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第12話 小悪魔という恐怖

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出雲はそのまま寝てしまい、朝まで起きることはなかった。出雲は夢の中で闇の空間を走っていたが、走り続けることで次第に微かな光が自身を照らしていることに気がついた。

あがいてあがいてあがき続けて、腕を放り出したり足をバタつかせながら走り続けると、その微かな光が出雲全体を照らし始める。出雲は一瞬眩しいと思い、右手で自身の目を覆うと微かな光から眩い大きな光となり、出雲の姿が見えないほどに強い光となった。

そして、出雲は光の先にいる美桜を抱きしめて、ただいまと言った。出雲は抱きしめながら泣き続けて、俺は君を守れたかなと言っていた。すると、美桜も泣き始めてちゃんと守ってもらったと言った。美桜が守ってもらったといた瞬間に、出雲は目覚めた。

「俺……なんて夢見てるんだ……守るか……」

出雲は起き上がると、どうしてベットにいるんだと不思議に思っていた。数秒考えると昨晩に美桜に泣きながら抱き着いて寝てしまったんだと思い出した。出雲は泣いて寝ちゃうなんてなと思いながらベットから出ようと右手を自身の横に置くと、柔らかさを感じた。

「こんなに柔らかいのってベットにあたっけ?」

出雲が右手で掴んだものを揉んでみることにした。それはマシュマロのように柔らかく、何度も揉んでいて飽きることはなかった。揉み始めて数分が経過すると、いつまで揉んでいるのと美桜の声が右手の下から聞こえた。

「み、美桜!? なんで美桜がここに!?」

出雲がそう叫ぶと、美桜が出雲が寝ちゃったからベットに一緒に寝てたのと言った。

「そ、そうなんだ! ありがとう!」

出雲は満面の笑みで言うが、その場から動こうとはしなかった。しかも、右手は尚も動き続けて、美桜の胸の感触を味わい続けていた。

「いつまで揉んでるつもり?」

美桜が少し強い口調で出雲に言うと、出雲はごめんと言って右手を離した。そして、出雲が先にベットから出ると美桜も身体を起こして髪を触っていた。

「お、怒ってる?」

出雲はベットの側に正座して美桜に聞いてみることにした。すると、美桜は髪を尚も触りながら別にと言っていた。髪を触ると美桜の髪から良い匂いが出雲の鼻を刺激して美桜は良い匂いがすると思わせる。

「男の子だし? 女の子と全く接していないのは知ってるし? 辛い思いをしてきたのは知ってるから、別に触ってもいいけど?」

美桜は出雲を睨みつけながら言うと、出雲はごめんなさいと土下座をした。その土下座を見た美桜は、もういいよと許した。

「ありがとう! もうしないように気を付ける!」

そう言い出雲は顔を上げて立ち上がると、美桜がそろそろ朝食を食べましょうと言う。出雲はお腹が空いて鳴っていた。

「美桜の家の料理美味しいから沢山食べたい!」

出雲がそう言うと、美桜が有名な料理人の人が作ってるからねと言う。

「そんなに凄い人が作っているんだ! それは美味しいはずだ!」

出雲は朝食は何かなとウキウキしていると、昨晩夕食を食べた食堂に辿り着いた。美桜から先に入ると、雫がおはようございますと美桜を見た瞬間言う。出雲にはおはようと言い、朝食が出来てますよと言う。

「朝食! お腹空いて倒れそうだよ!」

出雲は自身のお腹を擦りながら昨晩座った席に着く。美桜や雫、使用人たちも席に座りって朝食が始まった。

「あ、今日は白米に目玉焼きにウィンナーと味噌汁! 凄い! 憧れてた朝食だ!」

出雲が喜んでいると、美桜が多分憧れてたと思うから頼んだのと言う。出雲は美桜の方向を向いてありがとうと涙目で言う。

「出雲に喜んでほしかったからね! 胸揉まれたけど」

雫に聞こえるように胸揉まれたけどと言う美桜。その胸を揉まれたと言う言葉を聞いたし雫は、何をしたんですかと出雲に声を上げた。

「い、いや、俺は何も!」

そう言う出雲に雫は胸を揉まれたと美桜様が言ってますよと言う。出雲は起きたら横に美桜が寝ていて間違えて胸を揉んじゃったんだと返した。

「間違えてですって!? 絶対揉みまくりましたよね!」

雫が決めつけて言うと、出雲はそこまでは揉んでないと言う。

「そこまではって! 何回かは揉んだんですね!」

そう雫が机を回って出雲の側に行くと、出雲の横にいる美桜が五回程度ねと小悪魔に見える笑顔で雫に耳打ちをした。
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