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第43話 試験後
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「それもそうだね。 だけどやっぱり緊張するよ。 昨日の今日ってなると何だかね……」
出雲がそう言葉を発すると椿が男でしょと言い、もっと自分のやったことに自身を持ちなさいと言ってくれた。
「ありがとう。 そう言ってくれて嬉しいよ」
笑顔で出雲が返すと椿は何度も笑顔で頷いていた。すると、試験官がもう質問はないですねと言って試験が終了した。席順の前から順々に退出していくことと言われた出雲達受験者は、順番に退出していく。出雲と椿の番になるとゆっくり立ち上がり、流れに任せて会場を後にした。
会場を出ると、受験者達は笑顔でいたり落ち込んでいたり様々な受験者達で駅周辺が溢れ返っていた。出雲と椿は笑顔で笑いながら駅に向かって歩いていた。
「試験お疲れ様! 色々不安とか危険とか沢山あったけど、今は出雲と試験中過ごせてよかった!」
椿は笑顔で出雲に楽しかったと言うと、出雲も楽しかったと返した。
「俺も一緒に試験受けられて楽しかったし、色々助けてらもって嬉しかった! ありがとう!」
そう感謝の言葉を言うと、椿は顔を紅く染めてこちらこそよと呟いていた。
「あ、そうだ! 連絡先交換しよう!」
椿が不意に出雲の右腕を掴んでスマートフォンを取り出した。出雲は突然連絡先を交換しようと言われて驚いていた。
「いや?」
目を潤ませながら出雲を下から椿が見上げると、出雲はそれに負けて交換をしようと言いながら鞄からスマートフォンを取り出した。
「はい俺のスマートフォン!」
出雲が椿に自身のスマートフォンを見せると、椿が出雲は最新機種使ているんだねと言いながら電話番号とメールアドレスを登録していく。椿は素早く出雲のスマートフォンに自身の連絡先を登録すると、出雲にスマートフォンを返した。
「もう登録したの!? 早い!」
出雲が驚いていると椿は当然よと言って胸を張った。出雲は新たな連絡先が登録されたことが嬉しいと思っていた。
「てか、全然連絡先登録されてなかったね! 女性が二人だけだったね」
出雲のスマートフォンに登録されている人を見た椿は、ジト目で出雲を見始める。出雲はその視線に気がつくも、たまたまだよと言って話を終わらそうとする。
「それに、このスマートフォンも美桜に買ってもらったから最新機種だとも知らなかったよ」
出雲の言葉を聞いた椿は、美桜って人におんぶにだっこで暮らしてるのかと顔を引きつらせていた。
「出雲ってヒモなの!?」
そう言いながら出雲の両肩を掴んで揺らす椿であるが、出雲はヒモじゃないわと即否定した。
「美桜が好意で家に住まわせてくれたり、色々家具や必需品を買ってくれてるの!」
そういう出雲に、本当かなと言いながらジト目をする椿。出雲はさらに説明をしていくことにした。
「俺は両親に捨てられて一人で家もなく彷徨っていたんだ。 当てもなく町を歩いていて一人で河川敷で暮らしていたら美桜に出会ったんだ」
異世界のことや美桜と出会ったことの詳しいことを言わずに、出雲は美桜に出会ったことを言う。それを聞いた椿は親が出雲を捨てたことについて怒っていた。
「子供を捨てるなんて酷い! 何を考えたらそうなるのよ!」
頬を膨らませて出雲の代わりに怒ってくれていた。出雲は何で椿がそこまでしてくれるのか不思議に感じていた。
「そこまで椿が怒らなくてもいいよ。 代わりに怒ってくれてありがとう!」
そう出雲が言うと、椿が怒らなすぎよと出雲を指さす。
「そうだけど、今は美桜や椿と出会えたしもうあの両親とは関係がないからさ」
出雲は辛いことを経験しているんだと椿は思い、自身も出雲の支えになることは出来ないかと考えるも、上手い答えが見つからない。椿は唸りつつも、出雲の眼を見て私がと言う。
「何? 何か言った?」
出雲も椿の目を見て言うと、椿が私がと再度口を開く。
出雲がそう言葉を発すると椿が男でしょと言い、もっと自分のやったことに自身を持ちなさいと言ってくれた。
「ありがとう。 そう言ってくれて嬉しいよ」
笑顔で出雲が返すと椿は何度も笑顔で頷いていた。すると、試験官がもう質問はないですねと言って試験が終了した。席順の前から順々に退出していくことと言われた出雲達受験者は、順番に退出していく。出雲と椿の番になるとゆっくり立ち上がり、流れに任せて会場を後にした。
会場を出ると、受験者達は笑顔でいたり落ち込んでいたり様々な受験者達で駅周辺が溢れ返っていた。出雲と椿は笑顔で笑いながら駅に向かって歩いていた。
「試験お疲れ様! 色々不安とか危険とか沢山あったけど、今は出雲と試験中過ごせてよかった!」
椿は笑顔で出雲に楽しかったと言うと、出雲も楽しかったと返した。
「俺も一緒に試験受けられて楽しかったし、色々助けてらもって嬉しかった! ありがとう!」
そう感謝の言葉を言うと、椿は顔を紅く染めてこちらこそよと呟いていた。
「あ、そうだ! 連絡先交換しよう!」
椿が不意に出雲の右腕を掴んでスマートフォンを取り出した。出雲は突然連絡先を交換しようと言われて驚いていた。
「いや?」
目を潤ませながら出雲を下から椿が見上げると、出雲はそれに負けて交換をしようと言いながら鞄からスマートフォンを取り出した。
「はい俺のスマートフォン!」
出雲が椿に自身のスマートフォンを見せると、椿が出雲は最新機種使ているんだねと言いながら電話番号とメールアドレスを登録していく。椿は素早く出雲のスマートフォンに自身の連絡先を登録すると、出雲にスマートフォンを返した。
「もう登録したの!? 早い!」
出雲が驚いていると椿は当然よと言って胸を張った。出雲は新たな連絡先が登録されたことが嬉しいと思っていた。
「てか、全然連絡先登録されてなかったね! 女性が二人だけだったね」
出雲のスマートフォンに登録されている人を見た椿は、ジト目で出雲を見始める。出雲はその視線に気がつくも、たまたまだよと言って話を終わらそうとする。
「それに、このスマートフォンも美桜に買ってもらったから最新機種だとも知らなかったよ」
出雲の言葉を聞いた椿は、美桜って人におんぶにだっこで暮らしてるのかと顔を引きつらせていた。
「出雲ってヒモなの!?」
そう言いながら出雲の両肩を掴んで揺らす椿であるが、出雲はヒモじゃないわと即否定した。
「美桜が好意で家に住まわせてくれたり、色々家具や必需品を買ってくれてるの!」
そういう出雲に、本当かなと言いながらジト目をする椿。出雲はさらに説明をしていくことにした。
「俺は両親に捨てられて一人で家もなく彷徨っていたんだ。 当てもなく町を歩いていて一人で河川敷で暮らしていたら美桜に出会ったんだ」
異世界のことや美桜と出会ったことの詳しいことを言わずに、出雲は美桜に出会ったことを言う。それを聞いた椿は親が出雲を捨てたことについて怒っていた。
「子供を捨てるなんて酷い! 何を考えたらそうなるのよ!」
頬を膨らませて出雲の代わりに怒ってくれていた。出雲は何で椿がそこまでしてくれるのか不思議に感じていた。
「そこまで椿が怒らなくてもいいよ。 代わりに怒ってくれてありがとう!」
そう出雲が言うと、椿が怒らなすぎよと出雲を指さす。
「そうだけど、今は美桜や椿と出会えたしもうあの両親とは関係がないからさ」
出雲は辛いことを経験しているんだと椿は思い、自身も出雲の支えになることは出来ないかと考えるも、上手い答えが見つからない。椿は唸りつつも、出雲の眼を見て私がと言う。
「何? 何か言った?」
出雲も椿の目を見て言うと、椿が私がと再度口を開く。
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