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第46話 美味しい料理

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出雲は部屋を出ていく美桜の背中を見て、美桜といると幸せだなと考えていた。

「あ、晩御飯出来ているんだった! 早く行かなきゃ!」

そう思い勢いよく部屋を出ると、扉の右横で美桜が顔を紅く染めて両手を両頬に当てていた。出雲は美桜を見ると、先に行ったんじゃないのと話しかけた。

「あ、いや……えっとね……ちょっと疲れちゃって!」

出雲はその言葉を聞いた美桜の額に自身の右手を当てた。すると一気に美桜の顔が紅く染まり、額が熱くなった。

「だ、大丈夫!? 凄い熱いよ!?」

出雲がそう言って美桜を心配すると、美桜は熱じゃないからと声をあげた。

「な、何でもないから! 出雲は気にしなくて大丈夫!」

そう言って美桜は出雲に食堂に行こうと言った。出雲はそうだねと言って横を歩こうとするも、美桜は出雲の一歩前を歩き続けた。

「美桜さーん? 歩くの早くない?」

出雲がそう聞くも、美桜はいいのと言って聞かなかった。そのまま食堂に入ると、雫や使用人達が座って待っていた。雫は美桜の顔を見ると、顔が紅いですよと話しかける。すると美桜はいいからと言って自分の席に座った。

「何があったんだろう? 美桜はまだ顔紅いや」

出雲は美桜の顔を見ると、先ほどよりは紅くないがまだ少し紅いのでどうしたんだろうと未だに理解が出来なかった。

「さて、出雲も戻ってきたので今日の晩ご飯は豪華にしてみました!」

美桜がそう言うと、使用人の人達が刺身や寿司を持ってきた。出雲はその寿司を見ると、こんなの食べたことがないと言って目を輝かせる。寿司と刺身を見て出雲は身を乗り出して料理を見る。その料理はネタが様々でありマグロやサーモンウニにイクラなどがある。刺身ではサバやイカ、マグロにサーモンとネタは被っているものもあるがそれでも美味しそうである。

「寿司とか刺身って食べたことがなくて、凄い美味しそう!」

言うもが目を輝かせていると、美桜が初めてなのねと呟いていた。そして、雫が今日の料理は美桜と使用人たちが作ったと言う。それを聞いた出雲は美桜にマジでと言ってありがとうと笑顔で言った。

「そ、そこまで感謝しなくても、出雲が頑張ったからご褒美で教えてもらいながら作ったの」

美桜が頬を掻きながら照れていると、割り箸を使用して出雲はサーモンの寿司から食べ始めた。割り箸で掴んで小皿に注いでいる醤油につけて一口で食べる。出雲はサーモンの寿司を噛んでいくと、口の中に広がるサーモンの脂の味と風味が広がって頬が蕩けるくらいに美味しかった。

「凄い美味しい! 寿司って美味しい!」

出雲が喜んで寿司と刺身を食べていると、美桜がウニも食べてと出雲に食べさそうとする。

「ほら、口開けて」

美桜はそう言って出雲の横に移動をして、割り箸で掴んだウニを出雲の口の前に持ってきた。出雲は一瞬躊躇をするも、せっかく美桜に食べさせてもらえるからと口を開けた。

「あーん」

出雲が口を大きく開くと、美桜は掴んでいるウニを出雲の口の中に入れた。口の中に入ったウニの寿司は、新鮮な海の匂いと共に溶けるように消えていく。そのウニを食べた出雲は美味しすぎるとウニもう一個と美桜に言う。

「そんなにウニが気に入ったの? まだあるから食べて!」

美桜が再度割り箸でウニを掴むと出雲に食べさせる。出雲は両手を両頬に当てて美味しすぎると感動をしていた。

「ここまで美味しい料理があるなんて知らなかった!」

出雲は美桜にもマグロを食べてと言って自身の割り箸で掴んで、横にいる美桜の口の前に持ってくる。美桜は出雲にありがとうと言って口を開けてマグロを食べた。

「出雲が食べさせてくれるから美味しいわ」

美桜が喜ぶと、雫がサーモンを下さいと出雲に言った。出雲は了解と言ってサーモンを割り箸で掴んで雫の横に移動をして食べさせる。

「いつも食べるのより美味しいですね」

もぐもぐと口を動かして食べていると、使用人達も食べ進めていく。出雲達も途中から談笑しながら食事を進めていくと、寿司や刺身がほぼなくなりつつあった。

「結構食べましたね。 十人前はあったはずですけど」

意外と減るスピードが速いことに驚いていた雫は、出雲にお腹いっぱいになったか聞いた。

「なりました! こんなに寿司を食べたのは初めてです!」

出雲のその言葉を聞いた美桜と雫は、良かったと笑顔でいた。
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