さらば横浜チャイナタウン

SF

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番外編 睦言

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真っ暗にしたアパートの部屋は、ベッドの軋みや息遣いや微かな嬌声に満たされていた。
僕とレンが繋がる場所からは淫らな水音が溢れている。仰向けになって僕を受け入れるレンは、僕がぶつかる度に小さく声を上げて、時々かぶりを振って快感を逃していた。

「気持ちいい?」

って聞けば、レンの目つきが鋭くなる。

「しつこいんだよっ・・・毎回トぶまでしやがって」
「レンがかわいいからだよ」

理由はまだあるけど、内緒にしておこう。
両膝を掬って腰を高く持ち上げれば、レンは一際大きな声で啼いた。

「ここが気持ちいいんだよね?」

腰の動きを早くすれば、レンは黒曜石のような目をカッと見開いて身体をしならせる。晒された喉からはただ高い声が響いていた。レンが両手を組んで口を塞いでも、篭った声が漏れてくる。
そっとその手を取って僕の首に回した。するとギュッとしがみ付いてくる。本当にかわいい。
レンの肩を掴んで衝撃も快感も逃せないようにした。そのまま深く深く穿って、レンの理性を突き壊していく。
僕も頭が真っ白になって、衝動のままに欲望をレンに叩きつける。
そのうちにレンの身体がぶるりと震えた。腿が僕の腰を挟んで痙攣している。イッたかな。
でもお構いなしに動き続けた。レンは身体の下で何か言っていたけれど止める気はない。もっともっと気持ち良くなってもらわないとね。

僕が射精するまでにレンは何回絶頂を迎えただろう。
倦怠に飲まれながらレンの顔を見れば、目はとろりと潤んではくはくと唇を開閉していた。そこに唇を重ねて甘やかな余韻を堪能する。
そろそろいいかな。

「好きだよレン」

頬に手を添えれば、それだけでレンはビクリと反応する。

「ん・・・好き・・・」

レンはふわふわした意識の中で僕の手を手繰り、頬をすり寄せる。かわいいとか愛おしいとか、征服感とか優越感なんかがない混ぜになって、背骨をぞくぞくと駆け上がる。
激しいキスでそれをぶつける合間にも、レンは喘ぎと僕の名前を漏らした。好きって言えば、言葉でちゃんと返してくれる。

だから、つい毎度レンを虐めてしまう。こんな時じゃないと好きって言ってくれないから。

セックスが終わるころにはレンは眠ってしまっていた。起きたら文句を言われるだろうけど、たくさん甘やかしてあげるつもりだ。
本気で嫌がってるわけじゃないし、多分レンは年上だからっていうのと恥ずかしいからっていう理由で素直になれないだけなんだと思う。
その証拠にこっちから甘えてみせれば「しょうがねえな」って言いながら擦り寄ってくる。 
本当にかわいい。
でも大嫌いって言われたって、手放す気はないけどね。

end
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