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第34話 受験という名の試練の始まり

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「確かに俺もこの試験のこと色々知ってる椿といた方が安心する!」

一緒にいると安心すると言われた椿はそんなことすぐ言わないのと出雲を怒る。出雲はごめんと言って椿にとりあえず移動をしようと提案した。

「そうね。 時刻は今現在八時二十分だから、終了時刻までかなり時間あるから気を付けていきましょう! 何が加点で何が減点か分からないから」

椿と共に草原を歩く出雲に加点のことを言うと、出雲は多分どこからか試験官達が監視して採点をしているんだろうとと言う。椿はそうねと言って、気を付けて行きましょうと右腕を宙に上げた。

「とりあえずこの草原を歩いてみようか。 何かあるかもしれないし」

そう出雲が言うと、椿もそれに賛同する。何がこの試験の目的か分からないし、何が起きるかもわからない。出雲は警戒をして動くことに決めた。すると、終わりが見えない草原の先から爆発音が聞こえた。

「今爆発音が!? 行ってみよう!」

出雲がそう椿に言うと、椿が行こうと返す。出雲と椿が走って爆発音がした場所に行くと、三人の受験者が魔狼に襲われていた。三人のうちの一人の男子受験生が右腕から血を流して痛そうに顔を歪めていた。

「痛い痛い痛い……こんな試験なんて聞いていないぞ!」

痛がる男子生徒は叫び声をあげてその場から走って逃げる。その男子生徒と一緒にいた男子と女子は待ってと逃げた男子生徒を追って走って逃げる。出雲と椿は助けようといたが、三人組が逃げてしまったので魔狼と戦うしかなくなってしまった。

「気を付けろ! 一体だけど魔狼は強い!」

出雲は態勢を整えて魔法を放とうとする。椿はどこかに武器はないかと周囲を見渡すが、どこにいも武器はなく仕方なく魔法で対抗をしようとする。

「武器がどこにもないわ!」

椿が魔法の詠唱を始めると、出雲も光弾を放とうと狙いを定める。椿は援護してと出雲に言いながら魔狼と距離を取る。

「分かった! こっちだ魔狼!」

出雲は光弾を数発放って魔狼の注意を自身に向ける。魔狼は出雲が初めて会った時と同じ毛を尖らせて突進をしてこようとする。出雲はこちらに来た時とは身体が違うので、バックステップで軽く避ける。そして、態勢が崩れた魔狼に近くから光弾を打ち込んだ。

「よし! 当たった! 椿!」

出雲がそう言うと、分かったるわよと叫んで真空の刃を掌から発生させて魔狼の胴体を切断した。椿は当たったと喜び、出雲に大丈夫と駆け寄って聞いてくる。

「うん! ありがとう、大丈夫! 椿は風属性なんだ!」

出雲がそう聞くと、椿が出雲の方こそ光属性なんて珍しいわと驚いていた。

「たまたまだよ。 光属性だけどまだあまり魔法使えないから……」

頬を掻きながら言うと、椿がお互いに気を付けて試験を乗り切りましょうと言う。出雲はとりあえず逃げた男子がいる方向に走っていこうと言い、椿と共に先を急いだ。出雲と椿が走り出してから五分後、草原に似合わない巨大な高さ三メートル横幅五メートル程の巨大な岩があった。出雲達はそこに先ほどの男子グループがいるだろうと思い、覗き込んだ。すると、岩陰に腕に怪我をした男子とそれを心配そうにしている女子と周囲を警戒している男子を発見した。

「だ、大丈夫!? 俺に見せて!」

出雲がそう言うと、怪我をしている男子が治療できるのかと聞いてきた。出雲は回復魔法を教わったと言う。その言葉を聞いた椿を含むその場にいる全員が本当かよと驚いていた。

「回復魔法はかなり難しくて使用者が極端に少ないんだぞ! その魔法を扱えるわけないだろ!」

一人の男子が出雲にそう言うと、出雲が教わったから俺が治すからと言って怪我をした男子の右腕に手を当てて、美桜に言われたことを思い出して魔力を込めて傷口の治療に当たった。

「俺はただ救いたいんだ! 治療の痛みが出るかもしれないから抑えてて!」

出雲の声を聞いた椿達は、怪我を負っている男子の左腕や両足を抑える。そして、出雲は回復魔法を始めた。緻密な魔力操作を行い、男子の魔力の方に合うように自身の魔力を合わせる。

「うぎぎぎぎぎ! 必ず魔力を合わせて回復させる!」

出雲は魔力の濃さを徐々に強めていくと、男性の腕に緑色の膜のようなものが現れた。それをみた椿は回復魔法だと呟いた。
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