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エピローグ

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 アリスティの体調が元に戻って、ようやくボルドール公爵家が落ち着くと、ブルーノは何故愛する妻が命の危機に陥る事になったのかを検証した。

 もちろん大事な事を隠していた自分が悪いのだが、どうしてあの日、妻があんな行動をとったのかが不思議だった。

 ところが妻はその訳を決して話さなかった。誰を庇っているんだ? 
 ブルーノは少しモヤモヤしたが、侍女のおかげでそれは大いなる誤解だという事がわかった。

 妻はなんと我が家のご先祖の女主に嫉妬したのだという。それは自分では言いにくかっただろう。
 自分のために理性を失くすほど嫉妬してくれるなんて……
 申し訳無いないと思いつつも、ブルーノは嬉しくてたまらなかった。


 とはいえ、元凶がナタリー・ドット侯爵令嬢で、彼女の付いた嘘のせいで妻が死にかけたのだと知ったブルーノは、怒り心頭に発した。

 そして彼女を詳しく調べてみると、彼女はここ数年に逃げ出した異国の花嫁達全員と関係があった事がわかった。


 元々他国との婚姻は、血が濃くなりつつある貴族同士の結婚を減らすための国策だった。

 しかし、自国の高位貴族との結婚を望んでいたナタリーはそれが気に入らなかった。
 そこで嘘をついたり、執拗な嫌がらせをして花嫁達をこの国から追い出していたのだ。

 ブルーノはこの事実を公のもとに晒した。
 その結果ナタリー・ドット侯爵令嬢は、砂漠に建つ修道院へ送られた。
 彼女のせいで逃げる途中で亡くなったり、体調を悪くした異国の花嫁が何人もいたため、多くの貴族達の恨みを買ったのだ。

 その修道院は昼間は五十度以上、夜はマイナスまで下がる所だ。
 しかも王都や町と違ってその建物には例の断熱材は使われておらず、地下道もなかった。


 彼女はそこで初めて、異国の花嫁達が受けた苦しみと同じ事を体験したのだった……





 ✽✽✽✽✽✽✽


 異世界の話であり、当然現実の話ではありませんが……
 実際に四十度超えを何度か体験した作者の経験から生まれた話です。
 たった一度違いだというのに、三十九度と四十度は全然違った……あれはかなりの衝撃でしたね。

 それから、主要な交通手段は馬や馬車ですが、自動車も発明されてぼちぼち普及し始めているという設定です。

 ✩ この作品は過去に「なろう」
にも投稿したものですが、少しばかり手を加えています。

 読んで下さってありがとうございました。
 m(_ _)m
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