235 / 248
第235話
しおりを挟む
十七階層から出現するモンスターとの戦闘も順調に進み、アルたちは二十階層のボス部屋の前までたどり着くと、今日は十七階層からダンジョン攻略を始めたこともあってか、並ばずに門を通ってボス部屋へと向かった。
「今回のボスはアイアンゴーレムだったみたいだな。」
二十階層のボスは他にもアシッドマイマイやローリングエスカルゴという見た目がカタツムリのモンスターが現れるが、今回のボスはアイアンゴーレムだった。
「纏っている魔力はレッサーキッズドラゴンと同じくらいだな。サフィ、一人でも倒せるか?」
『……問題、ない。』
「なら任せたぞ。ユキ、シェーレ。俺たちは取り巻きのゴーレムだ。数は多いけど、問題ないな!」
『無いです!』
『私もありません。』
「アイアンゴーレムたちも動き出したな。みんな、戦闘開始だ!」
『行くです!』『倒します!』『……倒す。』
向かって来るボスのアイアンゴーレムと取り巻きのゴーレム四体が、アルたちに向かって来る。
ボスを狙うのはサフィだ。
『……お前を……倒す。』
サフィは接近して来るアイアンゴーレムに水弾を一発放った。
『……転んだ……チャンス。』
放たれた水弾はアイアンゴーレムの纏う魔力を突破して、アイアンゴーレムの頭部に直撃するが、アイアンゴーレムの硬い鉄の身体を破壊することは出来なかったが、アイアンゴーレムを仰向けに転倒させることには成功した。
転倒したアイアンゴーレムが立ち上がろうとした時、そうはさせまいと、サフィは連続で同じ箇所に水弾を放ち続ける。
水弾をアイアンゴーレムの頭部な命中させ続けると、一発、二発と当て続けて行くと、発生したヒビは大きくなって行く。
『……これで……終わり。』
そして、とうとうアイアンゴーレムの頭部を破壊した。
アイアンゴーレムは頭部を失ったことで地面に転がりながらジタバタと暴れ始める。
ジタバタしているアイアンゴーレムの近くには誰も居ない為、暴れている影響は土煙りが立っているくらいだ。
『……む、当たらない。』
だが、サフィが何度か放つが、不規則に動くアイアンゴーレムに水弾は同じ箇所には命中はしなかった。
『……なら、これで……倒す。』
サフィから魔力が迸ると、細長い水龍が水魔法により作り出された。
サフィは水龍の中には入らずに操ると、ジタバタと暴れるアイアンゴーレムに巻き付いた。
暴れるアイアンゴーレムとサフィの水龍との攻防は、サフィの水龍が勝ち、水龍はミシミシと音を立てるアイアンゴーレムをそのまま破壊していく。
アイアンゴーレムの手足の関節を破壊して暴れられないようにすると、サフィは水龍をアイアンゴーレムの頭上に移動させて大きな水の塊に変えた。
そして、水の塊は少しずつゆっくりと圧縮されて大きさが小さく変わっていく。
『……これで……おしまい。』
バスケットボールより大きなサイズに変わった水の塊は、アイアンゴーレムの胴体に放たれた。
圧縮に時間を掛けた水弾の威力は高く、アイアンゴーレムの胴体は破壊されて灰の山に変わって行った。
『……倒した……でも、魔力……多く、使っちゃった。』
「おつかれ、サフィ。」
『……少し、疲れた……魔力の魔法薬、ちょうだい。』
「分かった。」
魔法の空間から魔力を回復させる魔法薬を取り出すと、サフィは器用に瓶の魔法薬を取り出して飲み干した。
『……回復、した。』
「ユキとシェーレもいるか?」
『ゴーレムを倒したくらいでいらないのです!』
『私もそこまで消耗はしていません。あるじ様、大丈夫ですよ。』
「そっか。なら、宝箱を開けて次の階層に向かおう。」
二十階層ボスのアイアンゴーレムと取り巻きのゴーレムから魔石とドロップアイテムを回収したアルたちは、ボス部屋の中央に出現した宝箱の元に向かった。
「今回のボスはアイアンゴーレムだったみたいだな。」
二十階層のボスは他にもアシッドマイマイやローリングエスカルゴという見た目がカタツムリのモンスターが現れるが、今回のボスはアイアンゴーレムだった。
「纏っている魔力はレッサーキッズドラゴンと同じくらいだな。サフィ、一人でも倒せるか?」
『……問題、ない。』
「なら任せたぞ。ユキ、シェーレ。俺たちは取り巻きのゴーレムだ。数は多いけど、問題ないな!」
『無いです!』
『私もありません。』
「アイアンゴーレムたちも動き出したな。みんな、戦闘開始だ!」
『行くです!』『倒します!』『……倒す。』
向かって来るボスのアイアンゴーレムと取り巻きのゴーレム四体が、アルたちに向かって来る。
ボスを狙うのはサフィだ。
『……お前を……倒す。』
サフィは接近して来るアイアンゴーレムに水弾を一発放った。
『……転んだ……チャンス。』
放たれた水弾はアイアンゴーレムの纏う魔力を突破して、アイアンゴーレムの頭部に直撃するが、アイアンゴーレムの硬い鉄の身体を破壊することは出来なかったが、アイアンゴーレムを仰向けに転倒させることには成功した。
転倒したアイアンゴーレムが立ち上がろうとした時、そうはさせまいと、サフィは連続で同じ箇所に水弾を放ち続ける。
水弾をアイアンゴーレムの頭部な命中させ続けると、一発、二発と当て続けて行くと、発生したヒビは大きくなって行く。
『……これで……終わり。』
そして、とうとうアイアンゴーレムの頭部を破壊した。
アイアンゴーレムは頭部を失ったことで地面に転がりながらジタバタと暴れ始める。
ジタバタしているアイアンゴーレムの近くには誰も居ない為、暴れている影響は土煙りが立っているくらいだ。
『……む、当たらない。』
だが、サフィが何度か放つが、不規則に動くアイアンゴーレムに水弾は同じ箇所には命中はしなかった。
『……なら、これで……倒す。』
サフィから魔力が迸ると、細長い水龍が水魔法により作り出された。
サフィは水龍の中には入らずに操ると、ジタバタと暴れるアイアンゴーレムに巻き付いた。
暴れるアイアンゴーレムとサフィの水龍との攻防は、サフィの水龍が勝ち、水龍はミシミシと音を立てるアイアンゴーレムをそのまま破壊していく。
アイアンゴーレムの手足の関節を破壊して暴れられないようにすると、サフィは水龍をアイアンゴーレムの頭上に移動させて大きな水の塊に変えた。
そして、水の塊は少しずつゆっくりと圧縮されて大きさが小さく変わっていく。
『……これで……おしまい。』
バスケットボールより大きなサイズに変わった水の塊は、アイアンゴーレムの胴体に放たれた。
圧縮に時間を掛けた水弾の威力は高く、アイアンゴーレムの胴体は破壊されて灰の山に変わって行った。
『……倒した……でも、魔力……多く、使っちゃった。』
「おつかれ、サフィ。」
『……少し、疲れた……魔力の魔法薬、ちょうだい。』
「分かった。」
魔法の空間から魔力を回復させる魔法薬を取り出すと、サフィは器用に瓶の魔法薬を取り出して飲み干した。
『……回復、した。』
「ユキとシェーレもいるか?」
『ゴーレムを倒したくらいでいらないのです!』
『私もそこまで消耗はしていません。あるじ様、大丈夫ですよ。』
「そっか。なら、宝箱を開けて次の階層に向かおう。」
二十階層ボスのアイアンゴーレムと取り巻きのゴーレムから魔石とドロップアイテムを回収したアルたちは、ボス部屋の中央に出現した宝箱の元に向かった。
44
お気に入りに追加
625
あなたにおすすめの小説
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる