魔法の世界で新たな人生を~捨てられた人生のやり直し~

天羽睦月

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第80話 借金問題

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明臣は椅子から立ち上がると、美桜の眼を見て何かあったんですかと言う。美桜はマリアさんの借金は解決するわと言う。

「ほ、本当ですか!? かなりの額があったと思いますが!?」

明臣が驚いていると、私と兄と姉達とお金を出し合って返済しますと返答した。

「お金は私が必ずお返しします! この度はありがとうございます!」

明臣は涙を静かに流しながら、美桜の両手を掴んでありがとうと何度も言っていた。しかし美桜は、今すぐマリア達一家をここに連れてきて御当主に説明をしましょうと言った。

「借金を返済すれば、マリアさんが嫁ぐ必要はないですし、御当主に説明をして私達の婚約の解消と、明臣さんとマリアさんの婚約をすればマリアさん一家を救えます!」

美桜が救えると言うと、明臣が今すぐ行動しないとと意気込んでいた。明臣はスマートフォンを用いてマリアにメールを送ると言って、文章を打ち始めた。

「今日はお父様が家にいるから、家に両親共々呼べると良いんだけど……」

明臣がそう美桜に言いながらメールを送信し終えると、すぐにマリアさんから返信が来たと明臣が言う。

「もう来たの!? 早いわね!」

美桜が驚いていると、明臣がマリアさんが今ならすぐに行けると言ってると美桜に言う。美桜はその言葉を聞くと、マリアさんの家はどこにあるのと聞いた。明臣はマリアの家は西方の都市部外縁にあると言った。

「首都があるこの都市部と他県との境目にある地域に、マリアさんの家があります」

そう言われた美桜は、雫に電話をした。雫が電話に出るとどうしましたかと美桜に言う。

「マリアさんの家が分かったの! 両親共々皇家に連れてきて!」

美桜がそう言うと、雫が分かりましたと言う。それと同時に借金会社には既に篁家名義で返済が完了していますと教えてくれた。

「本当!? 良かったわ! ありがとう!」

美桜が喜んで言うと、雫がありがとうございますと言う。

「今指示されました篁家に向かっております。 到着し次第ご家族を車に乗せてお送りします」

美桜は分かったわと言う。そして、なるべく早く寝とも付け加えた。

「分かりました。 なるべく早めにお連れ致します」

そう言い雫との通話が終わった。美桜は明臣にそのうち篁家がここに来るわと言う。

「本当ですか!? 早く準備をしなくては!」

明臣が慌てて準備に取り掛かろうとすると、美桜が気になったことを聞こうとした。

「そう言えば、篁家って何人家族なの?」

美桜が気になっていたことを聞くと、明臣は父親と母親とマリアさんとで三人家族ですと美桜に言った。美桜は明臣からマリアの家族構成を聞き、三人家族ならどうにかなりそうだと考えた。美桜は明臣に考えていることを伝えた。すると明臣はそれはいい考えだと思いますがと言い、悩んでしまう。

「私が提案をしますが、マリアさんのご家族がそれを了承するかは分かりません」

明臣が悩んでいると、美桜はそれでも了承してもらわないと再度マリアさんは困ることになると続けていった。

「それは分かります。 しかし、美桜さんの提案の飲むかどうかは断言できません」

明臣が再度言うと、美桜は断言できなくても時が来た時に言ってもらうわと美桜は念を押した。

「そこまで言われたら賭けてみたくはなりますが、最善を尽くします」

明臣のその言葉を聞いた美桜は、それでいいわと言った。美桜は暫く待ちましょうと言って、明臣の部屋にある窓側に設置されている木で出来ている丸い椅子に座った。

「この椅子硬いわね……もっと良い椅子ないの?」

美桜がそう言うと、明臣がその椅子しかないですと返した。

「その椅子は、お父様が唯一私のために買ってくれたプレゼントなんです」

その言葉を聞いた美桜は、明臣も親に苦労をしているのねと感じるものがあった。
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