天羽桜は世界を救う

天羽睦月

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第26話 怒涛の特訓

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「次こそ負けない! かかってきな!」

桜は三体のロボットの攻撃を避けたり防ぐなどをして、先ほどとは違って乱戦になれてきているようである。 桜はロボットの攻撃の隙をついて一体ずつ反撃をして倒していく。

「まずは一体目! 今度は油断しないからね!」

重い打撃音を発してロボットが床に倒れていく。 残り二体になると、師範がロボットにスピードを上げなと命令をして先ほどより少しだけ攻撃速度が上がった。

「そんな卑怯ですよ! 急に攻撃速度を上げるなんて!」

桜が師範に卑怯だと言うと、実践に卑怯も何もないぞと言われてしまった。 実践ではと言われてしまうと、何も言い返せないので桜は涙目になりながらも攻撃を捌くことで精一杯になっていた。

「この! ここだ!」

右側にいるロボットの攻撃を防いだ後に、身体を動かして右側のロボットの脇の下に入って下から上に攻撃を浴びせた。 桜の攻撃を浴びたロボットは煙を上げて床に倒れてしまう。 その一連の流れを見ていた師範は、いいねと自然に言葉を発していた。 

「今の動きどうでした!? うまく動けてましたか!?」

桜が左側のロボットと鍔ぜり合いながら聞くと、まだ終わってないから集中しろと怒られてしまった。 その言葉を聞いて目の前のロボットの腹部を蹴って構えを崩すと、そのまま持っている木刀でロボットの頭部を力強く叩いた。 すると左側のロボットも床に倒れ、桜は訓練を達成出来たと喜んでいた。 しかし喜ぶ桜とは違い、師範は顎に手と当てて考えているようであった。

「どうかしたんですか?」

桜が近寄って聞くと、師範は唸りながら少し我流が入っている気がすると言ってくる。 桜は我流と聞いてそんなことはしたことがないと思うが、この前の戦闘で一心不乱に思うがままに戦っていたのを思い出して、もしかしてと考え始めた。

「もしかして、この前戦った時に変な型が付いてしまったかもしれません……」

桜がそう言うと、師範がその時の戦闘の映像は見させてもらったよと言う。

「今まで教えたこと以外に自然と考えながら動いていると思っていたけど、やっぱり変な型がもう意識の底で根付いていたわね」

師範は桜に無理に変える必要はないけど、その根付いた型と訓練で習う型を組み合わせて自分なりの型を作るのもいいかもと教えてくれた。 

「自分だけの型ですか……面白いかもです! オリジナルを作っていきます!」

桜は自身のオリジナルの型を作っていくと決めた。 その後は師範と少し雑談した後に、訓練所から出て指令室に向かった。

「今日の訓練はこれだけだけど、長い時は六時間も訓練する時あるから辛いわ……」

欠伸をしながら痛めている右腕を摩って道を歩いていると、職員達とすれ違うので挨拶をしていく。

「お疲れ様です!」

挨拶を桜がすると、職員の人達も挨拶を返してくれる。 職員の人と関わると自分が一職員として働いていると実感ができるので、挨拶はするようにしていた。

そんなことを考えて歩いていると、指令室に到着をする。 そこでは職員の人達が忙しなく働いている姿が見える。 部屋の中で、職員に指示を出したり電話をしている石動が見えたので、桜は声をかけて訓練を終えたので帰宅する旨を伝える。

「そうか、訓練お疲れ様。 気を付けて帰るのだよ!」

そう言い手を振る石動の姿を見て、桜はありがとうございますと返して部屋を後にした。 
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