんな不思議がってるの?」
アランがルアを覗き込むように言った。するとルアは
「なんか不思議なのよね。人質として連れて来られたにしては、起きてベッドに横になってたら不思議がるだろうし、それに私たちが自己紹介したじゃない。その時驚かなかったし・・・。」
そう言って頭を傾げた。
「見た感じ人質として覚悟してるみたいだったし、逆にリオンが驚く顔が見てみたい。」
アランは、にやけながらそう言うとルアから「ほんとドSなんだから」と呆れられた。
「これからが楽しみだなぁ・・・。」
と言いながら、長い廊下を再び歩き出した。
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