召喚魔法使いの旅

ゴロヒロ

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第138話

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 昼食を食べ終わりレッサーキッズドラゴンとの戦闘の為の確認も済ましたアルは、収納空間にテーブルなどを仕舞っていく。

 とりあえず、今の俺だとサポートしながらだと近接戦闘は出来ないことが分かった。だから、アルは、魔法や闘気弾などでの援護攻撃しか出来ないことをユキたちに伝えてから、もう一度ボス部屋の門を潜り抜けてボス部屋の中に入った。

 ボス部屋に入るとレッサーキッズドラゴンが魔法陣から召喚された。そして最初とは違い、レッサーキッズドラゴンが咆哮を上げる前に先制の一撃をレッサーキッズドラゴンに向かい放ち攻撃した。

 アルの先制の一撃は、闘気を纏わせた剣に、その上から更に風魔法で付与を行ない、剣から闘気の斬撃を飛ばした。

 飛ばした闘気の斬撃は、風魔法の付与で切断力が上がり、現れたばかりのレッサーキッズドラゴンの左の片角と左翼を切り飛ばして飛ぶことを出来なくさせて機動力を落とす。

 ユキが放った一撃は風魔法だった。風をユキの角と同じ形にした弾丸だ。角を使い放った風の攻撃は、ドリルのように回転しながらレッサーキッズドラゴンに進み、右眼を突き刺さる。風のドリルは、眼球を抉りながら目の中を進んでいった。

 シェーレの一撃は鋭い鋏に纏わせた闘気に水魔法を付与した闘気の突きを飛ばす攻撃をした。放たれた突きは真っ直ぐにレッサーキッズドラゴンに突き進み、レッサーキッズドラゴンの右胸に突き刺さる。

 サフィの一撃は最初の時と同じで圧縮水弾だった。それをユキが狙った場所を確認し、ユキの後から攻撃を放った。そして狙い通りに圧縮水弾は目の傷口に命中した。ある程度進んでから圧縮した水が弾けてレッサーキッズドラゴンの目と目の周りが痛々しい状態に変わった。

 「みんな、好きに動いて攻撃だ!」

 レッサーキッズドラゴンが先制攻撃を受けた痛みで叫ぶ中、アルはユキたちに念話を行ない指示を出した。

 その後、すぐに火炎の息吹の対策の為にアルの前面に透明度の高い水の壁を作り、ユキたちの様子を確認しながらサポートを始める。

 アルが指示を出した後、すぐにユキたち召喚獣は動き出した。

 ユキは、痛みに悶え叫ぶレッサーキッズドラゴンに真っ直ぐに進む。

 シェーレは、レッサーキッズドラゴンの失くした右目の死角を利用する為に右側に進む。

 サフィは、ボス部屋のレッサーキッズドラゴンが自由に飛び回れるほど高い空中に移動しながら連射の効く水弾をレッサーキッズドラゴンに放ちながら移動した。

 召喚獣たちの移動が終わり、みんなが攻撃に入るとアルは、他の召喚獣が何処にいるのかを逐一教えて同士討ちにならないようにサポートしながら援護攻撃を魔法でしていく。

 他のことに意識を割いているから威力が低い、それでもレッサーキッズドラゴンに嫌がらせをするくらいには威力があるようだ。

 そして、戦闘はユキがレッサーキッズドラゴンの気を引いて、注意を引かせながら、その角を使ってレッサーキッズドラゴンの身体をドリルのように削り取る。

 シェーレは、死角から近づきダメージの大きな攻撃を与えたり、離れた場所からの衝撃波や飛ぶ斬撃、魔法の攻撃をする。

 サフィは、レッサーキッズドラゴンの頭上からの水弾での攻撃や高圧洗浄機のような水を出し、削るように鱗や皮、翼の皮膜を切断していた。

 ユキにレッサーキッズドラゴンの意識が行き、爪や牙、体当たり、尾撃、火炎の息吹をユキに行なう間にシェーレとサフィが攻撃を当てる。

 その二匹の一撃を受けて、レッサーキッズドラゴンの意識がシェーレに向かえば、ユキとサフィが手痛い攻撃を当てる。

 今度はサフィに意識が向けば、ユキとシェーレがレッサーキッズドラゴンに攻撃を当てる。

 そして、召喚者のアルに意識が向かえば、三匹の召喚獣たちからレッサーキッズドラゴンは攻撃を受けるのだ。
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