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第81話
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治癒の実を食べ終わり次に皿に乗っている切り分けた水蜜桃に手を出した。まだ冷んやりとしている水蜜桃を摘んで食べる。口の中に入れて水蜜桃を噛むと桃の香りと共に濃縮された水蜜桃の果汁が口の中一杯に広がっていく
思ったよりも溢れていく果汁に苦戦しながらなんとか飲み込むと止めていた息を吐き出すと口から桃の香りがした
「美味かったけど果汁がやばいな」
『はると、ヒスイにもちょうだい!』
ナビィが念話でしてくる水蜜桃の感想を聞きながらヒスイにも冷えた水蜜桃をあげる
『はると、おいしいね。ヒスイがたべたじめんのよりもこっちのほうがあまいよ』
「そうなのか、ヒスイ」
『うん!』
『もうちゃんと聞いていましたか。ハルト、ヒスイ』
ナビィの長い食レポが終わり水蜜桃を食べていると結界の外にある泉の反対側にある森の茂みがガサガサと動く音がした
「此処にモンスターがくるのか」
『この魔境の主モンスターの可能性が高いですよ。警戒していつでも動ける様にしてください』
水蜜桃が乗せられた皿をアイテムボックスに収納して揺れ動く茂みに警戒していると茂みから真っ白な色をした毛皮のシカが出てきた
「ナビィ、あのモンスターはなんだ?」
『あのモンスターはホワイトディアーですね。しかもレベルが36レベルですよ。あれがこの魔境ゴブリン森林の主モンスターです』
「ゴブリン森林なのに主がホワイトディアーなのか?」
『一番強いモンスターが主になりますから何も不思議ではありませんよ』
ナビィと話しながらホワイトディアーを観察しているとホワイトディアーが俺たちが隠れている結界がある方向をじっと見ている
「ナビィ、ホワイトディアーのやつこっち気づいていないか……あれって」
『気づいていますね。ホワイトディアーから敵意は向けられていませんがいつでも動ける様にはしておいてください。それと今は決っしてホワイトディアーに敵意を向けてはダメですよ』
「分かってる」
『なびぃ、わかった』
俺たちもホワイトディアーを見つめているとホワイトディアーの方からこちらに向けられていた視線を逸らして泉の水を飲み始めた
それから少しの間ホワイトディアーが泉の周辺に生えている薬草を食べ始めて少し経つとまたホワイトディアーは結界内の俺たちをじっと見つめてからこの泉から立ち去っていった
ホワイトディアーが立ち去ってしばらくの間、俺たちはホワイトディアーが去っていった方向を警戒して見つめていたがホワイトディアーは戻ってくる事はなかった
「ふぅ……それにしてもホワイトディアーは結界に気づくんだな。戦闘になるかと焦ったよ」
『感知系のスキルレベルが高いモンスターには流石に気づかれますよ。しかもあのホワイトディアーはハルトよりもレベルが上のモンスターですしね』
やっぱり気づくモンスターがいるかと思いながらひと息つき手に持っていた世界樹の棒をテーブルに立てかけて椅子に座る
「それにしてもこんな魔力が濃い場所にくるモンスターが他にも居るとするとこの泉で過ごす時に張る結界の強度を高くしておかないとな」
『そうですね。少し油断していました。でもホワイトディアーくらい強いモンスターはこの魔境ではいない可能性がありますから大丈夫だと思いますよ』
「どうしてだ?」
『もし居たらあのホワイトディアーが倒しに向かうでしょうからね。いわゆる縄張り争いですよ』
「そうだとしたらなんでホワイトディアーは俺たちに攻撃してこなかったんだ?」
『そうですね。不思議ですね。この泉で争いたくなかったのかも知れませんね』
何であのホワイトディアーは襲ってくる事がなかったのかと思いながらアイテムボックスから水蜜桃の乗った皿を取り出して残りの水蜜桃をヒスイと分けながら食べていった
思ったよりも溢れていく果汁に苦戦しながらなんとか飲み込むと止めていた息を吐き出すと口から桃の香りがした
「美味かったけど果汁がやばいな」
『はると、ヒスイにもちょうだい!』
ナビィが念話でしてくる水蜜桃の感想を聞きながらヒスイにも冷えた水蜜桃をあげる
『はると、おいしいね。ヒスイがたべたじめんのよりもこっちのほうがあまいよ』
「そうなのか、ヒスイ」
『うん!』
『もうちゃんと聞いていましたか。ハルト、ヒスイ』
ナビィの長い食レポが終わり水蜜桃を食べていると結界の外にある泉の反対側にある森の茂みがガサガサと動く音がした
「此処にモンスターがくるのか」
『この魔境の主モンスターの可能性が高いですよ。警戒していつでも動ける様にしてください』
水蜜桃が乗せられた皿をアイテムボックスに収納して揺れ動く茂みに警戒していると茂みから真っ白な色をした毛皮のシカが出てきた
「ナビィ、あのモンスターはなんだ?」
『あのモンスターはホワイトディアーですね。しかもレベルが36レベルですよ。あれがこの魔境ゴブリン森林の主モンスターです』
「ゴブリン森林なのに主がホワイトディアーなのか?」
『一番強いモンスターが主になりますから何も不思議ではありませんよ』
ナビィと話しながらホワイトディアーを観察しているとホワイトディアーが俺たちが隠れている結界がある方向をじっと見ている
「ナビィ、ホワイトディアーのやつこっち気づいていないか……あれって」
『気づいていますね。ホワイトディアーから敵意は向けられていませんがいつでも動ける様にはしておいてください。それと今は決っしてホワイトディアーに敵意を向けてはダメですよ』
「分かってる」
『なびぃ、わかった』
俺たちもホワイトディアーを見つめているとホワイトディアーの方からこちらに向けられていた視線を逸らして泉の水を飲み始めた
それから少しの間ホワイトディアーが泉の周辺に生えている薬草を食べ始めて少し経つとまたホワイトディアーは結界内の俺たちをじっと見つめてからこの泉から立ち去っていった
ホワイトディアーが立ち去ってしばらくの間、俺たちはホワイトディアーが去っていった方向を警戒して見つめていたがホワイトディアーは戻ってくる事はなかった
「ふぅ……それにしてもホワイトディアーは結界に気づくんだな。戦闘になるかと焦ったよ」
『感知系のスキルレベルが高いモンスターには流石に気づかれますよ。しかもあのホワイトディアーはハルトよりもレベルが上のモンスターですしね』
やっぱり気づくモンスターがいるかと思いながらひと息つき手に持っていた世界樹の棒をテーブルに立てかけて椅子に座る
「それにしてもこんな魔力が濃い場所にくるモンスターが他にも居るとするとこの泉で過ごす時に張る結界の強度を高くしておかないとな」
『そうですね。少し油断していました。でもホワイトディアーくらい強いモンスターはこの魔境ではいない可能性がありますから大丈夫だと思いますよ』
「どうしてだ?」
『もし居たらあのホワイトディアーが倒しに向かうでしょうからね。いわゆる縄張り争いですよ』
「そうだとしたらなんでホワイトディアーは俺たちに攻撃してこなかったんだ?」
『そうですね。不思議ですね。この泉で争いたくなかったのかも知れませんね』
何であのホワイトディアーは襲ってくる事がなかったのかと思いながらアイテムボックスから水蜜桃の乗った皿を取り出して残りの水蜜桃をヒスイと分けながら食べていった
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