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第107話 必ず今度こそ
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美桜の翼を見た弦十郎の部下達は歓声を上げた。知られている光属性には翼を生やす魔法などなく、それを発動させた美桜は紛れもなく真なる光魔法を扱ったことになる。また、歓声が沸き上がる中で美桜はその翼を用いて宙に浮いた。
「浮遊した!? まさしく現代の魔法以上の力だ!」
一人の男がそう叫ぶと弦十郎を含めた全員が声を上げた。
「これこそが真なる光属性の力だ! さて、お披露目はここまでだ。 各自明日に備えてくれ」
そう弦十郎が言うと、集まっている全員が部屋から出た。弦十郎は全員が消えたことを確認すると、美桜に部屋に戻れと言った。弦十郎は一人の女の部下を呼ぶと、その女に美桜の部屋まで案内をさせた。
「美桜様こちらです。 今ご案内いたします」
そう言い弦十郎が呼んだ女は黒いスーツを着ており、茶色の髪色で肩にかかるまでの長さをしている。そして、身長は美桜と同じ程度で鍛えているのか引き締まった身体をしている。顔は美桜には劣るものの、誰もが振り返って見る程に美しい目鼻立ちがハッキリしている顔であった。
「こちらの部屋が美桜様のお部屋となります」
その部屋はどうやって知ったか分からないが、美桜の家の美桜の部屋を忠実に再現をしていた。その部屋を見た美桜は眉毛がぴくっと多少動くも、その動きは誰が見ても動いたと見えない程度である。
「自己紹介をしておりませんでした。 私は弦十郎様の直属の親衛隊の神宮司唯奈と申します」
唯奈は挨拶をすると美桜は顔をも見ずに部屋の中に入っていく。唯奈は洗脳されてるから仕方ないかと思い、扉を閉めてその場から立ち去った。美桜が部屋の中に入ってベットに腰かけている最中、出雲は美桜の家に戻っていた。帰宅後にすぐ家の食堂にて貴族会が終わった報告を蓮と琴音に教えてもらっていた。
食堂には椿も来ており、出雲達いつものメンバーが集まっていた。病院から退院後すぐなので、時刻は十二時を回っていた。雫はとりあえず昼食を作りますねと言っていた。
「ありがとうございます! 楽しみです!」
椿が目を輝かせていると、出雲がお腹が空きましたと椿に続けて言った。すると雫がもう少し待ってくださいと二人に話していた。蓮は雫が作っている間に、貴族会のことを話し始める。
「昨日貴族会で行う貴族会議が行われたのは知ってるな? 日本にいる全ての貴族が集まる場所は秘密だから言えないけど、そこで今回の天神家当主の学校への侵入及び天神美桜の拉致について話が行われた」
蓮は今まで見たことがない真剣な顔で出雲達に説明を始める。
「その会議では皇家の当主を中心に運営された。 そこでは警察が逮捕を出来ない貴族を、どうやって逮捕をするかや犯罪者とするかを話していた」
貴族が犯罪をしても犯罪者として逮捕を出来ない。そもそも貴族は犯罪をせずに行政を行ったり、領民の長として領地に住む人々を幸せにする義務があるが、長年領主として活動をするにつれて傲慢で自己の利益しか求めない貴族が出てきていた。
そのような貴族が現れた際には同じ貴族が裁くとなっているが、現在この時点まで数十年とそのような貴族はいなかった。戦争で死んだことや俗にいう良い貴族が多かったからである。
「天神弦十郎には、皇家とその他数人の貴族及び国立魔法部隊の全隊員が協力をして対処することに決定した」
蓮がそう言うと、出雲と雫が驚いていた。国立魔法部隊ということは、隊長である来栖朧も出てくるということである。試験の時に一目見ただけで強いと出雲は感じていたので、その来栖朧が来ればすぐに事が収まるのではないかと出雲は考えていた。
「一度落ち着きましょう。 サンドウィッチを作りましたので、ゆっくり食べてください」
雫はメイドの女性達にも協力してもらい、お皿に乗せた多種多様のサンドウィッチを机の上に置いた。
出雲達はありがとうございますと言い、各々好きなサンドウィッチを食べ始める。雫はお皿を置き終えると、コップに注いだお茶を人数分全員の目の前に置いた。出雲達はそのお茶を一口飲むと、雫を含めて再開をする。
「ここまで説明をした通り、貴族の数家と国立魔法部隊が数人参加する。 俺や琴音は参加が出来ないが、出雲と雫さんは参加が可能となっているよ」
蓮がそう言うと、出雲と雫は参加すると即答した。蓮は死ぬかもしれないよと出雲に話しかけると、それでも俺は行くと出雲は答えた。雫は私が守りますから安心をしてくださいと笑顔で出雲に話しかけていた。
「ありがとうございます! 美桜は必ず今度こそ俺が連れ戻す!」
そう出雲が宣言をすると、突然爆発音が鳴り響き、その爆発音で身体が震えた。出雲達は何が起きたんだと外に慌てて出ると、黒いマントを羽織っている集団が町を破壊しながら歩いていた。
「浮遊した!? まさしく現代の魔法以上の力だ!」
一人の男がそう叫ぶと弦十郎を含めた全員が声を上げた。
「これこそが真なる光属性の力だ! さて、お披露目はここまでだ。 各自明日に備えてくれ」
そう弦十郎が言うと、集まっている全員が部屋から出た。弦十郎は全員が消えたことを確認すると、美桜に部屋に戻れと言った。弦十郎は一人の女の部下を呼ぶと、その女に美桜の部屋まで案内をさせた。
「美桜様こちらです。 今ご案内いたします」
そう言い弦十郎が呼んだ女は黒いスーツを着ており、茶色の髪色で肩にかかるまでの長さをしている。そして、身長は美桜と同じ程度で鍛えているのか引き締まった身体をしている。顔は美桜には劣るものの、誰もが振り返って見る程に美しい目鼻立ちがハッキリしている顔であった。
「こちらの部屋が美桜様のお部屋となります」
その部屋はどうやって知ったか分からないが、美桜の家の美桜の部屋を忠実に再現をしていた。その部屋を見た美桜は眉毛がぴくっと多少動くも、その動きは誰が見ても動いたと見えない程度である。
「自己紹介をしておりませんでした。 私は弦十郎様の直属の親衛隊の神宮司唯奈と申します」
唯奈は挨拶をすると美桜は顔をも見ずに部屋の中に入っていく。唯奈は洗脳されてるから仕方ないかと思い、扉を閉めてその場から立ち去った。美桜が部屋の中に入ってベットに腰かけている最中、出雲は美桜の家に戻っていた。帰宅後にすぐ家の食堂にて貴族会が終わった報告を蓮と琴音に教えてもらっていた。
食堂には椿も来ており、出雲達いつものメンバーが集まっていた。病院から退院後すぐなので、時刻は十二時を回っていた。雫はとりあえず昼食を作りますねと言っていた。
「ありがとうございます! 楽しみです!」
椿が目を輝かせていると、出雲がお腹が空きましたと椿に続けて言った。すると雫がもう少し待ってくださいと二人に話していた。蓮は雫が作っている間に、貴族会のことを話し始める。
「昨日貴族会で行う貴族会議が行われたのは知ってるな? 日本にいる全ての貴族が集まる場所は秘密だから言えないけど、そこで今回の天神家当主の学校への侵入及び天神美桜の拉致について話が行われた」
蓮は今まで見たことがない真剣な顔で出雲達に説明を始める。
「その会議では皇家の当主を中心に運営された。 そこでは警察が逮捕を出来ない貴族を、どうやって逮捕をするかや犯罪者とするかを話していた」
貴族が犯罪をしても犯罪者として逮捕を出来ない。そもそも貴族は犯罪をせずに行政を行ったり、領民の長として領地に住む人々を幸せにする義務があるが、長年領主として活動をするにつれて傲慢で自己の利益しか求めない貴族が出てきていた。
そのような貴族が現れた際には同じ貴族が裁くとなっているが、現在この時点まで数十年とそのような貴族はいなかった。戦争で死んだことや俗にいう良い貴族が多かったからである。
「天神弦十郎には、皇家とその他数人の貴族及び国立魔法部隊の全隊員が協力をして対処することに決定した」
蓮がそう言うと、出雲と雫が驚いていた。国立魔法部隊ということは、隊長である来栖朧も出てくるということである。試験の時に一目見ただけで強いと出雲は感じていたので、その来栖朧が来ればすぐに事が収まるのではないかと出雲は考えていた。
「一度落ち着きましょう。 サンドウィッチを作りましたので、ゆっくり食べてください」
雫はメイドの女性達にも協力してもらい、お皿に乗せた多種多様のサンドウィッチを机の上に置いた。
出雲達はありがとうございますと言い、各々好きなサンドウィッチを食べ始める。雫はお皿を置き終えると、コップに注いだお茶を人数分全員の目の前に置いた。出雲達はそのお茶を一口飲むと、雫を含めて再開をする。
「ここまで説明をした通り、貴族の数家と国立魔法部隊が数人参加する。 俺や琴音は参加が出来ないが、出雲と雫さんは参加が可能となっているよ」
蓮がそう言うと、出雲と雫は参加すると即答した。蓮は死ぬかもしれないよと出雲に話しかけると、それでも俺は行くと出雲は答えた。雫は私が守りますから安心をしてくださいと笑顔で出雲に話しかけていた。
「ありがとうございます! 美桜は必ず今度こそ俺が連れ戻す!」
そう出雲が宣言をすると、突然爆発音が鳴り響き、その爆発音で身体が震えた。出雲達は何が起きたんだと外に慌てて出ると、黒いマントを羽織っている集団が町を破壊しながら歩いていた。
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