世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

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第20話

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 防具を脱いで着替えて大熊亭の一階に降りてサーヤの所に戻る

 「ハルトお兄ちゃんはこれからお昼ごはんなの?」

 「そうだよ。サーヤちゃんはもう昼食食べた?」

 サーヤは首を横に張って答えた

 「まだだよ!これから食べようとしてたからだからハルトお兄ちゃんも一緒に食べない?」

 「いいよ」

 「やったー!今日のお昼はね。ボアのステーキ、ベーコンパスタ、ウサギのシチューなんだよ!わたしはベーコンパスタ食べようと思うけどハルトお兄ちゃんはどれ食べたい?」

 (どれも美味しいだろうしナビィはどれ食べたい?)

 『ウサギのシチューは昨日食べたのでボアのステーキかベーコンパスタですね。両方食べてみたいですからハルトがこの二つから選んでください』

 ステーキかパスタか、俺はどっちでもいいけどパスタにするか

 「じゃあ俺もベーコンパスタにしようかな」

 「じゃあお父さんに頼んでくるね!」

 厨房にサーヤは走って向かい母親のサーシャに怒られていた。食堂の空いている席に座り待つとコップを二つ持ってサーヤがこちらに来た

 「パスタ頼んできたよ。はい!これポルゴ水」

 「ありがとう」

 サーヤは俺の前の席に座り午前中の依頼について聞いてきた

 「ハルトお兄ちゃん、今日は冒険者ギルドでどんな依頼を受けたの?」

 「ラット、ラビット、スライムの狩猟依頼だよ」

 依頼の内容を教えると目を輝かせていた

 「おお!ねーモンスター強かった?」

 「少し攻撃を受けたけど余裕に倒せたよ」

 「そうなんだ!わたしも大きくなったら冒険者になるんだ!お父さんもお母さんも冒険者だったんだよ!」

 「そうなんだ。おっ、ベーコンパスタが来たみたいだ」

 サーヤの母のサーシャが二つの皿を持ってこちらに来た

 「二人ともベーコンパスタだよ」

 「ありがとうお母さん」

 「おお、美味そうだ」

 「美味そうじゃなくて美味しいだよ!ハルトお兄ちゃん」

 「美味しいですから冷めないうちに食べくださいね……いらっしゃいませ」

 新しくお客さんが来たようでサーシャはそちらに向かった。ベーコンパスタはカリカリまでは焼いていないベーコンとほうれん草が入っているパスタだ。目の前の皿からはニンニクの香りがする

 『ベーコンとほうれん草のパスタですか。ニンニクの香りもしていますね。食欲が誘われます』

 『「「いただきます」」』

 「美味しいな」

 「でしょ!美味しくてどんどん食べれちゃうんだから」

 『口に入れるとニンニク香りベーコンのしょっぱさがほうれん草に良くあってパスタも美味しいですね』

 パスタを食べ進めていくと午後はどうするのかサーヤは聞いていた

 「ハルトお兄ちゃんはこれからどうするの?」

 「冒険者ギルドで資料を見にいくよ。サーヤちゃんは」

 「わたしはお手伝いしてから友達と遊びにいくよ!」

 パスタを食べ終わりポルゴ水で口をさっぱりさせる

 『「「ごちそうさま」」』

 皿とコップを下げて昼食でどんどん人が多くなってきた食堂を出る

 「じゃあ冒険者ギルドに行くよ」

 「いってらっしゃいハルトお兄ちゃん」

 「いってくるよ」

 サーヤに見送られながら大熊亭を後にして冒険者ギルドに向かう。冒険者ギルドは人が昼食時だからか人が少なく列に並ばなくて済む受け付けに向かう。今は受け付けにはセシリアは居らず子供の様な女の子の受付嬢の所には列がなく受け付けを並ばずに済んだ

 「今日は何の御用でしょうか?」

 「資料室に行きたいですけど大丈夫ですか」

 「資料室に入るには銀貨3枚です」

 銀貨を3枚取り出して受け付けのカウンターに置く。銀貨を受け取り受付嬢は木札を取り出して渡してきた

 「これの木札を資料室にいるギルド職員にお見せください。資料室の場所はわかりますか?」

 「わからないです」

 「じゃあ案内しますね」

 「お願いします」

 冒険者ギルドの奥にある資料室に案内される。資料室は小部屋で一人のお爺さんの職員がいるだけだった

 「魔境の資料を読みたいですけど」
 
 「ちょっと待っててね。これが魔境ゴブリン森林の資料だよ。破ったり汚したら罰金が発生するから気をつけてね」

 そう言ってお爺さんは資料を渡して本を読み始めた。渡された資料を持ち空いているテーブルに資料を置き椅子に座り資料を読む。資料には魔境ゴブリン森林に生息するモンスターの情報や採取できる植物などの情報が書いてあった

 (ゴブリン森林って名前の魔境だからゴブリンのみが現れる所なのかと思ったよ)

 『ゴブリン種のモンスターが多い魔境なのでしょうね。過去に起きたスタンピードでもゴブリン種のゴブリンジェネラルがボスとして現れた様ですしね。ゴブリン種は繁殖力も高いので油断するとスタンピードが起こりやすいモンスターですから』

 (なるほどな。採取物もいろいろあるな)

 『回復ポーションに使うことができる快癒草や魔力ポーションに使う魔力草ら体力回復のポーションに使うスタミナ草などもありますし食用可能な野草や果物もありますね』

 (ポルゴ水で使われたポルゴの実なんかもあるな)

 『さすがに植物の自生地は書いてありませんね。ですがゴブリン森林の簡単な地図はありますね』

 この地図にはゴブリン森林は真ん中くらいから5メートルの崖で二つに分かれていて崖の上にある場所に大きな泉がありその泉が崖から滝になってそこから川になりゴブリン森林から流れていた川の様だ

 (崖を登らないと泉には行けないのか)

 『崖などの高い場所を登るスキルに登攀スキルがありますからそのスキルを取得する練習になりますね』

 (出てきて厄介なのはクマのモンスターやイノシシのモンスターの他にはゴブリンの上位種くらいかな)

 『そうですね。ゴブリンの上位種には武器スキルや魔法を使えるゴブリンがいますからね。その個体には注意が必要でしょうね』
 
 魔境ゴブリン森林の資料を読みナビィと話し合いながらゴブリン森林の情報を得た。一時間以上が経って魔境ゴブリン森林の資料をギルド職員に返して冒険者ギルドから出た

 『次は薬師ギルドですね』

 (ポーションの作り方はナビィが教えてくれるから大丈夫だよな)

 『はい分かりますよ。ですがポーションを入れる瓶を薬師ギルドで購入しないといけませんね』

 (そっか入れる瓶があったな)

 広場にある市場の屋台を眺めながら進んでいき薬師ギルドに着いて中に入った。薬師ギルドの中は人が少なく列に並ばなくてもすぐに自分の番がきた

 「本日は何の御用でしょうか」

 「調合室を借りたいんだけど大丈夫ですか」

 「ギルドカードを出してください」

 薬師ギルドのギルドカードを取り出してギルド職員の受付嬢に渡す

 「仮登録の方ですね。銀貨1枚です」

 銀貨1枚を受け付けカウンターに置く。受付嬢は鍵を取り出してカウンターに置く

 「これが調合室の鍵と砂時計です。この調合室は2号室の鍵ですので2号室をお使いください」

 そういえば作ったポーションを入れる瓶が必要だったな

 (ナビィ、ポーション用の瓶ってどれくらいの数が必要何だ)

 『値段によりますがまたポーションを作るでしょうから100本買えばいいのではないでしょうか』

 「あのポーションを入れる瓶が欲しいのですけどここで買えますか?」

 「買えますよ。空のポーション瓶は一つ大銅貨1枚です」

 「100本ください」

 「わかりました。大銀貨1枚です。今持ってきますね」

 受付嬢が瓶を持ってくるまでの間に大銀貨1枚を取り出してカウンターに置いておく。待っていると台車に箱を乗せてやってきた

 「ポーション瓶100本持ってきました。代金はありますね」

 「すいません。調合室にポーション瓶を持って行きたいので台車借りてもいいですか」

 「構いませんよ。使い終わったら返してくださいね」

 「ありがとうございます」

 「調合室にある物は使って構いませんけど清掃と片付けはお願いします」

 「わかりました」

 台車を引きながら調合室に向かった
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