8 / 24
第8話
しおりを挟む
地球防衛機構からの防衛開始が告げられると月明かりと生産組が作成した複数の10メートルもある大型の松明からの灯りが照らしているなか、遠く離れた草原と森林の堺に蠢く何かの姿が見え始めて来ていた。
あの蠢いている者たちが吸血鬼世界からの侵略者なのかと目を細め睨み付ける様にして見ていると他の選ばれし者たちも視認したのかザワザワとざわめき始める。
「遠距離攻撃組!攻撃の準備を始めろ!だがまだ攻撃はするなよ!合図を出す!引き付けてからだ!!」
自衛隊の竹中の声が聞こえて後ろをチラッと見ると、そこにはそれぞれの壁の上に乗っている遠距離攻撃を行なう後衛組の姿がそこにはあった。
石や木は兎も角、土の壁の上は乗っても大丈夫なのかと疑問に思うが、しっかりと立っている様子に大丈夫なのだろう。
「なんで背後を見てるのよ!前を見なさいよ!」
そんな背後を見ていた俺に対して睨み付けながら佐藤は言う。そんな佐藤に一言「すまない」と言うと俺は森と草原の境で蠢いていた侵略者が増えて草原にまで広がっている集団へと向いた。
「どれだけいるんだ?」
「ああ、多過ぎるぞ。」
石田と井上の会話を聞きながら2人の言う通り視界に入るだけでも100や200ではない。それに森の方からどんどんと押し寄せて来ているのが見える為、これからどんどんと侵略者の数は増していくのだろう。
地球側のゲートを目指す様にしてどんどんと増える侵略者たちの様子に前衛組は怖気付く者がで始めている様で陣形から向け出してゲートに向かおうとしている者たちがチラホラと出ようとしていた。
だがそんな者たちを止めるのは前衛組の指揮をする自衛隊の一ノ瀬たちだった。
「ここで逃げたらアイツらが日本に来るんだぞ!」「死にたくねぇ!」などと言う声が聞こえるなか、ある程度草原を進んでいた侵略者たちの動きが止まった。
人と同じ形をしている者や犬と思われる侵略者たちが月明かりに照らされているのが見える。
そんな侵略者たちの中でも声は聞こえないが身振り手振りで指揮をしている人型の個体が視認できる。
あれは部隊長とかそんな感じの役割をしているのかと思っていると、再び周りがざわつき始める。
なんだと思って耳を覚まして話し声を聞いていると、石田や井上に佐藤もこのざわつきの原因に対して不安に思っているのか動揺している様子だ。
それもそのはず吸血鬼世界の侵略者たちは空を飛ぶ空中戦力も保有していたからだ。
球体型の何かや蝙蝠と思われる月明かりで黒いシルエットが視界に入る。
空中の侵略者への対策を行なえる遠距離攻撃持ちが前衛組でどれだけ居るのか分からないが、後衛組の遠距離攻撃持ちよりは断然居ないだろう事は分かる。
空中戦力は前衛組では止める事は出来ない。必然的に侵略者の空中戦力を止めて倒すのは後衛組の役割になるだろう。
だがそうなると今度は大量に数としては5000は最低でも居ると思われる地上戦力への遠距離攻撃の殲滅能力が無くなってしまう。
これ、一体どうなるんだと怖じ気ずく者が現れるのは必然だろう。そのせいで前衛組や後衛組の中からゲートへと逃げ出そうとする者が増えて来た。
そうして逃げ出そうとしている者が多くなるなかで、防衛で組む事になった石田、井上、佐藤の3人も超常の力を貰ってあった万能感や全能感と言ったものが無くなったのだろう。
俺の後ろで「逃げよう。」「ここから離れよう。」などと言う声が聞こえて来ていた。
それに対して俺はもうここまで来て逃げられないだろうし、それに防衛を行なわなかった場合、あの地球防衛機構が許すとは思えない。
下手したらあの半グレ集団の様に消されるかも知れないし、そうじゃなくても戦わないのなら力の剥奪くらいはしてくるのではと思ってしまうからだ。
あの蠢いている者たちが吸血鬼世界からの侵略者なのかと目を細め睨み付ける様にして見ていると他の選ばれし者たちも視認したのかザワザワとざわめき始める。
「遠距離攻撃組!攻撃の準備を始めろ!だがまだ攻撃はするなよ!合図を出す!引き付けてからだ!!」
自衛隊の竹中の声が聞こえて後ろをチラッと見ると、そこにはそれぞれの壁の上に乗っている遠距離攻撃を行なう後衛組の姿がそこにはあった。
石や木は兎も角、土の壁の上は乗っても大丈夫なのかと疑問に思うが、しっかりと立っている様子に大丈夫なのだろう。
「なんで背後を見てるのよ!前を見なさいよ!」
そんな背後を見ていた俺に対して睨み付けながら佐藤は言う。そんな佐藤に一言「すまない」と言うと俺は森と草原の境で蠢いていた侵略者が増えて草原にまで広がっている集団へと向いた。
「どれだけいるんだ?」
「ああ、多過ぎるぞ。」
石田と井上の会話を聞きながら2人の言う通り視界に入るだけでも100や200ではない。それに森の方からどんどんと押し寄せて来ているのが見える為、これからどんどんと侵略者の数は増していくのだろう。
地球側のゲートを目指す様にしてどんどんと増える侵略者たちの様子に前衛組は怖気付く者がで始めている様で陣形から向け出してゲートに向かおうとしている者たちがチラホラと出ようとしていた。
だがそんな者たちを止めるのは前衛組の指揮をする自衛隊の一ノ瀬たちだった。
「ここで逃げたらアイツらが日本に来るんだぞ!」「死にたくねぇ!」などと言う声が聞こえるなか、ある程度草原を進んでいた侵略者たちの動きが止まった。
人と同じ形をしている者や犬と思われる侵略者たちが月明かりに照らされているのが見える。
そんな侵略者たちの中でも声は聞こえないが身振り手振りで指揮をしている人型の個体が視認できる。
あれは部隊長とかそんな感じの役割をしているのかと思っていると、再び周りがざわつき始める。
なんだと思って耳を覚まして話し声を聞いていると、石田や井上に佐藤もこのざわつきの原因に対して不安に思っているのか動揺している様子だ。
それもそのはず吸血鬼世界の侵略者たちは空を飛ぶ空中戦力も保有していたからだ。
球体型の何かや蝙蝠と思われる月明かりで黒いシルエットが視界に入る。
空中の侵略者への対策を行なえる遠距離攻撃持ちが前衛組でどれだけ居るのか分からないが、後衛組の遠距離攻撃持ちよりは断然居ないだろう事は分かる。
空中戦力は前衛組では止める事は出来ない。必然的に侵略者の空中戦力を止めて倒すのは後衛組の役割になるだろう。
だがそうなると今度は大量に数としては5000は最低でも居ると思われる地上戦力への遠距離攻撃の殲滅能力が無くなってしまう。
これ、一体どうなるんだと怖じ気ずく者が現れるのは必然だろう。そのせいで前衛組や後衛組の中からゲートへと逃げ出そうとする者が増えて来た。
そうして逃げ出そうとしている者が多くなるなかで、防衛で組む事になった石田、井上、佐藤の3人も超常の力を貰ってあった万能感や全能感と言ったものが無くなったのだろう。
俺の後ろで「逃げよう。」「ここから離れよう。」などと言う声が聞こえて来ていた。
それに対して俺はもうここまで来て逃げられないだろうし、それに防衛を行なわなかった場合、あの地球防衛機構が許すとは思えない。
下手したらあの半グレ集団の様に消されるかも知れないし、そうじゃなくても戦わないのなら力の剥奪くらいはしてくるのではと思ってしまうからだ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる