42 / 120
第42話 試験終了
しおりを挟む
出雲はその鞘の場所まで歩いて行き、手に持っている不思議な剣をその鞘に納めた。すると、その洞窟に優しい心に響く声色でその剣は貴方を守る剣となりますと言っていた。
「俺を守る剣? 持ってていいの?」
出雲がそう言うと、言葉が掻き消えながら持っていてと優しい声で喋るとその声は聞こえなくなった。
「持ってていいみたい……とりあえず持って帰るよ」
出雲がそう言うと、椿が時間がと声をあげた。
「ど、どうしたの!? 時間がどうしたの!?」
出雲が椿に詰め寄ると、椿が十七時三十分になってると冷や汗を掻きながら出雲に言う。
「三十分過ぎてる!? 試験はどうなったの!?」
出雲も焦り始めると、この洞窟の扉が開いた。そこには来栖朧と試験官が二人いた。その三人は出雲と椿を見つけると安心したような顔をし始めた。
「やっと見つけた! 二人とも無事か!?」
出雲と椿に来栖が駆け寄って話しかけると、二人は無事ですと返答した。
「試験が終わった時に行われる転移に応じなかったから、何かがあったかと心配だったよ!」
来栖が出雲と椿を抱きしめると、二人は泣いてしまった。来栖は出雲の持っている剣に気がつくと、その剣はどうしたのと聞いた。出雲は正直に言えばいいのかと思ったがどうしてか秘密にした方がいいと思い、落ちてたから拾って使っていましたと言った。
「そうか。 それは我々のではないから君が使っていていいよ」
そう来栖に言われた出雲は、ありがとうございますと言った。そして、来栖によって出雲と椿は試験会場に転移で移動してもらった。眩い光が収まると、そこには試験の説明があった会場であった。
「戻ってこれた……やっと終わったんだ……」
出雲が背後にあった椅子に座ると、椿が出雲に抱き着いてきた。
「ありがとう! 出雲のおかげで試験を乗り切れた! 本当にありがとう!」
椿が出雲に抱き着いている姿を見ているその会場にいる受験者達を含めた全員が、お熱いことでと呆れていた。
「まだ試験は終わってはないから、席に座ってね」
若い女性の試験官が出雲と椿に話しかけると、二人はすみませんと言って席に座った。
「さて、これで全員が揃いました。 お待たせしましたがこれで試験は終わりです。 どこを見られていたと初めから考えていたと思います」
そう説明をしていく試験官の男性は、舞台にある巨大なスクリーンを起動させた。そこには出雲達がいた場所が鮮明に映し出されていた。
「私達はこのスクリーンで受験者一人一人の行動を確認していました。 もし危険が迫っていれば救い出して、その受験者の試験はそこで終わりです。 何人かの受験者の人は救い出されて待機してもらっていました」
そう説明をされた出雲は、そういうことだったのかと納得していた。そして、試験官の人が面接試験はなく、受験者一人一人の状況判断や協調性、リーダー性など多くのことを確認し、基準を超えた人を合格としますと言う。
出雲はその説明を聞くと、俺は大丈夫だったかなと不安になっていた。ちゃんと協調性があったか、リーダーシップがあったか思い返すも自身ではわからなかった。椿は出雲とは違ってちゃんとやれてたかもとガッツポーズをしていた。
「さて、説明は以上となります。 何か質問がある方はいますか?」
試験官の人がそう言うと、一人の受験者の男子受験者が手をあげた。
「では、手をあげた真ん中の席の人どうぞ」
そう言われて手をあげた男子受験者が立ち上がる。
「ありがとうございます! 一つ質問なのですが、合格通知はいつまでに届くのでしょうか?」
その質問を受けた試験官の人はありがとうございますと言って質問に答える。
「今の質問ですが、明日の夜までに合格した方のみに合格通知書と入学案内書野二点を発送いたします」
そう聞いた受験者達は驚きの表情を浮かべた。出雲と椿も例外ではなく、明日の夜には決まっているのかと驚いていた。
「明日!? マジか……早すぎないか……」
出雲が落ち込んでいると、椿が出雲の肩を叩いてむしろいいのかもよと言う。
「どうして?」
そう聞く出雲に椿が、早く届いた方が気持ち的に楽よと笑顔で言ってきた。
「俺を守る剣? 持ってていいの?」
出雲がそう言うと、言葉が掻き消えながら持っていてと優しい声で喋るとその声は聞こえなくなった。
「持ってていいみたい……とりあえず持って帰るよ」
出雲がそう言うと、椿が時間がと声をあげた。
「ど、どうしたの!? 時間がどうしたの!?」
出雲が椿に詰め寄ると、椿が十七時三十分になってると冷や汗を掻きながら出雲に言う。
「三十分過ぎてる!? 試験はどうなったの!?」
出雲も焦り始めると、この洞窟の扉が開いた。そこには来栖朧と試験官が二人いた。その三人は出雲と椿を見つけると安心したような顔をし始めた。
「やっと見つけた! 二人とも無事か!?」
出雲と椿に来栖が駆け寄って話しかけると、二人は無事ですと返答した。
「試験が終わった時に行われる転移に応じなかったから、何かがあったかと心配だったよ!」
来栖が出雲と椿を抱きしめると、二人は泣いてしまった。来栖は出雲の持っている剣に気がつくと、その剣はどうしたのと聞いた。出雲は正直に言えばいいのかと思ったがどうしてか秘密にした方がいいと思い、落ちてたから拾って使っていましたと言った。
「そうか。 それは我々のではないから君が使っていていいよ」
そう来栖に言われた出雲は、ありがとうございますと言った。そして、来栖によって出雲と椿は試験会場に転移で移動してもらった。眩い光が収まると、そこには試験の説明があった会場であった。
「戻ってこれた……やっと終わったんだ……」
出雲が背後にあった椅子に座ると、椿が出雲に抱き着いてきた。
「ありがとう! 出雲のおかげで試験を乗り切れた! 本当にありがとう!」
椿が出雲に抱き着いている姿を見ているその会場にいる受験者達を含めた全員が、お熱いことでと呆れていた。
「まだ試験は終わってはないから、席に座ってね」
若い女性の試験官が出雲と椿に話しかけると、二人はすみませんと言って席に座った。
「さて、これで全員が揃いました。 お待たせしましたがこれで試験は終わりです。 どこを見られていたと初めから考えていたと思います」
そう説明をしていく試験官の男性は、舞台にある巨大なスクリーンを起動させた。そこには出雲達がいた場所が鮮明に映し出されていた。
「私達はこのスクリーンで受験者一人一人の行動を確認していました。 もし危険が迫っていれば救い出して、その受験者の試験はそこで終わりです。 何人かの受験者の人は救い出されて待機してもらっていました」
そう説明をされた出雲は、そういうことだったのかと納得していた。そして、試験官の人が面接試験はなく、受験者一人一人の状況判断や協調性、リーダー性など多くのことを確認し、基準を超えた人を合格としますと言う。
出雲はその説明を聞くと、俺は大丈夫だったかなと不安になっていた。ちゃんと協調性があったか、リーダーシップがあったか思い返すも自身ではわからなかった。椿は出雲とは違ってちゃんとやれてたかもとガッツポーズをしていた。
「さて、説明は以上となります。 何か質問がある方はいますか?」
試験官の人がそう言うと、一人の受験者の男子受験者が手をあげた。
「では、手をあげた真ん中の席の人どうぞ」
そう言われて手をあげた男子受験者が立ち上がる。
「ありがとうございます! 一つ質問なのですが、合格通知はいつまでに届くのでしょうか?」
その質問を受けた試験官の人はありがとうございますと言って質問に答える。
「今の質問ですが、明日の夜までに合格した方のみに合格通知書と入学案内書野二点を発送いたします」
そう聞いた受験者達は驚きの表情を浮かべた。出雲と椿も例外ではなく、明日の夜には決まっているのかと驚いていた。
「明日!? マジか……早すぎないか……」
出雲が落ち込んでいると、椿が出雲の肩を叩いてむしろいいのかもよと言う。
「どうして?」
そう聞く出雲に椿が、早く届いた方が気持ち的に楽よと笑顔で言ってきた。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐@書籍発売中
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる