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Interlude③ Rock with you/Michael Jackson
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『ーーーー君とxxxxがしたい』
Rock with you/Michael Jackson
ーーーーーーーーー
よりによって捕まった相手は春野しかいなかった。
でもダイレクトメールが届くと、もうどうにでもなれとそれに応えていた。
春野から指定された待ち合わせ場所はラブホ街から近い駅で、どんだけヤりたいんだよ、と自分のことは棚に上げて思った。
春野と合流するとすぐホテルに向かった。ビジネスホテルに近いシンプルな内装だ。ホテルの部屋に入ると、鼓動が早くなって、背中がゾクゾクしてきた。逃げるように風呂場に入る。
戻ってきた時にはもう春野は下着だけになっていて、ベッドで寝転びながらスマホを触っていた。
俺に気づくと、
「おいで」
とベッドから起き上がる。スプリングを軋ませてベッドに膝をつくや否や、腕の中に捕らえられた。
春野の顔を見れば、俺の頭を撫でながら優しい笑みを浮かべている。ユウジが、カホや姉ちゃんに向けていたような。
それが今俺だけに向けられていると思うと、胸の奥から何かこみ上げてきた。嬉しさなのか、罪悪感なのか分からない。顔を見られなくなって俯いた。
春野は黙って俺の顔を包み込んで、正面を向かせる。目の前に微笑むユウジの顔が迫る。
そういう対象でしかなかったってことか?ってユウジの声がリフレインして、それ以上春野に近づけなくなった。
春野はふと顔を離して、眉間に少しだけしわを寄せる。
「そんなに似てる?知り合いに」
俺が口を開きかけると
「それってもしかして本命?」
ズバリ聞いてきた。俺は迷ったけど、顎を引いて肯定した。
「顔、上げて」
春野の方を見れば、キスされた。ノックするように何度か唇を食まれて、口をあければ自然と舌が入ってくる。目を閉じてしばらく貪り合った。
「俺たぶん似てないよ、悪いヤツだよ」
だってやめる気はないから、とニヤリと笑う。そんな表情までやっぱり似てて、でももうスイッチが入ってしまって、春野にされるがまま押し倒された。
春野は丁寧に触れてくる。首筋や鎖骨を辿る唇も、腰や背中をさする指先も柔らかな感触だ。どこか強張っていた身体も、肌が擦れ合う度ベッドに沈んでいった。
「ここ、いじってないよね?」
俺のブツをさする。本当は普通にオナニーしてたけど頷いた。
「確かめてみようか」
下着を剥がされて、ペニスを口に入れられた。
ユウジの顔が俺のを咥えている絵面はそれはもう破壊力抜群で、見ているだけで勃った。
頭を前後に振って全体を擦られるのも、亀頭を吸われながら先を舌先で刺激されるのもすごく気持ち良かったけど、興奮や背徳感の方が優っていた。精液を春野の口の中に放つと、ヤツはティッシュで口を拭いた後、
「嘘つき」
とニヤリとした。
「普通にオナニーしてたでしょ」
ニヤニヤしながら亀頭の先を指先でくすぐる。
「まあ俺もしてたけどね。君のこと考えながら」
ずっと抱きたかった、って抱きしめてくる。それから、俺の耳元で囁く。
「好きだよ」
思わず目を見開いた。でもこんなのは、大抵気分を盛り上げる為の戯言だ。今まで最中に言われたことがなかった訳じゃない。
だけど今日耳元で響くのはユウジの声でーーー
「うわっどうしたの」
そりゃそうだよな。俺だってビックリしてる。
目から勝手にボロボロ涙が溢れてきたんだから。
俺はアホか。春野はユウジじゃないのに。
ただ顔と声と表情が似てるってだけなのに。
こんなの、俺がユウジのことめちゃくちゃ好きみてえじゃねえか。
「悪い、顔洗ってくる」
身体を背けながら起き上がろうとすると、手首を掴んでシーツに磔にされた。これじゃ濡れた顔を拭くことすらできやしない。
「ダメだよ。やめる気はないから」
真剣な顔つきで見つめられる。泣き顔を見られるのが気恥ずかしくて、耐えきれずに顔を横に向ければ、つう、と滴が頬を伝った。春野はふっと表情を和らげて、かわいいなあ、と俺の目の端を親指で拭う。
春野の目元が緩んで、色素の薄い瞳が潤む。薄い唇は弧を描いて、甘い言葉が落とされる。
「好きだよ」
優しく微笑むその顔はユウジそのもので、胸が締め付けられる。その痛みに自分の顔がくしゃりと歪むのが分かった。
春野はまた手や唇や舌で俺の身体に触れ始める。
神経が剥き出しになったみたいに触られたとこが痺れて、馬鹿みたいに喘いだ。
泣きそうになるほど春野は優しく触れてくる。でも、胸の痛みは引かなかった。
「・・・ユウジ・・・ッ」
言ってしまって、すっと昂りが引いていくのを感じた。さすがにルール違反だ。
春野を見ると、フッと口の端を上げ薄く笑っただけだった。
「ダイスケね、俺の名前」
耳元に吹き込まれて、そのまま耳朶を食みながら舐められる。指先はゆっくり後ろの孔に埋められていって背中が跳ねた。
イイところを探り当てられると、頭の中で火花みたいにパチパチと理性が弾けていく。またユウジの名前を呼んでしまった。
「ダイスケ」
発音を聞かせるように一文字ずつ区切って言いながら、春野が俺のナカに入ってくる。
もうその時点でわけが分からなくなってて、喘ぐだけだった。
セックスするのが恐いなんて思ったのは初めてだ。
仕舞い込んでたユウジへの気持ちが全部溢れかえってしまいそうで。その後にはなんにも残らない気がして。全部暴かれて丸裸にされて遠く置き去りにされてしまいそうな、そんな気がした。
なんで、俺は好きでもなんでもないヤツとセックスしてんだろう。そんな考えが浮かんだけど、深追いするのは危険だと察知してすぐに頭の隅に追いやった。
春野が腰を動かしながら
「下の名前、教えて」
と聞く。今聞くのかよ。圧迫感も違和感も落ち着いて、ちょっと冷静さが戻ってきたから名前を教えた。
「ハジメ、好きだよ」
瞬間、身体が震えた。
突き上げられる度に頭の中が真っ白になって、あっという間にイッてしまった。
それでも春野は動くのをやめない。余韻が醒めると下半身が重くなって、孔がひりついてくる。
「も、やめ・・・」
「もうちょっと頑張って」
春野は俺の腕を持ち上げて、自分の首に絡ませた。自然と力が入って、春野にしがみ付く。
「ん、出すよ」
春野は俺を挟み込むように肘をつく。何度か腰を叩きつけてナカを抉ると、腰から背中にかけて走る震えが伝わってきた。それがおさまると、俺の身体の上に身体を乗せて大きく息を吐く。
それから顔を上げて、ニヤリと笑った。
「すごかったよ、気持ちよかった」
散々乱されたことを思い出してきて、顔が熱くなってくる。セックスの最中にこんな余裕がなくなったのは久しぶりだ。
「シャワー浴びよっか」
薄々わかってたけど、風呂場でも盛ってしまった。
明るい場所ではユウジと似た顔が鮮明になる。挿れはしなかったものの、正面から向き合ってお互いのものを扱き合うのは、マジでユウジとシてるみたいで落ち着かない。
「こっち見て」
俯いたままでいると、顎を掴んでキスされた。
しばらく舌も手も足も相手の身体に絡ませて、気持ちいいことだけに意識を集中させる。
背中が床についてヒヤリとした。ハッと気付いた時には片足を持ち上げられていた。
容赦なく貫かれて揺さぶられるうちに理性が振り落とされていく。完全にトんでいたと思う。
気付いたら風呂場の床にぐったりと寝そべっていて、立とうとしたけど足に力が入らなかった。
マジで?抱き潰されるのなんて初めてなんだけど。
「ごめん、やり過ぎちゃったね」
春野は苦笑しながら手を差し出してきた。立ち上がったはいいけど2人してフラフラで、しばらく湯船に浸かってボーッとしてた。
凝り固まっていた疲労が湯に溶け出して、身体に広がっていく。だめだ、眠くなってきた。先にあがったはいいものの身体が重い。ベッドに倒れたらすぐ寝落ちしそうだ。
後から春野が上がってきて、服を着てホテル代を精算する。部屋から出る前に、アプリじゃない方の連絡先を交換した。
まだ一緒にいたいような、今すぐ帰りたいような、変な気分だった。
家に帰ると、さっきまでセックスしてた相手と同じ顔したヤツがおかえりって言ってくる。
身体は怠いし、眠くて頭は鈍くなっているし、ユウジと春野の顔が頭の中をグルグルしてますます変な感じがした。
「今日はもう寝る」
それだけ言って、ユウジがなんか言ってたのも無視して布団に倒れ込む。混乱する思考をシャットダウンするみたいにすぐ目蓋が落ちた。
そのまま、俺は朝まで目を覚さなかった。
Rock with you/Michael Jackson
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よりによって捕まった相手は春野しかいなかった。
でもダイレクトメールが届くと、もうどうにでもなれとそれに応えていた。
春野から指定された待ち合わせ場所はラブホ街から近い駅で、どんだけヤりたいんだよ、と自分のことは棚に上げて思った。
春野と合流するとすぐホテルに向かった。ビジネスホテルに近いシンプルな内装だ。ホテルの部屋に入ると、鼓動が早くなって、背中がゾクゾクしてきた。逃げるように風呂場に入る。
戻ってきた時にはもう春野は下着だけになっていて、ベッドで寝転びながらスマホを触っていた。
俺に気づくと、
「おいで」
とベッドから起き上がる。スプリングを軋ませてベッドに膝をつくや否や、腕の中に捕らえられた。
春野の顔を見れば、俺の頭を撫でながら優しい笑みを浮かべている。ユウジが、カホや姉ちゃんに向けていたような。
それが今俺だけに向けられていると思うと、胸の奥から何かこみ上げてきた。嬉しさなのか、罪悪感なのか分からない。顔を見られなくなって俯いた。
春野は黙って俺の顔を包み込んで、正面を向かせる。目の前に微笑むユウジの顔が迫る。
そういう対象でしかなかったってことか?ってユウジの声がリフレインして、それ以上春野に近づけなくなった。
春野はふと顔を離して、眉間に少しだけしわを寄せる。
「そんなに似てる?知り合いに」
俺が口を開きかけると
「それってもしかして本命?」
ズバリ聞いてきた。俺は迷ったけど、顎を引いて肯定した。
「顔、上げて」
春野の方を見れば、キスされた。ノックするように何度か唇を食まれて、口をあければ自然と舌が入ってくる。目を閉じてしばらく貪り合った。
「俺たぶん似てないよ、悪いヤツだよ」
だってやめる気はないから、とニヤリと笑う。そんな表情までやっぱり似てて、でももうスイッチが入ってしまって、春野にされるがまま押し倒された。
春野は丁寧に触れてくる。首筋や鎖骨を辿る唇も、腰や背中をさする指先も柔らかな感触だ。どこか強張っていた身体も、肌が擦れ合う度ベッドに沈んでいった。
「ここ、いじってないよね?」
俺のブツをさする。本当は普通にオナニーしてたけど頷いた。
「確かめてみようか」
下着を剥がされて、ペニスを口に入れられた。
ユウジの顔が俺のを咥えている絵面はそれはもう破壊力抜群で、見ているだけで勃った。
頭を前後に振って全体を擦られるのも、亀頭を吸われながら先を舌先で刺激されるのもすごく気持ち良かったけど、興奮や背徳感の方が優っていた。精液を春野の口の中に放つと、ヤツはティッシュで口を拭いた後、
「嘘つき」
とニヤリとした。
「普通にオナニーしてたでしょ」
ニヤニヤしながら亀頭の先を指先でくすぐる。
「まあ俺もしてたけどね。君のこと考えながら」
ずっと抱きたかった、って抱きしめてくる。それから、俺の耳元で囁く。
「好きだよ」
思わず目を見開いた。でもこんなのは、大抵気分を盛り上げる為の戯言だ。今まで最中に言われたことがなかった訳じゃない。
だけど今日耳元で響くのはユウジの声でーーー
「うわっどうしたの」
そりゃそうだよな。俺だってビックリしてる。
目から勝手にボロボロ涙が溢れてきたんだから。
俺はアホか。春野はユウジじゃないのに。
ただ顔と声と表情が似てるってだけなのに。
こんなの、俺がユウジのことめちゃくちゃ好きみてえじゃねえか。
「悪い、顔洗ってくる」
身体を背けながら起き上がろうとすると、手首を掴んでシーツに磔にされた。これじゃ濡れた顔を拭くことすらできやしない。
「ダメだよ。やめる気はないから」
真剣な顔つきで見つめられる。泣き顔を見られるのが気恥ずかしくて、耐えきれずに顔を横に向ければ、つう、と滴が頬を伝った。春野はふっと表情を和らげて、かわいいなあ、と俺の目の端を親指で拭う。
春野の目元が緩んで、色素の薄い瞳が潤む。薄い唇は弧を描いて、甘い言葉が落とされる。
「好きだよ」
優しく微笑むその顔はユウジそのもので、胸が締め付けられる。その痛みに自分の顔がくしゃりと歪むのが分かった。
春野はまた手や唇や舌で俺の身体に触れ始める。
神経が剥き出しになったみたいに触られたとこが痺れて、馬鹿みたいに喘いだ。
泣きそうになるほど春野は優しく触れてくる。でも、胸の痛みは引かなかった。
「・・・ユウジ・・・ッ」
言ってしまって、すっと昂りが引いていくのを感じた。さすがにルール違反だ。
春野を見ると、フッと口の端を上げ薄く笑っただけだった。
「ダイスケね、俺の名前」
耳元に吹き込まれて、そのまま耳朶を食みながら舐められる。指先はゆっくり後ろの孔に埋められていって背中が跳ねた。
イイところを探り当てられると、頭の中で火花みたいにパチパチと理性が弾けていく。またユウジの名前を呼んでしまった。
「ダイスケ」
発音を聞かせるように一文字ずつ区切って言いながら、春野が俺のナカに入ってくる。
もうその時点でわけが分からなくなってて、喘ぐだけだった。
セックスするのが恐いなんて思ったのは初めてだ。
仕舞い込んでたユウジへの気持ちが全部溢れかえってしまいそうで。その後にはなんにも残らない気がして。全部暴かれて丸裸にされて遠く置き去りにされてしまいそうな、そんな気がした。
なんで、俺は好きでもなんでもないヤツとセックスしてんだろう。そんな考えが浮かんだけど、深追いするのは危険だと察知してすぐに頭の隅に追いやった。
春野が腰を動かしながら
「下の名前、教えて」
と聞く。今聞くのかよ。圧迫感も違和感も落ち着いて、ちょっと冷静さが戻ってきたから名前を教えた。
「ハジメ、好きだよ」
瞬間、身体が震えた。
突き上げられる度に頭の中が真っ白になって、あっという間にイッてしまった。
それでも春野は動くのをやめない。余韻が醒めると下半身が重くなって、孔がひりついてくる。
「も、やめ・・・」
「もうちょっと頑張って」
春野は俺の腕を持ち上げて、自分の首に絡ませた。自然と力が入って、春野にしがみ付く。
「ん、出すよ」
春野は俺を挟み込むように肘をつく。何度か腰を叩きつけてナカを抉ると、腰から背中にかけて走る震えが伝わってきた。それがおさまると、俺の身体の上に身体を乗せて大きく息を吐く。
それから顔を上げて、ニヤリと笑った。
「すごかったよ、気持ちよかった」
散々乱されたことを思い出してきて、顔が熱くなってくる。セックスの最中にこんな余裕がなくなったのは久しぶりだ。
「シャワー浴びよっか」
薄々わかってたけど、風呂場でも盛ってしまった。
明るい場所ではユウジと似た顔が鮮明になる。挿れはしなかったものの、正面から向き合ってお互いのものを扱き合うのは、マジでユウジとシてるみたいで落ち着かない。
「こっち見て」
俯いたままでいると、顎を掴んでキスされた。
しばらく舌も手も足も相手の身体に絡ませて、気持ちいいことだけに意識を集中させる。
背中が床についてヒヤリとした。ハッと気付いた時には片足を持ち上げられていた。
容赦なく貫かれて揺さぶられるうちに理性が振り落とされていく。完全にトんでいたと思う。
気付いたら風呂場の床にぐったりと寝そべっていて、立とうとしたけど足に力が入らなかった。
マジで?抱き潰されるのなんて初めてなんだけど。
「ごめん、やり過ぎちゃったね」
春野は苦笑しながら手を差し出してきた。立ち上がったはいいけど2人してフラフラで、しばらく湯船に浸かってボーッとしてた。
凝り固まっていた疲労が湯に溶け出して、身体に広がっていく。だめだ、眠くなってきた。先にあがったはいいものの身体が重い。ベッドに倒れたらすぐ寝落ちしそうだ。
後から春野が上がってきて、服を着てホテル代を精算する。部屋から出る前に、アプリじゃない方の連絡先を交換した。
まだ一緒にいたいような、今すぐ帰りたいような、変な気分だった。
家に帰ると、さっきまでセックスしてた相手と同じ顔したヤツがおかえりって言ってくる。
身体は怠いし、眠くて頭は鈍くなっているし、ユウジと春野の顔が頭の中をグルグルしてますます変な感じがした。
「今日はもう寝る」
それだけ言って、ユウジがなんか言ってたのも無視して布団に倒れ込む。混乱する思考をシャットダウンするみたいにすぐ目蓋が落ちた。
そのまま、俺は朝まで目を覚さなかった。
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2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。
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