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第9話 呼び出し
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食券をカウンターに手渡して五分ほどたった時、手渡された番号札の番号が呼ばれて三人は料理を受け取りに行く。
先に受け取った桜はエリアの奥のほうにある窓際の席を確保し、料理を置いて桜は二人に手を振って自身の場所を教えた。
桜が確保した席は、窓から外の景色がよく見える最高の席であり、四人掛けで丸いテーブルの席であった。 二人が席に着くと料理を食べ始めることにした。 そして、オムライスを一口食べた桜はその卵の美味しさに衝撃を受ける。
「卵がここまで美味しいなんて……しかも包まれているご飯に入ってる肉も全てが美味しいとしか言えない!」
桜は目を輝かせて食べ進めていると、花音も料理が美味しいと同じ反応をしていた。 その二人の反応を見た葵はふふーんと口元をアヒル口のようにして笑っていた。
「悔しいけどこれは美味しすぎるわ! これで五百円だなんて最高よ!」
食券券売機ではすべてが五百円で統一されている。 これは儲けが良いからか定かではないが、他の料理屋とは違って近辺では安い値段であった。
桜はここにいつも食べに来たいと思っていたが、流石に通いきれないので諦めるしかないと落胆していた。 食べ始めてから十分ほどたった時に葵がふとこれからどうしようかと聞いてくる。
「そうだねー。 花音の元気な姿が見れたし、今日はこれで解散にする?」
桜がそういった時にスマートフォンからメールを受信した着信音が聞こえた。
「メール? 誰かしら?」
学生鞄からスマートフォンを取り出して内容を見てみると、受信したのはリーベからのメールであった。 メールの内容は、本日学校終わりにリーベに寄ってほしいとのことであった。
「急に連絡が来るのね……ちょっと急用が出来ちゃったわ……」
桜は二人に急用が出来たと伝えると、そろそろ食べ終わるし病室に戻ろうと葵が言う。 それから五分後に花音の病室に行き、テレビの電源を入れるとリーベのことを特集していた。
「リーベか……どんな機関なのかあまり知らないのよねー」
花音がそう呟くと、テレビでは政府直轄の怪人対策機関であるとされていると言う。 続けて、ここ二十年間怪人が出現しなかったために資金が減らされ続けていると言っていた。
「でもこの前の怪人出現でリーベが活躍して、やはり必要な機関であると再認識されたみたいね」
テレビの特集を消して、桜は先に帰るねと言う。
「今日は来てくれてありがとう! また来てね!」
花音が笑顔で手を振ると、桜も振りかえして葵より先に部屋を出ていく。 そのままリーベから来てほしいと書いてあった場所である本部に向かった。
水瀬記念病院から再度電車を乗り継いで、日本の都心の重要省庁が集まっている霞ヶ町に到着した。
月曜日の日中とのこともあり、働くサラリーマンで溢れかえり学生がいることが不思議なようで、周囲の目線が痛い。
「流石霞ケ町……サラリーマンだらけね! インターネットで調べた地図だとこの辺りなんだけど……どこかしら?」
周囲をキョロキョロと見渡して地図の座標が示す場所を探していると、近くのビルの玄関口に立っていた警備員が話しかけてきた。
「こんな日中に学生さんがどうしたの?」
腰に付けている警棒が軽快な足取りと共に左右に揺らしながら、警備員が近寄ってくる。 その警備員は桜に近づくと、桜が手に持つスマートフォンに注目した。
「どこか行くのかい? 言ってくれれば分かるかもしれないよ」
笑顔で聞いてくる警備員に、桜はスマートフォンの画面を見せてここに行きたいと言う。 すると、警備員は目を見開いて驚くと、見学か何かかなと聞いてきた。
「ちょっとここに呼ばれてて行かなくちゃいけないんです。 でも、場所が分からなくて困ってまして……」
頭を掻いて困っていると言う桜に、警備員があそこのビルですと西側にある遠くの白い全面窓張りの地上五階建ての長方形のビルを指さした。
そのビルは人の入りと出が多くこの国の防衛を担っている組織が多数入っているため、なぜ高校生がここにと驚いていたが、その建物内にリーベが入っているのは秘密とされているため、桜がリーベに呼ばれたとは警備員は気づいていない。
先に受け取った桜はエリアの奥のほうにある窓際の席を確保し、料理を置いて桜は二人に手を振って自身の場所を教えた。
桜が確保した席は、窓から外の景色がよく見える最高の席であり、四人掛けで丸いテーブルの席であった。 二人が席に着くと料理を食べ始めることにした。 そして、オムライスを一口食べた桜はその卵の美味しさに衝撃を受ける。
「卵がここまで美味しいなんて……しかも包まれているご飯に入ってる肉も全てが美味しいとしか言えない!」
桜は目を輝かせて食べ進めていると、花音も料理が美味しいと同じ反応をしていた。 その二人の反応を見た葵はふふーんと口元をアヒル口のようにして笑っていた。
「悔しいけどこれは美味しすぎるわ! これで五百円だなんて最高よ!」
食券券売機ではすべてが五百円で統一されている。 これは儲けが良いからか定かではないが、他の料理屋とは違って近辺では安い値段であった。
桜はここにいつも食べに来たいと思っていたが、流石に通いきれないので諦めるしかないと落胆していた。 食べ始めてから十分ほどたった時に葵がふとこれからどうしようかと聞いてくる。
「そうだねー。 花音の元気な姿が見れたし、今日はこれで解散にする?」
桜がそういった時にスマートフォンからメールを受信した着信音が聞こえた。
「メール? 誰かしら?」
学生鞄からスマートフォンを取り出して内容を見てみると、受信したのはリーベからのメールであった。 メールの内容は、本日学校終わりにリーベに寄ってほしいとのことであった。
「急に連絡が来るのね……ちょっと急用が出来ちゃったわ……」
桜は二人に急用が出来たと伝えると、そろそろ食べ終わるし病室に戻ろうと葵が言う。 それから五分後に花音の病室に行き、テレビの電源を入れるとリーベのことを特集していた。
「リーベか……どんな機関なのかあまり知らないのよねー」
花音がそう呟くと、テレビでは政府直轄の怪人対策機関であるとされていると言う。 続けて、ここ二十年間怪人が出現しなかったために資金が減らされ続けていると言っていた。
「でもこの前の怪人出現でリーベが活躍して、やはり必要な機関であると再認識されたみたいね」
テレビの特集を消して、桜は先に帰るねと言う。
「今日は来てくれてありがとう! また来てね!」
花音が笑顔で手を振ると、桜も振りかえして葵より先に部屋を出ていく。 そのままリーベから来てほしいと書いてあった場所である本部に向かった。
水瀬記念病院から再度電車を乗り継いで、日本の都心の重要省庁が集まっている霞ヶ町に到着した。
月曜日の日中とのこともあり、働くサラリーマンで溢れかえり学生がいることが不思議なようで、周囲の目線が痛い。
「流石霞ケ町……サラリーマンだらけね! インターネットで調べた地図だとこの辺りなんだけど……どこかしら?」
周囲をキョロキョロと見渡して地図の座標が示す場所を探していると、近くのビルの玄関口に立っていた警備員が話しかけてきた。
「こんな日中に学生さんがどうしたの?」
腰に付けている警棒が軽快な足取りと共に左右に揺らしながら、警備員が近寄ってくる。 その警備員は桜に近づくと、桜が手に持つスマートフォンに注目した。
「どこか行くのかい? 言ってくれれば分かるかもしれないよ」
笑顔で聞いてくる警備員に、桜はスマートフォンの画面を見せてここに行きたいと言う。 すると、警備員は目を見開いて驚くと、見学か何かかなと聞いてきた。
「ちょっとここに呼ばれてて行かなくちゃいけないんです。 でも、場所が分からなくて困ってまして……」
頭を掻いて困っていると言う桜に、警備員があそこのビルですと西側にある遠くの白い全面窓張りの地上五階建ての長方形のビルを指さした。
そのビルは人の入りと出が多くこの国の防衛を担っている組織が多数入っているため、なぜ高校生がここにと驚いていたが、その建物内にリーベが入っているのは秘密とされているため、桜がリーベに呼ばれたとは警備員は気づいていない。
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