1 / 14
1
しおりを挟む
ここは南大陸にある小さな国、イグラン王国。
私はこの国で第2王女リオンとして誕生。19年の時を生きている。そしてこの国では珍しい黒髪で、オレンジ色と薄い緑の瞳をしている。
小さい頃から英才教育を受けて人前に出ても恥ずかしくないように教育を受けてきた。
そんなこの国では100年に1度魔王が襲来してくる。
その時に生贄を差し出さなくてはいけない。という決まりがあった。
そうすればまた100年は安泰に暮らすことができるとか。
前回の魔王襲来が100年前だから、リオンも半分信じていなかった。
「ねぇリオン。今年魔王襲来の年って言われてるけど、本当に来るのかしら。」
そう話してきたのは友人のミーヤ。金髪ツインテールで薄い茶色の瞳をしていて、豪華なピンクのドレスを着用している。
私の中で一番話しやすくて信用できる唯一の親友。
今日は私でお茶会をしている。
「そうねぇ。前回が100年前だと信じられないわよねぇ・・・。私も信用してないもの。」
そう2人で笑いあいながら話をしていた。
そんな時使用人がやってきた。
「リオン様。お楽しみのところ申し訳ありません。国王がお呼びです。至急王室へ。」
使用人は申し訳なさそうにリオンにそう言った。
「今更何の用だっていうのよ。今まで散々な扱いを私にしてきたのに。」
リオンは突然の呼び出しに怒って使用人に思わず言ってしまった。
「私も国王がリオン様にしてきたことをたくさん見てきました。ですが、国王の言うことは絶対ですので、お願いします。一緒に来てください。」
使用人が深々と頭を下げて言うもんだから、リオンも困った顔をして
「あなたが頭を下げることないのよ。私も酷いこと言ったわ。ごめんなさい。おとなしくついていくわ。」
リオンは使用人にそう言うとミーヤのほうを向いた。
「ミーヤ。ごめんなさい。お父様に呼ばれてしまったの。この埋め合わせはいつかさせて?」
ミーヤはリオンの目を見て笑いながら
「大丈夫!また近いうちお茶会しましょ!リオン行ってらっしゃい」
と言ってリオンを見送った。
「それにしてもさっきリオンが言った通り、今更何の用なのかしら。なんか嫌な予感がするわ。」
ミーヤはそう思いながらお茶会会場を後にした。
~王室~
王室の扉の前に着いたリオンは深く深呼吸をして扉を見つめた。
「リオン様がいらっしゃいました」
使用人の声の後に王室の扉が開いた。
そこには国王や王女の他に同盟を組んでいる国の王達が勢ぞろいしていた。
「イグラン王国第2王女リオン。今まで疎そうな扱いをしてすまなかった。」
国王はリオンにそういうと頭を下げた。
びっくりした。
あの王国の国王が関わりたくないであろう私に謝るなんて・・・。
でもあの国王だ、何か裏があるのかもしれない・・・。
「許します。ですが、謝るために呼んだわけではないですよね?」
早く終わらせたくて本題を聞いてみた。
これでどう出るか。
「そうだ。お前も知っているだろうが、今年は100年に1度の魔王襲来される日だ。」
どうしてこのタイミングで私にこの話を・・・。まさか!?
「それでだ。魔王に人質を差し出さなくてはいけない。そこでお前が人質に選ばれた。うれしく思え。」
・・・・・・・・・は?
うれしく思えってなに?ふざけないで。
「おっと、拒否権はないぞ。決定事項だ。」
その言葉を聞いてショックのあまり頭が真っ白になった。そして気づいたら自分の部屋にいた。
使用人の話によると、あの後気絶してしまい部屋に運ばれたそうだ。
なんてこと、嘘だと思いたい・・・。
私が人質だなんて・・・。
また後日、魔王襲来の時の会議があるそうだ。
そして自分が人質になったことは誰にも言ってはいけない。と口止めをされた。
私は誰にも相談や愚痴が言えない悲しさや一人で抱え込まなきゃいけないんだ・・・。というプレッシャーを感じながら再び眠りについた。
数日後・・・。
私は再び王室に呼ばれて、会議に参加した。
簡単にまとめると
1、魔王襲来はリオンの誕生日になる。それに合わせて、魔王を歓迎する儀式をする。
2、人質は王国で生まれた国王の血を受け継ぐ“女性”でなくてはならない。
3、どうして第2王女が人質に選ばれたのかについて。国王が第2王女が嫌いで人質にはうってつけだったから。
4、人質に選ばれたものは、逃げられないように魔王来襲まで監禁される。
まぁ、簡単にまとめるとこんな感じ。
3つ目に関しては想像できてたし、謝ってきた時点で裏があると思ってたから納得いった。
私は国王が終始私を見ながらニヤニヤしてたことは一生忘れないと思う。
そして私は会議が終わってから、自分の部屋で監禁されて7日目に突入している。
部屋の窓は逃げられないようにふさがれていて、扉の外には兵士が立っていて、逃げ出そうものなら殺してもいいと指示が出ているらしい。
幸いお手洗いやお風呂は部屋にあるからそこは困ることはない。
ご飯も今まで通り使用人が持ってきてくれるし、変わったことは外に出ることができないだけで、今までと生活は変わっていない。
ただ、ミーヤともう会えないのが悲しくて辛くて仕方ない。
私は、本当に魔王の人質なんだ・・・。
そう思い涙があふれて止まらない・・・。
ミーヤに会いたい・・・。
リオンと会えなくなって数日。
何回かリオンに会わせてほしいと交渉しても、体調不良や外出中やらで全然会わせてくれない。
こんなことは今までなかったから、リオンが心配で仕方なかった。
そんな時、あることを耳にした。
「第2王女が監禁されてるらしいぞ。」
「なんでも、7日前から部屋から出てきてないらしい。」
「そうしたのかしらね。何か悪いことしたのかしら?」
街ではこんな話でもちきりだった。
リオンが外に出ていないのが本当なら、王国は何か隠してるに違いない。
そう思ったミーヤは家に戻り、情報収集をすることにした。
それでリオンの身に何が起こっているのか、分かればいいけど・・・。
私はこの国で第2王女リオンとして誕生。19年の時を生きている。そしてこの国では珍しい黒髪で、オレンジ色と薄い緑の瞳をしている。
小さい頃から英才教育を受けて人前に出ても恥ずかしくないように教育を受けてきた。
そんなこの国では100年に1度魔王が襲来してくる。
その時に生贄を差し出さなくてはいけない。という決まりがあった。
そうすればまた100年は安泰に暮らすことができるとか。
前回の魔王襲来が100年前だから、リオンも半分信じていなかった。
「ねぇリオン。今年魔王襲来の年って言われてるけど、本当に来るのかしら。」
そう話してきたのは友人のミーヤ。金髪ツインテールで薄い茶色の瞳をしていて、豪華なピンクのドレスを着用している。
私の中で一番話しやすくて信用できる唯一の親友。
今日は私でお茶会をしている。
「そうねぇ。前回が100年前だと信じられないわよねぇ・・・。私も信用してないもの。」
そう2人で笑いあいながら話をしていた。
そんな時使用人がやってきた。
「リオン様。お楽しみのところ申し訳ありません。国王がお呼びです。至急王室へ。」
使用人は申し訳なさそうにリオンにそう言った。
「今更何の用だっていうのよ。今まで散々な扱いを私にしてきたのに。」
リオンは突然の呼び出しに怒って使用人に思わず言ってしまった。
「私も国王がリオン様にしてきたことをたくさん見てきました。ですが、国王の言うことは絶対ですので、お願いします。一緒に来てください。」
使用人が深々と頭を下げて言うもんだから、リオンも困った顔をして
「あなたが頭を下げることないのよ。私も酷いこと言ったわ。ごめんなさい。おとなしくついていくわ。」
リオンは使用人にそう言うとミーヤのほうを向いた。
「ミーヤ。ごめんなさい。お父様に呼ばれてしまったの。この埋め合わせはいつかさせて?」
ミーヤはリオンの目を見て笑いながら
「大丈夫!また近いうちお茶会しましょ!リオン行ってらっしゃい」
と言ってリオンを見送った。
「それにしてもさっきリオンが言った通り、今更何の用なのかしら。なんか嫌な予感がするわ。」
ミーヤはそう思いながらお茶会会場を後にした。
~王室~
王室の扉の前に着いたリオンは深く深呼吸をして扉を見つめた。
「リオン様がいらっしゃいました」
使用人の声の後に王室の扉が開いた。
そこには国王や王女の他に同盟を組んでいる国の王達が勢ぞろいしていた。
「イグラン王国第2王女リオン。今まで疎そうな扱いをしてすまなかった。」
国王はリオンにそういうと頭を下げた。
びっくりした。
あの王国の国王が関わりたくないであろう私に謝るなんて・・・。
でもあの国王だ、何か裏があるのかもしれない・・・。
「許します。ですが、謝るために呼んだわけではないですよね?」
早く終わらせたくて本題を聞いてみた。
これでどう出るか。
「そうだ。お前も知っているだろうが、今年は100年に1度の魔王襲来される日だ。」
どうしてこのタイミングで私にこの話を・・・。まさか!?
「それでだ。魔王に人質を差し出さなくてはいけない。そこでお前が人質に選ばれた。うれしく思え。」
・・・・・・・・・は?
うれしく思えってなに?ふざけないで。
「おっと、拒否権はないぞ。決定事項だ。」
その言葉を聞いてショックのあまり頭が真っ白になった。そして気づいたら自分の部屋にいた。
使用人の話によると、あの後気絶してしまい部屋に運ばれたそうだ。
なんてこと、嘘だと思いたい・・・。
私が人質だなんて・・・。
また後日、魔王襲来の時の会議があるそうだ。
そして自分が人質になったことは誰にも言ってはいけない。と口止めをされた。
私は誰にも相談や愚痴が言えない悲しさや一人で抱え込まなきゃいけないんだ・・・。というプレッシャーを感じながら再び眠りについた。
数日後・・・。
私は再び王室に呼ばれて、会議に参加した。
簡単にまとめると
1、魔王襲来はリオンの誕生日になる。それに合わせて、魔王を歓迎する儀式をする。
2、人質は王国で生まれた国王の血を受け継ぐ“女性”でなくてはならない。
3、どうして第2王女が人質に選ばれたのかについて。国王が第2王女が嫌いで人質にはうってつけだったから。
4、人質に選ばれたものは、逃げられないように魔王来襲まで監禁される。
まぁ、簡単にまとめるとこんな感じ。
3つ目に関しては想像できてたし、謝ってきた時点で裏があると思ってたから納得いった。
私は国王が終始私を見ながらニヤニヤしてたことは一生忘れないと思う。
そして私は会議が終わってから、自分の部屋で監禁されて7日目に突入している。
部屋の窓は逃げられないようにふさがれていて、扉の外には兵士が立っていて、逃げ出そうものなら殺してもいいと指示が出ているらしい。
幸いお手洗いやお風呂は部屋にあるからそこは困ることはない。
ご飯も今まで通り使用人が持ってきてくれるし、変わったことは外に出ることができないだけで、今までと生活は変わっていない。
ただ、ミーヤともう会えないのが悲しくて辛くて仕方ない。
私は、本当に魔王の人質なんだ・・・。
そう思い涙があふれて止まらない・・・。
ミーヤに会いたい・・・。
リオンと会えなくなって数日。
何回かリオンに会わせてほしいと交渉しても、体調不良や外出中やらで全然会わせてくれない。
こんなことは今までなかったから、リオンが心配で仕方なかった。
そんな時、あることを耳にした。
「第2王女が監禁されてるらしいぞ。」
「なんでも、7日前から部屋から出てきてないらしい。」
「そうしたのかしらね。何か悪いことしたのかしら?」
街ではこんな話でもちきりだった。
リオンが外に出ていないのが本当なら、王国は何か隠してるに違いない。
そう思ったミーヤは家に戻り、情報収集をすることにした。
それでリオンの身に何が起こっているのか、分かればいいけど・・・。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
気が合わない許嫁同士だったはずなのに
結城芙由奈
恋愛
【喧嘩ばかりの許嫁同士がとった最終手段は……?】
子爵令嬢アメリア・ホワイトと同じく子爵令息ニコル・ブラウンは両家が決めた許嫁同士。互いに二十歳になった暁には結婚することが義務付けられていたのだが、この二人会えば喧嘩ばかりだった。そこでこの状況を打開すべく、アメリアはある行動を取ることに……
*他サイトでも投稿中
* 前後編のショートストーリーです
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。
梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。
王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。
第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。
常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。
ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。
みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。
そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。
しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる