世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

文字の大きさ
上 下
49 / 109

第49話

しおりを挟む
 手入れを終えた防具をアイテムボックスに仕舞っていると窓の外から鐘の音が聞こえてきた。ヒスイを抱き上げ夕食を食べに一階の食堂に向かう

 「あっ!ハルトお兄ちゃんこっちこっち!」

 食堂に先にいたサーヤが俺の事を呼んでいる。サーヤが座っている椅子のあるテーブルに向かう

 「どうしたんだ?サーヤちゃん」

 「一緒にごはん食べよ!ハルトお兄ちゃんが来ると思ったからお母さんに夕ごはんを持ってきて貰っているから」

 「そうなんだ、ありがとう」

 「ほら!飲み物はわたしが持って来たんだ!」

 サーヤの正面の席に座りサーヤから渡された麦茶が入っているコップを渡された。サーヤと今日あった事を話したりしながら夕食が来るのを待っているとサーヤの母親のサーシャがお盆を持ってこちらに来た

 「お待たせしました。今日の夕食よ」

 「ありがとう!お母さん!」

 サーシャはお盆からサラダとスープ、焼いた肉の乗っている皿を俺とサーヤのテーブルに置いていく

 「冷めない内に食べてくださいね」

 「うん!」

 「はい」

 『「「いただきます」」』

 ウサギの肉をソースを付けて食べたりみずみずしい野菜のサラダを食べるとナビィの食レポが始まりそれを聞きながらヒスイにも夕食を分けたり収納から出した薬草の茎をあげたりしながら夕食を食べ進んでいく

 サーヤと夕食が来る前にしていた話の続きをしながら夕食を食べ終わる頃には夕食を食べに来たお客さんが増えてきた
 
 最後に麦茶を飲み終わり夕食を食べ終わるとサーヤはお手伝いをする様だ

 「お手伝い頑張ってね」

 「うん!じゃあね、ハルトお兄ちゃん!」

 二階にある部屋に戻るとヒスイをテーブルに下ろしてテーブルにヒスイが魔法の練習が出来る様に桶を置いて椅子に座り一息つく

 桶の中に入り魔法の練習をしているヒスイを見ながらゆっくりと腹休めをしていたのを終えて俺もスキルのレベル上げをし始める

 明かりのついていないこの部屋で夜目で視認して魔力感知、気配感知を同時に使い魔法の練習をしているヒスイを観察する

 ヒスイが使う魔力の流れを感知しながら最初は本当に近くにいないと感じられなかった気配感知も少し離れている場所にいるヒスイを今は感知出来る様になった

 ヒスイも魔力がなくなってきたからか身体の粘体の形をうねうねと変えたり伸ばしたりしながら桶に出した水を吸収していく

 そんな様子を見ながらスキルを鍛えていると俺の魔力もだいぶ回復してきた。聖魔法の取得をするか今ある魔法の練習をするのか悩んでいるとナビィが念話をしてきた

 『明日も訓練所を使うのでしたら聖魔法の取得の練習は朝やって今は所持している魔法スキルのレベル上げをしたらいいと思いますよ』

 「そうか?……まぁ、悩んでいたしそうするか。どの魔法がいいとかナビィにおすすめはある?」

 『ありますよ。まず一つ目は拾って貰った折れた治癒の枝を使っての魔法の練習です。この練習では土属性魔力、水属性魔力、木属性魔力、生命属性魔力を使うのでこの四つの魔法の練習が出来ます。二つ目は前に買った野菜や果物を使ってする魔法の練習です。こっちは木属性魔力、生命属性魔力、死属性魔力、聖属性魔力を使いますのでこの三つの魔法の練習になります』

 「どっちの方をやるのがいいんだ?」

 『私としては一つ目ですね。死魔法は余り使わないと思いますから』

 「なら一つ目をするか。どうすればいいんだ?」

 『まずは収納から治癒の枝を出してください。出した治癒の枝に向かい木属性四、生命属性三、土属性二、水属性一の割合で枝から成長するイメージをした魔力を流し込んでください。魔法が成功すれば治癒の枝が成長して葉っぱが生えたり折れた場所から根っこが生えたりしますよ』

 ナビィのやり方の説明を聞きながら魔法でそんな事も出来るのか凄いなと思いながらさっそくやってみる

 アイテムボックスから出した治癒の枝に向かい世界樹の棒を向けてナビィがさっき説明したイメージをしてから放出する魔力を時間が掛かりながらもちゃんとした割合でそれぞれの属性魔力に変換して治癒の枝に流し込んでいく

 少しずつ流していく魔力を多くしながら魔力を流していくと折れた部分から細い根っこが数本生えてきたのが見えた

 「おっ!根っこが生えてきたぞ」

 『ハルト、成功しましたね』

 「あぁ、このまま続けるぞ」

 魔力がなくなってくるまで続けていくと生えた根っこは最初より少し太くなり若葉が数枚生えてきた

 「ふぅ……ナビィ、この治癒の葉っぱは調合に使えるのか?」

 『使えますよ。これはGランクですが魔法スキルや流した魔力量でランクが変わりますからね。でもやっぱり魔境の魔力を使って育つ物よりはランクが低い傾向ですからやっぱり魔法の練習くらいですね』

 「そっかならこの若葉はヒスイにあげるかな」

 『ハルト、今度は枝先に多く魔力を流れる様に操作すると葉っぱがより多く生えてくる様になりますよ』

 「次そうしてみるよ」

 治癒の枝に付いている若葉を取って桶の中に居るヒスイにあげると体内に取り込み吸収しているのが見てわかる

 そんな様子を見ながら瞑想を使用して魔力を完全に回復するまで行いナビィのアドバイスのとおりに治癒の枝に魔力を流して流した魔力を根っこが生えている方ではなく枝先に多く魔力を操作して流していく

 魔力がなくなってくる頃には枝には先ほどよりも多く葉っぱが生えて若葉も成長した物が何枚かあった

 繰り返し行っていくと外から鐘の音が鳴っている事に気づいた。小さな桶をアイテムボックスから出してその中に火魔法の取得により火属性魔力を使える様になり簡単にお湯にする事が出来る様になったからお湯を桶に入れていく

 湯気がたっている桶の中に布を入れて服を脱いで身体を拭いて綺麗にしていく。そんな俺の方を桶から半分身体を乗り出してヒスイが見ていた

 「どうしたんだ?……ナビィ、教えてくれるか」

 『……ヒスイもお湯が使いたいそうですよ』

 「そうか」

 桶を中サイズの桶に近づけて俺は拭き終わったので服を着て浄化魔法を二つの桶、ヒスイ、俺に掛けて健康魔法をヒスイと俺に掛けて寝るためにベットに入る

 「ヒスイ、もう寝るから後片付けお願いね」

 ステータスと念じてステータスボードを確認する


ステータス
名前 ハルト
年齢 15
レベル 10
ジョブ 【棒術士】【見習い魔法使い】
才能
体力 A
魔力量 A
力 A
耐久 A
器用 A
敏捷 A
魔力 A
精神 A
恩恵スキル
【ナビゲーション】【健康魔法レベル3】【ジョブ増加レベル10】
ジョブスキル
棒術士【棒装備時攻撃力小上昇】【棒術スキル経験値小上昇】【能力値力小上昇】【能力値器用小上昇】見習い魔法使い【魔力消費微軽減】【魔力系スキル経験値微上昇】【能力値魔力量微上昇】【能力値魔力微上昇】
変化スキル
【アイテムボックス】【棒術】【精神耐性】
ノーマルスキル
【棒術レベル13】【投擲レベル5】【火魔法レベル 1】【土魔法レベル4】【水魔法レベル4】【木魔法レベル5】【生命魔法レベル4】【死魔法レベル 1】【浄化魔法レベル5】【契約レベル5】【魔力感知レベル12】【魔力操作レベル12】【魔力身体活性レベル4】【アイテムボックスレベル5】【気配感知レベル4】【呼吸レベル9】【歩行レベル8】【回避レベル2】【夜目レベル2】【瞑想レベル7】【集中レベル8】【解体レベル6】【採取レベル6】【調合レベル2】【素材加工レベル6】【魔力回復量増加レベル9】【精神耐性レベル7】

ノーマルスキル【火魔法】
 効果
・スキルレベル相当の火属性の魔力を使う事が出来る

名前 ヒスイ
年齢 2
レベル 10
ジョブ 【見習い粘体士】
才能
体力 B
魔力量 C
力 E
耐久 A
器用 C
敏捷 F
魔力 B
精神 D
恩恵スキル
ジョブスキル
【粘体攻撃時攻撃力微上昇】【粘体術スキル経験値微上昇】【能力値耐久微上昇】【能力値器用微上昇】
変化スキル
ノーマルスキル
【粘体術レベル8】【水魔法レベル6】【生命魔法レベル4】【魔力感知レベル6】【魔力操作レベル6】【吸収レベル7】【酸生成レベル7】【細胞生成レベル7】【魔力回復量増加レベル 1】【打撃耐性レベル3】


 ステータスを確認するとスキルレベルがちゃんと上がっておりヒスイも魔力回復量増加スキルを取得できていた

 「これでヒスイも魔法が多く使える様になったみたいだな」

 『そうですね。ヒスイにもこれでハルトと同じ様に常時魔力を使って鍛えられる様になりましたね』

 「それヒスイにもやって貰うのか……ほどほどにな、ナビィ。……じゃあおやすみ」

 『はい、おやすみなさい』
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん
ファンタジー
 ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。 でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。 こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね! のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界を満喫します~愛し子は最強の幼女

かなかな
ファンタジー
異世界に突然やって来たんだけど…私これからどうなるの〜〜!? もふもふに妖精に…神まで!? しかも、愛し子‼︎ これは異世界に突然やってきた幼女の話 ゆっくりやってきますー

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。

亜綺羅もも
ファンタジー
旧題:「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。今更戻って来いと言われても旦那が許してくれません! いきなり異世界に召喚された江藤里奈(18)。 突然のことに戸惑っていたが、彼女と一緒に召喚された結城姫奈の顔を見て愕然とする。 里奈は姫奈にイジメられて引きこもりをしていたのだ。 そんな二人と同じく召喚された下柳勝也。 三人はメロディア国王から魔族王を倒してほしいと相談される。 だがその話し合いの最中、里奈のことをとことんまでバカにする姫奈。 とうとう周囲の人間も里奈のことをバカにし始め、極めつけには彼女のスキルが【マイホーム】という名前だったことで完全に見下されるのであった。 いたたまれなくなった里奈はその場を飛び出し、目的もなく町の外を歩く。 町の住人が近寄ってはいけないという崖があり、里奈はそこに行きついた時、不意に落下してしまう。 落下した先には邪龍ヴォイドドラゴンがおり、彼は里奈のことを助けてくれる。 そこからどうするか迷っていた里奈は、スキルである【マイホーム】を使用してみることにした。 すると【マイホーム】にはとんでもない能力が秘められていることが判明し、彼女の人生が大きく変化していくのであった。 ヴォイドドラゴンは里奈からイドというあだ名をつけられ彼女と一緒に生活をし、そして里奈の旦那となる。 姫奈は冒険に出るも、自身の力を過信しすぎて大ピンチに陥っていた。 そんなある日、現在の里奈の話を聞いた姫奈は、彼女のもとに押しかけるのであった…… これは里奈がイドとのんびり幸せに暮らしていく、そんな物語。 ※ざまぁまで時間かかります。 ファンタジー部門ランキング一位 HOTランキング 一位 総合ランキング一位 ありがとうございます!

戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。

隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。 婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。 しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……

【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」

まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。 気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。 私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。 母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。 父を断罪できるチャンスは今しかない。 「お父様は悪くないの!  お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!  だからお父様はお母様に毒をもったの!  お願いお父様を捕まえないで!」 私は声の限りに叫んでいた。 心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。 ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 ※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※タイトル変更しました。 旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」

処理中です...