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《第1期》 ‐餡の香りと夏の暮れ、彼岸に咲いた約束の花。‐
『知っている感情』
しおりを挟むただ真っ先に、ひづりは「やめてくれ」と思った。
使役してる《悪魔》同士の対決? それは結構だ。やりたいならやっててくれ。私の知った事ではない。だがこの《和菓子屋たぬきつね》の店内でだけは駄目だ。
大事な場所なんだ。私の好きな、天井花さんと和鼓さんの大切な居場所なんだ。
だから店を、壊さないで――。
だがひづりがそう叫ぼうとしたところで、にわかに《ヒガンバナ》が、どしん、と両膝をついた。
それから続けざまにその大きな両方の手のひらも床に伏せると、天井花イナリをじっと見つめたまま、まるで動かなくなってしまった。
……一体どうしたのだ? ひづりは口から出そうになった制止の言葉を飲み込んで、じっと彼のその格好を観察した。
彼は、《ヒガンバナ》と呼ばれた《悪魔》である彼は今、現れた天井花イナリにまるでひざまずくようにしているのだ。そうしているその理由も、何も言わないままに。
二人の《悪魔》はそのまま黙って見つめ合っていたが、
「……ほお。お主、そうか……」
天井花イナリが何か気づいた様子でぽつりと声を漏らした。
「…………お、おおお……!! やはりそのお声……!! やはりあなた様は……!!」
彼女の一言に《ヒガンバナ》はにわかにその白狐の面を地面にこすりつけるように頭を下げ、今度こそ完全に、王様に平伏する民のような姿勢をとった。
もはや交戦の意思を一切破棄した態勢だった。
ひづりもその隣の幸辰も驚いていたが、何よりそれに一番驚愕していたのは、やはりその《契約者》であるところの花札千登勢であった。
「な、何をしていますの《ヒガンバナ》!? どうしてしまいましたの!? ねえ!? 《ヒガンバナ》!? 苦しいのですか!?」
ひれ伏して動かなくなった己の《悪魔》の隣まで駆け寄ると、千登勢は彼のその大きな肩や背中をさすった。
「なりません千登勢さま!! どうかお下がりください!! あなた様のご命令と言えど、それだけはなりません!!」
そばで喚く千登勢に、《ヒガンバナ》と呼ばれたその《悪魔》は身じろぎ一つせず激しく叫んだ。とても低いが、見た目の凶暴さからは想像もつかないほど知的な声をしている、とひづりは感じた。そしてそんな《彼》の声は、断固として変えようとしないその姿勢を《契約者》であるはずの花札千登勢に示していた。
《契約者》の命令を、完全に拒絶していたのだ。
「……退けい、女」
天井花イナリが歩み寄り、剣を取り出して脅してみせた。ひっ、と声を漏らしながら千登勢は尻餅をついて後ずさった。ひれ伏したまま、《ヒガンバナ》はやはり動かない。
「……お主、《ヒガンバナ》、と言うたか?」
剣を肩に担ぎ、見下す姿勢のまま天井花イナリは彼に問いを落とした。
「はっ!! わたくしはかつて、あなた様の統治する《魔界》の王国にて、誉れある軍勢に参加させて頂いておりました、しがない《下級悪魔》の一人にございます!! ですがそちらの《契約者》、花札千登勢さまによって、他でもないただ便宜のために、かようにこの名を用いているのでございます! 決して、決してあなた様を始めとする《七十二の悪魔》の方々と彼の《王》のそれを汚すような意図などはございません!! どうか、どうかお許しを!!」
《ヒガンバナ》があまりにも正直に洗いざらい話すものだからひづりは呆気にとられるしかなく、そしてそれは幸辰もちよこも、そして何より千登勢も同じのようなのだった。
「何を、何を言っていますの、《ヒガンバナ》……?」
「……わしは、退け、と言うたはずじゃが……?」
天井花イナリの頭が、おもむろに千登勢の方へ向けられるのをひづりは見た。こちらに後頭部を向けているため確認のしようが無いが、おそらく彼女の顔は今ひどく恐ろしいものになっているのだろう、千登勢は尻餅をついたまま完全に言葉を失っていた。
「申し訳ございません!! どうか、どうか我が《契約者》の無礼をお許し下さい! 何も知らぬ故の事なのです! 説明を怠ったわたくしの非なのでございます!! ですからどうか、罰は全てわたくしめに……!!」
ひざまずくというよりもはや土下座の格好の《ヒガンバナ》が、そんな風に天井花イナリに許しを請うた。
しばらく《彼》と千登勢を見比べるようにしていた天井花イナリだったが、やがて「ふん」と息を一つ吐くと、いつもの調子で淡々と語った。
「よい。それがお主の名なのか、とただ聞きたかっただけじゃ。ふむ。《ヒガンバナ》。それがお主の名なのじゃな? そこな千登勢とやらに貰うたと? ……ふふ、そうか、それは実に良き名を貰うたのう、《ヒガンバナ》よ」
そして彼女はそのように、ずいぶん機嫌が良さそうに小さく笑った。
「……は? それは、どういう……?」
「面を上げい、《ヒガンバナ》。よいか、今のわしの名は天井花イナリじゃ。今は、天井花イナリというこの名こそが今のわしである。今後は必ずそう呼べ、よいな?」
天井花イナリが命ずると、顔を上げた《ヒガンバナ》は「はは」と再び深くうなずいて見せた。
「……して、お主は先ほどかつて《魔界》にてわしに仕えておったと言うたが、限定的とは言え、わしはいま純然たる《悪魔》ですらなく、お主とは上も下もない身であり、またわしはお主の力というものを知らぬ。どうするかの? 剣を交えたいというならば――我が《名》と《能力》と《思い出》を受け継ぐ儀を執り行いたい、と申し出るのであれば――」
にわかに店内を息苦しい風が吹き抜けたのを感じ、ひづりは寒気がした。少しばかり強まって語られる天井花イナリのその声音には、本気の殺し合いの意図が含まれているよう聞こえた。
「いいえ!! いいえ!! そのような恐れ多いこと!! わたくしなどが、あなた様の御前に許し無く参じた事こそ、我が命を以って償うべき大愚! どうかわたくしめのこの首を以ってお詫びとさせて頂き、そのお心お鎮めくださればと……!!」
しかし決闘どころか《ヒガンバナ》は再び平伏して命を差し出すとまで言い出してしまった。ひづりはいつの間にか肩の力が抜けているのを自覚した。事態がもう大体飲み込めたからだ。
彼、《ヒガンバナ》は官舎万里子に召喚され、その後、その妹である花札千登勢と《契約》した。実際に強力な《悪魔》なのであろう。見れば分かる。しかし、彼はその姿をしてまさかの《下級悪魔》であり、しかも《魔界》……要は《悪魔》たちが暮らしているという世界の、それもこの天井花イナリが治めていた王国の一兵士だったというのだ。
これまでの二人のやり取りはつまりそういう事だった。終わったわね~。というちよこの笑顔を、ひづりはちらりと横目に見た。
「要らぬ。《ヒガンバナ》よ、ここは我が王城、砦と思え。故に、お主の血で汚されるような事になってはかなわぬ。じゃから、まずその考えを改めよ。よいな」
掃除は現在ほぼちよこの仕事となっていたが、さすがに血しぶき内臓を散らされてはたまったものではない。《和菓子屋たぬきつね》の木造の柱や床にはさぞ染み渡ることだろう。
「……は。承知いたしました。仰せのままに……」
緊張を孕ませた声のままではあったが、それでも彼は少々落ち着きを取り戻した様子だった。心なしか、がちがちに緊張していたようだったその肩や背中の翼に柔らかさが戻ったようにひづりには見えた。
「……《ヒガンバナ》よ。先ほどお主はかつてわしの軍勢の末端兵士であったと言うておったが……すまぬな。あまりの数ゆえ、やはりお主の顔も姿も憶えてはおらぬのだ。しかしお主、その様子じゃと《魔界》では相当わしに仕えてくれておったようじゃの。……であらば、まずはこちらからこそ、感謝と謝罪をせねばなるまい」
そう言うと天井花イナリはその手にしていた剣を消し、おもむろに《ヒガンバナ》の正面に片方の膝をついて問いかけた。
「今は《契約者》の許にてよき名を持つ、我がかつての臣下、《ヒガンバナ》よ。今までよく仕えてくれた。わしも良き君主であろうとしたが、しかし今はこのような身。魂の代替のものは今も幸い王国へと送れてこそおるが、あちら側に居るお主の仲間達や国民にとっては、もはや主として敬われることすら叶わぬやもしれぬ。しかしそれでものう、《ヒガンバナ》。わしは《こちらの世界》で暮らす事を、今はこの上なく楽しんでおるのじゃ。およそ王としては失格であろう。……それでもまだ、お主はわしを慕うてくれると言うのか?」
尊大でありながら、それはとても優しい声だった。ひづりは改めて天井花イナリという《悪魔》の本質を、その本来の王としての姿を見て、ひどく胸を打たれていた。きっと彼女は稲荷神社の白狐になったからこんなにも人である自分に優しくしてくれているのではない。彼女は《魔界》に居た時から……純然たる《悪魔》の王であった時から、きっと――。
天井花イナリの言葉に、《ヒガンバナ》はぶるぶると震えながらその顔を上げた。
「……おお、おお……我が王、天井花イナリ様……。その様なもったいなきお言葉……!! 《人間界》に召喚されたのちも、わたくしは幾度と無くあなた様のご活躍を夢想しておりました。……先刻は、あなた様のその、大変……その……風変わりになられたお姿に驚きましたが、それでも尚、あなた様がこの《人間界》に於いても変わらず我らが王として、国民のためにご活躍なさっておられたと知った上で、一体何故あなた様への忠誠心を捨てるようなことがこのわたくしめに出来ましょう……!! ……偶然にもこうして《人間界》の同じ地へと召喚され、そしてこの日を以って再びあなた様にご奉公出来ると知った我が身、ただただひたすら感動に打ち震えてございます……!! 我が王よ……どうか再びあなた様にお仕えする事をお許しくださいませ……!!」
差し出された天井花イナリのその小さな手のひらを、彼の震える大きく真っ赤な両手がそっと包み込んだ。
「……とりあえずこっちは一件落着だね」
隣のちよこがひづりに耳打ちした。ひづりは安堵のため息で返した。店が壊されなくて良かった。本当に、良かった……。
「……しかし《ヒガンバナ》よ。それは狐の面じゃのう?」
話が一段落したところで、にわかに天井花イナリは親しげな声音で訊ねつつ、彼の顎に触れて顔を上げさせ、その白狐の面をまじまじと見つめた。
真っ白な狐の面に、ところどころ朱が入れてある。しっかりとした作りの、《ウカノミタマの使い》を模した白狐の面だった。天井花イナリが今まさに《成っている》それを模した面である。
「は! これは我が《契約者》、花札千登勢さまより頂いた物に御座います!」
そう答えた《ヒガンバナ》の声音は非常に嬉しそうであった。尻尾があったら振り回していそうな、そういう感じだとひづりは思った。
「ほほう。なるほどの。ふふ……しかしこんなに愉快なことがあろうか。その面、わしの《神性》と同じ由来のものではないか。ふふ、ふふふ。なんと数奇な縁もあったものよの、ふふふふふ」
天井花イナリはとても愉快そうに笑ったが、しかし《ヒガンバナ》はハッとした様子でまたその顔を下げてしまった。
「ど、どうかお許し下さい。知らずとは言え、私のような《下級悪魔》があなた様と同じ面貌を構えるなど……」
それには天井花イナリも少々くたびれたという具合に返した。
「ああ、なんというのだ、《ヒガンバナ》よ。じゃから、わしはそれはよいと言うておるのじゃ。そのようなこと少しも気にしてはおらぬ。《契約者》より授かった物ならば、むしろその心に従って大切にせよ。少なくとも、わしは一切咎めるつもりはない。その面と名、今後も大切にするがよい。……そうじゃの、これは命令じゃ。大事にせよ」
そう伝えたイナリの声は今まで聞いたどんな声よりも優しく、ひづりは思わず胸がどきんと高鳴った。自分も、いつかあんな風に言って貰える日が来るだろうか、とそんな欲を抱かずにはいられない、美しい声音だった。《ヒガンバナ》というこの《悪魔》を、ひづりはその一瞬で一度に羨ましいと思ってしまった。
「……は。我が名、そして我が面、すべては王の命ぜられるままに……」
感動に打ち震えているらしい、《ヒガンバナ》は泣いているようだった。お面の淵から涙らしきものがしたたり零れていた。全くの初対面だったが、ひづりには彼の気持ちが分かるようだった。
「はぁー、さて。《奥の手》とやらがもう交戦の意思を持っていないようだけどどうするんですか? 叔母さん?」
天井花イナリの隣に来ると吉備ちよこはへたり込んでいる花札千登勢を見下ろして強気にそう言った。虎の威を借る狐とはこういうのを言うんだろう。……ああいや、狐はその、そっちでは無いのだけども。
「まぁ正直に言うとですね、《悪魔》関連でないなら、あなたには最初から勝ち目なんてなかったんですけどね。でも面白そうだから、今回はおとなしく話を聞くだけ聞かせてもらいました。いやぁ、でもまさかあなたも《悪魔》を母さんから譲ってもらっていたなんて驚きましたよ。うふ、うふふふふ」
最後のは完全に『まぁ、あなたが譲ってもらった《悪魔》より、私が譲って貰った《悪魔》の方が強かった訳ですけどね』という笑いだった。
しかもその声音にひづりは一つ感づくところがあり、すぐにちよこのそばへ歩を進めた。
この《ヒガンバナ》という《悪魔》は、天井花さんより下の地位の《悪魔》だと判明した。であれば、天井花イナリの《契約者》である自分の言う事も聞いてくれるかもしれない! 使い潰せるぞう! やったぁ! と考えている声音だったからだ。ひづりは殴る用意をした。
「……どうして!? どうしてそうなりますの……!?」
するとにわかに、砕けていた腰が戻ったのか千登勢は立ち上がるなり喚いた。
「《ヒガンバナ》が、そこの小さいのの、かつての部下だった……? 逆らえないって……そんなこと!! どっちも、姉さんから譲って貰った《悪魔》なのに……どうしてそんな差がありますの……!?」
「千登勢さま……」
嘆くように叫ぶ千登勢に、《ヒガンバナ》が悲しげな声を漏らした。
ひづりはよく見ていた。《ヒガンバナ》の衣装がとても綺麗で、お面も上等な作りの物であることを。お面を選んだのが千登勢だと言っていたように、おそらくは自作か注文仕様であろうその大きな和服も、きっと千登勢が与えた物に違いないのだ。
大事に思われているのだろう。この《ヒガンバナ》という《悪魔》もまた、この花札千登勢という《契約者》に。だから彼女はこんな事態になっても彼を罵倒もしないし、《ヒガンバナ》は徹頭徹尾、彼女の身を案じていた。
ただ悔しい。自分の主張が通らない事が。千登勢の顔はまさに今、そういった具合なのだった。
「…………《退去》」
「千登勢さま……!!」
にわかに千登勢が零すように呟くと、《ヒガンバナ》の足元から《魔方陣》が現れ、その姿が一瞬で消滅した。
たった今まで店内にあった圧迫するほどの存在感が消え去り、いつもの具合の《和菓子屋たぬきつね》の空気に戻ったところで、花札千登勢はひづりの元へにわかにずかずかと歩み寄って来た。
おおう、今度は何だろう、とひづりが身構えたところで、しかし彼女はひづりの前で立ち止まると、お代だろうか、千円札をぎゅっと握らせた。その後すぐ脇を抜けて直角に曲がると扉を開けて商店街に出て行ってしまった。
「あらぁ、帰っちゃったわね」
『まぁまた来るでしょう。その時、《ヒガンバナ》ちゃんを言いくるめよう』という声音で言うと、ちよこはまったりとした足取りで休憩室の方へ歩きだした。
「……やぁ! 騒がしくなってしまったが、いいね! 解決! 解決したようだ!」
するとにわかに父、幸辰が両手を広げ、調子を明るくして言った。
「もう休憩時間だろう? 一緒にお昼を食べに行こう! さぁさ、《悪魔》の二人も……良ければたぬこさんも《認識阻害魔術》を掛けて、一緒に……」
「――待って、父さん」
ひづりは遮るように言葉を立てた。休憩室の方へ向かおうとした父の背中がにわかに、びくり、とその動きを止めた。
「……無理に明るくしようとしてる。そんな必要ないのに、そうしてる。なんで?」
ひづりもそうだが、幸辰もあまり嘘が上手ではなかった。それに十七年も一緒に生きていれば分かる。父にはいま何か隠したい事があって、そのために無理矢理この場の空気を変えようとしている、という事くらいは。
そしてそれの《裏》にあるのが、おそらくは母に関係する何かであることも。
幸辰はゆっくりと振り返るとひづりを見つめたまましばらく考え込むように無言だった。しかし待ってもその先に欲しい答えが出て来そうな気配が見られないと悟ると、ひづりはにわかに踵を返した。
「ごめん、父さん。私、きっと話さないといけないことがある。あの人と――」
ひづりはそのまま店を飛び出して、花札千登勢が去っていった方角へと向かった。
「ひづり!!」
背後で父の叫ぶ声が聞こえた。けれど振り返りも立ち止まりもせず、ひづりは駆け続けた。
『自分がそうすべきだと思ったら止まらない』。次女のそんな我の強さを父の幸辰は知っている。それを知っていることを、ひづりも知っている。
もしかしたら『ごめんなさい』なんて言葉だけじゃ終わらない結果になるかもしれない予感がひづりにはあった。それでも、それでもやはり。
母さんが死んだ時、あんなにも泣き喚いて取り乱していた花札千登勢が、数週間前に自分がアルバイトを始めた途端《和菓子屋たぬきつね》の常連になって、そして私を養子に欲しいと言い出した、その理由。
そこにきっと、あなたから教えてもらえてないことが添えられているような気がするのです。私の知りたいことがある気がするのです。
それに。
ひづりは葬儀の席での花札千登勢の泣き顔を思い出していた。
気のせいかもしれない。思い違いかもしれない。それでも。
あの人は私と同じ《後悔》を抱えているような、《同じである》ような、何故だかそんな気がするから。
だから私は――。
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