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第4話 図書館にて
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受付にて必要書類に名前や住所を記入し、小さな手に収まる程度の大きさの長方形のカードをもらった。 このカードを受付より先にある専用の機器のタッチパネルに触れさせることにより、腰の高さまであるゲートが開いて図書館に入ることが出来た。
「ここが国立日本図書館! 無数の蔵書があって古代の魔法から現代の魔法の情報まである場所!」
誰に説明をしているかわからないが、愛理は突然国立日本図書館のことを喋りだす。 目を輝かせている愛理を他の利用者の人達が微笑ましそうに見ていた。
しかし、職員の一人が愛理に少しお静かにと声をかけると愛理はごめんなさいと言って反省した。
奥行きや高い天井があるこの場所をテクテクと音が鳴っているような歩き方で進んでいる。 愛理はこの図書館の英数字で振り分けられている棚を見て、自身が探している本が置いてある棚をキョロキョロと探していた。
「調べた限りだと、このD列のどこかに光属性の本が置いてあるはずだけど……」
愛理は探索を再開して、ここに来た目的を果たそうとしていた。 事前に家で調べた情報により、この列のどこかにあることは分かっていたが、蔵書数が多すぎてすぐには見つからなかった。
愛理はD列の棚で途方に暮れていると、どこからか年老いた男性が話しかけてきた。 白髪で腰が曲がっている初老の男性であった。
「君が探しているのはこの本かね?」
初老の男性の右手には古めかしく見え、表紙の色が多少落ちている一冊の分厚い本を持っていた。 その本の表紙には古代光属性魔法と書かれていた。
「見たことも聞いたこともない光属性の書だわ……これを私に?」
愛理がそう言うと初老の男性は、君にこそこの本は相応しいと言い、いつか来る試練にこの本は必要だと言って愛理の左手に本を持たせた。
左手に掴んだ魔法書を一度見てから初老の男性の方を向くと、既にその姿はなかった。 愛理は何が起きたのか理解が出来ず、周囲を見渡したり、別の棚に歩いてみてみるも、さっき程までいた初老の男性の姿は見えなかった。
「幻覚だったのかな……? でも、この手の中に魔法書があるから幻覚じゃないのよね……」
左手に掴んでいる魔法書を見ながら、とりあえず中を見てみようと考えた愛理は、この階層の入り口近くにある複数人が座れる長机の椅子に座った。
そこに座り受け取った光属性の魔法書を開いてみると、一ページ目が真っ白であった。 そのあと数ページ捲ってみても全てのページが真っ白であった。
「何これ!? 何も書かれていない!?」
愛理は最初から最後のページまで素早く捲るも、どのページにも文字が書かれていない。
何でなのと愛理は頭を抱えて、一枚目のページ全体を右手で摩ると、突然文字が浮き出し始める。 突然のことで何が起きたのか理解が追い付かないが、文字が浮き出たことだけは理解が出来たので、愛理は浮かび上がった文字を読んでみることにした。
「えっと……光属性の基礎……?」
愛理は今更基礎と思っていたが、授業で習ったことと違いがあると思った。
魔法書の一ページ目の基礎の部分をよく読んでみると、そこには魔法は遠い異星の種族からもたらされた奇跡に近い現象である。
異星の種族によって地球人が魔法を扱えるようになったことで、異星からの災害から復興することが出来たと記されている。
そして、続けてこの魔法書を読めるものに、希少な光属性魔法を授けようと書かれていた。 愛理は希少っていうほどだったかしらと思いつつも、書かれている光属性魔法を読んでいく。
基礎光魔法と書かれている欄を見ると、学校で習った光属性基礎魔法とは違う文字が書かれていた。
例えば学校では基礎の光魔法としてライトという周囲を照らす魔法を教えてもらったが、この本にはライトという基礎魔法はなく、どうやら攻撃や防御魔法が中心のようであった。
ライトの代わりに習ったことがない攻撃魔法のライトソードという剣がない代わりに手に光子を集めて高密度の光の簡易的な剣を作る魔法や、光子を集めてこれも高密度の盾を作って身を守る魔法などが書かれていた。
「この本があれば私も強くなれるかしら……」
愛理は基礎魔法でこのレベルの攻撃や防御魔法を知れるのは、すごい魔法書だと思っていた。 文字が現れたページをさらに読んでいくと、魔法を扱うには魔力が必要であると書かれている。
愛理は小学校や中学校にて、習った魔力のことを思い出していた。 学校では魔力は潜在的にあるもので、伸ばすことはできないと教えられた。
しかし魔法書には、魔力は伸ばすことができると書かれている。 魔力は精神力に依存していると書いてあり、試練を乗り越えたり精神的に成長することによって、上限が上がっていくと書いてある。
「魔力は精神力に依存してたのね! もっと強く、魔法もたくさん扱いたいから魔力を伸ばさないと!」
愛理は今までとの知識との違いがありすぎると驚きながら、この魔法書を大切にして正しい魔法の知識を学ぼうと決めた。
文字が出現したページを全て読み終えた愛理は、どこかで魔法の練習をしようと考えた。 そのことを受付の女の人に聞いてみると、この図書館の地下に魔法の練習場所があると教えてもらった。
地下に行くには、受付から左側にある階段を使用して下る必要があるので、愛理はそのに歩いて、重い金属製の扉を引いて階段を下っていく。
「ここが国立日本図書館! 無数の蔵書があって古代の魔法から現代の魔法の情報まである場所!」
誰に説明をしているかわからないが、愛理は突然国立日本図書館のことを喋りだす。 目を輝かせている愛理を他の利用者の人達が微笑ましそうに見ていた。
しかし、職員の一人が愛理に少しお静かにと声をかけると愛理はごめんなさいと言って反省した。
奥行きや高い天井があるこの場所をテクテクと音が鳴っているような歩き方で進んでいる。 愛理はこの図書館の英数字で振り分けられている棚を見て、自身が探している本が置いてある棚をキョロキョロと探していた。
「調べた限りだと、このD列のどこかに光属性の本が置いてあるはずだけど……」
愛理は探索を再開して、ここに来た目的を果たそうとしていた。 事前に家で調べた情報により、この列のどこかにあることは分かっていたが、蔵書数が多すぎてすぐには見つからなかった。
愛理はD列の棚で途方に暮れていると、どこからか年老いた男性が話しかけてきた。 白髪で腰が曲がっている初老の男性であった。
「君が探しているのはこの本かね?」
初老の男性の右手には古めかしく見え、表紙の色が多少落ちている一冊の分厚い本を持っていた。 その本の表紙には古代光属性魔法と書かれていた。
「見たことも聞いたこともない光属性の書だわ……これを私に?」
愛理がそう言うと初老の男性は、君にこそこの本は相応しいと言い、いつか来る試練にこの本は必要だと言って愛理の左手に本を持たせた。
左手に掴んだ魔法書を一度見てから初老の男性の方を向くと、既にその姿はなかった。 愛理は何が起きたのか理解が出来ず、周囲を見渡したり、別の棚に歩いてみてみるも、さっき程までいた初老の男性の姿は見えなかった。
「幻覚だったのかな……? でも、この手の中に魔法書があるから幻覚じゃないのよね……」
左手に掴んでいる魔法書を見ながら、とりあえず中を見てみようと考えた愛理は、この階層の入り口近くにある複数人が座れる長机の椅子に座った。
そこに座り受け取った光属性の魔法書を開いてみると、一ページ目が真っ白であった。 そのあと数ページ捲ってみても全てのページが真っ白であった。
「何これ!? 何も書かれていない!?」
愛理は最初から最後のページまで素早く捲るも、どのページにも文字が書かれていない。
何でなのと愛理は頭を抱えて、一枚目のページ全体を右手で摩ると、突然文字が浮き出し始める。 突然のことで何が起きたのか理解が追い付かないが、文字が浮き出たことだけは理解が出来たので、愛理は浮かび上がった文字を読んでみることにした。
「えっと……光属性の基礎……?」
愛理は今更基礎と思っていたが、授業で習ったことと違いがあると思った。
魔法書の一ページ目の基礎の部分をよく読んでみると、そこには魔法は遠い異星の種族からもたらされた奇跡に近い現象である。
異星の種族によって地球人が魔法を扱えるようになったことで、異星からの災害から復興することが出来たと記されている。
そして、続けてこの魔法書を読めるものに、希少な光属性魔法を授けようと書かれていた。 愛理は希少っていうほどだったかしらと思いつつも、書かれている光属性魔法を読んでいく。
基礎光魔法と書かれている欄を見ると、学校で習った光属性基礎魔法とは違う文字が書かれていた。
例えば学校では基礎の光魔法としてライトという周囲を照らす魔法を教えてもらったが、この本にはライトという基礎魔法はなく、どうやら攻撃や防御魔法が中心のようであった。
ライトの代わりに習ったことがない攻撃魔法のライトソードという剣がない代わりに手に光子を集めて高密度の光の簡易的な剣を作る魔法や、光子を集めてこれも高密度の盾を作って身を守る魔法などが書かれていた。
「この本があれば私も強くなれるかしら……」
愛理は基礎魔法でこのレベルの攻撃や防御魔法を知れるのは、すごい魔法書だと思っていた。 文字が現れたページをさらに読んでいくと、魔法を扱うには魔力が必要であると書かれている。
愛理は小学校や中学校にて、習った魔力のことを思い出していた。 学校では魔力は潜在的にあるもので、伸ばすことはできないと教えられた。
しかし魔法書には、魔力は伸ばすことができると書かれている。 魔力は精神力に依存していると書いてあり、試練を乗り越えたり精神的に成長することによって、上限が上がっていくと書いてある。
「魔力は精神力に依存してたのね! もっと強く、魔法もたくさん扱いたいから魔力を伸ばさないと!」
愛理は今までとの知識との違いがありすぎると驚きながら、この魔法書を大切にして正しい魔法の知識を学ぼうと決めた。
文字が出現したページを全て読み終えた愛理は、どこかで魔法の練習をしようと考えた。 そのことを受付の女の人に聞いてみると、この図書館の地下に魔法の練習場所があると教えてもらった。
地下に行くには、受付から左側にある階段を使用して下る必要があるので、愛理はそのに歩いて、重い金属製の扉を引いて階段を下っていく。
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