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第170話
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宿に帰ると、宿のロビーでアランとジェイドが話をしているのが見えた。すると、二人もアルが宿に帰って来たのが見えたようだ。
「おーい!アル!話しようぜ!」
「そこまで大きな声を出すな、アラン。アルにも聞こえている。」
大きなアランの声がロビーに響き渡り、ジェイドにアランは注意されている。そんな声を聞きながら、アランに呼ばれたアルは二人の元に向かう。
「二人共、俺を呼んだけど、何かあったのか?」
「外に出てたみたいだからさ。どうしたのかと思って呼んだんだよ。」
「ああ、そう言うことか、大神殿まで観光に行っていたんだよ。」
二人から更に聞くと、アルが宿を出る少し後に二人は一度昼過ぎに宿に帰り、部屋を訪ねて一緒に王都の観光をしようと思っていたようだ。
それを聞いて一緒に観光をして、大神殿に付き合って貰っていたら迷惑を二人に掛けただろうと思う。
創造神が居たあの場所に意識が向かった場所から戻って来た時にかなりの時間が経っていたからだ。
流石に創造神との話を二人にすることはしないが、二人には生徒会同士での会談で知り合った王都出身の一年生から聞いたことを話していく。
「じゃ、俺は一旦部屋に戻るから。」
「夕食でな!」
アランとジェイドの二人と別れると、宿の自室に部屋に帰り、部屋の中に入るとすぐに召喚獣を召喚する。
『あのジジイ、ヤバい奴だったのです!』
『召喚玉の中に居る、私たちのことを観察していました。それが感じられましたよ。』
『……強いのに……それが……分からなくて……少し……怖かった。』
召喚したと同時にユキたちは少し怯えているのか、念話の声が震えていた。
大神殿で創造神との遭遇からここまで一時間は過ぎている。だが、それくらい時間が経ってもユキたちからしたら怖かったのかもしれない。
ユキ、シェーレ、サフィ、三匹の召喚獣たちを落ち着かせると、何故そこまで怯えていたのかを聞いた。
どうやら創造神と話していたあの時、創造神は俺の意識だけでは無く、ユキたちが入っていた召喚玉もついでとばかりに連れて来ていたようだ。
話していた間にもユキたちを観察していたようで、更に聖の力を渡す時に何かしらの干渉をしたのでは無いかとも言っていた。
「今のところ何か調子が悪かったり、不調はあるのか?」
『無いと思うです!』
『私も感じません。』
『……元気。』
とりあえず、ユキたちの体調は良いみたいで安心する。けれど、それなら干渉が起きた時に何が起こったのかと不思議に思う。
「もしかしたらユキやシェーレ、サフィも俺が貰った聖の力が使えたりはしないか?こんな感じにさ。」
聖の力を渡された時に使い方もある程度手に入れたアルは聖の力を手のひらから球状にして出した。
『すごいです!でも、私は使えないのです。』
『あるじ様、私も使用出来ません。』
『……使えないよ。』
聖の力を渡された際の干渉だからユキたちも使えるようになっているのかと思ったが、それは違うようだ。
そして、アルが手のひらから聖の力を球状にして出していると、身体の内にある聖の力を溜め込んでいた何かから聖の力が抜けて行くのを感じて、球状の聖の力を消滅させた。
結局、聖の力を受け取った時にユキたちに起こった干渉が何だったのかは分からず仕舞だった。
それからアルは受け取った聖の力がどんな感じかを簡単に調べ始める。
身体の内側に意識を向けて、消費した聖の力の量と溜め込める最大量や聖の力の操作、制御なども調べていった。
『あるじ様、夕食の時間になりますよ。』
「ありがとう、シェーレ。教えてくれて。追加料金を払えば召喚獣の夕食も準備してくれるからな。一度、送還するぞ。」
『昨日も朝も美味しかったから楽しみなのです!』
『私も今日の夕食が何か楽しみです。』
『……ぼくも……楽しみ。』
ユキたちを送還すると、アルは一階にある食堂に移動して行った。
「おーい!アル!話しようぜ!」
「そこまで大きな声を出すな、アラン。アルにも聞こえている。」
大きなアランの声がロビーに響き渡り、ジェイドにアランは注意されている。そんな声を聞きながら、アランに呼ばれたアルは二人の元に向かう。
「二人共、俺を呼んだけど、何かあったのか?」
「外に出てたみたいだからさ。どうしたのかと思って呼んだんだよ。」
「ああ、そう言うことか、大神殿まで観光に行っていたんだよ。」
二人から更に聞くと、アルが宿を出る少し後に二人は一度昼過ぎに宿に帰り、部屋を訪ねて一緒に王都の観光をしようと思っていたようだ。
それを聞いて一緒に観光をして、大神殿に付き合って貰っていたら迷惑を二人に掛けただろうと思う。
創造神が居たあの場所に意識が向かった場所から戻って来た時にかなりの時間が経っていたからだ。
流石に創造神との話を二人にすることはしないが、二人には生徒会同士での会談で知り合った王都出身の一年生から聞いたことを話していく。
「じゃ、俺は一旦部屋に戻るから。」
「夕食でな!」
アランとジェイドの二人と別れると、宿の自室に部屋に帰り、部屋の中に入るとすぐに召喚獣を召喚する。
『あのジジイ、ヤバい奴だったのです!』
『召喚玉の中に居る、私たちのことを観察していました。それが感じられましたよ。』
『……強いのに……それが……分からなくて……少し……怖かった。』
召喚したと同時にユキたちは少し怯えているのか、念話の声が震えていた。
大神殿で創造神との遭遇からここまで一時間は過ぎている。だが、それくらい時間が経ってもユキたちからしたら怖かったのかもしれない。
ユキ、シェーレ、サフィ、三匹の召喚獣たちを落ち着かせると、何故そこまで怯えていたのかを聞いた。
どうやら創造神と話していたあの時、創造神は俺の意識だけでは無く、ユキたちが入っていた召喚玉もついでとばかりに連れて来ていたようだ。
話していた間にもユキたちを観察していたようで、更に聖の力を渡す時に何かしらの干渉をしたのでは無いかとも言っていた。
「今のところ何か調子が悪かったり、不調はあるのか?」
『無いと思うです!』
『私も感じません。』
『……元気。』
とりあえず、ユキたちの体調は良いみたいで安心する。けれど、それなら干渉が起きた時に何が起こったのかと不思議に思う。
「もしかしたらユキやシェーレ、サフィも俺が貰った聖の力が使えたりはしないか?こんな感じにさ。」
聖の力を渡された時に使い方もある程度手に入れたアルは聖の力を手のひらから球状にして出した。
『すごいです!でも、私は使えないのです。』
『あるじ様、私も使用出来ません。』
『……使えないよ。』
聖の力を渡された際の干渉だからユキたちも使えるようになっているのかと思ったが、それは違うようだ。
そして、アルが手のひらから聖の力を球状にして出していると、身体の内にある聖の力を溜め込んでいた何かから聖の力が抜けて行くのを感じて、球状の聖の力を消滅させた。
結局、聖の力を受け取った時にユキたちに起こった干渉が何だったのかは分からず仕舞だった。
それからアルは受け取った聖の力がどんな感じかを簡単に調べ始める。
身体の内側に意識を向けて、消費した聖の力の量と溜め込める最大量や聖の力の操作、制御なども調べていった。
『あるじ様、夕食の時間になりますよ。』
「ありがとう、シェーレ。教えてくれて。追加料金を払えば召喚獣の夕食も準備してくれるからな。一度、送還するぞ。」
『昨日も朝も美味しかったから楽しみなのです!』
『私も今日の夕食が何か楽しみです。』
『……ぼくも……楽しみ。』
ユキたちを送還すると、アルは一階にある食堂に移動して行った。
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