世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

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第31話

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 一階に降りるとサーヤが食堂の席に座っていた。あの初めて見た店員は給仕をしている

 「あっ!ハルトお兄ちゃん!こっちこっち!」

 「わかった、飲み物持ってそっち行くよ。店員さん夕食お願いします」

 「わかりました」

 店員の女性に夕食を頼みカウンターに置かれている麦茶をコップに入れて手を手招いているサーヤの方に向かいサーヤの前の席に座る

 「サーヤちゃん、あの給仕の人は初めて見るけど誰なんだ?」

 「アイラさんだよ!ハルトお兄ちゃんがうちの宿屋に来た日から風邪をひいて休んでいたんだけど今は治ったって!」

 あの人はアイラっていうのか。風邪で休んでいたからいなかったのか。俺も風邪にならない様に起きた後と寝る前に健康魔法を使った方が良さそうだな

 「そうなんだ」

 「うん!ハルトお兄ちゃん、アイラさんが気になるの?」

 サーヤがニヤニヤしながらそう聞いてくる

 「いや、初めて見た人だからだよ。てっきり家族で経営している宿屋かと思ったからね」

 「な~んだそうなんだ。ハルトお兄ちゃんがアイラさんの事を好きなのかと思った」

 「私がどうかしましたか?」

 サーヤと話していると夕食のお盆を持ったアイラがテーブルまで来ていた

 「いや、貴女を初めて見たので誰なのかをサーヤちゃんに聞いていたんですよ。もう風邪は大丈夫なんですか?」

 「そういう事ですか。はい、もう風邪は大丈夫ですよ。私はアイラです。よろしくお願いしますね。ハルトさん」

 「はい、よろしくお願いします」

 そう言ってアイラは夕食のお盆をテーブルに乗せていく。今日の夕食は薄切りにした肉とスライスした飴色のタマネギとサラダ、さまざまな野菜やベーコンを刻んだスープがお盆にはあった

 「今日も美味そうだ」

 「早く食べようよ、ハルトお兄ちゃん!」

 「二人とも召し上がれ」

 『「「いただきます」」』

 そう言ってアイラは給仕の仕事に戻った。薄切りにした肉をまずは食べてみる。その肉は塩胡椒が効いていて美味い。味わって肉を食べてこの肉がウサギ肉に似ている味かなと思ってサーヤに聞いてみる

 「サーヤちゃん、この肉はウサギ肉なのかな?」

 「うん、そうだよ!ステーキもいいけど薄く切ってもおいしいよ、ウサギのお肉!」

 『確かにサーヤさんの言う通りですね。ステーキだと歯ごたえがありますが薄切りにはない。けれどしっかりと肉の味がありこれもまた美味しいです』

 さまざまな具材が入ったスープをスプーンで掬って食べる。多くの具材が入っていてボリュームがある

 『ベーコンや野菜の旨味が染みていますね。具材が多く食べごたえがあって美味しいです』

 夕食を食べ進めている間にどんどん夕食を食べにくるお客さんが大熊亭に入ってくる。食べ終わりごちそうさまと言ってから一息ついて飲み終わったコップをお盆に置いてカウンターに下げてくる。その後を夕食を食べ終わったサーヤもついてくる

 「サーヤちゃんもこの後仕事するの?」

 「うん!手伝うとお小遣いをくれるからお金を貯めるんだ!」

 「そうなんだ」

 「お父さんが冒険者はお金を良く使うって言ってたからね!」

 「じゃあ仕事頑張ってね」

 「うん!」

 サーヤと別れて二階の部屋に戻る

 「この後どうしようか」

 『なら夜目と気配察知のスキルを取得する為の練習をするのはどうですか?』

 「気配察知ってどうするんだ?」

 夜目の為に明かりを消してナビィに気配察知の事を聞く

 『気配察知は生き物の気配がわかる様になるスキルです。ここから一階の食堂にいる人の気配がわかる様になれば取得出来る様になりますよ。まずは気配を感じられる様に意識を無にしてください。本当は目を閉じてやるのが良いのですが夜目の取得もありますからね』

 「よくわからないけど意識や心を無にして辺りの気配を感じる様にすればいいのか?」

 『それでいいですよ。気配察知の取得の説明は難しいですからね』

 ナビィでも説明が難しいなら感覚的な事なのかも知らないな。まあ、とにかくやってみるか。気配察知の取得が出来るのは長くなりそうだな。瞑想の時の様に無にしていきながら辺りの気配を探す様にしてみる。まずは無にしながら気配を探すのが難しく無にする事からまた始める。それなりの時間が経ち暗くなっている部屋に目が慣れて薄っすらと周りが見えてくる様になった

 「周りが少し見えてくる様になったけど夜目って取得が出来てる?」

 『まだ出来てないですよ。目が慣れてきただけでしょうね。夜目のスキルがあればもう少しはっきりと見えてきますよ』

 「そうか」

 これくらいなら転生前も慣れれば見えていたしな。そのまま目を開けて暗くなった部屋を見ながら気配察知の練習をしてかなりの時間が経った。ゴーンと六の鐘が鳴る音がしてスキル取得の練習をやめた

 「お湯貰ってこないとな」

 『気配は感じられませんでしたか?』

 「さっぱりわからない」

 『説明が下手ですみません』

 「いいよ、お湯貰いに行くよ」

 中サイズの桶を取り出して一階の食堂に向かう。食堂にはサーシャとアイラの二人とまだ食べているお客さんがいた。桶を持って食堂に入るとアイラがこちらに気がついた

 「ハルトさん、お湯ですか?」

 「はい」

 「なら少し待っていてくださいね」

 桶をアイラに渡してお湯の代金を取り出して受け付けカウンターに置いておく。少し待ちお湯を持ったアイラが戻ってきた

 「お湯ですよ、ハルトさん」

 「ありがとうございます、代金はカウンターに置いてあります」

 「わかりました。おやすみなさい」

 「はい、おやすみなさい」

 桶を持って階段を上がり部屋に戻る。桶ををテーブルに置いて身体を布で拭いて綺麗にする

 「そういえばさ。朝、昼食を買う時に市場で買った物の中の青い果実と白いイチゴみたいな奴はどんな果実なんだ?」

 『青い果実はクゥスの実ですね。柑橘類の果実です。白い方はホワイトベリーといいます。酸っぱさ控えめなイチゴです』

 「美味しいのか?」

 『どっちも美味しいですよ』
 
 朝の謎だった果実の事を聞きながら身体拭き終わりその後は桶をそのままに服を着てベットに座る

 『まだスキルの練習をします』

 「いや、ステータスを見てから今日はもう寝るよ」
 
 『そうですか?』
 
 「今日はもう寝るよ」

 ステータスと念じてステータスボードを出す

名前 ハルト
年齢 15
レベル 7
ジョブ 【なし】 【なし】
才能
体力 A
魔力量 A
力 A
耐久 A
器用 A
敏捷 A
魔力 A
精神 A
恩恵スキル
【ナビゲーション】【健康魔法レベル2】【ジョブ増加レベル7】
ジョブスキル
変化スキル
【アイテムボックス】【棒術】【精神耐性】
ノーマルスキル
【棒術レベル6】【投擲レベル1】【土魔法レベル1】【水魔法レベル2】【木魔法レベル1】【生命魔法レベル1】【浄化魔法レベル1】【魔力感知レベル7】【魔力操作レベル8】【アイテムボックスレベル2】【呼吸レベル3】【歩行レベル2】【瞑想レベル4】【集中レベル5】【解体レベル3】【採取レベル3】【素材加工レベル3】【魔力回復量増加レベル1】【精神耐性レベル5】
 

【投擲】
 効果
・物を投げる投げた物の威力、距離、命中率がレベルに応じて上がる

【浄化魔法】
 効果
・スキルレベル相当の浄化魔法を使う事が出来る

【魔力回復量増加】
 効果
・スキルレベルに応じて魔力の回復量が増える


 ステータスボードを確認するとレベルが上がっていて投擲と浄化魔法が新しく追加されていた
 
 「結構レベルやスキルレベルも上がってるし投擲や浄化魔法も取得出来ているな」

 『どちらも取得出来ていてもおかしくないくらいでしたからね』

 「でも浄化魔法は嬉しいな。さてと水飲んでから寝るかな」

 テーブルにあるコップに水魔法を世界樹の棒を使って飲む事が出来る水を多くの魔力を使って出していく。出した水を飲むと普通の水だった。コップを置いて健康魔法を身体に使ってから棒を置いてベットに横になり目を閉じて眠る用意をする

 「今日は疲れたなおやすみ、ナビィ」

 『おやすみなさい、ハルト』

 横になっているとすぐに眠気がきて寝てしまった

 

 
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