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第12話 施設案内
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「さ、行こうか」
そう言い、先を歩く石動。 桜は待ってくださいと言いながら小走りでついていった。
「つい昨日までは二十年怪人が出現していなかったからカレンダー通りの休みだったが、仕事柄そうもいかなくなってしまってね、不定期のシフト制に移行しなくてはいかなくなってね」
そう言いながら、白い通路の横に仮眠室やアクティビティー室と書かれている部屋が多数あった。 石動が言うには、何日も泊まり込みをする時や政府からの質問に回答をしなければならない時、事後処理をしなければいけない時など仕事が多くあるので怪人が出現した時にはシフト制にして連日処理をしなければならないと説明があった。
「そんなに大変なんですね……私に務まるかな……」
不安になる桜だったが、石動は笑顔で答えてくれる。
「君は不安になることはないさ! 怪人が出たときに倒してもらうだけだし、少し訓練が辛いだけだ!」
笑顔で言う石動に安心をしたが、訓練が辛いと言う言葉に若干恐怖しつつも案内は続いていく。
「ここが皆大好きな食堂だ!」
食堂に入るための大きな扉を開けると、そこには広いスペースが広がっていた。 奥にある横に広がっているカウンターの脇には食券券売機が三台置いてあるのが見える。
「ここは全職員が使用する食堂エリアだ。 壁には殺風景じゃいけないと思って、色々な国の風景を投影してるんだ」
そう言われて壁を見ると、奇麗な海や砂浜が映し出されていた。 桜は楽しく食事が出来そうだと心が躍っていると、先に行こうと石動が話しかけてきた。
「あとは訓練室に案内しよう」
石動と桜は食堂を出ると、少し東側に移動すると訓練室と書かれたプレートがつけられた部屋があった。 その部屋に入ると、壁側の本棚に剣術などの教本や木人が多数置かれていた。
「ここでは茉莉君や君が武器を用いた戦闘訓練を主にする場所だな。 この部屋には大変お世話になるだろう」
そう言い訓練室を二人して出ていくと、石動の執務室に向かう。 石動の執務室は入り口横に所長室と書かれていた。 その部屋の内部は桜が見ても意味が分からない資料や古い本が多数棚に置かれ、高そうなパソコンが部屋の奥の机の上に置かれていた。
「扉の側にある椅子に座ってくれ」
言われたままに椅子に座る桜。 石動はその前の椅子に座り、何枚かの紙を桜に渡した。 その紙には出動した際の給料や怪我をした場合のケアのことなどが書かれていた。 また、自宅の連絡先や自身のスマートフォンの電話番号を書く欄もあった。 石動は電話番号を書くように促し、桜は従うままに書いていく。 そして明日の学校終わりに再度来てほしいことを伝えてくる。
「了解です。 明日から学校終わりに来ます。 あと、垂れ幕があった場所に武器を置いてきちゃいましたが、武器はどう持ち運べばいいですか?」
桜のその問いに石動は言い忘れたと言う顔をして、武器を手に持って変化させたいイメージをすればその形に変化すると教えてくれた。
「先に教えてくださいよ……茉莉ちゃんに迷惑かけちゃったかな……」
頭を掻いて軽く笑うと俺の言いたいことは終わったと言い、茉莉君のもとに行きなと言ってくれた。
「ありがとうございます!」
そう言い、先ほどの垂れ幕があった場所である管制室に入室した。 既に諸々が片付けられており、職員達が忙しそうに働いていた。 茉莉は電話の取次ぎを忙しくしており、桜の姿を見たら指をさして武器を忘れたでしょと怒っていた。
「ごめんなさい! つい忘れちゃったわ!」
手を合わせて茉莉に謝ると、そこの机に置いておいたよと指を刺した場所に桜の剣が置いてあった。 その剣を手にして桜は何かを考えているように目を閉じる。
そう言い、先を歩く石動。 桜は待ってくださいと言いながら小走りでついていった。
「つい昨日までは二十年怪人が出現していなかったからカレンダー通りの休みだったが、仕事柄そうもいかなくなってしまってね、不定期のシフト制に移行しなくてはいかなくなってね」
そう言いながら、白い通路の横に仮眠室やアクティビティー室と書かれている部屋が多数あった。 石動が言うには、何日も泊まり込みをする時や政府からの質問に回答をしなければならない時、事後処理をしなければいけない時など仕事が多くあるので怪人が出現した時にはシフト制にして連日処理をしなければならないと説明があった。
「そんなに大変なんですね……私に務まるかな……」
不安になる桜だったが、石動は笑顔で答えてくれる。
「君は不安になることはないさ! 怪人が出たときに倒してもらうだけだし、少し訓練が辛いだけだ!」
笑顔で言う石動に安心をしたが、訓練が辛いと言う言葉に若干恐怖しつつも案内は続いていく。
「ここが皆大好きな食堂だ!」
食堂に入るための大きな扉を開けると、そこには広いスペースが広がっていた。 奥にある横に広がっているカウンターの脇には食券券売機が三台置いてあるのが見える。
「ここは全職員が使用する食堂エリアだ。 壁には殺風景じゃいけないと思って、色々な国の風景を投影してるんだ」
そう言われて壁を見ると、奇麗な海や砂浜が映し出されていた。 桜は楽しく食事が出来そうだと心が躍っていると、先に行こうと石動が話しかけてきた。
「あとは訓練室に案内しよう」
石動と桜は食堂を出ると、少し東側に移動すると訓練室と書かれたプレートがつけられた部屋があった。 その部屋に入ると、壁側の本棚に剣術などの教本や木人が多数置かれていた。
「ここでは茉莉君や君が武器を用いた戦闘訓練を主にする場所だな。 この部屋には大変お世話になるだろう」
そう言い訓練室を二人して出ていくと、石動の執務室に向かう。 石動の執務室は入り口横に所長室と書かれていた。 その部屋の内部は桜が見ても意味が分からない資料や古い本が多数棚に置かれ、高そうなパソコンが部屋の奥の机の上に置かれていた。
「扉の側にある椅子に座ってくれ」
言われたままに椅子に座る桜。 石動はその前の椅子に座り、何枚かの紙を桜に渡した。 その紙には出動した際の給料や怪我をした場合のケアのことなどが書かれていた。 また、自宅の連絡先や自身のスマートフォンの電話番号を書く欄もあった。 石動は電話番号を書くように促し、桜は従うままに書いていく。 そして明日の学校終わりに再度来てほしいことを伝えてくる。
「了解です。 明日から学校終わりに来ます。 あと、垂れ幕があった場所に武器を置いてきちゃいましたが、武器はどう持ち運べばいいですか?」
桜のその問いに石動は言い忘れたと言う顔をして、武器を手に持って変化させたいイメージをすればその形に変化すると教えてくれた。
「先に教えてくださいよ……茉莉ちゃんに迷惑かけちゃったかな……」
頭を掻いて軽く笑うと俺の言いたいことは終わったと言い、茉莉君のもとに行きなと言ってくれた。
「ありがとうございます!」
そう言い、先ほどの垂れ幕があった場所である管制室に入室した。 既に諸々が片付けられており、職員達が忙しそうに働いていた。 茉莉は電話の取次ぎを忙しくしており、桜の姿を見たら指をさして武器を忘れたでしょと怒っていた。
「ごめんなさい! つい忘れちゃったわ!」
手を合わせて茉莉に謝ると、そこの机に置いておいたよと指を刺した場所に桜の剣が置いてあった。 その剣を手にして桜は何かを考えているように目を閉じる。
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