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第93話 補習授業と商店街

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出雲は不満に思ったが、美桜と雫がそれでもありがとうと言ってくれたので今はそれでいいかと思った。出雲はそのままゆっくりとテレビを見たり、スマートフォンで蓮達に無事なことや解決をしたことを連絡していた。

「蓮や琴音から返信だ! 中身は美桜の無事なことばかりかい!」

出雲がそう叫ぶと、椿からメールの返信が届いた。

「椿からだ! どんな内容だろう?」

出雲が届いたメールを開くと、そこにはお疲れ様と言う文字と笑顔の顔文字が添付されていた。出雲は癒されると思いながら椿にありがとうと返信をする。

「椿は優しいわー。 蓮と琴音なんて美桜のことばかり!」

出雲は頬を膨らませながら呟くと、小さく笑う。この世界に来て多くの人と知り合って、同じ時間を過ごすことで確かな絆がそこにあると感じていた。男でも女でも友達になれると出雲は思い、これからも皆と過ごしていきたいと考えていた。

「いい友達と巡り会えてよかった。 これからも皆と過ごしていこう!」

出雲は笑顔で楽しいなと言いながら眠気が襲って来てそのまま寝てしまった。朝目が覚めるとテレビの電源がオンのままであり、そのまま寝ちゃったかと溜息を吐いていた。出雲が洗面所で顔を洗っていると、美桜が歯を磨きに入ってきた。美桜はおはようと出雲に言うと、出雲もおはようと返した。

「朝早いわね。 もう起きるなんて」

美桜の言葉を聞いて、今何時なのと出雲が返答した。

「朝六時に起きるなんて珍しいわね!」

出雲がまだ六時なのかと驚くと、美桜が今日は補修日だもんねと言うと
出雲が今日なのと驚いていた。

「雫から聞かなかった?」

出雲がそう言われると、言われてないと顔が青ざめていく。

「ふぉんなふぉといいっふぁって、わふぁしはしらふぁいふぁよ!」

美桜が歯を磨きながら出雲に言うと、出雲は聞き取れないよと美桜に言う。美桜は歯を磨きながら知らないわよと言い、そのまま口をゆすいで洗面所から出ていった。

「ていうか、今日土曜日で補修なのか!」

出雲はヤバイと言って洗面所から出てすぐに自室に戻って制服に着替えた。出雲は美桜の部屋に行って、扉をノックしようとすると扉が開く。

「おわっと!? み、美桜が出た!」

出雲が驚いていると、自室の前にいる美桜が口をすぼめていた。

「変なものを見たようなこと言わないの!」

美桜に言われた出雲は突然出てきたからと言って、ごめんと謝った。出雲は謝ると自身も自室に戻って通学準備を始める。それからの毎日は大変な日々であった。平日の授業に休日の補習授業を行っているので、とても身体的に辛いと出雲は感じていた。

学校に登校をして平和な毎日が続くも、出雲は困惑していた。経った数日、無断で学校を欠席をして美桜を救うために奔走してただけなのに、補習授業によって既に土曜日と日曜日を四日も消費していた。

補習授業は通常ある土曜日の午前中の授業の後に午後二時間の補習授業と、翌日の日曜日を一時間目から六時間目まで使って補習授業を行っていた。美桜と一緒に授業を受けているが、その美桜は疲れた顔を見せることはなく通常の授業と共に受けている。

出雲は美桜にも理解が出来ない所を教わりながら補習授業を受け続けている。補習授業は、毎回その授業の終わりに確認として小テストが行われている。遅れを取り戻すためらしいその小テストは、合格をするまで受けることと言われている。

出雲は何度か不合格となってしまい、授業時間を延長してまで受けるようにと言われていた。美桜の協力もあって小テストを合格していった出雲は、美桜と共についに補習授業が終わる日となった。

「やっと今日の日曜日で補習が終わりだ! 長かった!」

時刻は現在十九時を回っており、辺りは暗くなり始めている。その道を出雲は伸びをしながら美桜と共に家路を歩いている。地元の駅に到着をすると、駅の側の商店街で何かのセールをやっているようであった。

「何かやってるよ! 行ってみよう!」

出雲は美桜の手を取って商店街の方向に走っていく。商店街の入り口に到着をすると、セール中の今に商店街で購入した商品のレシートを見せると、レシートの枚数分くじが引けるというものであった。

「くじが引けるんだって! 何か買おう!」

出雲がそう言うと、美桜が買いましょうと言ったのを聞いた出雲は行こうと美桜の手を掴んで商店街の中に入る。

商店街では服屋や飲食店にゲームセンターなど多数の娯楽施設も店舗を構えている。出雲は最初に雫に電話をして商店街にいることを伝えた。すると雫は楽しんでくださいと言って電話を切った。

「若干怒り気味な声をしてたけど、楽しんでくださいだって!」

出雲が美桜に言うと、美桜がそれは多分だけどと言う。

「夕食を準備してたけど、私と商店街で食べることを言ったから怒ったんだよ」

出雲が美桜に説明を受けると、何か買って帰ろうと美桜に冷や汗をかきながら言った。
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