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第42話 試験終了

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出雲はその鞘の場所まで歩いて行き、手に持っている不思議な剣をその鞘に納めた。すると、その洞窟に優しい心に響く声色でその剣は貴方を守る剣となりますと言っていた。

「俺を守る剣? 持ってていいの?」

出雲がそう言うと、言葉が掻き消えながら持っていてと優しい声で喋るとその声は聞こえなくなった。

「持ってていいみたい……とりあえず持って帰るよ」

出雲がそう言うと、椿が時間がと声をあげた。

「ど、どうしたの!? 時間がどうしたの!?」

出雲が椿に詰め寄ると、椿が十七時三十分になってると冷や汗を掻きながら出雲に言う。

「三十分過ぎてる!? 試験はどうなったの!?」

出雲も焦り始めると、この洞窟の扉が開いた。そこには来栖朧と試験官が二人いた。その三人は出雲と椿を見つけると安心したような顔をし始めた。

「やっと見つけた! 二人とも無事か!?」

出雲と椿に来栖が駆け寄って話しかけると、二人は無事ですと返答した。

「試験が終わった時に行われる転移に応じなかったから、何かがあったかと心配だったよ!」

来栖が出雲と椿を抱きしめると、二人は泣いてしまった。来栖は出雲の持っている剣に気がつくと、その剣はどうしたのと聞いた。出雲は正直に言えばいいのかと思ったがどうしてか秘密にした方がいいと思い、落ちてたから拾って使っていましたと言った。

「そうか。 それは我々のではないから君が使っていていいよ」

そう来栖に言われた出雲は、ありがとうございますと言った。そして、来栖によって出雲と椿は試験会場に転移で移動してもらった。眩い光が収まると、そこには試験の説明があった会場であった。

「戻ってこれた……やっと終わったんだ……」

出雲が背後にあった椅子に座ると、椿が出雲に抱き着いてきた。

「ありがとう! 出雲のおかげで試験を乗り切れた! 本当にありがとう!」

椿が出雲に抱き着いている姿を見ているその会場にいる受験者達を含めた全員が、お熱いことでと呆れていた。

「まだ試験は終わってはないから、席に座ってね」

若い女性の試験官が出雲と椿に話しかけると、二人はすみませんと言って席に座った。

「さて、これで全員が揃いました。 お待たせしましたがこれで試験は終わりです。 どこを見られていたと初めから考えていたと思います」

そう説明をしていく試験官の男性は、舞台にある巨大なスクリーンを起動させた。そこには出雲達がいた場所が鮮明に映し出されていた。

「私達はこのスクリーンで受験者一人一人の行動を確認していました。 もし危険が迫っていれば救い出して、その受験者の試験はそこで終わりです。 何人かの受験者の人は救い出されて待機してもらっていました」

そう説明をされた出雲は、そういうことだったのかと納得していた。そして、試験官の人が面接試験はなく、受験者一人一人の状況判断や協調性、リーダー性など多くのことを確認し、基準を超えた人を合格としますと言う。

出雲はその説明を聞くと、俺は大丈夫だったかなと不安になっていた。ちゃんと協調性があったか、リーダーシップがあったか思い返すも自身ではわからなかった。椿は出雲とは違ってちゃんとやれてたかもとガッツポーズをしていた。

「さて、説明は以上となります。 何か質問がある方はいますか?」

試験官の人がそう言うと、一人の受験者の男子受験者が手をあげた。

「では、手をあげた真ん中の席の人どうぞ」

そう言われて手をあげた男子受験者が立ち上がる。

「ありがとうございます! 一つ質問なのですが、合格通知はいつまでに届くのでしょうか?」

その質問を受けた試験官の人はありがとうございますと言って質問に答える。

「今の質問ですが、明日の夜までに合格した方のみに合格通知書と入学案内書野二点を発送いたします」

そう聞いた受験者達は驚きの表情を浮かべた。出雲と椿も例外ではなく、明日の夜には決まっているのかと驚いていた。

「明日!? マジか……早すぎないか……」

出雲が落ち込んでいると、椿が出雲の肩を叩いてむしろいいのかもよと言う。

「どうして?」

そう聞く出雲に椿が、早く届いた方が気持ち的に楽よと笑顔で言ってきた。
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