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一番可愛いあなたへ 1
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目の前で、フリルが揺れる。カチューシャもしていない赤茶はふわっと浮いて、垂れ目が優しく緩んだ。暖かな日差しが彼に当たって、透き通るような白肌が輝いていた。五穀米にチキンステーキ、色鮮やかなサラダと一皿で完成された食事は、黒い詰め襟のメイド服と合っていて、本職のそれと何ら遜色がなかった。
「おはよう、ご主人クン。めいくん特製ランチプレートだよ」
自分の感情に気付いてから、これが不法侵入であるとか、お願いも予定も立てていないとか、そういう常識外れな部分はどうでもよくなっていた。めいくんが俺のためにしてくれることが嬉しい、それですべて思考が停止してしまう。
「寝起きでごめんね」
のっそりとベッドから起き上がる。昨日は金曜日だったが、ナースデーの片付けや簡易ミーティングがあったため帰りは別々だった。この土日は空虚な休みになりそうだと思っていたから、来てくれたこと自体は嬉しい。連絡ありの不法侵入なしだったら、出来る限りのもてなしをしていたところだろう。
めいくんはプレートをローテーブルに置いた後、俺の隣に腰掛けた。
「おれに気付かないくらいぐっすりだったね~。不用心で心配……」
俺の家に入ってくるのなんて、めいくんしかいないよ。
そう素直に伝えるのもどうなんだろうと思って黙った。自分の言葉で現状以下になってしまったらどうしよう、という不安が常に付きまとっている。
めいくんのことが、かけがえのない唯一の人間として、好き、かもしれない。
自分の感情に気付いてしまったせいで、俺は前よりもこの子への接し方が分からずにいた。
「でも、いっぱい寝れてるなら、……嬉しい」
頭をずいと差し出して、期待するように俺を見ていた。望まれるまま手を乗せて撫でれば、ん~、と目を瞑って俺の手の動きを感じようとしてくれている。
可愛い。
思わず手を止めて、顔を近付けた。その瞬間にぱっと瞼が開き、慌てて言い訳を探す。
「め、めいくんのおかげで、実感が沸くぐらい健康になったんだ。いつもありがとう」
「ふふん。おれ、偉い? 可愛い?」
早く言えと表情が訴えている。正当な理由を得られたと思うと、口はつい饒舌になってしまう。
「めいくんは偉くて、その、本当に可愛いよ! 撫でてるときの、めいくんが俺に身を委ねてるような動きも可愛いし、俺のためにご飯を作ってくれたところも可愛い。作ってくれたプレートも楽しみだな」
言い切ると同時に、ぱっとめいくんが俺から離れた。顔を愛おしく染めて、視線をさまよわせた後、スープもあるの、と消えていく。
めいくんはあんなに距離を詰めてくるのに、俺が褒めると照れて逃げてしまう。そういうギャップがいじらしくて、彼の悪い癖を帳消しにしてしまう。
恋をする自分はなんて馬鹿なんだろうと恥ずかしくなる。けれど、胸の落ち着かない感情のおかげで、彼の可愛いところの一つひとつを、取りこぼさないように見つけていける。それを拾い上げる瞬間だけは、間違いなく彼が好きだと気付けて良かったなと思う。
*
給湯室に入るとすぐに、周りの気配を探った。誰も来そうにないのを確認して、ロック画面を素早く解除する。動揺から何度か指が滑り、いつもより解除に時間が掛かった。
ここまで来れば、問題ない。一息ついてから、メッセージの返信を打つ。
『再来週、有くんの部屋に泊まってもいい?』
『いいよ。二人で来るの?』
夏休み期間だからか、すぐに既読がついた。
『ううん、私だけ。寿はバイトで忙しいから』
『分かった』
返事を送りながら、寿じゃないんだ、と違和感があった。何となく、こっちに遊びに来るのなら妹の福ではなく、弟の寿の方だと思い込んでいた。
何か引っかかるものがありながら、スマホの画面を落とす。シンクの上に置いてコーヒーを継ぎ足した。そのまま、めいくんに渡されたランチボックスを開く。
成人男性の持参したものとは思えない淡いピンクの中には、ハート型に切り抜かれた一口サンドイッチと、たこさんウインナーや花の形をした玉子焼きがふんわりと詰められている。頂点にハートが飾られているピックが刺してあるため、食べるのが簡単そうだった。
ご主人クンはお昼を食べ慣れてないみたいだし、少量かつ食事の手間が少ない、がコンセプトだよ!
今朝、そう言いながら手渡してくれた。食べるのが勿体ない位の出来に、どこから取るか悩んでしまう。
「綺麗に詰まってて、食べにくい……」
ランチボックスと向かい合って、声に出しながら悩んでいれば、どこからか返事が飛んできた。
「玉子焼きからがいいんじゃない?」
「確かに、……えっ!?」
「これって主藤さんの手作り? へえ、こんな特技があったんだ」
林さんが俺の横から身を乗り出して、ランチボックスを観察していた。俺が作りました、も、年下のメイドが不法侵入して持参してました、も言葉にしづらく、思わず言い淀む。
「それとも、恋人とか?」
「え、あ、いや、そういうのじゃないです!」
必死に否定しながら、胸が痛んだ。めいくんは決して恋人じゃない。俺に好意を持ってくれている、ような気がするけど実際そうなのか分からないし、あっちも俺のことを恋人のような甘い関係で見ていないとは思う。
誤魔化すようにピックを手にとって、躊躇いなく玉子焼きを口に入れた。甘めの味付けは俺の好みで、こんな状況なのに心が満たされる。
どうにか話題を変えようと決意したところで、置きっぱなしのスマホが光った。まずい、と思うよりも先に、願い通りロック画面に林さんの興味が移る。
引かれるかと身構えたが、おっ、と明るい音が上げた。
「主藤さん、弟さんの写真を待ち受けにしてるんだ」
「……弟?」
なにをどう見れば、そこに結びつくんだろう。
今のロック画面は彼の悪戯により、店でのメイド服のめいくんの自撮りになっている。比較的装飾が少ないのと画角のおかげで、一見してメイドの格好をしているとは判別しにくいのが幸いだった。
俺とめいくんは、顔の雰囲気が似てるなんてことは、まったくない。仮に寿と勘違いされていたとしても、一切似ていない。
画面は落ちたが、メッセージの通知を知らせるためにまたパッと明るくなった。
「ほら、飲み会の時に迎えに来てた弟さん。本当に綺麗だよね。前に聞いたときに否定したのって、もしかして芸能人だからだったりする?」
全然心当たりのない話だ。確かに、知らない人に弟だって言ったのは断片的に覚えてるし、休み明けにそれを聞いて恥じたもの忘れられずにいる。一方で、その人の顔とか、どんな話をしたのかとか、具体的なことはなにも覚えていない。
でも、あの日介抱してくれたのがめいくんなのだとしたら、以前お酒の話をされたのも説明がつく。店に連れ込まれる前から、めいくんが俺を知っているのなら……。
酔った俺が何かをして、それがめいくんの行動に関係がある?
「主藤さん?」
「あ、いや、えっと」
不思議そうな顔をしている林さんに、ありがとうございます、と言いたくなるのを必死に堪える。でも、口角が上向こうとするのを押さえられない。
「俺のことを気にかけてくれる、すごく可愛い子なんです」
「あ、やっぱりそうなんだ!」
給湯室の外から呼ばれ、また詳しく聞かせて、と林さんは去っていった。めいくんなら、おれのことを教えてあげたんだ、と言ってそうだなとすぐに想像出来た。
でも、少しだけ、不満がある。
めいくんは、俺の弟ではないし、弟には向けない特別な感情を持っている。
自分の気持ちに嘘をついたみたいで、胸の奥に言い得ぬ罪悪感があった。けれど、サンドイッチを食べれば、それも少しずつ薄れて、優越感に変わっていく。
俺とめいくんの関係を変えるヒントを得れた気がした。
「おはよう、ご主人クン。めいくん特製ランチプレートだよ」
自分の感情に気付いてから、これが不法侵入であるとか、お願いも予定も立てていないとか、そういう常識外れな部分はどうでもよくなっていた。めいくんが俺のためにしてくれることが嬉しい、それですべて思考が停止してしまう。
「寝起きでごめんね」
のっそりとベッドから起き上がる。昨日は金曜日だったが、ナースデーの片付けや簡易ミーティングがあったため帰りは別々だった。この土日は空虚な休みになりそうだと思っていたから、来てくれたこと自体は嬉しい。連絡ありの不法侵入なしだったら、出来る限りのもてなしをしていたところだろう。
めいくんはプレートをローテーブルに置いた後、俺の隣に腰掛けた。
「おれに気付かないくらいぐっすりだったね~。不用心で心配……」
俺の家に入ってくるのなんて、めいくんしかいないよ。
そう素直に伝えるのもどうなんだろうと思って黙った。自分の言葉で現状以下になってしまったらどうしよう、という不安が常に付きまとっている。
めいくんのことが、かけがえのない唯一の人間として、好き、かもしれない。
自分の感情に気付いてしまったせいで、俺は前よりもこの子への接し方が分からずにいた。
「でも、いっぱい寝れてるなら、……嬉しい」
頭をずいと差し出して、期待するように俺を見ていた。望まれるまま手を乗せて撫でれば、ん~、と目を瞑って俺の手の動きを感じようとしてくれている。
可愛い。
思わず手を止めて、顔を近付けた。その瞬間にぱっと瞼が開き、慌てて言い訳を探す。
「め、めいくんのおかげで、実感が沸くぐらい健康になったんだ。いつもありがとう」
「ふふん。おれ、偉い? 可愛い?」
早く言えと表情が訴えている。正当な理由を得られたと思うと、口はつい饒舌になってしまう。
「めいくんは偉くて、その、本当に可愛いよ! 撫でてるときの、めいくんが俺に身を委ねてるような動きも可愛いし、俺のためにご飯を作ってくれたところも可愛い。作ってくれたプレートも楽しみだな」
言い切ると同時に、ぱっとめいくんが俺から離れた。顔を愛おしく染めて、視線をさまよわせた後、スープもあるの、と消えていく。
めいくんはあんなに距離を詰めてくるのに、俺が褒めると照れて逃げてしまう。そういうギャップがいじらしくて、彼の悪い癖を帳消しにしてしまう。
恋をする自分はなんて馬鹿なんだろうと恥ずかしくなる。けれど、胸の落ち着かない感情のおかげで、彼の可愛いところの一つひとつを、取りこぼさないように見つけていける。それを拾い上げる瞬間だけは、間違いなく彼が好きだと気付けて良かったなと思う。
*
給湯室に入るとすぐに、周りの気配を探った。誰も来そうにないのを確認して、ロック画面を素早く解除する。動揺から何度か指が滑り、いつもより解除に時間が掛かった。
ここまで来れば、問題ない。一息ついてから、メッセージの返信を打つ。
『再来週、有くんの部屋に泊まってもいい?』
『いいよ。二人で来るの?』
夏休み期間だからか、すぐに既読がついた。
『ううん、私だけ。寿はバイトで忙しいから』
『分かった』
返事を送りながら、寿じゃないんだ、と違和感があった。何となく、こっちに遊びに来るのなら妹の福ではなく、弟の寿の方だと思い込んでいた。
何か引っかかるものがありながら、スマホの画面を落とす。シンクの上に置いてコーヒーを継ぎ足した。そのまま、めいくんに渡されたランチボックスを開く。
成人男性の持参したものとは思えない淡いピンクの中には、ハート型に切り抜かれた一口サンドイッチと、たこさんウインナーや花の形をした玉子焼きがふんわりと詰められている。頂点にハートが飾られているピックが刺してあるため、食べるのが簡単そうだった。
ご主人クンはお昼を食べ慣れてないみたいだし、少量かつ食事の手間が少ない、がコンセプトだよ!
今朝、そう言いながら手渡してくれた。食べるのが勿体ない位の出来に、どこから取るか悩んでしまう。
「綺麗に詰まってて、食べにくい……」
ランチボックスと向かい合って、声に出しながら悩んでいれば、どこからか返事が飛んできた。
「玉子焼きからがいいんじゃない?」
「確かに、……えっ!?」
「これって主藤さんの手作り? へえ、こんな特技があったんだ」
林さんが俺の横から身を乗り出して、ランチボックスを観察していた。俺が作りました、も、年下のメイドが不法侵入して持参してました、も言葉にしづらく、思わず言い淀む。
「それとも、恋人とか?」
「え、あ、いや、そういうのじゃないです!」
必死に否定しながら、胸が痛んだ。めいくんは決して恋人じゃない。俺に好意を持ってくれている、ような気がするけど実際そうなのか分からないし、あっちも俺のことを恋人のような甘い関係で見ていないとは思う。
誤魔化すようにピックを手にとって、躊躇いなく玉子焼きを口に入れた。甘めの味付けは俺の好みで、こんな状況なのに心が満たされる。
どうにか話題を変えようと決意したところで、置きっぱなしのスマホが光った。まずい、と思うよりも先に、願い通りロック画面に林さんの興味が移る。
引かれるかと身構えたが、おっ、と明るい音が上げた。
「主藤さん、弟さんの写真を待ち受けにしてるんだ」
「……弟?」
なにをどう見れば、そこに結びつくんだろう。
今のロック画面は彼の悪戯により、店でのメイド服のめいくんの自撮りになっている。比較的装飾が少ないのと画角のおかげで、一見してメイドの格好をしているとは判別しにくいのが幸いだった。
俺とめいくんは、顔の雰囲気が似てるなんてことは、まったくない。仮に寿と勘違いされていたとしても、一切似ていない。
画面は落ちたが、メッセージの通知を知らせるためにまたパッと明るくなった。
「ほら、飲み会の時に迎えに来てた弟さん。本当に綺麗だよね。前に聞いたときに否定したのって、もしかして芸能人だからだったりする?」
全然心当たりのない話だ。確かに、知らない人に弟だって言ったのは断片的に覚えてるし、休み明けにそれを聞いて恥じたもの忘れられずにいる。一方で、その人の顔とか、どんな話をしたのかとか、具体的なことはなにも覚えていない。
でも、あの日介抱してくれたのがめいくんなのだとしたら、以前お酒の話をされたのも説明がつく。店に連れ込まれる前から、めいくんが俺を知っているのなら……。
酔った俺が何かをして、それがめいくんの行動に関係がある?
「主藤さん?」
「あ、いや、えっと」
不思議そうな顔をしている林さんに、ありがとうございます、と言いたくなるのを必死に堪える。でも、口角が上向こうとするのを押さえられない。
「俺のことを気にかけてくれる、すごく可愛い子なんです」
「あ、やっぱりそうなんだ!」
給湯室の外から呼ばれ、また詳しく聞かせて、と林さんは去っていった。めいくんなら、おれのことを教えてあげたんだ、と言ってそうだなとすぐに想像出来た。
でも、少しだけ、不満がある。
めいくんは、俺の弟ではないし、弟には向けない特別な感情を持っている。
自分の気持ちに嘘をついたみたいで、胸の奥に言い得ぬ罪悪感があった。けれど、サンドイッチを食べれば、それも少しずつ薄れて、優越感に変わっていく。
俺とめいくんの関係を変えるヒントを得れた気がした。
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