48 / 164
第四章 七変化
誘惑と戸惑
しおりを挟む
蒼万は志瑞也をそっと抱き上げ寝床の奥に寄せ、側に入り横になった。薄暗い中で志瑞也の顔を見つめ唇に視線を向けると、まだぷっくりとわずかに腫れている。指でその唇に触れると、柔らかくしっとりとしていた。先程までその唇と重ねていたのを思い出し、腹の底から込み上げてくる熱いものを感じ、思わず口の中に指を入れる。
「んっ…」
さっと指を引っ込めた。指に残る舌の感触に動悸が起こり、志瑞也に背を向け呼吸を整える。
「んーっ」
蒼万は目を見開き体が固まる。側で寝ている者が背中に擦り寄り、片腕を腰に回し片足を絡ませて来た。背中から寝息と温もりが伝わり、更に動悸が激しくなる。拳を握り締め、眉間に皺を寄せながら瞼を閉じた。その夜、蒼万は落ち着いて眠ることができなかった。
翌日、志瑞也は目が覚めると、熱や目眩もなく頭がすっきりしていた。側では蒼万が背を向けて寝ているではないか、昨日の朧げな記憶を辿る。
(確か柊虎が来て、その後急に蒼万が来て、耳元で何か言われたな… 泣いたら… 俺そのまま寝ちゃったのか⁉︎)
志瑞也はぐしゃっと頭を掻きむしりながら呟く。
「はぁ俺って進歩ないなぁ、子供かよ…」
まだ起きない蒼万に目を向ける。
(蒼万、側にいてくれてありがとう…)
きっと落ち込んでいると思い気にかけ、宴の席を抜け出して来たのだろう。朱夏を置いて戻ってきたことに、女々しいと思う気持ちもあれば、嬉しいと思う気持ちもある。もうそれぐらい、蒼万への気持ちが膨らんでいた。蒼万の頬をちょんと小突くと、寝返りを打ち仰向けになり、それを可愛いとさえ思ってしまう。
「酒臭っ、どれだけ呑んだんだよっ だから今日は直ぐに起きないんだな…」
酒を自分で呑んだのか、または注いでもらったのか、思わず想像してむっとし、悪戯に蒼万の頬に口づけしてしまう。
「痛ッ」
唇に鈍い痛みを感じ触れると少し腫れている。
「何だ? 昨日何か食べたか? ま、いっか」
志瑞也は寝床から起き着替えて部屋を出た。
外に出て背伸びをしていると、柊虎が歩いて来た。
「柊虎おはよう、昨日はごめん。俺途中からあまり覚えていなくて… 気にかけて来てくれたのに、その…態度悪かったよな…」
「旅の疲れが出ただけさ、気にするな」
柊虎の笑顔に志瑞也は安堵する。
柊虎は志瑞也を喜ばせようと、横からスッと志寅を出した。
「お、志寅だっ、ほらおいで」
「ガルルガルル」
志瑞也がわしゃわしゃと志寅の体を擦ると、どでんとひっくり返りお腹を出し、首を伸ばしてたまらんと眼を細める。
柊虎は昨日蒼万との話の後、勾玉の話を思い出し気になる事があった。
「昨日もそうだったが、志瑞也は志寅が怖くないのか?」
「最初は怖かったよ、まぁ青ちゃんよりは怖くないし、慣れかな?」
「青ちゃん? 慣れ?」
まずい。
志瑞也は笑いながら誤魔化す。
「…あっ、いやだってこいつのもふもふの毛、最高だろ?アハハハ」
志瑞也は志寅が初めて見る神獣ではなく、恐らく蒼万の神獣を見慣れていると柊虎は察した。仮に志寅が消えていたとしても、その事実を自分が追及しない訳がない。村への救済も自分と組まされると予想していたのなら、初めから話そうと蒼万は考えていたはずだ。蒼万は基本単独行動だが、志瑞也が襲われた事で何かが変わったのだろうか、柊虎はそう考えながら志瑞也の右腕を見た。
「志瑞也また衿元が崩れているぞ、やはり着慣れないのだなハハハハ」
「えっ、本当?」
柊虎は几帳面な性格なのだと思い、志瑞也は前の衿元を引っ張る。
「違う後ろだハハハ、私が正そう」
「ありがとう」
内側に捲れた衿元を正そうと手を伸ばすが、首筋についた三箇所の鬱血痕に目が行く。柊虎は一瞬、昨夜の記憶が蘇った。
「……」
「柊虎、どうしたんだ?」
「…いいや何でもないよ、ほらできたぞ」
「ありがとう、志寅と俺って名前に一緒の字が付いているんだな、柊虎が名前付けたのか?」
「そうだ」
「だから俺達相性がいいのかもな! アハハハほらおいでっ」
志瑞也の言う〝俺達〟は志寅のことだと分かっていても、自分との間柄を言われてる気がして柊虎は嬉しかった。
蒼万は聞き覚えのある笑い声で目が覚める。ガバッと起き上がり、志瑞也の明るい声に暫く耳を傾けた。昨夜の事で気が重いまま、寝床から起き上がり部屋を出る。
「あっ、蒼万おはよう」
志瑞也は笑顔で近付く。
「昨日は呑み過ぎたんだろ? 大丈夫か?」
言いながら顔色を覗き込むも、蒼万は何も言わず目を逸らした。不機嫌なのは一目瞭然。志瑞也は分が悪そうに言う。
「蒼万、昨日はごめんな… それと、ありがとう」
「私は構わない… 顔を洗いに行く」
蒼万はそのまま立ち去った。
柊虎が志瑞也に駆け寄り尋ねる。
「どうしたのだ?」
「蒼万の顔色があまり良くないんだ……二日酔いかな?」
志瑞也は蒼万の言動や顔色に、一喜一憂するようになってしまっていた。気になるのは仕方がないとしても、少々相手が悪い気もする。過去にお酒は数回しか呑んだことがなく、深酒や二日酔いはまだ知らない。心配で蒼万が去った方向を目で追う。
「ハハハそれなら顔を洗ってすっきりすれば大丈夫さ、私が様子を見に行くから、志寅と遊んでいてくれ」
「わかった、ありがとう柊虎」
志瑞也が志寅の元へ向かうと、柊虎は鼻息をついて蒼万の後を追った。
蒼万は桶に水を溜め顔を洗い、手拭いで顔を拭う。
「蒼万」
振り返ると、柊虎が腕を組んで柱に凭れていた。指で首筋をトントントンと叩いて言う。
「志瑞也にお前の跡がついているぞ」
「だから?」
開き直る蒼万に溜息混じりに言う。
「見えるところにはつけるな」
「見えないところなら良いのか?」
「なっ、ったくお前は…」
今忠告したところで跡は消えない、蒼万はこういう話し方だったと一旦諦める。
「紅雀殿にはいつ行くのだ?」
「昼餉の後だ」
「わかった。それから志瑞也は、お前が二日酔いで具合が悪いと思い心配している。お前に限って二日酔いはあり得ない、あからさまな態度はやめろ」
「お前に言われなくとも」
「なら初めからそうしろ」
そう言って、柊虎は立ち去る。
蒼万は手拭いを壁に「バシッ」と叩きつけ、もう一度荒々しく顔を洗った。
「んっ…」
さっと指を引っ込めた。指に残る舌の感触に動悸が起こり、志瑞也に背を向け呼吸を整える。
「んーっ」
蒼万は目を見開き体が固まる。側で寝ている者が背中に擦り寄り、片腕を腰に回し片足を絡ませて来た。背中から寝息と温もりが伝わり、更に動悸が激しくなる。拳を握り締め、眉間に皺を寄せながら瞼を閉じた。その夜、蒼万は落ち着いて眠ることができなかった。
翌日、志瑞也は目が覚めると、熱や目眩もなく頭がすっきりしていた。側では蒼万が背を向けて寝ているではないか、昨日の朧げな記憶を辿る。
(確か柊虎が来て、その後急に蒼万が来て、耳元で何か言われたな… 泣いたら… 俺そのまま寝ちゃったのか⁉︎)
志瑞也はぐしゃっと頭を掻きむしりながら呟く。
「はぁ俺って進歩ないなぁ、子供かよ…」
まだ起きない蒼万に目を向ける。
(蒼万、側にいてくれてありがとう…)
きっと落ち込んでいると思い気にかけ、宴の席を抜け出して来たのだろう。朱夏を置いて戻ってきたことに、女々しいと思う気持ちもあれば、嬉しいと思う気持ちもある。もうそれぐらい、蒼万への気持ちが膨らんでいた。蒼万の頬をちょんと小突くと、寝返りを打ち仰向けになり、それを可愛いとさえ思ってしまう。
「酒臭っ、どれだけ呑んだんだよっ だから今日は直ぐに起きないんだな…」
酒を自分で呑んだのか、または注いでもらったのか、思わず想像してむっとし、悪戯に蒼万の頬に口づけしてしまう。
「痛ッ」
唇に鈍い痛みを感じ触れると少し腫れている。
「何だ? 昨日何か食べたか? ま、いっか」
志瑞也は寝床から起き着替えて部屋を出た。
外に出て背伸びをしていると、柊虎が歩いて来た。
「柊虎おはよう、昨日はごめん。俺途中からあまり覚えていなくて… 気にかけて来てくれたのに、その…態度悪かったよな…」
「旅の疲れが出ただけさ、気にするな」
柊虎の笑顔に志瑞也は安堵する。
柊虎は志瑞也を喜ばせようと、横からスッと志寅を出した。
「お、志寅だっ、ほらおいで」
「ガルルガルル」
志瑞也がわしゃわしゃと志寅の体を擦ると、どでんとひっくり返りお腹を出し、首を伸ばしてたまらんと眼を細める。
柊虎は昨日蒼万との話の後、勾玉の話を思い出し気になる事があった。
「昨日もそうだったが、志瑞也は志寅が怖くないのか?」
「最初は怖かったよ、まぁ青ちゃんよりは怖くないし、慣れかな?」
「青ちゃん? 慣れ?」
まずい。
志瑞也は笑いながら誤魔化す。
「…あっ、いやだってこいつのもふもふの毛、最高だろ?アハハハ」
志瑞也は志寅が初めて見る神獣ではなく、恐らく蒼万の神獣を見慣れていると柊虎は察した。仮に志寅が消えていたとしても、その事実を自分が追及しない訳がない。村への救済も自分と組まされると予想していたのなら、初めから話そうと蒼万は考えていたはずだ。蒼万は基本単独行動だが、志瑞也が襲われた事で何かが変わったのだろうか、柊虎はそう考えながら志瑞也の右腕を見た。
「志瑞也また衿元が崩れているぞ、やはり着慣れないのだなハハハハ」
「えっ、本当?」
柊虎は几帳面な性格なのだと思い、志瑞也は前の衿元を引っ張る。
「違う後ろだハハハ、私が正そう」
「ありがとう」
内側に捲れた衿元を正そうと手を伸ばすが、首筋についた三箇所の鬱血痕に目が行く。柊虎は一瞬、昨夜の記憶が蘇った。
「……」
「柊虎、どうしたんだ?」
「…いいや何でもないよ、ほらできたぞ」
「ありがとう、志寅と俺って名前に一緒の字が付いているんだな、柊虎が名前付けたのか?」
「そうだ」
「だから俺達相性がいいのかもな! アハハハほらおいでっ」
志瑞也の言う〝俺達〟は志寅のことだと分かっていても、自分との間柄を言われてる気がして柊虎は嬉しかった。
蒼万は聞き覚えのある笑い声で目が覚める。ガバッと起き上がり、志瑞也の明るい声に暫く耳を傾けた。昨夜の事で気が重いまま、寝床から起き上がり部屋を出る。
「あっ、蒼万おはよう」
志瑞也は笑顔で近付く。
「昨日は呑み過ぎたんだろ? 大丈夫か?」
言いながら顔色を覗き込むも、蒼万は何も言わず目を逸らした。不機嫌なのは一目瞭然。志瑞也は分が悪そうに言う。
「蒼万、昨日はごめんな… それと、ありがとう」
「私は構わない… 顔を洗いに行く」
蒼万はそのまま立ち去った。
柊虎が志瑞也に駆け寄り尋ねる。
「どうしたのだ?」
「蒼万の顔色があまり良くないんだ……二日酔いかな?」
志瑞也は蒼万の言動や顔色に、一喜一憂するようになってしまっていた。気になるのは仕方がないとしても、少々相手が悪い気もする。過去にお酒は数回しか呑んだことがなく、深酒や二日酔いはまだ知らない。心配で蒼万が去った方向を目で追う。
「ハハハそれなら顔を洗ってすっきりすれば大丈夫さ、私が様子を見に行くから、志寅と遊んでいてくれ」
「わかった、ありがとう柊虎」
志瑞也が志寅の元へ向かうと、柊虎は鼻息をついて蒼万の後を追った。
蒼万は桶に水を溜め顔を洗い、手拭いで顔を拭う。
「蒼万」
振り返ると、柊虎が腕を組んで柱に凭れていた。指で首筋をトントントンと叩いて言う。
「志瑞也にお前の跡がついているぞ」
「だから?」
開き直る蒼万に溜息混じりに言う。
「見えるところにはつけるな」
「見えないところなら良いのか?」
「なっ、ったくお前は…」
今忠告したところで跡は消えない、蒼万はこういう話し方だったと一旦諦める。
「紅雀殿にはいつ行くのだ?」
「昼餉の後だ」
「わかった。それから志瑞也は、お前が二日酔いで具合が悪いと思い心配している。お前に限って二日酔いはあり得ない、あからさまな態度はやめろ」
「お前に言われなくとも」
「なら初めからそうしろ」
そう言って、柊虎は立ち去る。
蒼万は手拭いを壁に「バシッ」と叩きつけ、もう一度荒々しく顔を洗った。
1
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
【完結】禁断の忠誠
海野雫
BL
王太子暗殺を阻止したのは、ひとりの宦官だった――。
蒼嶺国――龍の血を継ぐ王家が治めるこの国は、今まさに権力の渦中にあった。
病に伏す国王、その隙を狙う宰相派の野心。玉座をめぐる見えぬ刃は、王太子・景耀の命を狙っていた。
そんな宮廷に、一人の宦官・凌雪が送り込まれる。
幼い頃に売られ、冷たい石造りの宮殿で静かに生きてきた彼は、ひっそりとその才覚を磨き続けてきた。
ある夜、王太子を狙った毒杯の罠をいち早く見破り、自ら命を賭してそれを阻止する。
その行動をきっかけに、二人の運命の歯車が大きく動き始める――。
宰相派の陰謀、王家に渦巻く疑念と忠誠、そして宮廷の奥深くに潜む暗殺の影。
互いを信じきれないまま始まった二人の主従関係は、やがて禁じられた想いと忠誠のはざまで揺れ動いていく。
己を捨てて殿下を守ろうとする凌雪と、玉座を背負う者として冷徹であろうとする景耀。
宮廷を覆う陰謀の嵐の中で、二人が交わした契約は――果たして主従のものか、それとも……。
後宮に咲く美しき寵后
不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。
フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。
そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。
縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。
ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。
情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。
狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。
縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる